先週の米国相場は、銀行の信用不安が軽減し、PCEの発表によりインフレの上昇が順調に落ち着きついてきていることが確認されたことで、米国債の金利が下落し、ソフトウェア銘柄を中心に力強く上昇しました。3月に大きく下落した不動産、エネルギー、金融等のセクターにも資金が戻りつつあります。
S&P500、ナスダック、ダウ共に2月から始まった短期的な下落トレンドが止まり、相場全体が上昇を開始しています。
今週は4/3 製造業PMI、4/7 雇用統計の発表があります。景気の動向をしっかり確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
S&P500で200日移動平均線を超えている銘柄の割合は50%を超えてきました。2月以降に下落していた銘柄にも買いが戻ってきていることが分かります。
S&P500で50日移動平均線を超えている銘柄の割合についても50%手前まで戻ってきました。
ナスダックの高値–安値銘柄数は13まで上昇し、プラス圏に復帰しています。明らかに買い手が優勢となっており、市場のセンチメントが変わってきているように見えます。
VIXは18.69まで下落しました。2022年から2023年にかけて20を下回ったところで反発する動きを繰り返してきていますので、上昇の兆候を注意深く監視していきたいと思います。
米国債10年物の利回りは+2.69%と反発してきましたが、週の後半に下落して大きな上ヒゲをつけて終えています。まだどちらに進むか方向性が定まっていないように見えます。
ナスダックは+3.03%の上昇で2月の高値を超えてきました。安値をしっかり切り上げて上昇トレンドを開始しており、2022年の8月の高値をターゲットに上昇していく可能性が高くなってきました。
ダウは+3.24%の上昇で2月から始まった短期の下落トレンドをブレイクしています。
S&P500は+3.27%の上昇で、ダウと同様に2月から始まった短期の下落トレンドをブレイクしています。今後、2月の高値の4200を超えていけるかに注目したいと思います。
ラッセル2000は+3.79%の上昇で強く反発してきました。2022年の6月から1700から2000の範囲でレンジ相場の動きを繰り返しています。当面のターゲットは2月の高値の2000です。
原油価格は+9.32%と大きな上昇で2022年12月から始まった73〜82のレンジに戻ってきました。下落トレンドのチャネルの範囲で推移しています。今後、下落トレンドをブレイクしていくかを確認したいと思います。
天然ガスは2月の安値2.0の水準まで下落したところから反発してきました。ダブルボトムを形成してここから上昇に転じていくかを確認したいと思います。
金価格は+0.12%と小幅な値動きとなりました。2週連続で十字線となっています。上昇トレンドを継続しています。今後、2000をブレイクして上昇していけるかを監視していきたいと思います。
銅価格は+0.48%と小幅な上昇となりました。1月から始まった短期の下落トレンドの範囲で推移しています。
小麦価格は+0.54%の小幅な上昇です。4週間連続で横ばいの動きです。
バルチック海運指数は-6.72%の下落です。2月の上昇から調整が進んでい状態です。
鉄鋼価格は-7.52%の下落となりました。2023年初から力強く上昇した後の調整中です。
セクター分析
先週はすべてのセクターが上昇しました。エネルギーと一般消費財が最も強く上昇しています。通信サービスが最も弱い上昇となっています。通信サービス、ヘルスケア、ディフェンシブあたりは今週以降に他のセクターに追随して上昇していくかを監視して行きたいと思います。
業種別のパフォーマンスを確認すると、ホテルREIT、貴金属、ウラン、航空、放送、アパレル製造が強く上昇しています。3月の銀行破綻の後に大きく下落した業種が反発してきています。石油ガス関連の業種も原油価格が持ち直してきたことで全体的に上位に位置しています。
3月にアンダーパフォームしていたセクターと業種別に売られ過ぎとなっている銘柄が多く見られます。市場の雰囲気が改善したことで、今週はこのあたりの業種にも買いが入っていく可能性があると思います。
セクターでは金融、エネルギー、不動産、業種ではアルミ、デパート、REIT、ウラン、保険、銀行、放送、鉄鋼に注目したいと思います。
以下は1ヶ月のセクターと業種別のパフォーマンスです。
個別銘柄の動向
時価総額の大きな銘柄では、ソフトウェア（NOW、ORCL、CRM）、半導体（INTC、ASML）、自動車（TSLA）、インターネット小売（AMZN、BABA）、石油ガス（XOM）、その他金属（BHP、RIO）が力強く上昇しています。
今週の戦略
先週、市場参加者の心理が改善したことで、多くの銘柄が新高値をブレイクして上昇を始めています。諸々のチャートの分析と先週の相場の上昇の勢いから考えると、今後、少なくとも数週間は上昇が続く可能性が高いと思います。
出来高の増加を伴ってブレイクアウトした銘柄を対象にスイングトレードのポジションを追加していきたいと思います。
監視銘柄
注目している銘柄は、AXON、DUOL、FOUR、HUBS、MELI、PANW、PD、WDAYです。
監視銘柄の一覧は以下の通りです。
監視銘柄の週足チャートはこちら。
3月の相場下落時に売られた業種にも投資資金が戻ってくる動きが見られますので、監視銘柄に加えて金属加工（CRS）、鉄鋼（STLD）、石油ガス（WFRD）などの業種についても動向を監視していきたいと思います。
決算発表予定
今週はSAIC、MSM、CAG、RELL、LW、LEVIの決算に注目したいと思います。
4/3
- SAIC
- TRGP
4/4
- AYI
- MSM
- KRUS
- NG
- SGH
4/5
- CAG
- RELL
- SMPL
- SDRL
- SLP
4/6
- LW
- LEVI
- RPM
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