2022-04-25週に2022年Q1決算を発表し、売上とEPS共に予想を上回り、株価が上昇したカーライル・カンパニーズの分析を行いました。商業建築のエネルギー効率を高められる素材を製造、販売している企業です。
最初に結論です。
それでは、カーライル・カンパニーズが提供する製品群の概要と事業状況を確認していきましょう。
CSL – カーライル・カンパニーズ Carlisle Companies Incorporated
企業概要
カーライル・カンパニーズは商業建築向けの屋根、農業、芝生と庭、鉱業および建設設備、航空宇宙、および世界中の顧客に幅広いサービスと製品を設計、製造、販売する企業です。
3つのセグメントを通じて事業を展開しています。
- カーライル コンストラクション マテリアルズ(CCM)
- カーライル インターコネクトテクノロジーズ(CIT)
- カーライル フルイド テクノロジー(CFT)
80%の売上は建築向けの資材を提供するCCM部門から上がっています。
提供する製品群
CCM部門では、シングルプライルーフィング、硬質フォームインシュレーション、スプレーポリウレタンフォームテクノロジーなど、商業・工業・住宅向けの様々な建築外装材を製造しています。
CIT 部門は、民間航空宇宙、軍事・防衛電子、医療機器、産業、試験・計測市場向けの光ファイバーを含む電線・ケーブルを製造しています。
CFT 部門は、自動車製造、一般産業、保護塗装、木材、特殊製品、自動車再塗装市場で使用されるさまざまな塗料のスプレー、ポンプ、混合、計量、硬化のための液体、粉末、シール剤、接着剤仕上げ装置および統合システムソリューションを製造しています。
カーライル コンストラクション マテリアルズ(CCM)の製品群
建物の屋根と壁に利用する断熱材、屋根のコーティング材、屋上庭園等を提供しており、エネルギー消費の削減することができます。
建物の外壁向けには、スプレー式の断熱材、空気遮断材、基礎の防水システム等を提供しています。
欧州は$10B超の市場規模があり、ドイツの施設に$25Mの投資を行い事業規模を拡大しています。
カーライル インターコネクトテクノロジーズ(CIT)の製品群
航空機向けには、電力配線、ネットワーク、制御システム等を提供しています。
医療施設向けには、患者モニタリング、手術用機器、CT画像診断装置などを提供しています。
2008年以降に$3B規模の買収を行っており、製品とサービスのラインナップを拡充しています。買収により拡充した製品領域は以下の通りです。
- スプレー式の断熱材
- 建築向け金属加工
- 水、空気、エネルギーの遮断素材
直近の決算結果
2021年の同期と比較すると売上は59%増、EPSは208%増となっています。特にEPSの増加が著しいです。
建築素材部門は売上が58.4%成長しました。
防水製品部門の売上はHenry社の買収により昨年比で120%増加しています。各製品の成長率は+20%となっています。
2022年Q1の売上を仕向地別に見てみると米国が85%、欧州が6.4%、米国以外の北米が4.7%となっています。
2022年の通期ガイダンス
価格対策による効果、屋根の交換、新規建築の需要が堅調であり、高いエネルギー効率を実現できる製品の需要が強いことから、売上は30%成長する見込みとなっています。
週足のチャートを見てみると、弱気相場の中にあって上昇トレンドを維持しており、2022年Q1の決算発表を行なった週には+5.19%上昇しています。
結論
CSLは、直近の決算でEPSの成長が加速し始めていること、また昨今のエネルギー価格の高騰から建物のエネルギー効率を高めたいという強い需要は、今後も継続することが予測されます。特に欧州向けのシェアを拡大する良い機会になるのではないかと思います。
これらのことから、CSLは2022年を通じて売上、EPS共に成長が継続する可能性が高いと考えます。チャートを観察しながらエントリーのタイミングを探っていきたいと思います。
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