【米国株】2026年9月28日週 トレード戦略

投資戦略

3行まとめ

  1. 指数は上がり、値上がりする銘柄の広がりはさらに細りました。 Nasdaq 100 は週 +3.25% で上値の節目に迫りました。一方で 200日線の上にいる銘柄は半分を割り、10年債は 5.170% まで上がっています。
  2. 今週は重要な指標が集中します。 山場は 9/30(水) の PCE、同じ日の引け後の Micron 決算、10/2(金) の雇用統計です。週末にトランプ大統領がイランの提案を拒否し、月曜の原油は窓を開けて上がるおそれがあります。
  3. リスク資産 39% を据え置きます。 先週のうちに 46% から 39% まで守りを固めました。今週は新たに売買せず、戻す条件と削る条件だけを決めておきます。

今週のアクション

相場の局面の判定は、先週から「悪化」のままです。 下のシナリオ①〜④は、この局面から今週どう動くかの見通しです。① 平常なら据え置き、② 強気なら一部を戻し、③ 警戒と ④ 最悪ケースならさらに守りを固めます。

今週のモデル配分は コア 9% / 防御 17% / テーマ 13% / 現金 61%。リスク資産は 39% です。
先週決めておいた条件が2つ成立し、執行は既に済んでいます。今週は新たに売買しません。

以下はモデル配分例です。実際の売買判断は各自のリスク許容度で。

先週済んだ執行

条件 データ日 → 確認日 モデルの執行
金のルール (GC 4,415.0 を終値2日連続で割れた) 9/21・9/22 終値 → 9/22(火) 引け 9/23(水) 寄りで GLD 10% → 9%。リスク資産 45%
警戒シナリオ (200日線上の比率 49.90%・50日線上 29.34% の2本) 9/23 のデータ → 9/24(木) 寄り前に CSV 公開 9/24(木) 寄りで 45% → 39%
10年債 5.15% 終値上抜け (5.18%)・30年債 5.40% 超の2日連続 9/24・9/25 終値 執行後に追加で成立。追加の売買なし

執行のタイミングは2種類です。株価や金利の終値で決まる条件は、終値を確認した翌営業日の寄り。CSV の日次データで決まる条件は、CSV で値を確認できた後の最初の寄りで、寄り前に公開されていればその日の寄りです。

GLD は 9% のままです。 金は今も 4,415.0 の下 (9/25 GC $4,321.20) で、買い戻す理由がありません。

モデル配分 (今週)

銘柄 前週の起点 今週 変化 実行タイミング 意図
SPY 9% 6% -3 9/24(木) 寄り 執行済み SPX は支持 7,590.1 の 1.98% 上。週の上昇は 9/21 の1日に集中
QQQ 1% 1% ±0 新規執行なし NDX は抵抗 30,839.1 の 0.75% 下。跳ね返されると下に空白
DIA 4% 2% -2 9/24(木) 寄り 執行済み Dow は 52,359.0 を試して押し戻された
XLV 11% 10% -1 9/24(木) 寄り 執行済み ヘルスケアは上昇トレンドへ転換。警戒シナリオでも残す軸
XLP 7% 7% ±0 新規執行なし 金利上昇で利回り代わりの防御株が売られ、守りになっていない
GLD 10% 9% -1 9/23(水) 寄り 執行済み 4,415.0 は支えから上値の壁に変わった
XLE 4% 4% ±0 新規執行なし WTI $92.41。月曜の窓開けを追いかけて増やさない
BIL / 現金 54% 61% +7 9/23・9/24 寄り 執行済み BIL $91.62。3ヶ月金利 4.240% で待つコストが下がった
合計 100% 100% リスク資産 46% → 39%

$100K ポートフォリオ例: SPY $6K / QQQ $1K / DIA $2K / XLV $10K / XLP $7K / GLD $9K / XLE $4K / BIL・現金 $61K

なぜ据え置くのか

今の局面で持ってよいリスク資産の上限の目安は 47〜53% (中位 50%) です。39% はその下限を 8pt 下回るので、さらに削る根拠はありません。
ただし目安は上限であって、戻す目標ではありません。追加で削るのは新しいトリガーが成立したときだけ、戻すのは下の条件がそろったときだけです。

戻す条件 (部分復元)

「生値」は S&P 500 で200日線の上にいる銘柄の割合の日次値、「8日EMA」はその8日指数平滑移動平均 (EMA。直近ほど重く見る平均) です。Uptrend Ratio は上昇トレンドにある米国株の割合、「2データ点連続」は CSV で2日分続けてという意味です。

部分復元の条件 (3つすべて)
① 200日線上の比率 (生値) が、同じ日の8日EMAを上回る状態を2データ点連続
② 生値 45% 以上を2データ点連続
③ Uptrend Ratio 15.52% 超を2データ点連続 (現在 13.85%)

今は生値 47.70%、8日EMA 52.59% で、あと +4.89pt 必要です。
下限 45% は、内部がさらに崩れた局面で条件を満たさないための歯止めです。

どこから満たしたか 戻し先 (CSV で確認後の最初の寄り想定) 戻す銘柄
今の 39% 44% SPY 6→9 / QQQ 1→2 / DIA 2→3、現金 61→56%
警戒シナリオ発動後の 34% 39% まで SPY 4→6 / DIA 1→2 / XLP 5→7、現金 66→61%
最悪ケースの配分を実行した後 条件は無効 翌週に作り直す

Uptrend Ratio の GREEN の読み方

Uptrend Ratio は 9/24 に GREEN に変わりましたが、比率は 13.85% で危機帯 (15% 未満) のままです。
色は 10営業日前の比率と比べているだけなので、比較の相手が谷に入れ替わると横ばいでも GREEN が続きます。

取引日 比較の相手 GREEN 維持に必要な比率 現在 13.85% から 意味
9/28(月)〜9/30(水) 9/14〜9/16 (13.31% / 13.20% / 12.09%) 12.09〜13.31% 超 下げても可 横ばいで自動的に維持
10/1(木) 9/17 (14.57%) 14.57% 超 +0.72pt 最初の本当の試験
10/2(金) 9/18 (13.89%) 13.89% 超 +0.04pt 境界

本当の改善は 15.52% 超が2データ点続くことで確認します。

今週の判定条件

条件 水準と時間基準 今の値 成立したら
局面を「悪化」から「警戒」へ (3つのうち2つ) Uptrend Ratio が GREEN かつ 15.52% 以上をデータ2点連続 13.85% 局面の呼び名が「警戒」に戻るだけ。配分は動かさない
〃 200日線上の比率 64.0% 以上をデータ2点連続 47.70% 〃
〃 SPX 7,833.4 超を終値2日連続 かつ VIX 17 未満を終値2日連続 VIX 側は成立中 〃
さらに守りを固める シナリオ③のトリガー — 39% → 34%
「警戒」より上へ戻さない 10年債 4.708% 終値上抜け 5.170% (成立中) 平常・強気の局面へは戻さない
〃 30年債 5.30% 終値上抜け 5.490% (成立中) 〃
〃 WTI $93.50 終値上抜け $92.41 (不成立) 〃
金のルール GC 4,278.3 を終値2日連続で割れる $4,321.20 GLD 9% → 8% (減らした分は現金へ)
〃 GC 4,415.0 を終値2日連続で回復 $4,321.20 GLD 9% → 10% (現金から)

配分を動かすのは、部分復元 (39% → 44%)、シナリオの条件、金のルール (GLD ±1pt) だけです。「警戒より上へ戻さない」3条件は、「悪化」から「警戒」への一段目と部分復元には使いません。
10年債の標準の目安 4.11% / 4.36% / 4.50% / 4.60% はすべて上抜け済みで、今週は 5.000% と 5.228% (9/21週の週足高値) で判定します。5.228% の上抜けは FMP 日次終値で 5.23% 以上です。

売買レベル

対象 下方の水準 上方の水準 防衛ライン (時間基準)
S&P 500 7,590.1 (-1.98%、SPY ≈ $756.08) 7,833.4 (+1.16%、SPY ≈ $780.31) 7,590.1 を終値割れ。次の支持は 7,232.1 (-6.60%)
Nasdaq 100 30,000 (-1.99%、QQQ ≈ $729.71。節目) / 28,245.3 30,839.1 (+0.75%、QQQ ≈ $750.12) 30,000 を終値2日連続割れ。上抜けて2日保てば上に水準なし
Dow 50,544.1 (-2.48%、DIA ≈ $504.66) 52,359.0 (+1.02%) 50,544.1 を終値2日連続割れ
Russell 2000 2,719.2 (-4.17%) 2,883.0 (+1.60%) 2,883.0 を回復して2日保てるか
米国債 10年 5.000% (-17.0bp) / 4.708% 10年 5.228% (+5.8bp) / 2年 4.90% 10年債は移動平均から目視で約 +30bp 上。伸びすぎだが反落の保証はない
金 GC / GLD 4,278.3 (-0.99%、GLD ≈ $389.45) / 3,962.4 4,415.0 (+2.17%、GLD ≈ $401.90) 割れも回復も終値2日連続で GLD を 1pt 動かす
WTI / 銅 WTI 88.32 (-4.43%) / 銅 6.3765 WTI 93.50 / 96.00 / 111.29 / 銅 6.8035 WTI 88.32 の下は 78.46 まで空白。この水準で XLE は売買しない
VIX 14.00 16.00 / 20.00 (+34.50%) / 23.00 (+54.67%) / 26.00 週中 16.57 まで上げたが、終値では 16 を一度も超えず

系列の注記: NDX の週高値 30,799.6 は Capital.com の CFD 週足の値で、FMP 日足の週高値は 30,770.63 です。Dow も CFD 週足ではザラ場で 52,432.9 まで上抜けましたが、FMP 日足の週高値は 52,319.01 で、52,359.0 に届いていません。手描きの水平線は TVC の CFD 系列から、価格と判定は FMP 日足から取っています。移動平均は目視概算で、割れ判定には使いません。価格は 2026/9/25(金) 終値で、一覧は末尾の Sources にあります。

重要イベント

日付 (JST) 日付・時刻 (ET) イベント 重要度 見るポイント
9/29(火) 13:30 9/29(火) 0:30 RBA 政策決定 中 予想は +25bp の 4.60% (コンセンサス: Trading Economics) RBA
9/29(火) 23:00 9/29(火) 10:00 JOLTS 求人件数 (8月) + 消費者信頼感 (9月) 中〜高 労働需給の締まり具合 BLS / Conference Board
9/30(水) 01:40 9/29(火) 12:40 Barr 理事「Economic Outlook」 高 9/23 に追加の引き締めを示唆した本人 Fed 9月カレンダー
9/30(水) 02:00 9/29(火) 13:00 Goolsbee シカゴ連銀総裁 中 シカゴ連銀 公式
9/30(水) 02:30 9/29(火) 13:30 Musalem セントルイス連銀総裁 公開対談 (LSE 主催、ロンドン現地時間 18:30 BST) 中 金融政策と最近の経済がテーマ LSE 公式
9/30(水) 21:15 9/30(水) 8:15 ADP 雇用統計 (9月) 中 金曜の雇用統計の前触れ
9/30(水) 21:30 9/30(水) 8:30 PCE 価格指数 (8月) + GDP 確定値 最重要 コア前月比 +0.3% が予想 (コンセンサス: Trading Economics)。上振れなら 10年債 5.228% 突破の経路 BEA
10/1(木) 05:30 9/30(水) 16:30 Micron (MU) コール 最重要 翌朝の窓 ±8% と、NDX 30,839.1 を抜けるか
10/1(木) 06:10 9/30(水) 17:10 Goolsbee シカゴ連銀総裁 中 PCE への地区連銀総裁の最初の反応
10/1(木) 23:00 10/1(木) 10:00 ISM 製造業 (9月) 高 価格指数が 8月の 71.1 から上がるか ISM 8月分リリース
10/2(金) 02:30 10/1(木) 13:30 Jefferson 副議長「U.S. Economy and Monetary Policy」 最重要 今週唯一、題目が金融政策そのもの Fed 10月カレンダー
10/2(金) 21:30 10/2(金) 8:30 雇用統計 (9月) 最重要 予想 +10.0万人・失業率 4.2% (コンセンサス: Trading Economics / Seeking Alpha) BLS
10/2(金) 23:00 10/2(金) 10:00 Logan ダラス連銀総裁 開会挨拶 低 CT とみなして 10:00 ET に換算 ダラス連銀 公式

その他の Fed 登壇 (影響は低〜中)。Warsh 議長の登壇予定はありません。

人物 日付 (ET)
Bowman 副議長 9/28・9/29・10/1
Cook 理事 9/28・9/30・10/1
Waller 理事 9/29・10/1

今週ないもの: 利付国債の入札 (10/6(火)〜10/8(木))、FOMC 議事要旨 (10/7(水))、CPI (10/14(水))。

Fed のブラックアウト期間は 10/17(土) 00:00 ET 〜 10/29(木) 23:59 ET (PDF で確認)。次回 FOMC は 10/27(火)-28(水) で、今週はブラックアウトではありません。

決算 — リリース

BMO は寄り前、AMC は引け後の発表です。時刻を公式が書いているのは AYI の1社だけです。

日付 (ET) 銘柄 (時価総額 / タイミング) 公式が示す時刻
9/28(月) MTN $4.85B AMC IR / JEF $9.70B AMC IR 2社とも未明示
9/29(火) CCL $30.47B BMO IR / KMX $8.12B BMO IR / UEC $4.66B BMO IR / AIR $4.63B AMC IR 4社とも未明示
9/30(水) JBL $33.19B BMO IR / FDS $9.71B BMO IR / CAG $6.85B BMO IR / CALM $3.16B BMO IR 4社とも記載しない
9/30(水) MU Micron $1.22T AMC IR リリース時刻は公式未明示
10/1(木) ACN $107.8B BMO IR / MKC $12.89B BMO IR / NKE $52.9B AMC IR 3社とも記載しない
10/1(木) AYI $9.56B BMO IR 6:00 ET = 10/1(木) 19:00 JST

決算 — カンファレンスコール / ウェブキャスト

時刻は ET → JST の順です。

日付 (ET) コール / ウェブキャスト
9/28(月) MTN 17:00 → 9/29(火) 06:00。JEF は告知なし
9/29(火) KMX 8:00 → 21:00 / CCL 10:00 → 23:00 / UEC 11:00 → 9/30(水) 00:00 / AIR 17:00 → 9/30(水) 06:00
9/30(水) 朝 JBL 8:30 → 21:30 / FDS 資料 8:30 → 21:30・call 9:00 → 22:00 / CALM 9:00 → 22:00 / CAG 9:30 → 22:30 (Q&A のみ)
9/30(水) 引け後 MU 16:30 → 10/1(木) 05:30。今週唯一、指数を動かす規模
10/1(木) ACN・AYI・MKC 8:00 → 21:00 / NKE 17:00 → 10/2(金) 06:00

決算で見る問いは3つです。①AI 物色は業績で裏付けられるか (JBL → MU)。MU の一株利益の予想は $31.45 (コンセンサス: CMC Markets) と期待が高い水準です。
②消費は金利 5% 台で持ちこたえているか (CCL・KMX・NKE と食品3社)。③AI はサービス業の需要を奪うか (ACN・FDS)。

シナリオ別プラン

以下の確率はすべて筆者個人の推定値です。4つの分析 (テクニカル・市場環境・ニュース・前週の記事) を統合し、合計は 100% です。シナリオの名前は今週の値動きの型で、上で書いた局面の判定 (悪化) とは別のものです。

シナリオ別の配分 (合計はいずれも 100%)

銘柄 ① 平常 (今週と同じ) ② 強気 ③ 警戒 ④ 最悪ケース
SPY 6% 9% 4% 2%
QQQ 1% 2% 1% 0%
DIA 2% 3% 1% 1%
XLV 10% 10% 10% 8%
XLP 7% 7% 5% 5%
GLD 9% 9% 9% 9%
XLE 4% 4% 4% 4%
現金 61% 56% 66% 71%
コア / 防御 / テーマ 9 / 17 / 13 14 / 17 / 13 6 / 15 / 13 3 / 13 / 13
リスク資産 39% 44% 34% 29%

① 平常: 金利高止まりの中で指標を消化 (Base) — 筆者推定 37%

内容: PCE と雇用統計は予想近辺で、MU は翌朝 ±5% 以内。10年債は 5.000〜5.228% で高止まりし、資金は半導体と一部の大型株に集まり続けます。
200日線上の比率は8日EMAの下にとどまり、Uptrend Ratio は 15.52% を2データ点続けて超えません。

トリガー (すべて満たす): SPX 7,590.1 を終値で維持 + 10年債 5.228% を終値で上抜けない + VIX 20 を終値2日連続で超えない + 200日線上の比率 40% を割らない

注: 強気シナリオの部分復元3条件がそろった場合は、平常ではなく強気シナリオの判定を優先します。

想定レンジ: SPX 7,590〜7,833 / NDX 29,800〜30,839 / VIX 14〜18 / 10年債 5.00〜5.23% / WTI $88〜96
早めの警告 (単独では動きません): 200日線上の比率 45% 割れ / Uptrend が 10/1(木) に GREEN を失う

アクション: 据え置き (表の ① 列、リスク資産 39%)

② 強気: 内部が回復して一部を戻す (Risk-On) — 筆者推定 16%

内容: PCE が鈍化し、MU が翌朝 +8% 超の窓を開けて、NDX が 30,839.1 を上抜けます。10年債は 5.000% 方向へ下がり、Russell 2000 が 2,883.0 を回復します。大事なのは指数ではなく、200日線を回復する銘柄が増えることです。

必須トリガー (3つすべて): 200日線上の比率 (生値) が同じ日の8日EMAを上回る状態を2データ点連続 (現在は生値 47.70%、8日EMA 52.59%、差 +4.89pt) + 生値 45% 以上を2データ点連続 + Uptrend Ratio 15.52% 超を2データ点連続 (色ではなく水準で判定)

補強材料 (単独では動きません): NDX 30,839.1 を終値2日連続で上抜け / 10年債 5.000% を終値で割る / Russell 2000 2,883.0 を回復して2日保つ

16% にとどめる理由: PCE の鈍化、MU の上窓、原油の落ち着きが同時に要ります。週末のイラン提案拒否で、先週の原油安の前提が崩れました。

アクション: 表の ② 列 (コア 9% → 14%、現金 61% → 56%、リスク資産 44%)。条件はすべて CSV なので、執行はCSV で確認できた後の最初の寄り想定。

③ 警戒: 金利主導の調整が大型株へ波及 (Caution) — 筆者推定 35%

内容: PCE の上振れか原油の反発 (WTI $96 超) で、10年債が 5.228% を超えます。小型株・公益・不動産・金融で既に起きている下げが大型株へ広がり、SPX は 7,590.1 を割って 7,232.1 方向へ向かいます。

根拠: 週の上昇は 9/21(月) の1日に集中し、火曜以降の4日間 S&P 500 は合計でわずかにマイナスでした。PCE の上振れと原油交渉の停滞は、どちらも金利を押し上げます。弱点は、株価指数と VIX にまだストレスが出ていないことです。

トリガー (下のどれかの組で成立):

  • 1日で確定 (終値ベース)。どれか1つで成立: SPX 7,590.1 終値割れ (SPY ≈ $756.08) / 10年債 5.228% 終値上抜け(FMP 日次終値で 5.23% 以上) / 2年債 4.90% 終値上抜け
  • 2日続いて確定。どれか1つで成立: VIX 20超を終値2日連続 / Dow 50,544.1 を終値2日連続割れ / NDX 30,000 を終値2日連続割れ (QQQ ≈ $729.71)
  • 日次データで確定。3つのうち2つで成立: 200日線上の比率 40% 割れ (現在 47.70%) / 50日線上の比率 20% 割れ(現在 26.35%) / Uptrend Ratio 12.09% 割れ (現在 13.85%)

アクション: 表の ③ 列 (リスク資産 34%)。SPY 6→4、DIA 2→1 に加え、XLP 7→5 と、金利上昇で売られている防御株を先に減らします。上昇トレンドに転じたヘルスケア (XLV 10%) は残します。執行は、終値の条件なら翌営業日の寄り、CSV の条件ならCSV で確認できた後の最初の寄りを想定します。

④ 最悪ケース: 金利ショックが株に波及 (Tail Risk) — 筆者推定 12%

内容: 10年債が 5.228% を超えて水準のない領域へ加速し、原油も $100 超へ戻ります。株と債券が同時に下げ、VIX が 23 を超え、SPX は 7,232.1 を目指します。
残るのは株の側の条件で、VIX 23 までは +54.67%、SPX 7,232.1 までは -6.60% と遠いままです。通常は警戒シナリオを経て移りますが、直接移ることもあります。例えば月曜のザラ場で VIX が 26 を超え、前営業日終値の10年債が 5.15% 以上なら、警戒の条件が終値で確定する前に最悪ケースへ移ります。

トリガー (2つの同時成立。片方だけなら③の範囲内):

  • 1つめ (株のボラティリティ): VIX 23超を終値2日連続 (26超はザラ場で確認し即時扱い) または SPX 7,232.1 を終値2日連続割れ
  • 2つめ (原因の特定): 1つめが成立した日の終値で、10年債 5.15% 以上 (現在 5.170%) または WTI $100 終値上抜け

アクション (緊急防御モード): 表の ④ 列 (リスク資産 29%)。警戒シナリオを先に執行済みでも、直接移った場合でも、行き着く先はこの配分です。

VIX 26 超をザラ場で確認した場合は、モデル上ザラ場での即時リスク削減を検討します。このときの2つめの条件は、前営業日終値の10年債 5.15% 以上、または当日ザラ場の WTI $100 超で判定し、当日の終値を待ちません。

マーケット状況

指標 現在値 判断
10年債 / 2年債 / 30年債 5.170% / 4.810% / 5.490% (10年は週 +16.0bp) 2年債と10年債の差 (2s10s) は 25bp → 36bp。長期ほど売られる形です
VIX 14.87 (週中高値 16.57) 10年債が +16bp 動いた週に前週と同水準。金利リスクをほぼ織り込んでいない
200日線上の比率 (生値) 47.70% (9/24 CSV。8日EMA 52.59%) 9/23 に 49.90% で 50% を割り、9/24 は 47.70%。50% 割れは 4/6 以来です。脆弱ライン 40% まではまだ 7.70pt あります
50日線上の比率 26.35% (9/24 CSV) 過去10年で下から 8% の水準。短期の傷みは長期より深い状態です
Uptrend Ratio 13.85% GREEN (9/25 CSV。390/2,816銘柄) GREEN は比較相手の入れ替わりによるもので、中身は未確認
S&P 500 / Nasdaq 100 7,743.41 / 30,608.13 (週 +1.21% / +3.25%) 上昇はほぼ 9/21 の1日分。META と GPU 以外の半導体が買われました
Dow / Russell 2000 51,828.62 / 2,837.55(週 +0.28% / -0.80%) NDX と Russell の差は3週続けて拡大。金利に弱い順に売られています
金 GC / GLD $4,321.20 / $393.36(週 -2.34%) 5営業日すべて 4,415.0 の下。原油安でインフレ期待が下がり、実質金利の上昇が効きました
WTI / 銅 $92.41 (週 -7.87%) / $6.766 供給が戻る道筋への期待で下げたが、その道筋は 9/26 に拒否された
セクター参加率 上昇トレンド4本 / 売られ過ぎ7本 勝つ業種と負ける業種の二極化が進んでいる

Uptrend Ratio は 9/25 CSV、Market Breadth は 9/24 CSV の時点で、両方とも日次更新です。セクター参加率は各業種で上昇トレンドにある銘柄の割合です。

割高さが原因の相場ではありません。 予想 PER は 19.2倍で、5年平均 19.8倍を下回ります。
ただし株式の Put/Call は 0.55 (9/24) とコール買いに偏り、一握りの銘柄への楽観が続いています。この市場の弱点は、長期金利 5% 台と参加銘柄の減少が重なっていることです。

コモディティ・セクター戦術

対象 現値 方針 根拠
金 GC / GLD GC $4,321.20 / GLD $393.36 GLD 9% 維持 動かすのは金のルールが成立したときだけ
WTI / XLE WTI $92.41 / XLE $62.04 XLE 4% 維持。月曜の窓開けを追いかけない 9/26 のイラン提案拒否で、月曜は窓を開けて上がるおそれ
銅 HG $6.766 新規建てなし 週中 6.9285 まで上げて押し戻された
ヘルスケア XLV $170.70 10% 維持 上昇トレンドへ転換し、2週続けてプラス。警戒時も削らない
生活必需品 XLP $82.06 7% 維持。警戒時に最初に削る 参加率 3.3% で売られ過ぎ。利回り代わりとして売られる
長期債 TLT $79.32 (週 -2.38%) 組み入れない 9/23 以降3日続けて52週安値の下。ヘッジとして働いていない
ウラン URA (未保有) $40.91 新規建てなし 材料が少ない

月曜の原油は、筆者推定で「窓を開けて $95 前後」45%、「小幅高で落ち着く」40%、「$88 割れ」15% と見ています。WTI が $93.50 を再び上抜けても、配分は動かしません。

兼業運用ガイド

朝チェック (5分)

  1. 10年債の 5.228% と 5.000% を最初に見る。5.228% の終値上抜けで警戒シナリオが成立。5.000% 割れは金利側の反証です
  2. SPX 7,590.1 と NDX 30,000 を確認する。SPX は終値割れ1日、NDX は終値割れ2日連続で警戒側です
  3. 200日線上の比率 (CSV) は、生値と8日EMAのどちらが上かで見る。40% 割れ単独では動きません
  4. Uptrend Ratio は色ではなく水準で見る。10/1(木) の 14.57% 超が最初の試験です
  5. GC の 4,278.3 と 4,415.0 を確認する。金のルールの判定です

夜・早朝チェック (JST)

JST イベント 確認すること
9/28(月) 07:00 原油先物の週明け再開 (9/27(日) 18:00 ET) 窓の大きさと、$93.50・$96 との位置
9/30(水) 01:40〜02:30 Barr 理事 → Goolsbee → Musalem PCE の前日に、追加引き締めの見方を繰り返すか
9/30(水) 21:15 / 21:30 ADP / PCE・GDP 確定値 10年債が 5.228% へ向かうか。9/30 は四半期末で、株売り・債券買いが出やすい日
10/1(木) 05:30 MU コール 中身ではなく、寄りの窓 (±8%) とその日の終値で高値を更新するかで判断
10/1(木) 23:00 ISM 製造業 価格指数の上昇が金利に波及するか
10/2(金) 02:30 Jefferson 副議長 議長がドットを出していない分、副議長の見方が先行きの手がかりになる
10/2(金) 21:30 雇用統計 +15万人超で賃金も加速なら金利上昇型。米国株の引けは 10/3(土) 05:00 JST です

今週の注意点

  • 「Uptrend が GREEN になった = 底打ち」ではありません。比率は 13.85% の危機帯のままです
  • 「Fed が追加利上げを決めた」とは読まないでください。Barr 理事の発言は本人の見通しで、委員会の決定ではありません。Warsh 議長はドットを提出していません

リスク管理

ポジションサイズ: リスク資産 39%、現金 61%。

ヘッジ: 現金・短期債 (BIL $91.62、3ヶ月 4.240%) 61% + XLV 10% / XLP 7% + GLD 9% + XLE 4%。TLT は使いません。

個別銘柄: ATR (過去の平均的な1日の値幅) の 1.6倍で損切り。MU を 9/30(水) 引け後の決算をまたいで持つ場合は ATR 1.2倍へ縮め、10/1(木) 05:30 JST のコールと寄りの窓を見てから判断してください。

今週の具体的リスク

リスク 想定されること
PCE と原油の同時上振れ (筆者推定・警戒35%内) PCE 上振れ 30%、原油交渉の停滞 35% と推定。10年債 5.228% を終値で超えれば警戒シナリオが再発動
MU の材料出尽くし (確率付与なし) 前週 +6.54% で期待が高い。NDX が 30,839.1 で跳ね返されれば 28,245.3 まで空白
四半期末のリバランス (確率付与なし) 9/30 の株売り・債券買いが値動きを大きくするおそれ
地政学の火種が重なる (筆者推定・最悪ケース12%内) 9/26 の提案拒否に加え、下の3つが重なっています

地政学の火種は3つです。フーシ派は、ホルムズ海峡を迂回するサウジのパイプラインの出口 Yanbu を攻撃したと主張しています。米国はイラクに対し、民兵が 9/30 までに武装解除しなければ原油収入の送金を止めると警告しています。リビアでは油田からのパイプラインが閉鎖され、国営石油会社が不可抗力宣言 (供給義務の一時免除) を準備しています。

報道は事実の出典であり、確率はいずれも筆者推定です。

上級者向けオプション補足

注意: 兼業トレーダーは上の ETF ヘッジを優先してください。以下は経験者向けで、プレミアムと IV は執行前に必ず板で確認してください。

満期の注意: 株式・ETF で今週使える標準月次は 10/16(金) 満期です。VIX オプションは満期日の朝に清算され、最終取引日は満期の前営業日です。
VIX 週次 9/30 は雇用統計 (10/2) をカバーできないため、10/21(水) 満期 (最終取引日 10/20(火)) の10月標準を使います。

対象 例 目的
SPY プット SPY プット $750 ストライク (現値 $771.35、-2.77% OTM)、10/16(金) 満期 SPX 7,590.1 (SPY 換算 $756.08) のすぐ下に置く指数ヘッジ
QQQ プット QQQ プット $725 ストライク (現値 $744.50、-2.62% OTM)、10/16(金) 満期 NDX 30,000 で支えきれず空白を落ちる展開への備え
VIX コール VIX コール 20 ストライク (現値 14.87、+34.50% OTM)、VIX 10月標準 10/21(水) 満期 (最終取引日 10/20(火)) 雇用統計と CPI を越える。IV 未確認の参考例で、サイズは最小限に

まとめ

今週のテーマは 「金利と中身が傷み、指数だけが上がった」 です。先週の警戒シナリオが成立し、モデルは 9/23 に GLD を 9% へ、9/24 にリスク資産を 39% へ下げました。今週は新たに売買せず、39% を据え置きます。

削るのは 10年債 5.228% の上抜けや SPX 7,590.1 割れなど、新しいトリガーが成立したときだけです。戻すのは部分復元の3条件がそろったときで、39% → 44% です。

最大のリスクは、月曜の原油の窓と 9/30 の PCE の上振れが重なることです。Uptrend Ratio の GREEN を底打ちと読まないことが、今週一番大事な規律です。

運用メモ

判定のルールを先週から変えた点と、細かい運用の決まりです。

  • 戻す条件の作り直し: 先週の「200日線上の比率 57.88% 超」は使いません。Breadth のデータが過去にさかのぼって修正され (9/17 の値が 53.29% → 53.89%)、57.88% は古い系列の数字になったためです
  • 最悪ケースの2つめの条件: 前週の3本から2本に書き換えました。入札の不調は今週入札がないため外し、既に成立済みの TLT と30年債の組み合わせは10年債の条件にまとめ、WTI $100 の上抜けを加えました。10年債が 5.15% を割り、30年債だけが 5.4% 台に残るケースは数えないので、前週より狭い (発動しにくい) 定義です
  • GLD の扱い: 警戒シナリオの配分表は GLD 10% の前提でしたが、9% のまま確定しました。今週からは、金のルールで GLD が動いたらシナリオ配分の GLD も同じ幅だけ動かし、差は現金で調整します
  • 数え直しと境界: 先週成立して執行済みの条件は数え直しません。守る側と戻す側が同時に成立したら守る側を優先し、差が 0.1% 以内の境界は翌営業日の終値まで持ち越します。10年債 5.228% の判定には、この持ち越しを使いません

免責: 本記事は モデル配分例・分析 であり、個別投資助言ではありません。本文中の「新規執行なし」「〜の寄り想定」「寄り 執行済み」等の表現は、モデルポートフォリオ上の想定執行です。実際の投資判断・ロット決定は、各自のリスク許容度、ポートフォリオ事情、税務状況を踏まえてご自身でご判断ください。必要に応じて 資格あるファイナンシャル・アドバイザー への相談を推奨します。シナリオ確率 (ベース 37% / リスクオン 16% / 警戒 35% / テールリスク 12%) と、原油・PCE の分岐確率は筆者個人の推定値であり、市場コンセンサスや報道機関の予測ではありません。


Sources

データソース:

  • 価格・金利・VIX: 9/25(金) 終値 (FMP API)
    • 指数・VIX: SPX 7,743.41 / NDX 30,608.13 / DJI 51,828.62 / RUT 2,837.55 / VIX 14.87
    • ETF: SPY $771.35 / QQQ $744.50 / DIA $517.49 / IWM $281.97 / GLD $393.36 / TLT $79.32 / BIL $91.62 / XLE $62.04 / XLP $82.06 / XLV $170.70 / URA $40.91
    • 金利: 2Y 4.810% / 10Y 5.170% / 30Y 5.490% / 3M 4.240%
    • 商品: GC $4,321.20 / WTI $92.41 / 銅 $6.766
    • ETF 換算比率 (実勢): SPX/SPY 10.0388 / NDX/QQQ 41.1123 / DJI/DIA 100.1539 / GC/GLD 10.9854
  • 200日線上の比率 / 50日線上の比率: 9/24 CSV (TraderMonty、日次更新)
  • Uptrend Ratio: 9/25 CSV (TraderMonty、日次更新)
  • Breadth チャート画像は3週続けて未提供のため、Breadth・Uptrend の数値は CSV だけが出典です。ウラン URA のチャートも未提供です。セクター参加率のデータには日付の列がなく、時点を特定できません

公式スケジュール (日付・時刻の確定用)

公式 IR: 16社分のリンクは「決算 — リリース」の表にあります。すべて公式 IR で裏取り済みで、3rd party ソースは使っていません。MU の公式告知はコール時刻だけで、引け後 (AMC) という区分は Earnings Whispers のカレンダー画像に依拠しています。CALM と NKE は公式が概数で時刻を示しているため、時刻を書いていません。

市場データ・予想値 (公式スケジュールとは別系統)

報道 (事実の出典。確率・シナリオ分析は筆者推定)

シナリオ確率は筆者推定です。報道ソースは事実確認用であり、確率予測の出典ではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました