【米国株】2026年7月27日週 トレード戦略

投資戦略

3行まとめ

  1. フェーズを Caution へ1段階引き下げ。
    10年債が極限ラインを超え、Nasdaq 100 は水平サポートを割った。ただし指数の崩壊ではなく、参加銘柄の裾野だけが細っていく相場。

  2. 週末に供給ショック、週中に FOMC とメガキャップ4社。
    7/25 にサウジの製油所と積出施設が攻撃を受けた。7/24 の終値はすべて攻撃前の値なので、月曜は金曜の続きではなく再評価から入る。

  3. リスク資産を 65%→63% へ小幅圧縮。
    コア指数を削り、金と現金を積み増す。VIX の低さは安心材料として扱わない。


今週のアクション

モデル配分

フェーズを Base (慎重寄り) から Caution (中位、Stress寄り) へ1段階引き下げる。10年債 4.690% が極限ライン 4.60% を明確に超え、Nasdaq 100 が水平サポート 28,245.3 を割ったところへ、週末の供給ショックが重なったため。株式・コモディティを 63%、現金・短期債を 37% にする。前週からの変更は小さく、主な調整は SPY と QQQ を減らし、GLD と現金を増やす こと。

以下はモデル配分例です。実際の売買判断は、各自のリスク許容度、税務状況、保有銘柄を踏まえて調整してください。

ETF 前週 (7/20) 今週 (7/27) 変化 実行タイミング 意図
SPY 17% 15% -2% 月曜寄り 10Y 4.690% のマルチプル圧縮と FOMC ギャップ前にベータを抑える
QQQ 2% 1% -1% 月曜寄り 主要4指数で NDX だけがサポート割れ。反発余地はあるが観測枠まで縮小
DIA 9% 9% 0% 維持 20週線 +3.0% 前後で最強。バリュー・ローテの受け皿アンカー
XLV 10% 10% 0% 維持 Healthcare は1ヶ月 +4.58% だが内部は分裂。深追いはしない
XLP 11% 11% 0% 維持 必需品は週 -1.57% と弱いが、ディフェンシブ枠のアンカーとして据え置き
GLD 12% 13% +1% 月曜寄り 供給ショックとスタグフレーションの主ヘッジ。金鉱株が現物を先行
XLE 4% 4% 0% 維持 Energy は既に買われ過ぎ。供給ショックでも上値は追わない
BIL / 現金 35% 37% +2% 月曜寄り FOMC・GDP/PCE・メガキャップ4社が48時間に集中するバッファ

合計: コア 25% + 防御 21% + テーマ 17% + 現金 37% = 100% (リスク資産 63%)

Stress へはまだ上げない。判定に必要な株式ボラが観測できていないため。VIX 18.58 は攻撃前の値で、これでは肯定も否定もできない。次の4条件のうち2つ以上が成立した時点で、機械的に Stress へ移す。

  • VIX 23超を終値ベースで2日連続
  • SPX 7,232.1 を終値ベースで2日連続割れ
  • 金と長期債が同時に買われる、質への逃避が実際に発生する
  • Breadth 200MA が CSV 上で前日比マイナスへ転じる (31営業日続いた上昇の途切れ)

0K ポートフォリオ例

資産 配分 金額
SPY 15% $15,000
QQQ 1% $1,000
DIA 9% $9,000
XLV 10% $10,000
XLP 11% $11,000
GLD 13% $13,000
XLE 4% $4,000
BIL / 現金 37% $37,000

売買レベル

対象 買いレベル 上値目安 防衛ライン
S&P 500 7,375.5 (今週安値) / 7,232-7,290 (水平線+20週線) 7,526.1 → 7,636.4 ATH 7,232.1 を終値2日連続割れ → 7,018.8 方向
Nasdaq 100 28,245.3 奪還が最初の課題 / 26,200-26,233 (50週線) 29,190.3 → 30,839.1 ATH 28,052.8 を終値で明確に下抜け → 26,233 試し
Dow / Russell (IWM) Dow 50,400-50,544 / IWM $291.17 近辺 Dow 52,359.0 → 52,503.9 / Russell 3,063.9 ATH Russell 2,784.6 を週足終値割れ
WTI 原油 (FMP spot/CFD) 上方リスク資産のため買い下がりはしない 93.50 終値上抜けで100ドル・トライ 82.73 終値割れ=地政学プレミアム剥落 (株式SLと別管理)
金先物 (GC) / GLD GC 3,986.5 → GC 3,962.4 (≈GLD $362) が生命線 GC 4,171.4 (≈GLD $381) → GC 4,415.0 (≈GLD $403) GC 3,962.4 を週足終値割れ → 3,554.5 視野

データ時点: 2026/7/24(金) 終値 (FMP API)
SPX 7,411.98 / NDX 28,128.34 / DJI 51,947.25 / SPY $738.93 / QQQ $684.23 / DIA $518.76 / IWM $291.17 (Russell 終値 2,933.3、週安値 2,919.8) / GLD $371.90 / TLT $83.25 / BIL $91.61 / XLE $59.62 / XLP $84.13 / XLV $162.57 / VIX 18.58 / 10Y 4.690% / 2Y 4.33% / WTI $90.46 / GC $4,070.80 / 銅 $6.36 / URA $39.89。GC/GLD の実勢比率は 10.95倍 (固定÷10換算は使わず、ETFはスポット価格を使用)。


重要イベント

7/29(水) の FOMC を挟んで、48時間にメガキャップ4社の決算が集中する。Fed の外部コミュニケーション・ブラックアウトは 7/18(土)〜7/30(木) ET のため、7/29 の声明と Warsh 議長会見が当週唯一の Fed 発信になる。ISM製造業は 8/3(月)、雇用統計は 8/7(金) で当週外。日銀会合は 7/30-31。

マクロ・Fed

日付 (JST) 日付 (ET) イベント Impact 監視ポイント
週初〜継続 サウジ供給ショック続報 (ジザン製油所火災・ヤンブー被弾) 最重要 WTI 93.50 終値上抜けで100ドル / 82.73 終値割れでプレミアム剥落。被害規模は未確定で、死者報告はなく輸出能力への影響が限定的と判明すれば急速に剥落しうる WaPo(7/25)
7/27(月) 21:30 7/27 8:30 ET 耐久財受注 速報 (6月) 設備投資の実体確認 Census
7/28(火) 02:00 / 7/29(水) 02:00 7/27・7/28 13:00 ET 2年債690億・5年債700億 / 7年債440億 入札 入札が弱ければ 10Y 4.70% 上抜けが月曜のうちに成立 Treasury
7/28(火) 23:00 7/28 10:00 ET 消費者信頼感指数 (7月) 原油高の家計マインドへの浸透 Conference Board
7/30(木) 03:00 7/29 14:00 ET FOMC 政策金利発表・声明 (SEP/ドットプロットなし) 最重要 現行 3.50-3.75%、据え置きは織り込み済。6月議事要旨で18名中約半数が2026年内の利上げを支持 Fed
7/30(木) 03:30 7/29 14:30 ET Warsh 議長 記者会見 最重要 関税・原油を「一時的な水準シフト」と表現→金利低下 / 「インフレ期待の再上昇リスク」→4.70%超え Fed 7月イベント
7/30(木) 21:30 7/30 8:30 ET GDP 第2四半期 速報 + 6月PCE (同時刻) コアPCE前月比 0.3%以上ならスタグフレーション懸念 BEA
7/31(金) 21:30 / 23:00 7/31 8:30・10:00 ET 雇用コスト指数 第2四半期 / ミシガン大 確報+インフレ期待 賃金インフレとインフレ期待。FOMC後のタカ派解釈を補強しうる BLS

決算 (call 時刻は公式IRで裏取り)

ティッカー 日付(ET) release call (ET → JST) 公式IR
BA (Boeing) 7/28(火) 時刻・BMO/AMC とも公式未確認 10:30 ET → 7/28(火) 23:30 JST IR
KO (Coca-Cola) 7/28(火) BMO 08:30 ET → 7/28(火) 21:30 JST IR
V (Visa) 7/28(火) AMC 17:00 ET → 7/29(水) 06:00 JST IR
SBUX (Starbucks) 7/29(水) AMC 16:15 ET → 7/30(木) 05:15 JST IR
META (Meta Platforms) 7/29(水) AMC 16:30 ET → 7/30(木) 05:30 JST IR
QCOM (Qualcomm) 7/29(水) AMC 16:45 ET → 7/30(木) 05:45 JST IR
LRCX (Lam Research) 7/29(水) AMC 17:00 ET → 7/30(木) 06:00 JST IR
MSFT (Microsoft) 7/29(水) AMC 17:30 ET → 7/30(木) 06:30 JST IR
AAPL (Apple) 7/30(木) AMC 17:00 ET → 7/31(金) 06:00 JST IR
AMZN (Amazon) 7/30(木) AMC 17:00 ET → 7/31(金) 06:00 JST IR
XOM (ExxonMobil) 7/31(金) 06:30 ET → 19:30 JST 09:30 ET → 22:30 JST IR
CVX (Chevron) 7/31(金) BMO 11:00 ET → 8/1(土) 00:00 JST IR

AAPL の 7/30 は Tim Cook 氏が CEO として臨む最後の四半期説明会 (9/1 に John Ternus 氏が就任、Cook 氏は Executive Chairman へ)。


シナリオ別プラン

7/27(月)〜7/31(金)の通常5営業日、米国休場なし。週末の供給ショックを織り込む月曜 → FOMC とメガキャップが3時間半に凝縮される7/29(水) → GDP+PCE と AAPL/AMZN の7/30(木) という三段構造。確率は筆者個人の推定値 (根拠: 3レポート統合、前週トリガーの進捗、市場ポジショニング、過去の反応パターン)。

前週のテールリスク条件はどこまで進んだか

前週のテールは 4脚すべての同時成立 (AND) を条件にしていた。現状の成立は1脚のみ。

前週の4脚 (AND) 現状 (7/24終値) 判定
VIX 26超 (ザラ場) 週足高値 20.31 / 終値 18.58 未成立 (大差)
WTI 82.73 終値上抜け or 10年債 4.70% 終値上抜け (OR脚) WTI 90.46 で上抜け済 (10年債は 4.690% で残り0.01pt) 成立 (WTI側)
SPX 7,018.8 割れ 7,411.98 (到達まで -5.30%) 未成立
NDX 26,233 (50週線) 割れ 28,128.34 (到達まで -6.74%) 未成立

原油という供給側は動いたが、株式側の3脚 (VIX・SPX・NDX) はいずれも遠い。なおこれは前週の定義に対する進捗で、今週のシナリオ4では OR脚の閾値を WTI 100ドル/10年債 4.806% へ引き上げているため、今週の定義で数えれば成立は0脚。10年債 4.60% 終値上抜けは前週の Caution トリガーで、こちらは達成済み。月曜以降の VIX が今週いちばん情報量の多い単一指標になる。

Base: 供給ショックはエネルギー内部で消化・指数はレンジ — 筆者推定 39%

月曜のギャップが限定的で VIX が 20-23 に収まる。SPX・Dow・Russell が20週線上を維持し、Energy の上昇がソフトウェアの下落を相殺して指数の分散が圧縮され続ける。FOMC は中立。

トリガー: VIX 20-23圏 (終値) + SPX 7,232.1 維持 (終値) + NDX 26,233 を割らず 28,245.3 を挟んで推移 + 10年債 4.501%〜4.806% レンジ (終値) + Uptrend Ratio 18-26% で底練り

アクション: 上記モデル配分を据え置き (コア 25% (SPY 15/QQQ 1/DIA 9) / 防御 21% (XLV 10/XLP 11) / テーマ 17% (GLD 13/XLE 4) / 現金 37%)

Risk-On: 地政学デエスカレーション起点で金利低下・テック反発 — 筆者推定 20%

米イラン協議の正式再開が確認され、地政学プレミアムが剥落する。原油反落 → FOMC 中立〜ハト派 → 10年債低下 → 買われ過ぎの反対側にある Technology が反発、という順序が重要。7/24 のパキスタン仲介報道でブレントが -4%、同夜に13夜連続の米軍空爆が初めて途切れた事実が、この経路の実在を示している。

トリガー (すべて成立で発動):

  • 原油・金利: WTI 82.73 を終値下抜け + 10年債 4.501% を終値下抜け
  • ボラ・内部: VIX 17未満 (終値) + Uptrend Ratio の GREEN転換・10MA上向き
  • 確認 (最低1つ): NDX 28,245.3 を終値回復 / SPX 7,526.1 終値上抜け / 半導体 (SMH/SOX) 戻り高値更新
カテゴリ 変更
コア 25%→30%。SPY 15→18、QQQ 1→3、DIA 9%維持
防御 21%→20%。XLV 10%維持、XLP 11→10
テーマ 17%→15%。GLD 13→12 (プレミアム剥落)、XLE 4→3 (原油反落が前提なので削減)
現金 37%→35%

実行タイミング: 3条件すべて確認後、翌営業日以降の寄りで分割執行。

Caution: 金利・原油ダブルスクイーズで調整深化 — 筆者推定 31%

ヤンブーの輸出途絶が長期化しブレント100ドル超が定着。原油・301条関税 (60カ国・米輸入の99.4%、7/24発効)・FOMC内部の利上げ支持という3つのインフレ材料が同方向に働き、10年債が 4.806% を目指す。NDX が 28,052.8 を明確に下抜けて50週線 (26,200-26,233) まで調整。確率をニュース分析側の推定より高く置いているのは、10年債の極限突破と Uptrend Ratio の RED 継続という内部の脆さを同じ重みで加えているため。

トリガー (3系統、いずれか1系統成立で発動):

  • 即時系 (ザラ場): VIX ザラ場23接近 / 10年債 ザラ場4.806%超 → モデル上ザラ場でリスク削減を優先検討
  • 終値2日系: VIX 23超を終値2日連続 / SPX 7,232.1 を終値2日連続割れ → 2日確認後、翌営業日寄り
  • 単日確定系: NDX 28,052.8 を終値で明確に下抜け / 10年債 4.806% 終値上抜け / WTI 93.50 終値上抜け / Breadth 200MA が CSV で前日比マイナスへ転換 → 確認翌営業日の寄り
カテゴリ 変更
コア 25%→20%。SPY 15→12、QQQ 1→0 (モデル上は一時的にゼロへ縮小)、DIA 9→8
防御 21%→23%。XLV 10→12、XLP 11%維持
テーマ 17%→18%。GLD 13→15 (スタグフレーション・不確実性ヘッジ)、XLE 4→3
現金 37%→39%

Tail Risk: 供給ショック決定的悪化 × FOMCタカ派の重複 — 筆者推定 10%

ヤンブーの輸出能力が実質停止、または追加のアラムコ施設への攻撃。WTI 100ドル超または10年債 4.806% 超が成立し (下記トリガーのOR脚)、株式・債券・一部コモディティの相関が1に近づく。前週の8%から引き上げたのは、前週の OR脚 (WTI 82.73 終値上抜け) が成立し、かつ前週には存在しなかったサウジ輸出インフラへの直接攻撃という新規事象が加わったため。ただし残る3脚は未成立で株価2脚には5-7%の距離があるため、引き上げ幅は2ptに留めた。

トリガー: VIX 26超 (ザラ場、即時) + [WTI 100ドル終値上抜け or 10年債 4.806% 終値上抜け] + SPX 7,018.8 終値割れ + NDX 26,233 (50週線) 割れ

アクション (テールリスク時の防御配分): コア 14% (SPY 8/QQQ 0/DIA 6) / 防御 25% (XLV 13/XLP 12) / テーマ 17% (GLD 15/XLE 2) / 現金 44%。原油急騰局面でも XLE は 4%→2% へ削減する (VIX 26超のパニックでは XLE も株式ベータとして下げるため)。

TLT の扱いは発動経路で分岐する (トリガーがOR脚のため)。

  • 10年債 4.806% 側で成立した場合: 金利上昇が主因となり、長期債 (TLT $83.25) は価格下落で逆風になるためヘッジから外す
  • WTI 100ドル側のみで成立した場合: 10年債の水準と質への逃避の有無で判断する。10年債が 4.501% 方向へ低下し、かつ金と長期債が同時に買われていることを確認できれば、TLT はヘッジとして機能しうる。逆に原油高が金利を押し上げている局面では、10年債側と同じ扱いにする

いずれの経路でも主ヘッジは GLD 15%・現金/短期債 (BIL) 44%・VIXコール・インバース (SH/SDS) で表現する。モデル上はザラ場でリスク削減を優先検討する。

確率合計: 39% + 20% + 31% + 10% = 100%


マーケット状況

指標 現在値 判断
VIX 18.58 攻撃前の値であり、現在のリスク水準ではない。直近3ヶ月レンジ15.03-22.22の77.8パーセンタイルで、絶対水準は低くても分布では上位。17/20/23/26 が節目
10Y 利回り 4.690% 今週の主役。5営業日連続高で2025年1月以来の水準、週高値4.714%は2025年1月高値4.806%まで残り9bp。4.501%割れでリスクオン点火、4.806%超で警戒加速。10Y-2Y は +36bp の順イールドで、逆イールドという報道は実数と異なるため採らない
Breadth 200MA 61.20% Healthy維持・31営業日連続上昇。ただし200営業日平均は直近の変化を反映しない。判定は生値の水準ではなく「前日比マイナスへ転じたか」をCSVで直接見る
Breadth 8MA 66.93% 健全な強気帯だが 7/17 の 67.99% から4営業日連続低下。200MAとの差は +6.81pt→+5.73pt へ縮小 (デッドクロスは未発生)
Uptrend Ratio 22.41% RED 先行指標。7/23 に 19.89% と6/5以来の20%割れ、7/24 に +2.52pt 反発も色はRED継続。10MA 23.85% は13営業日連続で低下しており、底打ちは未確認
S&P 500 7,411.98 週 -0.64%、ATHから -2.94%。20週線 (目視概算 7,267) の +2.0% 上で、2週連続陰線だが構造は無傷
Nasdaq 100 28,128.34 週 -1.54%。主要4指数で唯一、水平サポート 28,245.3 を割って引けた。20週線は目視で 28,050-28,300 と幅があり、割れとは断定できない
Dow / Russell (IWM) DJI 51,947.25 / IWM $291.17 ともに20週線の +3% 前後で相対耐性。10年債4.690%下で小型株が耐えているのは、金利上昇が景気悪化型でない証拠
金 (GC) / GLD GC $4,070.80 / GLD $371.90 週+1.29%。3,962.4 を2週連続防衛して陽線。金鉱株 +5.47%・銀 +4.92% が現物を先行。50週線 (目視概算 4,230-4,250) は下回り戻り売り圧力は残る
WTI 原油 / 銅 (HG) WTI $90.46 / HG $6.36 WTIは週+10.61%で全MA上抜け、6月安値66.59から +35.85%。天然ガス -1.41% と逆行しており、原油固有の供給・地政学要因

データ時点: 価格・VIX・10Y = 7/24(金) 終値 (FMP API)、Breadth (200MA/8MA) = 7/23 CSV、Uptrend Ratio = 7/24 CSV。両CSVとも毎営業日更新で、lag は 1-2営業日。

二層構造の読み方: Breadth 200MA 61.20% と Uptrend Ratio 22.41% は矛盾していない。前者はS&P500の500銘柄を200営業日平均した超低速の構造線、後者は全市場2,851銘柄の当日値で「200日線・50日線・20日線すべて上+1ヶ月プラス」という厳しい4条件。生値で揃えると S&P500の200日線超えが -5.01pt、50日線超えが -9.02pt、全市場Uptrendが -9.84pt と3指標すべてが同方向・同期間に悪化している。大型株の中期構造は無傷、その外側の裾野が崩れている — これが今の相場の実体で、セクター分散スプレッドも 31.4pt→50.8pt へ拡大した (Energy 59.4% 買われ過ぎ vs Technology 8.6% 売られ過ぎ)。


コモディティ・セクター戦術

資産 現在値 (7/24終値) 方針 コメント
金先物 (GC) / GLD GC $4,070.80 / GLD $371.90 12%→13% (+1%、月曜寄り) GC 3,962.4 (≈GLD $362) の生命線を2週連続防衛して陽線。10年債4.690%の逆風下で下げ止まるのは実需の証拠。GC 4,415.0 (≈GLD $403) で戻り売り
エネルギー (XLE) XLE $59.62 (WTI $90.46) 4%維持 (上値追いなし) 週+3.49%・1ヶ月+11.27%で首位だが Uptrend 59.4% は既に買われ過ぎ。市場唯一の牽引役に上値余地が乏しい。今週いちばん追随売買が危険な資産
銅先物 (HG) / COPX HG $6.36 様子見 週+1.52%に対し関連株は Copper +5.37%・鉄鋼+3.52%・アルミ+3.39%。実物資産選好の一部だが、専用チャート未提供のため新規は見送り
ウラン (URA) URA $39.89 回避 週+3.00%と反発したが金曜単日 -3.01% で上昇分をほぼ吐き出し、週安値圏で引けた。底固め確認まで待機

兼業運用ガイド

朝チェック (5分)

  • 月曜は特別: 金曜終値を基準にした判断をそのまま持ち込まない。寄り30分は追随せず、ギャップの質 (エネルギー単独か、指数全体か) を確認する
  • VIX: 20未満=Caution据え置き / 20超を終値2日連続=Caution本格化 / 23超を終値2日連続=Stress移行 / 26ザラ場=テールリスク
  • 10Y 利回り: 4.690%。4.806%終値上抜けで警戒加速、4.501%割れでリスクオン点火 (今週の株価の方向はほぼこの1本で決まる)
  • S&P / Nasdaq: SPX 7,232.1 維持 / NDX 28,245.3 奪還か 28,052.8 割れか
  • Uptrend Ratio CSV (URL): GREEN転換=警戒解除 / 19.89%割れ=下落再開

夜・早朝チェック (JST基準)

現在は EDT (夏時間)、ET+13h = JST。決算時刻は公式IRの裏取り値。

  • 毎晩: サウジ・ヤンブー/米イランの続報を確認 → WTI 93.50終値上抜けで100ドル、82.73終値割れでプレミアム剥落 CNBC(7/24)
  • 7/28(火) 02:00: 2年債・5年債入札の結果を確認 → 弱ければ 10Y 4.70%上抜けが月曜中に成立
  • 7/30(木) 03:00 / 03:30: FOMC 声明 → Warsh 議長会見。SEPがないぶん声明の文言と会見トーンが全て。深夜で追えない場合は 7/30(木) 朝に全文と要旨を確認してから寄り前の判断へ
  • 7/30(木) 05:15〜06:30: 会見の2-3時間後に SBUX → META → QCOM → LRCX → MSFT が連続。3時間半で金融政策とAI設備投資の両方が確定する当週の山場
  • 7/30(木) 21:30: GDP第2四半期速報 + 6月PCE の同時発表。コアPCE前月比0.3%以上+GDP下振れでスタグフレーション懸念
  • 7/31(金) 06:00: AAPL・AMZN。AWS設備投資はハイパースケーラー3社目の判定、AAPL は関税コスト吸収方針と中国需要が焦点
  • 7/31(金) 夜: XOM (19:30 release / 22:30 call) と CVX (8/1(土) 00:00 call) で原油90ドル環境の統合メジャー業績を確認

今週の注意点

  • 月曜の再評価が最大の分岐: VIX が 20-23 で収まれば供給ショックはエネルギー内部で消化中。23超が終値で定着すれば Stress 移行の第一条件が成立する。金曜終値ベースのヘッジ設計は、既に無効になっている可能性がある
  • 分散の大きい相場では指数ヘッジが効きにくい: VIX 18.58 の水準で指数プットを買っても、TSLA -17.80% 級の個別急落は捕捉できない。個別リスク管理の比重を上げる
  • Energy への追随売買が今週いちばん危険: 唯一の牽引役が買われ過ぎに到達したところへ供給ショック。上方向は高値掴み、下方向は協議進展での急落と、リスクが対称的に存在する

リスク管理

ポジションサイズ: リスク資産 63%、現金 37% (前週 65/35 から小幅圧縮。Breadth 200MA が healthy を維持しているため急削減はしない)。
ヘッジ: GLD 13% (供給ショック・スタグフレーション) + BIL/現金 37% (イベント・バッファ) + XLV 10% / XLP 11% (ディフェンシブ) + XLE 4% (供給ショック観測枠)。
個別銘柄: ATR 1.6倍で損切り。7/29-7/30 のメガキャップ4社を保有する場合は ATR 1.2倍へ縮小し、時間外/寄りギャップ確認後に判断する。7/29 引けまでは新規エントリーを控える。

今週の具体的リスク

リスク 想定インパクト
供給ショックの深化 (テール枠 10%内) WTI 100ドル超または10年債 4.806% 超の成立で相関が1に近づく (シナリオ4のOR脚と同一定義)。ヤンブーはサウジ海上原油輸出の92%を担う回廊で、被害規模はまだ未確定
FOMCタカ派サプライズ (Caution 31%内) 10年債 4.70% 終値上抜け → 4.806% (2025年1月高値) 方向、NDX 27,800割れ。6月議事要旨で18名中約半数が2026年内の利上げを支持、Warsh 議長は7/1「物価は高すぎる」
ハイパースケーラー連続失望 (Caution 31%内) 市場の問いが「AI需要はあるか」から「投下資本を回収できるか」へ移った。GOOGL は設備投資ガイダンス上方修正で時間外-3.65%、TXN は増収増益・ガイド上振れでも寄り前-5.3%。同じ問いに MSFT/META/AMZN が晒される
Breadth 200MA の反転 31営業日続いた上昇が止まれば、「Breadth健全」という判断の根拠そのものが揺らぐ

分岐確率は筆者推定。報道は事実情報の出典であり、確率の根拠ではない: WaPo(7/25) / Maritime Executive

上級者向けオプション補足

オプションは補助的なヘッジ。基本は GLD 13% + 現金 37% + XLP 11% + XLV 10% の ETF ヘッジを優先する。目的は個別ロングのヘッジではなく、ポートフォリオ全体のイベントヘッジ。株式・ETF は 8/21(金) 標準月次 (祝日シフトなし)、VIX は 8/19(水) 標準月次を使う。7/29(水) の VIX ウィークリーは FOMC をカバーしない — VIX オプションは満期前営業日が最終取引日で、満期日の朝に清算される。7/29物は 7/28(火) で取引終了・7/29朝に清算され、7/29 14:00 ET の FOMC 声明より前に消滅する (Cboe VIX オプション仕様)。

対象 目的
QQQ プット $660 (深めは $650)、8/21(金) 満期 NDX の 28,245.3 割れ深化へのヘッジ
SPY プット $715 (深めは $705)、8/21(金) 満期 FOMC・GDP/PCE のイベント保険
VIX コール 25、8/19(水) 満期 FOMC 7/29 とその後の波及まで1枚で保持。より手前で反応させたいなら 23 だが、現値に近いぶんプレミアムは高い
GLD コール $385 (深めは $390)、8/21(金) 満期 供給ショック・スタグフレーションのテールヘッジ

まとめ

今週のテーマは「脆弱な内部構造の上に供給ショックが乗った週」。10年債 4.690% が極限ラインを突破し、Nasdaq 100 が水平サポート 28,245.3 を割り、Uptrend Ratio が 19.89% と6/5以来の20%割れに沈んだところへ、週末にサウジの原油輸出インフラが被弾した。前週のテールは4脚のANDで、成立したのは OR脚 (WTI 82.73 上抜け) の1脚のみ。株価2脚 (SPX 7,018.8 / NDX 26,233) までは5-7%の距離があり、テールはまだ遠方にある。最優先の行動は、月曜の寄りで追随売買をせず、VIX と 10年債の水準でレジームを再判定すること。金曜終値の VIX 18.58 は落ち着きの証拠ではなく、原油・金利のストレスがまだ株式ボラに転移していないというタイミングの問題にすぎない。モデル方針はリスク資産を 65%→63% へ小幅圧縮し、現金 37%・GLD 13% でイベント・バッファを厚くするに留める。Breadth 200MA 61.20% が healthy を保っている以上、急削減は取らない。7/30(木) 未明のFOMCと明け方のメガキャップ4社、そして同日夜のGDP+PCEを通過するまでは、規律あるストップロスと現金バッファで臨みたい週。


免責: 本記事は情報提供を目的とした モデル配分例・分析 であり、個別投資助言ではありません。本文中の「月曜寄り」「分割執行」等の表現は モデルポートフォリオ上の想定執行 であり、読者個別への執行指示ではありません。実際の投資判断・ロット決定は、各自のリスク許容度、ポートフォリオ事情、税務状況を踏まえてご自身でご判断ください。必要に応じて 資格あるファイナンシャル・アドバイザー への相談を推奨します。シナリオ確率は筆者個人の推定値 であり、市場コンセンサスや報道機関の予測ではありません。


Sources

金融政策 (日付・時刻の確定用)

経済指標 (日付・時刻の確定用)

決算 IR (release/call 分離、すべて公式IRドメイン)

市場コンセンサス出典 (予想値確定用)

報道ソース (事実報道、確率・分析は筆者推定)

データソース (価格・CSV)

  • 価格・VIX・10Y: 7/24 終値 FMP API — SPX 7,411.98 / NDX 28,128.34 / DJI 51,947.25 / SPY $738.93 / QQQ $684.23 / DIA $518.76 / IWM $291.17 / VIX 18.58 / GLD $371.90 / GC $4,070.80 (GC/GLD 10.95倍) / TLT $83.25 / BIL $91.61 / XLE $59.62 / XLP $84.13 / XLV $162.57 / WTI $90.46 / 銅 $6.36 / URA $39.89 / 10Y 4.690% / 2Y 4.33%
  • Breadth (200MA 61.20% / 8MA 66.93% / 生値 66.13%): 7/23 CSV Market Breadth CSV
  • Uptrend Ratio (22.41% RED / 10MA 23.85%): 7/24 CSV Uptrend Ratio CSV
  • セクター内部 (Energy 59.4% / Technology 8.6%): Sector Summary CSV
  • Breadth / Uptrend の両CSVは毎営業日更新 (lag 1-2営業日)

オプションカレンダー (祝日シフト確認)

  • Cboe 2026 Options Calendar PDF — Equity/ETF: July標準は7/17に満期到来済 → 次は 8/21(金) 標準月次 (祝日シフトなし)
  • Macroption VIX Expiration / Cboe VIX オプション仕様 — 本記事のVIXコールは 8/19(水) 標準月次。VIX オプションは満期前営業日が最終取引日・満期日朝に清算されるため、7/29(水) ウィークリーは 7/29 14:00 ET の FOMC 声明前に消滅し、当会合のヘッジには使えない

シナリオ確率は筆者推定。報道ソースは事実確認用であり、確率予測の出典ではありません。

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