【米国株】2026年8月24日週 トレード戦略

投資戦略

3行まとめ

  1. 相場の信号が青から黄色に変わりました。
    先週のうちに決めておいた「こうなったら守る」という条件が、8つのうち6つ実際に起きたためです。ただし赤信号ではありません。

  2. 今週は「良いニュース=株高」が通じません。
    Fed の内部に利上げを主張する人が3人いることが分かりました。経済指標が強いと、かえって株の重荷になります。

  3. 株の比率を 77% から 72% へ、5%だけ下げます。
    水曜の夜から金曜の夜までの約50時間に大きな予定が3つ重なる一方、相場の警戒度を示す VIX は 15.13 と低いままです。


今週のアクション

以下はモデル配分例です。実際の売買判断は、各自のリスク許容度、税務状況、保有銘柄を踏まえて調整してください。

株式・コモディティを 72%、現金・短期債を 28% にします。前週の 77% から -5% です。

カテゴリ合計: コア 32% / 防御 22% / テーマ 18% / 現金 28% = 100% (リスク資産 72%)

ETF 前週 今週 変化 いつ なぜ
SPY (コア指数) 22% 19% -3% 月曜寄り想定 支えの線 7,636.4 が2度目のテストへ。同じ線は試されるほど弱る
QQQ (コア指数) 7% 5% -2% 水曜 NVIDIA 通過後 4指数で最も弱い。決算の結果を見てから残りを判断する
DIA (コア指数) 9% 8% -1% 月曜寄り想定 安値は割ったが下ヒゲ 51.0% で半分戻した。下げ幅は最小
XLV (防御セクター) 14% 15% +1% 月曜寄り想定 週間2位・1ヶ月3位。買われ過ぎ圏なので 15% で止める
XLP (防御セクター) 7% 7% ±0% 執行なし 底堅いが、買い増す決め手に欠ける
GLD (テーマ/ヘッジ) 13% 13% ±0% 執行なし 金利上昇の週に +5.48% と強い。ただし金鉱株 +15.08% は行き過ぎで追わない
XLE (テーマ/ヘッジ) 5% 5% ±0% 執行なし 先週は減らす予定だったが、その理由が消えたので取りやめ

$100K の場合: コア $32K (SPY $19K / QQQ $5K / DIA $8K)、防御 $22K (XLV $15K / XLP $7K)、テーマ $18K (GLD $13K / XLE $5K)、現金 $28K

減らすのは値動きの大きいコア指数だけに絞りました。金とエネルギーには手をつけません。先週は「エネルギーは株と一緒に下がるから減らす」と決めていましたが、実際には XLE +2.79% と上がりました。前提が外れた減らし方は実行しない ——これが今週一番重要な判断です。


先週、何が起きたか

株が下がったのに、金と原油が大きく上がりました。よくある下げとは形が違います。

先週の動き
S&P 500 -1.43% / ナスダック100 -2.45% / ダウ -0.85%
金・原油 +5.48% / WTI 原油 +5.66%
長期金利 下がるどころか 上がった (10年債 4.740%)

相場が怖くなると、普通は安全な国債が買われて金利は下がります。今回は逆でした。市場が織り込んだのは「景気の悪化」ではなく 「モノの値段が上がり続けること」 です。

先週決めた条件は、8つのうち6つ起きた

先週の記事で「こうなったら守りを厚くする」と決めておいた条件の答え合わせです。

条件 結果
ダウが 53,621.3 を終値で割る 起きた (8/17 以降5日連続)
S&P 500 が 7,716.2 を終値で割る 起きた (8/18)
ナスダック100 が 29,424.6 を終値で割る 起きた (8/20)
10年債が 4.708% を終値で超える 起きた (4.740%)
30年債が 5.30% を終値で超える 起きた (8/17 に 5.31%)
市場全体の値上がり銘柄比率が細る 起きた
原油が 77.79 を終値で割る 起きず (逆に +5.66%)
VIX が 17 超で終値2日連続 起きず (最高でも 16.01)

守られたものもあります。損切りラインに置いた S&P 500 の 7,636.4 は死守され、8/20 の終値はわずか 4.76pt 上で止まりました。小型株の上抜けも「本物ではない」と判定していたとおり、失敗に終わっています。


一番大事な変化 — 利下げ待ちは終わった

7月の FOMC 議事録が先週公開されました。中身は 9対3の割れた投票で、反対した3人は全員 「利上げすべき」 という理由でした。議事録には「多くの参加者が、インフレが低下しなければ引き締めが必要と評価」と記録されています。

これで今週のニュースの読み方が逆になります。

経済指標が どう読むか
弱い 利上げを避けられそう → 株にプラス
強い 利上げが近づく → 株にマイナス

実例は先週既に出ています。8/21 の PMI は 56.0 と52か月ぶりの高水準でしたが、同じ日に10年債は 4.740% へ上昇しました。一方ウォルマートは売上も利益も見通しもすべて上振れたのに -9.15% ——米国の既存店売上が +2.6% と2020年以来最低だったためです。

「景気が良い=株が上がる」の感覚のまま見ていると、逆に動いて驚くことになります。


今週の予定 — 50時間に集中

月曜と火曜は静かです。動くのは水曜の夜から。時刻はすべて日本時間です。

日本時間 予定 重要度 見るポイント
8/25(火) 23:00 消費者信頼感 / 新築住宅販売 中〜高 ミシガン大速報 51.0 (予想 54.5) の答え合わせ
8/26(水) 02:00 2年債入札 財務省の買い入れ開始は 9/9 で、今週はまだ支えがない
8/26(水) 21:30 物価 (PCE) + GDP改定 + 耐久財が同時 最重要 普通は別々の日に出る3つが一度に。1つでも強いと利上げ警戒へ
8/27(木) 02:00 5年債入札 指標と NVIDIA に挟まれ、不調が波及しやすい
8/28(金) 02:00 7年債入札 30年債が 8/18 に19年ぶりの高水準をつけた直後の需要テスト
8/28(金) 23:00 FRB議長 ジャクソンホール講演 最重要 5月就任後初の大舞台。次回 FOMC (9/15) の18日前
8/28(金) 23:00 ミシガン大 確報 議長講演と同時刻

今週ないもの: CPI・PPI・雇用統計・ISM・FOMC 本会合。表は高インパクト中心で、シカゴ連銀指数やケース・シラーなどは省いています。

Fed 関連の補足: 8/24〜8/31 で講演予定があるのは 8/28 の議長1人だけです。発言が制限される期間 (ブラックアウト) は8月には設定されておらず、次は 9/5〜9/17。つまりジャクソンホールでは Fed 高官が自由に発言できるため、その分だけ振れやすくなります。

決算 — 水曜の夜に4社が重なる

銘柄 日付 決算説明 (日本時間) IR
PDD PDD Holdings 8/24(月) 20:30 IR
INTU Intuit 8/25(火) 8/26 05:30 IR
HEI HEICO 8/25(火) 発表 8/26 22:00 (発表と説明が別日) IR
NVDA NVIDIA (週最大) 8/26(水) 8/27 06:00 IR
CRM Salesforce 8/26(水) 8/27 06:00 IR
CRWD CrowdStrike 8/26(水) 8/27 06:00 IR
SNPS Synopsys 8/26(水) 8/27 06:00 IR
HPQ HP Inc. 8/26(水) 8/27 06:30 IR
A Agilent 8/26(水) 8/27 05:30 IR
MRVL Marvell 8/27(木) 8/28 05:45 IR
ADSK Autodesk 8/27(木) 8/28 06:00 IR
WDAY Workday 8/27(木) 8/28 05:30 IR
DLTR Dollar Tree 8/27(木) 21:00 IR
DG Dollar General 8/27(木) 22:00 IR
ULTA Ulta Beauty 8/27(木) 8/28 05:30 IR

8/27(木) 06:00 に NVIDIA・Salesforce・CrowdStrike・Synopsys の4社が重なります。 日本時間の早朝なので、実際の判断はその日の寄りのギャップで行うのが現実的です。NVIDIA の市場予想は EPS $2.09 / 売上 $920.6億、会社の見通しは売上 $910億 ±2% です。


4つのシナリオ

確率は筆者個人の推定値です。合計は 100% になります。

① 横ばいのまま中身が入れ替わる (Base)

筆者推定: 40%

上と下の力が釣り合うケースです。下支えは、市場全体の底堅さを示す指標が49営業日連続で改善していること。上値の重しは、今週のイベント密度そのものです。

続く条件 (すべて満たす): S&P 500 7,636.4 を終値で維持 + ナスダック100 29,116.3 を終値で維持 + VIX 20超を終値2日連続にしない + 10年債 4.60〜4.806% のレンジ内 (終値) + WTI 82.87 を終値で維持

対応: 上の配分のまま動かしません。コア 32% / 防御 22% / テーマ 18% / 現金 28%、リスク資産 72%。

② 決算をきっかけに戻す (Risk-On)

筆者推定: 19%

前週の 22% から下げました。上値を追うには金利の低下が必要ですが、利上げを主張する人が3人いる以上、金利低下は 8/26 の指標が弱く出ることに完全に依存します。

一方で戻る余地は残っています。半導体は決算前の1週間で -4.54% 売られており、期待が下がった状態で最大のイベントを迎えます。

注意: 議長がハト派に振れても、長期金利が下がらない可能性があります。株だけ上がって30年債利回りが下がらない形は、長続きしません。

発動条件 (2つ以上が終値で成立): S&P 500 7,716.2 終値上抜け / ナスダック100 30,243.0 終値上抜け / 10年債 4.708% を終値2日連続で下回る / 値上がり銘柄比率が 27.0% を終値で回復 / 小型株が 3,063.9 を終値で奪回。1つだけでは動きません。

対応: コア 32%→36% (SPY 19→21、QQQ 5→7、DIA 8% 維持) / 防御 22% 維持 / テーマ 18% 維持 / 現金 28%→24%。合計 100%、リスク資産 76% が上限で、ここを超えません。

③ 支えが外れて調整 (Caution)

筆者推定: 31%

前週の 21% から +10% で、今週一番動いた数字です。理由は3つに絞れます。

  • 10年債が 4.806% まで残り 6.6bp。3週連続で近づいており、全監視ラインで最も近い
  • 利上げを主張する人が FOMC 内に実在する
  • AI 関連の設備投資と電力インフラが1ヶ月かけて崩れ続けている (電気機器 -10.58%、太陽光 -8.40%)

発動条件 (いずれか1つ)

  • 1日で確定 (翌営業日の寄りで対応): S&P 500 7,636.4 終値割れ / ナスダック100 29,116.3 終値割れ / ダウ 52,573.1 終値割れ / 10年債 4.806% 終値上抜け / 30年債 5.30% 終値上抜け / 銅 6.1615 終値割れ
  • 2日で確定: VIX 20超を終値2日連続
  • 日次データ: 値上がり銘柄比率が 22.63% 割れ

対応: コア 32%→26% (SPY 19→16、QQQ 5→3、DIA 8→7) / 防御 22% 維持 / テーマ 18%→17% (GLD 13 維持、XLE 5→4) / 現金 28%→35%。合計 100%、リスク資産 65%

ただし原油急騰が原因で発動した場合 (WTI 93.50 終値上抜け) は XLE を 5% のまま残し、その分を現金で調整します ——テーマ 18% / 現金 34%、リスク資産 66%。

④ 金利ショックで急落 (Tail Risk)

筆者推定: 10%

前週から +1% です。10年債 4.806% までの距離に、日付のついたきっかけが加わりました。8/26 の指標3本同時と 8/28 の議長講演です。

それでも 10% に留めるのは、悪化を示す4条件がどれも1週間では届かない位置にあり、金とヘルスケアという逃げ場が同時に機能しているためです。きっかけがあることは振れ幅を広げますが、方向までは決めません。

発動条件 (2つとも満たすこと): S&P 500 が 7,390 未満で終値 ——かつ—— VIX 23超を終値2日連続VIX 26 超のザラ場での値は、上記に関わらず即時扱いとします。

対応: 緊急防御として、コア 16% (SPY 11 / QQQ 0 / DIA 5) / 防御 22% (XLV 15 / XLP 7) / テーマ 16% (GLD 14 / XLE 2) / 現金 46%。合計 100%、リスク資産 54%。

注意: 長期国債 ETF (TLT $82.05) はこの場面のヘッジになりません。 金利上昇が原因である以上、長期債も一緒に下がります。守りは現金・短期債と XLV、GLD で組みます。

確率合計: 40% + 19% + 31% + 10% = 100%


売買レベル

対象 買い目安 上値目安 防衛ライン
S&P 500 7,636.4 (SPY ≈ $761.93) / 7,406.9 7,716.2 → 7,803.1 → 7,816.5 7,636.4 を終値割れ
ナスダック100 29,116.3 (QQQ ≈ $708.75) / 28,499〜28,245 30,243.0 → 30,839.1 (史上最高値) 29,116.3 を終値割れ
ダウ / 小型株 ダウ 52,573.1 (DIA ≈ $525.2) 〜 52,359.0 / IWM $299.96 ダウ 53,760.8 / 小型株 3,063.9 の奪回 ダウ 52,573.1 を終値割れ
WTI 原油 供給不安に偏っているため買い下がりは非推奨 93.50 → 111.29 82.87 を終値割れ
金 (GC) / GLD 4,415.0 前後 (GLD ≈ $399.34) が第一防衛線 4,690.4 → 4,924.3 (GLD ≈ $445.40) 4,415.0 を終値割れ
動きがなく新規は見送り 6.7230 6.1615 を終値割れ

8/21(金) 終値: S&P 500 7,674.37 / ナスダック100 29,308.86 / ダウ 53,277.01 / 小型株 3,017.87 / SPY $765.72 / QQQ $713.44 / DIA $532.22 / IWM $299.96 / GLD $423.36 / TLT $82.05 / BIL $91.60 / XLE $63.64 / XLP $85.99 / XLV $174.62 / URA $46.07 / VIX 15.13 / 10年債 4.740% / 30年債 5.270% / 2年債 4.240% / 金 $4,680.60 / WTI $87.06 / 銅 $6.587

ETF への換算は実勢値から計算しています (金と GLD は 11.0558倍、固定10倍は使っていません)。指数の水平線と週足の高安は CFD の値で、公式終値と 0.03〜0.11% ずれます。WTI の水平線判定は 86.63 基準で、本文の騰落率もこの系列です。移動平均は幅で見てください。天然ガス・URA・30年債・TLT はチャートがないため水準を出していません。


マーケット状況

指標 現在値 見方
VIX 15.13 4指数そろって下げた週なのに、上ヒゲ 73.0% で押し戻された。3ヶ月で見て下位1割の低さ
10年債 / 30年債 4.740% / 5.270% 短中期が主導して上昇。4.806% まで 6.6bp が全監視ラインで最も近い
市場の底堅さ (長期) 62.93% 健全を維持し 49営業日連続で改善。指数が下げた週に 1.80pt しか落ちていない
市場の過熱 (短期) 73.01% 買われ過ぎ圏へ。ただし過去20回のうち、その後21営業日の中央値は +1.53% で売りサインではない
値上がり銘柄比率 24.95% (8/21) 先行指標。やや強気圏から弱い圏 (15-25%) へ転落。8/14 の 32.91% から -7.96pt
S&P 500 7,674.37 (週 -1.43%) 明確な陰線。ただし安値は支えの線の 0.7pt 上で反発。最高値からは -1.60%
ナスダック100 29,308.86 (週 -2.45%) 4指数で最弱。安値圏で引けた。中身は半導体の集中安で、ソフトウェアは上昇
ダウ / 小型株 53,277.01 (-0.85%) / 3,017.87 (-1.65%) ダウは安値を割ったが下ヒゲ 51.0% で半分戻す。小型株の上抜けは失敗が確定
金 / GLD $4,680.60 (週 +5.48%) / $423.36 大陽線。金利が上がった週に金も上がったのは、通貨や財政への不安が主導している証拠
WTI / 銅 $87.06 (+5.66%) / $6.587 (-0.39%) 原油は水平線を明確に上抜け。銅は動かないのに銅鉱株は +15.34%。掘る側は全部プラス、使う側は全部マイナス

値上がり銘柄比率の読み方 — 3つの注意

  1. 「底を打った」とは判定しません。 8/20 の 22.63% から 8/21 に 24.95% へ戻しましたが、反転の確認要件を1つも満たしていません。高い位置から落ちて途中で一度止まった形です。
  2. 「移動平均が崩れた」とも言えません。 平均値そのものは前週 27.69% → 今週 28.31% と上がっています。下がっているのは直近ピークからの分だけです。
  3. この平均は今後6営業日、自動的に下がり続けます。 計算から外れる過去の値が高いためで、来週下がっても新しい悪化ではありません。判断に使うのは生の数値です。

似た指標が2つあるので混同にご注意ください。 長期の物差し (200日線基準) は 62.93% と健全なままですが、中期の物差し (50日線基準) は 8/14 の 70.66% から 8/20 の 54.89% へ -15.77pt 崩れました。壊れたのは中期であって、長期ではありません。

「内部が悪い=売り」は、データが支持していません

今週の状態について、過去データを2通りで調べました。どちらも「弱気サインではない」ことを示しています。

  • 中期の物差しに点いた弱気シグナルは、2016年以降39回。その後21営業日の中央値は +2.11% で、単独では売りサインとして機能しません
  • 「短期が過熱しているのに値上がり銘柄比率が低い」という今週の組み合わせは、2023年8月以降で61日。その後21営業日の中央値は +4.65% でした

ただし後者を「だから上がる」の根拠には使えません。 61日のうち60日が2024年に集中しており、2024年は年間 +23% 台の強い上昇年だったからです。この乖離は弱気サインではない、とまでしか言えません。


セクター・コモディティ

資産 方針 理由
金 / GLD 13% 維持(増やさない) 押し目の第一防衛線は 4,415.0 前後。追わないのは、金鉱株が週 +15.08% と金本体の2.75倍動いたためです。1週で急騰したテーマは追いません
エネルギー (XLE) 5% 維持(執行なし) 先週予定した減配分は、前提だった「株と一緒に下がる」が外れた (+2.79%) ため取りやめ。判断は原油 82.87 の維持か割れまで保留します
銅・産業金属 見送り 原資産が動かないのに鉱株だけ +15.34% は、需給ではなくテーマ買いの可能性が高い
ヘルスケア (XLV) 14%→15%(+1%) 週間2位・1ヶ月3位で、両方で上位を保つ唯一の防御セクター。医薬品も バイオも上げており、一部銘柄の要因ではありません。買われ過ぎ圏なので 16% 以上にはしません
ウラン (URA) / 電力 保有ゼロを継続 ウランは週 +5.15% ですが、チャートがなく損切りラインを引けません。線を引けない対象に新規は置きません。電力テーマ自体も崩れています

地政学: ホルムズ海峡は封鎖 175日目で、通航は1日0〜9隻。IEA は湾岸の 8.3 mb/d が停止中と報告しています。8/17 に米イランの期限が失効し、8/18 に「協議なし」と表明。8/21 にはサウジの空港と石油施設へのドローン攻撃が表明されました。被害が拡大すれば原油は $5〜10/バレル上振れる要因になります。報道は事実、確率は筆者推定です。


兼業運用ガイド

朝の5分チェック

  • 10年債 4.806% ——今週の最優先。残り 6.6bp で、全監視ラインで最も近い
  • S&P 500 7,636.4 / ナスダック100 29,116.3 ——先週 0.7pt 差で守った線の2度目のテスト
  • VIX ——20未満なら現状維持。20超が終値2日連続なら守りへ。26超はザラ場で即時
  • 値上がり銘柄比率 ——22.63% 割れで警戒、27.0% 回復なら改善方向

夜・早朝チェック (日本時間)

日本時間 予定 判断ポイント
8/25(火) 23:00 消費者信頼感 / 新築住宅販売 ミシガン大速報 51.0 の答え合わせ
8/26(水) 05:30 INTU 決算 「ソフトウェアは崩れていない」という前提が生きているかの最初の確認
8/26(水) 21:30 物価・GDP・耐久財が同時 1つでも強いと利上げ警戒へ。強気 25% / 中立 45% / 弱気 30% (筆者推定)
8/27(木) 06:00 NVIDIA ほか4社が同時刻 判断は当日の寄りのギャップで。+6%以上 30% / ±6%以内 45% / -6%以上 25% (筆者推定)
8/27(木) 21:00 / 22:00 ディスカウント小売2社 ウォルマートの既存店 +2.6% が2020年以来最低だったことの答え合わせ
8/28(金) 05:45 MRVL 決算 8/21 は単日 -5.57% だが週間では +6.76%。NVIDIA の翌日
8/28(金) 23:00 議長講演 + ミシガン大確報 ハト派 25% / 中立 45% / タカ派 30% (筆者推定)。金曜夜の動きは月曜に持ち越される

今週の心得

  • 「利下げ待ち」という言葉を捨ててください。 今週の金利上昇は財政不安ではなく、政策金利の見通しそのものの上方修正でした。指標が弱ければ株にプラス、強ければマイナスという逆の読み方で1週間を過ごします。
  • 株に良いニュースが、債券には悪いニュースになります。 PMI が52か月ぶり高水準でも金利は上がり、ウォルマートは全項目上振れでも急落しました。「生産は加速、消費は減速、価格は高止まり」は、Fed にとって最も扱いにくい組み合わせです。
  • 週間の順位は往復します。月間の順位を見てください。 前週1位だった Computer Hardware は今週下落群へ、前週10位だった素材は今週1位に戻りました。素材の月間順位は2週とも1位のままです。

リスク管理

守りの中心は、現金・短期債 28% (BIL $91.60)、XLV 15%、XLP 7%、GLD 13% です。リスク資産 72% は、今の局面で想定する 72〜76% の下限にあたります。下限を採るのは、先週決めた条件が6つも起きて、しかも金利側が2本とも発火したためです。一方で 70% を下回らないのは、本格的な悪化を示す4条件がどれも1週間では届かないからです。

個別株は ATR 1.6倍で損切り。決算のある銘柄 (8/24 PDD、8/25 INTU・HEI、8/26 NVDA・CRM・CRWD・SNPS・A・HPQ、8/27 MRVL・ADSK・WDAY・DLTR・DG・ULTA) を持つ場合は ATR 1.2倍へ縮め、時間外と寄りのギャップを見てから判断してください。

今週の主なリスク

リスク 想定される影響
8/26 の指標3本が上振れ 10年債 4.806% 上抜け。30年債 5.30% 超えが重なると QQQ が最も打撃を受けます
NVIDIA 決算のギャップ 値動きが小さい環境では、1銘柄で指数を 1.5% 動かしえます。判断は 8/27 の寄りで
ホルムズ・サウジの突発報道 予告なく起きるため、逆指値での事前防御が有効です

上級者向け — オプション補足

オプションは補助です。基本は現金・短期債、XLV、XLP、GLD を優先してください。本記事は実際のプレミアムや変動率を取得していないため、割安とは断定できません。 執行前に必ず板で確認してください。

満期についての重要な注意: VIX の 8/26(水) 満期は、NVIDIA 決算 (8/26 引け後) もジャクソンホール (8/28) もカバーしません。 VIX オプションは満期日の朝に清算され、最終取引日は前営業日の 8/25(火) だからです。両方を含む VIX の限月は 9/16(水) 満期 (最終取引日 9/15(火)) になります。株式・ETF 側は満期の系列が別で、両方を含む標準月次は 9/18(金) です。

対象 目的
QQQ プット $680、深めは $665。9/18(金) 満期 NVIDIA と半導体の連鎖に対する保険
SPY プット $735、浅めは $745。9/18(金) 満期 指標・入札・議長講演をまとめてカバー
GLD コール $440。9/18(金) 満期 地政学と財政不安への備え。鉱山株ではなく ETF で
VIX コール 20。9/16(水) 満期 (最終取引日 9/15(火)) 両イベントを含められる最も近い限月。サイズは最小限に

まとめ

今週のテーマは 「予定の集中」と「保険が安いままのズレ」 です。

先週決めた条件が8つ中6つ起きたので、約束どおり守りを一段厚くします。ただし本格的な悪化を示す条件はまだ1つも点いておらず、長期の物差しは49営業日連続で改善しています。壊れたのは中期であって、長期ではありません。

毎朝見るのは2つだけです。10年債 4.806% (残り 6.6bp) と S&P 500 7,636.4 (先週 0.7pt 差で守った線)。

そして週の重心は、8/26(水) 21:30 → 8/27(木) 06:00 → 8/28(金) 23:00 の約50時間に集中します。ホルムズが封鎖175日目で通航1桁台、湾岸の 8.3 mb/d が止まっているのに VIX が 15.13 という組み合わせは、ズレが埋まる方向が「心配の解消」ではなく「VIX の上昇」かもしれない、という前提で備えておく理由になります。


免責: 本記事は モデル配分例・分析 であり、個別投資助言ではありません。「月曜寄り想定」「水曜 NVIDIA 通過後」「分割執行」等の表現は、モデルポートフォリオ上の想定執行です。実際の投資判断とロット決定は、各自のリスク許容度、ポートフォリオ事情、税務状況を踏まえてご自身でご判断ください。必要に応じて資格あるファイナンシャル・アドバイザーへの相談を推奨します。シナリオ確率は筆者個人の推定値であり、市場コンセンサスや報道機関の予測ではありません。


Sources

データソース:

  • 価格・VIX・金利: 8/21(金) 終値、FMP API
  • Market Breadth 200MA / 8MA: 8/20 CSV (TraderMonty、日次更新)
  • Uptrend Ratio: 8/21 CSV (TraderMonty、日次更新)
  • 決算の release / call 時刻: 各社の公式 IR (reports/2026-08-24/ir_events.yaml、全15件が企業管理ドメイン)
  • Breadth チャート画像は5週連続で未提供のため、Breadth と Uptrend の数値は CSV 単独が出典です

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報道 (事実の出典。確率・シナリオ分析は筆者推定)

シナリオ確率は筆者個人の推定値です。報道ソースは事実確認用であり、確率予測の出典ではありません。

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