【米国株】2023-07-10週の振り返りと今週の戦略(監視銘柄)

週間振り返り

先週の米国相場は、7/12に発表されたCPIの数値が予想より低く、インフレが収束に向かいつつあることを受けて金利とドル指数が大きく下落し、株式指数、金属、エネルギーの先物価格が力強く上昇しました。金曜日には金利が反発し、株式指数、原油価格が下落しましたが、週間で見るとすべてのセクターが上昇し、特に住宅ローン、金属素材、住宅建築が強い上昇となりました。

先週から2023Q2の決算が本格的に始まり、銀行(JPM、WFC)、健康保険(UNH)が好決算を発表しています。

今週は経済指標としては小売売上の発表、またBACTSLANFLXTSMなどの注目の決算が続きます。

それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。

先週の振り返り

投資家センチメント

投資家心理は、強気な投資家が41%と高く、弱気の投資家25.9%を上回っている状態が続いています。ただし、強気の投資家が増え過ぎたり、弱気の投資家が極端に少なくなっているわけではなく、適度に強気派が優勢な水準を保ちながら相場が上昇しています。

相場環境

米国債10年物の利回りは-5.80%と大きく下落し、3.83%まで下がっています。7月のFOMCに向けては下目線で推移していく可能性が高いチャートとなっています。

VIX-10.05%下落し、13台まで落ちています。6月以降は13に近づいたところ、もしくは13を割り込んだところで反発する傾向が見られます。今週、このまま下落を継続する場合は、その水準の動きを注意して見ていきたいと思います。

ナスダックの分析

ナスダックの月足チャートです。2022年に上値の抵抗線となっていた15280を力強く上抜けてきました。この水準をストップにしていた空売り勢も一旦は撤退していると思われ、次のターゲットは16500から17000の水準です。

ナスダックの週足チャートです。先週は+3.38%と強い上昇となりました。金曜日に少し調整する動きが見られました。今週は横ばいかやや下落して始まる可能性があります。

ナスダックの高値安値銘柄数は0を超える水準で推移しています。このまま0以上を安定的に維持できれば相場全体としても上昇している確率が高くなります。

ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は高値を切り上げて上昇トレンドを維持しています。まだ買われ過ぎの水準には達しておらず、まだ上昇の余地が残っています。

ダウの分析

ダウの月足チャートです。202211月から始まったレンジの上限のすぐ下を推移しています。ナスダックやS&P500と比較するとやや出遅れている感があります。

ダウの週足チャートです。先週は+2.13%の上昇で、週替わりで上昇と下落を繰り返す動きが続いています。今週に週替わりのパターンを終えて、レンジの上限をブレイクできるかが重要なポイントになりそうです。

ダウの銘柄のうち50日移動平均線を上回っている銘柄の割合は上昇トレンドを続けています。このチャートを見る限り、ダウの株価も上昇していく可能性が高そうです。

S&P500の分析

S&P500の月足チャートです。6月の高値を超えて上昇してきました。ナスダックを追随する動きとなっています。IMG_1722.jpeg

S&P500の週足チャートです。先週は+2.27%の上昇でした。次のターゲットは2022年の初めに上値の抵抗線となっていた4580の水準です。

S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく上昇し、買われ過ぎの水準に到達しようとしています。35を大きく超えてくると一旦は売り手が優勢になる可能性が高くなります。

特に情報技術、工業銘柄は特に大きく上昇して伸びきっている状態で、売り手が優勢となる動きが出始めています。今後の数週間に情報技術、工業銘柄に調整するものが多く出てくると思われ、押し目買いする良いチャンスになると思います。

ラッセル2000の分析

ラッセル2000の月足チャートです。2020年前半から始まった下落トレンドのラインに到達しています。

ラッセル2000の週足チャートです。先週は+3.59%の上昇でした。今後の数週間で下落トレンドのラインを力強くブレイクアウトしていけるかを確認していきたいと思います。

ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合が50%を超えてきました。前回1月に超えた後に銀行破綻の影響で地方銀行銘柄を中心に下落が進んで50%を大きく割り込んでいましたが、ようやく持ち直してきました。過去のラッセル2000の動きを確認すると、200日移動平均線を超えている銘柄が50%を超えたところから大きく値を伸ばす傾向がありました。今後の中小型株の動きに注目したいと思います。

ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合はMACDも上向きに転換し、上昇トレンドに戻っています。

コモディティの分析

原油は+2.15%と上昇しました。週の後半に下落して上ヒゲをつけて終えています。上昇はしているもののやや弱い動きです。

天然ガスは-1.67%の下落でした。4月以降、上値と安値を切り上げながら緩やかな上昇トレンドが続いています。

銅は+3.99%と力強い上昇となりました。20231月から始まった下落トレンドのラインに到達しています。今週以降にこのラインを明確にブレイクアウトしていけるかに注目したいと思います。

金は+1.66%の力強い上昇で短期の下落トレンドをブレイクしています。ここから上昇トレンドを開始できるかを確認していきたいと思います。

小麦は+1.85%の上昇です。4週前にブレイクした下落トレンドのラインまで戻ってきたところで反発しており、ダブルボトムのようなパターンとなりつつあります。ここから上昇に転じていく可能性がありそうです。

ドル指数は-2.26%と非常に大きな下落となりました。202211月以来の下げ幅です。100を割り込んだところで小さな反発が見られますが、下落が続く可能性の高いチャートとなってます。ドル指数がこのまま下落していく場合は、金属素材の先物には追い風となります。

セクター分析

すべてのセクターが上昇しました。特に力強い動きが見られたのは素材、通信サービス、一般消費財、情報技術です。

業種別のパフォーマンスを確認すると、金利の下落により住宅ローンと住宅建築が上昇し、ドル指数の下落により金、銀、銅などの金属素材が強い上昇となっています。

石炭、損害保険、肥料が弱い動きとなっています。

個別銘柄の動向

先週特に強い動きが見られたのは、ソフトウェア(ADBECRM)、半導体(ASMLNVDA)、インターネット(META)、資産運用(BXBLK)、医療機器(ISRG)、旅行サービス(BKNGABNB)、住宅建築(DHILEN)、住宅ローン(WDRKT)、産業金属(BHPRIOVALE)、金(NEMAU)、銅(FCXSCCO)です。

電話通信(VZT )が大きく下落しています。

今週の戦略

今週は先週の非常に力強い上昇の反動で、特に情報技術の銘柄に調整する銘柄が多く出てくる可能性があります。この調整局面で大きく崩れることなく上昇トレンドを維持していける銘柄を見定めて、押し目買いを検討していきたいと思います。

また、今週はTSLANFLXTSMなどの注目銘柄の決算があります。発表後の相場全体の反応もしっかり確認していきたいと思います。

監視銘柄

先週に決算発表、ガイダンス発表後に大きく上昇したAEHRINMDを追加しています。その他には力強く新高値をブレイクしてきたABNBDXCMを追加しています。

Stock Screener - Charts ABNB,ACAD,ADBE,AEHR,ALGM,ANET,CELH,CLS,CMC,COIN,DDOG,DKNG,DT,DXCM,ELF,EXTR,FLEX,INMD,ISRG,JPM,KRUS,LTH,MBLY,MNDY,MRVL,NOW,NU,NVDA,OLLI,ON,PERI,PSTG,SDGR,SMCI,TDW,TSLA,UBER,VC,WFRD,XPO
Stock screener for investors and traders, financial visualizations.

 

今週の決算発表予定

今週はIBKRSCHWTSLANFLXTSMISRGJNJの決算に注目したいと思います。

7/18
  • IBKR
  • SCHW
  • NVS
  • LMT
  • SYF
  • BAC
  • JBHT
  • OMC
7/19
  • TSLA
  • NFLX
  • UAL
  • HAL
  • LVS
  • LBRT
  • MLI
  • DFS
  • BKR
  • GS
  • USB
  • IBM
  • ELV
  • ALLY
  • GS
  • STLD
7/20
  • TSM
  • ISRG
  • JNJ
  • AAL
  • BX
  • SAP
  • DHI
  • SNA
  • CSX
  • ABT
  • FCX
  • PM
  • GPC
7/21
  • SLB
  • AXP
  • AN
  • ROP
  • PPG
  • IPG
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