【米国株】2026年8月17日週 トレード戦略

投資戦略

3行まとめ

  1. 内部は改善し、外部は悪化した週。
    参加銘柄の広がりは5系列すべてが改善した一方、長期金利と消費指標は悪化した。指数の強さより、金利がどこまで近づいたかを優先して見る。

  2. 今週の焦点は、議事要旨と小売7社、そしてホルムズ。
    8/20(木) 03:00 JST の FOMC 議事要旨、HD から ROST まで並ぶ小売7社、日程未定のホルムズ関連ヘッドラインの3つ。CPI・雇用統計・FOMC 本会合はなく、NVIDIA とジャクソンホールも週の外。

  3. モデルはリスク資産を 1pt だけ増やす。
    コアを厚くし、防御は Healthcare へ寄せる。ただし10年債の警戒ラインが目前にあるため、バジェットの上限までは取らない。

今週のアクション

以下はモデル配分例です。実際の売買判断は、各自のリスク許容度、税務状況、保有銘柄を踏まえて調整してください。

今週は株式・コモディティを 77%、現金・短期債を 23% にする。前週の 76% から +1pt だけ増やし、変更は QQQ と XLV を増やし、XLP と DIA を減らす ことに絞る。

カテゴリ合計: コア 38% / 防御 21% / テーマ 18% / 現金 23% = 100% (リスク資産 77%)

ETF 前週 今週 変化 実行タイミング 意図
SPY (コア指数) 21% 22% +1% 月曜寄り想定 週足終値ベースの史上最高値更新と、Breadth 200MA の連続上昇を評価
QQQ (コア指数) 5% 7% +2% 水曜 ADI 通過後 史上最高値まで -2.64% へ縮小。ただし上昇の中身は投機的なので待つ
DIA (コア指数) 10% 9% -1% 月曜寄り想定 Dow だけが下落し反転バー。週足安値が終値の 0.21% 下にある
XLV (防御セクター) 12% 14% +2% 月曜寄り想定 Healthcare の参加率 41.96% は買われ過ぎ帯。防御の中身をここへ寄せる
XLP (防御セクター) 10% 7% -3% 水曜までに段階的 Consumer Defensive の参加率が低下。WMT を含む枠なので木曜前に軽くする
GLD (テーマ/ヘッジ) 13% 13% ±0% 新規執行なし 手描き線 4,415.0 を初めて終値で上抜けたが、上ヒゲ 50.0% で勢いは鈍化
XLE (テーマ/ヘッジ) 5% 5% ±0% 新規執行なし Energy は1週で急騰し追随には遅い。一方で決裂側の上方リスクは残る
BIL (現金・短期債) 24% 23% -1% 月曜寄り想定 悪化側8条件のうち7条件が遠のいたぶんだけ圧縮。BIL $91.53

+2pt を取らない理由: 10年債 4.708% まで残り 2.8bp で、全トリガー中もっとも近い悪化条件だからです。バジェットの拘束条件は信用取引残高の膨張で、上限 78% は取りません。

$100K ポートフォリオ例: SPY $22,000 / QQQ $7,000 / DIA $9,000 / XLV $14,000 / XLP $7,000 / GLD $13,000 / XLE $5,000 / BIL・現金 $23,000

フェーズ判定

現在は Base (上位)。前週の Base (下位) から、Base 帯の内部で1段階だけ上げています。昇格・差し戻しの条件はこう置いています。

  • Risk-On へ昇格 — 4つのうち3つ成立: 10年債 4.600% を終値で2日連続下回る / Uptrend Ratio 30% を終値で維持 (成立中) / NDX 30,839.1 終値上抜け / Russell CFD 3,069.2 終値上抜け
  • 昇格の拒否権: 10年債 4.708% 終値上抜け、または 30年債 5.30% 終値上抜け が成立中のあいだは上げません
  • Caution へ差し戻し — 4つのうち2つ成立: Uptrend Ratio 27.0% 終値割れかつ10MA が2データ点連続で低下 / セクター上昇比が 5以下へ悪化 / VIX 17超を終値ベースで2日連続 / 10年債 4.708% 終値上抜け
  • Stress へ引き下げ — 4つのうち2つ成立: VIX 23超を終値ベースで2日連続 (26超はザラ場で確認し即時扱い) / SPX 7,232.1 を終値2日連続割れ / Breadth 8MA が 200MA を下抜け / Uptrend Ratio 21.0% 終値割れ

前週は Breadth 8MA 73% と VIX 14.00 割れを昇格条件に置いていましたが、どちらも過熱側の指標で「過熱するほど昇格しやすくなる」ため、NDX と Russell の水準へ差し替えました。拒否権の2条件は今週の新設です。

売買レベル

対象 買いレベル 上値目安 防衛ライン
S&P 500 7,716.2 (週足安値、SPY ≈ $769.4) / 7,636.4 (手描き線) 7,798.99 (8/13 の史上最高値終値) → 7,816.5 (SPY ≈ $779.4) 7,636.4 を終値割れ → 7,531 → 7,370
Nasdaq 100 29,424.6 (週足安値、QQQ ≈ $716.0) / 28,245〜28,402 30,183.6 (週足高値) → 30,839.1 (QQQ ≈ $750.4) 29,424.6 を終値割れ → 29,120 方向
Dow / Russell Dow 52,359〜52,400 / IWM $305.09 近辺 Dow 54,236.3 → 54,736.3 / Russell CFD 3,069.2 上抜けでブレイク確定 Dow 53,621.3 を終値割れ = 今週の最優先 / Russell CFD 3,063.9 割れで騙し確定
WTI 原油 供給ショック側にリスクが偏るため買い下がりは非推奨 82.87 (手描き線、上ヒゲ 32.6% で拒否) → 84.61 → 86.79 77.79 を終値割れ = 週足安値の喪失
金先物 (GC) / GLD GC 4,365.5 (GLD ≈ $395.5) → GC 4,290〜4,320 GC 4,415.0 の維持が反転継続の条件 → GC 4,509.1 GC 4,415.0 を終値割れ → 4,290〜4,320 まで調整

データ時点: 2026/8/14(金) 終値
SPX 7,785.76 / NDX 30,046.14 / DJI 53,732.41 / RUT 3,068.42 / SPY $776.34 / QQQ $731.07 / DIA $536.80 / IWM $305.09 / GLD $401.48 / TLT $82.04 / BIL $91.53 / XLE $61.91 / XLP $86.09 / XLV $167.37 / URA $44.93 / VIX 14.25 / 10Y 4.680% / 30Y 5.250% / GC $4,432.10 / WTI $82.40 / 銅 HG $6.613

重要イベント

JST ET イベント 重要度 見るポイント
8/17(月) 21:30 8/17 8:30 NY連銀 製造業景況指数 前回 15.6 / 予想 10.2 NY Fed
8/17(月) 23:00 8/17 10:00 NAHB 住宅市場指数 前回 34 / 予想 33。HD の決算前日に8月分へ更新 NAHB
8/18(火) 21:30 8/18 8:30 住宅着工 / 建設許可 着工 前回 142.7万戸 / 予想 135.0万戸。HD・LOW への直接の逆風 Census
8/18(火) 22:15 8/18 9:15 鉱工業生産 / 設備稼働率 (G.17) 生産 前回 +0.1% / 予想 +0.3%。市場に影響しうる Fed 掲載分2件のうちの1件 (日次の CP・H.15、週次の H.4.1・H.8・H.10 等の定例統計は除く) Fed G.17
8/20(木) 02:00 8/19 13:00 20年債入札 前回落札 5.163%。不調なら1時間後の議事要旨をタカ派に読ませる下地 TreasuryDirect
8/20(木) 03:00 8/19 14:00 7/28-29 FOMC 議事要旨 最重要 論点は利上げ議論がどこまで具体化していたか。10年債 4.708% 上抜けが最悪の反応
8/20(木) 21:30 8/20 8:30 新規失業保険申請 + フィラデルフィア連銀製造業 申請 前回 20.9万件 / 予想 21.0万件。フィリー 前回 41.4 / 予想 25.3 DOL / Philly Fed
8/21(金) 02:00 8/20 13:00 30年 物価連動債 (TIPS) 入札 前回落札 2.473%。入札で直接わかるのは実質利回りで、同年限の30年名目債との差からブレークイーブンを推定できる
8/21(金) 22:45 8/21 9:45 S&P Global 総合PMI 速報 総合 前回 54.5 / 予想 53.2。投入価格指数で原油高の波及が測れる S&P Global

決算 (release / call を分離、公式IRで裏取り)

ティッカー 日付 (ET) release call / webcast (ET → JST) 公式IR
FNFabrinet 8/17(月) AMC・時刻未明示 call 17:00 ET → 8/18(火) 06:00 JST IR
BHPBHP Group 8/17(月) 夜 FY26 通期。公式は 8/18(火) 8:30 AEST の寄り前表記で、ET の公式時刻は未明示。ET 換算は 8/17(月) 18:30 頃 投資家ブリーフィングは結果発表後・時刻未明示 IR
HDHome Depot 8/18(火) BMO・時刻未明示 call 9:00 ET → 8/18(火) 22:00 JST IR
KEYSKeysight 8/18(火) AMC・時刻未明示 call 16:30 ET → 8/19(水) 05:30 JST IR
ADIAnalog Devices 8/19(水) release 7:00 ET → 8/19(水) 20:00 JST call 10:00 ET → 8/19(水) 23:00 JST IR
TGTTarget 8/19(水) BMO・時刻未明示 call 8:00 ET → 8/19(水) 21:00 JST IR
EL Estée Lauder 8/19(水) BMO・時刻未明示 webcast 8:30 ET → 8/19(水) 21:30 JST IR
LOWLowe’s 8/19(水) BMO・時刻未明示 call 9:00 ET → 8/19(水) 22:00 JST IR
TJX TJX 8/19(水) 9:30 ET より前・時刻未明示 call 11:00 ET → 8/20(木) 00:00 JST IR
WMTWalmart 8/20(木) release 7:00 ET → 8/20(木) 20:00 JST call 8:00 ET → 8/20(木) 21:00 JST IR
BABAAlibaba 8/20(木) BMO・時刻未明示 call 7:30 ET → 8/20(木) 20:30 JST IR
DEDeere 8/20(木) BMO・時刻未明示 call 10:00 ET → 8/20(木) 23:00 JST IR
ROSTRoss Stores 8/20(木) AMC・公式は「約 16:00 ET」の表記のみ call 16:15 ET → 8/21(金) 05:15 JST IR

先週の焦点はこう決着しました: 前週が「最も警戒すべき連鎖」とした CPI 上振れ → 入札不調 → 株安は不発でした。7月 CPI はコア前年比 2.5% とコンセンサス一致、7月 PPI も前月比 0.0%。10年債入札は落札 4.683% で無難に通過。ただし 30年債入札だけは落札 5.216% と2001年以来の高利回りでテールを伴い、超長期側だけ部分的に実現しました。今週の20年債入札と30年 TIPS 入札がその追試になります。

シナリオ別プラン

8/17(月)〜8/21(金) の通常5営業日で、米国の休場はありません。月曜は中インパクト2件のみ、8/19(水) が最大の集中日、8/21(金) は8月標準満期という中盤集中型です。確率は筆者個人の推定値で、3レポートの統合、前週トリガーの進捗、過去の反応パターンに基づく主観的判断です。

前週トリガーの進捗: 前週の Tail は SPX 7,325 の20週線帯を終値割れ かつ VIX 23超を終値ベースで2日連続 の2脚で、どちらも未成立のままです。前々週の補助水準だった WTI 93.50 終値上抜け と10年債 4.806% 終値上抜けは、いずれも前週より距離が縮まりました。

Base: 高値圏でのレンジ形成とリーダー交代の継続

筆者推定: 46%

参加銘柄の広がりが機械的に下支えされているケースです。Breadth 200MA が上昇を止めるには生値が 17pt 崩れる必要があり、今後4週間は成立しません。一方で上値も重く、S&P の週足は実体が値幅の 26.8% しかない事実上の同時線、Dow は反転バーでした。加速も崩壊もしにくい構造です。

トリガー: SPX 7,716.2 を終値で維持 + NDX 29,424.6 を終値で維持 + VIX 17超を終値ベースで2日連続にならない + 10年債が 4.60〜4.708% のレンジ内 (終値) + Uptrend Ratio 30% 以上を維持

アクション: 上記のモデル配分を据え置き。コア 38% / 防御 21% / テーマ 18% / 現金 23%

Risk-On: NDX が史上最高値を奪回し Russell がブレイク確定

筆者推定: 24%

NDX の史上最高値までの距離は -3.62% から -2.64% へ縮小し、Russell は手描き線に到達しました。ただし半導体の内部分裂と小売7社の集中という逆風が同時にあるため、加速の確度は前週より下がっています。

トリガー (下記のうち2つ以上が終値ベースで成立): NDX 30,839.1 終値上抜け / Russell CFD 3,069.2 終値上抜け / SPX 7,816.5 終値上抜け / 10年債 4.600% を終値で2日連続下回る / VIX 14.00 終値割れ

単独成立では不十分です。とくに Russell CFD 3,069.2 の単独成立は、今週の突破幅が +0.013% にとどまった実績を踏まえると騙しの可能性が高いと見ます。Russell を数えるときは CFD 系列を使い、FMP の RUT 3,068.42 と混同しないでください。

カテゴリ 変更
コア 38%→41%。SPY 22→23、QQQ 7→9。DIA 9% は維持
防御 21%→20%。XLP 7→6、XLV 14% は維持
テーマ 18% 維持。金利低下は金の追い風のため GLD 13% は削らない
現金 23%→21%

合計 41 + 20 + 18 + 21 = 100%、リスク資産 79%。2条件を確認した翌営業日以降の寄りで分割執行を想定します。

Caution (警戒): Dow 主導の調整と小売決算の失望

筆者推定: 21%

前週の 19% から +2 です。引き上げの理由は3つあり、いずれも前週にはありませんでした。10年債 4.708% が残り 2.8bp であること、Consumer Cyclical の参加率が自身の10MA を 3.08pt 下回った状態で小売の決算が集中すること、そして Dow の週足安値 53,621.3 が終値のわずか 0.21% 下にあることです。

トリガー (いずれか1つで発動)

  • 単日確定 — 確認翌営業日の寄り: Dow 53,621.3 終値割れ / SPX 7,716.2 終値割れ / NDX 29,424.6 終値割れ / 10年債 4.708% 終値上抜け / 30年債 5.30% 終値上抜け / WTI 77.79 終値割れ
  • 終値2日確定 — 2日確認後の翌営業日寄り: VIX 17超を終値ベースで2日連続 / Uptrend Ratio 27.0% 終値割れかつ10MA が2データ点連続で低下
カテゴリ 変更
コア 38%→31%。SPY 22→19、QQQ 7→4、DIA 9→8
防御 21%→22%。XLV 14→15、XLP 7% は維持
テーマ 18%→17%。GLD 13% は維持、XLE 5→4
現金 23%→30%

合計 31 + 22 + 17 + 30 = 100%、リスク資産 70%。GLD を維持するのは、株安主導でも金利主導でも株式ベータが低く相対的な下支えになるためです。

Tail Risk (テールリスク): 20週線割れとボラティリティ・ショック

筆者推定: 9%

前週から据え置きです。据え置きに戻した理由は2つあります。第一に、VIX 14.25 が10営業日の実現ボラ 11.64%+2.61pt 上回り、前週の「保険が過少に価格づけられている」という歪みが解消したことです。ただし VIX は30日先の予想、実現ボラは過去10営業日の後ろ向き計測で期間も向きも違うため、厳密な計測ではなく参考シグナルとして扱ってください。実現ボラが 11.64% まで落ちたこと自体は、ショック時の再評価幅を大きくする方向に効きます。第二に、SPX 20週線 7,370 までは -5.34% あり、1週で到達するには週足 -5% 級の下落が必要です。

トリガー (2脚のAND、片脚のみでは成立しません): SPX 7,370 の20週線帯を終値割れ — かつ — VIX 23超を終値ベースで2日連続。VIX 26.00 超のザラ場プリントは、上記に関わらず即時確認として扱います。

経路の識別: 金利経路は 30年債 5.30% 終値上抜けが起点。消費経路は WMT の通期ガイダンス下方修正、または HD・LOW・TGT を含む3社以上のガイダンス引き下げが起点。供給ショック経路は WTI 82.87 終値上抜けかつ GC 4,415.0 維持が起点です。

アクション: 緊急防御モードとして、コア 20% (SPY 13 / QQQ 0 / DIA 7) / 防御 22% (XLV 15 / XLP 7) / テーマ 16%(GLD 14 / XLE 2) / 現金 42%。合計 100%、リスク資産 58%。2脚の成立を終値で確認したあと、翌営業日の寄りで分割執行を想定します。VIX 26 超のザラ場プリント時は、2脚の確認を待たずザラ場でのリスク削減を優先検討します。

供給ショック経路の場合だけ XLE は 5% 据え置きとし、その分を現金で調整します。コア 20% / 防御 22% / テーマ 19% / 現金 39%、リスク資産 61%。なお TLT $82.04 は金利経路のヘッジには使えません。30年債の上昇が起点である以上、長期債は価格下落側に立つため、主ヘッジは現金・短期債 39〜42% と XLV 15%、GLD 14% で表現します。

確率合計: 46% + 24% + 21% + 9% = 100%

マーケット状況

指標 現在値 判断
VIX 14.25 6ヶ月最安終値を更新したとみられます。ただしこれは前週の計算を前提にした導出値で、日次終値履歴を今週独立取得してはいません。前週時点の判定は「直近126営業日の最安終値」で、今週はそれを 0.65pt 下回っています。週足移動平均4本すべてを下回り、手描き下限 14.00 まで -1.75%
10年債 / 30年債 4.680% / 5.250% 今週最大の悪化要因。前週比 +3.0bp / +6.0bp で、極限 4.60% を上回る幅は +8.0bp へ拡大。30年債は分水嶺 5.30% まで 5.0bp
Breadth 200MA 62.57% (8/13 CSV) 健全を維持し、44営業日連続で上昇。失速を待つ戦術は今後4週間トリガーになりません
Breadth 8MA 72.63% (8/13 CSV) 2026年 YTD 最高値。買われ過ぎ 73% まで 0.371pt で、前週の「到達しない」判定は覆りました。ただし必要な生値 74.30% 超は2026年の154営業日で1日だけで、到達する見込みではありません
Uptrend Ratio 32.91% GREEN (8/14 CSV 時点、日次更新) 先行指標。中立帯を抜けてやや強気帯 (30〜37%) へ。10MA は9データ点連続で上昇し、上昇の傾きは反転開始以来で最大。メガキャップ8銘柄のうち6銘柄が下落した週に指数が上昇しており、CSV 以外からも裏づけられます。ただし 30% 超はまだ3データ点
S&P 500 7,785.76 (週 +0.36%) 週足終値ベースの史上最高値更新。日次の史上最高値終値は 8/13 の 7,798.99 で、8/14 終値はその 0.17% 下。週足は実体が値幅の 26.8% の同時線
Nasdaq 100 30,046.14 (週 +1.09%) 前週の劣位判定は撤回。ギャップを埋めたあと下ヒゲ 46.8% の反転バー。ただし上昇はネオクラウド急騰の寄与が大きく、中身は投機的
Dow / Russell DJI 53,732.41 / RUT 3,068.42 Dow は上ヒゲ 44.9%・安値圏引け・高値更新失敗の反転バー。Russell の RUT 3,068.42 は史上最高値終値だが、手描き線の突破判定は CFD 系列で行い、CFD 3,064.3 の超過は +0.013% で未決
金 (GC) / GLD GC $4,432.10 / GLD $401.48 手描き線 4,415.0 を調整開始以来はじめて終値で上抜け。ただし上ヒゲがちょうど 50.0% で、前週の大陽線からは失速。移動平均は 50週線 4,235 < 10週線 4,290 < 20週線 4,320 の順
WTI / 銅 (HG) WTI $82.40 (週 +5.40%) / HG $6.613 WTI は +1.75% の上放れギャップが未充填。銅がほぼ横ばいなのに Copper 株が -5.21% と崩れており、今週のエネルギー高はリフレではなく原油固有の要因です。週間インダストリー首位は原油ではなく Computer Hardware +16.03% でした

セクター・コモディティ戦術

資産 方針 コメント
XLE (エネルギー) 5% 維持 Energy の参加率が1週で +29.68pt と全11セクター最高へ。前週 Basic Materials が首位から10位へ落ちた直前と同型で、追随には最悪の部類。一方で決裂側の上方リスクは残るため据え置き
GLD / 金先物 13% 維持 手描き線 4,415.0 の上抜けは前進だが、上ヒゲ 50.0% で上値の重さも同時に確認。金利上昇局面で +0.74% は「維持」であって「加速」ではない
銅 / 産業金属 新規は見送り 原資産が横ばいなのに Copper 株 -5.21%、Aluminum -2.07%。前週まで置いていた銅 6.1615 割れは、今週チャートが未提供で裏取りできないためトリガーから外し、監視のみへ降格。未検証の水準を発動条件に残さない
URA (ウラン) / 電力 回避継続 前週の急騰から完全に横ばい。テーマ内部では化石燃料・電力へ資金が移動。週足チャートが4週連続で未提供でトリガーを引けないため、新規は置かない

地政学: ホルムズ海峡

今週最大の非整合は、地政学がボラティリティに一切現れていないことです。

  • 海峡: 2/28 の開戦以来、断続的な再開局面を挟みつつ 8/14 時点で Day 168。読者の行動日 8/17(月) では Day 171 にあたります
  • 交渉: 航路座標では合意しているものの、イラン側が戦争終結・米軍撤退・賠償・制裁解除・凍結資産の返還を正常化の条件として提示し、合意イコール再開ではないと外相が明言しています
  • 攻撃: 8/8 に ADNOC 関連タンカー1隻がミサイル攻撃を受け、8/9 に Aramco の Jazan 製油所が攻撃されました。さらに 8/13(木)夜に ADNOC 関連船2隻がドローン攻撃を受け、8/14(金)に UAE が非難しています (攻撃日と報道日が1日ずれます)。被弾船は開戦以来 累計15隻です
  • 米国: Bessent 財務長官が 8/13-14 に「来週、前例のない措置を講じる」と明言しました。日程の予告はなく、ザラ場の突発リスクとして扱ってください。上院は 8/7-8 に対ロシア・イラン制裁法案を可決しており、下院採決は夏季休会明けの9月以降です
  • 未確定の政治発言 (8/14): トランプ大統領が「イランを打ち負かした後、ホルムズ海峡を米国の領土として宣言する」と発言しました。イランは1979年以来この海峡の管轄を主張しており、実現経路は現時点で存在しません制裁 (Bessent)・軍事 (Hegseth)・領有 (トランプ) の3つは性質が異なり、織り込むべき確度も別々です。本記事は実現性ではなくヘッドライン・リスクとして扱います Al Jazeera

反応したのは原油とエネルギー株だけでした。WTI 週 +5.40%、XLE 週 +7.67% で全セクター最強である一方、金は +0.74%、VIX は -0.65pt です。株式市場は地政学を「エネルギーのセクター問題」として処理しています。裏返すと、封鎖の常態化から逸脱する側には、全面閉鎖でも完全再開でも、株はほとんど備えていません。

筆者推定の分岐確率: エスカレーション 40% (WTI $88〜95、S&P 500 -1.0〜2.0%、VIX 17〜20) / 膠着継続 45%(WTI $78〜86、指数への影響は軽微) / デエスカレーション 15% (WTI $68〜75、XLE -6〜10% の一方で S&P 500 +1.5〜2.5%)。報道は事実の出典で、確率は筆者推定です。

再分類の監視条件 (3脚のAND): WTI 82.87 を終値上抜け — かつ — GC 4,415.0 を終値で維持 — かつ — VIX 17超を終値ベースで2日連続。この3つが揃った時点で、市場が地政学をセクター問題からシステミックリスクへ再分類したと判断します。単独成立では不十分です。

兼業運用ガイド

朝チェック

  • Dow 53,621.3 を終値で守れるか。今週の最優先で、DIA 換算では約 $535.7
  • 10年債 4.680%。4.708% 終値上抜けで警戒、4.600% を終値2日連続下回れば Risk-On 前進
  • VIX。17未満なら現行維持、17超を終値2日連続で警戒、23超を終値2日連続で Stress、26超はザラ場で即時
  • SPX 7,716.2 維持か、上は 7,798.99 の奪回か。NDX 29,424.6 維持か、30,839.1 奪回か
  • Uptrend Ratio。30% 維持ならやや強気帯の継続、27.0% 割れと10MA の2データ点連続低下で差し戻し判定

夜・早朝チェック (JST)

JST イベント 判断ポイント
8/18(火) 21:30 住宅着工 予想 -4.7%。翌日の住宅関連小売への前触れ
8/18(火) 22:00 HD の call 小売の1番手。住宅関連の高額品が最も苦しいカテゴリ
8/19(水) 20:00 / 23:00 ADI の release と call AI 以外の産業・車載需要を測る唯一の材料。21:00 に TGT、22:00 に LOW が続く
8/20(木) 02:00 20年債入札 テールが出れば1時間後の議事要旨をタカ派に読ませる下地に
8/20(木) 03:00 FOMC 議事要旨 深夜のため翌朝の始値で判断する運用が現実的。ハト派 30% / 中立 45% / タカ派 25% (筆者推定)
8/20(木) 20:00 / 21:00 WMT の release と call 週最大の時価総額で、日本の兼業には最も見やすい時間帯。分水嶺は通期ガイダンスの改定方向
8/21(金) 22:45 S&P Global 総合PMI 総合 51 割れかつ投入価格上昇ならスタグフレーション的解釈

今週の注意点

  • 前週の勝ち組を追いかけない。前週首位の Basic Materials は今週10位、前週最下位の Energy は今週首位です。ただし Basic Materials は1ヶ月では依然1位で、これはテーマの終わりではなく1週間での往復です。XLE を据え置く判断はここから来ています
  • 「良い決算・悪い株価」が先週の主題でした。CSCO は EPS も売上も予想超で -8.03%、AMAT は過去最高売上のガイダンスで -5.93%。ハードルはコンセンサス比ではなく、株価に織り込まれた期待比です
  • 弱い消費データが出たのに長期金利は上がりました。小売売上 -0.6%、ミシガン大 51.0 の日に10年債は +5bp。弱い需要と高いインフレ期待と供給ショックの組み合わせは、金融緩和期待に転換しない種類の弱さです

リスク管理

今週の主なヘッジは、現金・短期債 23% と XLV 14%、GLD 13%、それに供給ショック観測枠としての XLE 5% です。リスク資産 77% は複合バジェット 74〜78% の上側で、上限を取らない理由は10年債まで 2.8bp、小売の集中、VIX 14.25 の圧縮の3点です。バジェットを縛っているのは信用取引残高で、FINRA 集計の信用残は 1.502兆ドル、前年比 +51.5% と過去最高です。ショック時の強制決済リスクを広げうる水準ですが、実際の決済規模は担保構成と価格経路に依存するため残高からは一意に導けません。個別株は ATR 1.6倍で損切り。8/18 の HD、8/19 の ADI・TGT・LOW・TJX、8/20 の WMT・BABA・DE・ROST を保有する場合は ATR 1.2倍へ縮め、時間外と寄りのギャップを確認してから判断してください。

主なリスク

リスク 想定インパクト
小売の下方分岐 高額耐久財と EC からの退避なら HD・LOW と EL (高額美容品) が苦戦、WMT・TJX・ROST は堅調、TGT は裁量寄りの総合で中間
議事要旨のタカ派解釈 10年債 4.708% 上抜け。30年債 5.30% 突破が同時なら QQQ が最も打撃
ホルムズ関連の突発ヘッドライン 予告のないザラ場イベント。逆指値での事前防御が有効

上級者向けオプション補足

オプションは補助的なヘッジです。基本は現金・短期債、XLV、XLP、GLD を優先してください。満期日は、SPY・QQQ・GLD など株式・ETF の8月標準月次が 8/21(金) 満期。VIX の8月標準月次は 8/19(水) 満期ですが最終取引日は 8/18(火) で AM 清算のため、同日 14:00 ET の FOMC 議事要旨はカバーできません。カバーするには 8/26(水) 満期の週次か9月限が必要です。プレミアムと IV は執行前に必ず最新値を確認してください。

8/21(金) 満期ADI と小売の同時進行に対するヘッジSPY プット$740、浅めは $750。8/21(金) 満期議事要旨と入札2本のイベント保険VIX コール18。8/26(水) 満期の週次8/19 の議事要旨をカバーできる最も近い限月GLD コール$415。8/21(金) 満期ホルムズ決裂時のテールヘッジ。

対象 目的
QQQ プット $700、深めは $690。8/21(金) 満期 ADI と小売の同時進行に対するヘッジ
SPY プット $740、浅めは $750。8/21(金) 満期 議事要旨と入札2本のイベント保険
VIX コール 18。8/26(水) 満期の週次 8/19 の議事要旨をカバーできる最も近い限月
GLD コール $415。8/21(金) 満期 ホルムズ決裂時のテールヘッジ。鉱山株ではなく原資産 ETF で表現

まとめ

今週のテーマは「内部は改善し、外部は悪化した」です。参加銘柄の広がりは5系列すべてが同じ方向に改善し、悪化側の8条件のうち7条件が前週より遠のきました。それでもリスク資産を +1pt しか増やさないのは、10年債 4.708% が残り 2.8bp で、全トリガー中もっとも近い悪化条件だからです。

最優先の行動は、月曜に Dow 53,621.3 を終値で守れるかを確認することです。終値のわずか 0.21% 下にあり、月曜の小幅安だけで警戒シナリオの起点判定が出ます。そして 8/20(木) 03:00 JST の議事要旨と 20:00 JST の WMT が週の重心です。

ホルムズ海峡が断続的な再開を挟みつつ 8/14 時点で Day 168 の閉鎖でありながら VIX が 14.25 という組み合わせは、備えが安いうちに備えておくという設計を正当化します。


免責: 本記事は モデル配分例・分析 であり、個別投資助言ではありません。「月曜寄り想定」「段階的執行」「水曜 ADI 通過後」等の表現は、モデルポートフォリオ上の想定執行です。実際の投資判断とロット決定は、各自のリスク許容度、ポートフォリオ事情、税務状況を踏まえてご自身でご判断ください。必要に応じて資格あるファイナンシャル・アドバイザーへの相談を推奨します。シナリオ確率は筆者個人の推定値であり、市場コンセンサスや報道機関の予測ではありません。


Sources

データソース:

  • 価格・VIX・金利: 8/14(金) 終値、FMP API
  • Market Breadth 200MA / 8MA: 8/13 CSV (TraderMonty、日次更新)
  • Uptrend Ratio: 8/14 CSV (TraderMonty、日次更新)
  • 決算の release / call 時刻: 各社の公式 IR (reports/2026-08-17/ir_events.yaml、全15件が企業管理ドメイン)
  • Breadth・10年債・銅の週足チャートは今週未提供のため、これらの数値は CSV 単独が出典です

金融政策

経済指標・入札 (日付・時刻の確定用)

決算 IR

市場データ・評価 (予想値と評価の確定用)

報道 (事実の出典。確率・シナリオ分析は筆者推定)

シナリオ確率は筆者個人の推定値です。報道ソースは事実確認用であり、確率予測の出典ではありません。

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