先週の米国相場は株価指数の連続下落が4週間で止まり、小さな反発が見られました。しかし、下落トレンドから上昇に転換するほどの勢いは見られず、トレンドが転換するにはまだ時間がかかりそうです。
相場全体としては売られ過ぎの状態が続いており、短期的に反発する確率は高くなってきています。
今週は3月最後の週で3/28にPCEの発表が予定されています。2025年もあっという間に3ヶ月が終了しますね。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年利回りは-1.62%の下落でした。3週連続で4.1%近くまで下落したところで反発して下ヒゲをつけています。2025年初から始まった下落トレンドは一旦停止して横ばいの動きに変わっています。
VIXは-11.52%の下落で19台まで下がりました。明確に下落トレンドを開始してして、通常時はVIXの下落にともなって株価指数が上昇していくことが多いのですが、今回は株価指数の上昇が見られません。
上昇トレンドの銘柄の比率は10%近くまで戻り、下落トレンドから上昇トレンドに反転する底打ちのプロセスが進んでいます。相場全体が大きく下落したときは、ダブルボトム、もしくはトリプルボトムのような形を作ってから上昇していくことが多いです。短期的に反発する確率は先週よりも高まってきているように見えます。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートを確認すると3月の現時点の騰落率は-5.23%です。3月は前半に大きく下落した後に戻して下ヒゲをつけています。過去の値動きと比較すると2021年末から2022年初めにかけての動きと良く似ています。半年程度の時間軸では下落する確率の方が高そうに見えます。
ナスダックの週足チャートです。先週は+0.63%の上昇でした。連続の下落は4週間で止まりましたが、まだ反発が弱々しく、すぐに上昇していくかは分からない状況です。何か大きめのニュースがあれば上昇のきっかけになるかもしれません。
ナスダックの高値-安値銘柄数はプラス圏内に近づいたところで反落して-73まで下げています。ここから再度上昇に転じてプラス圏内に戻ることができれば相場全体も上昇していく確率が高まります。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。3月の騰落率は-4.02%で昨年の11月開始時点の価格まで戻っています。2018年後半や2022年初めのチャートと動きが似ており、下目線で推移する確率の方が高いように見えます。
ダウの週足チャートです。先週は+1.42%の上昇でした。一旦下落した後に42108付近のサポートラインまで戻ってきました。このラインを上抜けられれば上昇していく確率が高まります。
S&P 500の分析
S&P 500の月足チャートを確認すると、3月は今のところ-4.66%の下落となっています。他の指数と同様に2018年後半や2022年初のチャートと動き方が似ています。今回の調整は3月だけの下落では終わらず、4月か5月まで長引きそうなチャートに見えます。
S&P 500の週足チャートです。先週は+0.81%で4週間ぶりの上昇でした。通常時よりも出来高は増えているものの直近の下落時の出来高を越えられておらず、まだ反転には時間がかかりそうです。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。3月の現時点の騰落率は-4.54%の下落となっています。1971まで下落したところから反発して比較的大きな下ヒゲをつけています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+1.08%の上昇で4週間ぶりの週間プラスです。週の前半には勢いがありましたが、後半に失速して上ヒゲをつけて終えています。2100を上にブレイクできれば上昇トレンドが始まる確率が高まります。
コモディティの分析
原油は+1.72%の上昇で2025年初から始まった下落トレンドラインを上抜けています。トレンドが転換する動きが始まっています。
天然ガスは-3.02%の下落で短期の上昇トレンドラインを下抜けています。長い時間軸で見ると上昇トレンドは継続しています。
金は+0.68%の上昇でした。週の後半に失速して上ヒゲをつけて終えています。
銅は+4.44%の強い上昇でした。最高値の5200を超えられるかに注目したいと思います。
セクター分析
先週はエネルギーと金融が強く、不動産とディフェンシブが下落しています。過去1ヶ月間のパフォーマンスを確認すると、情報技術と一般消費財が突出して大きく下落しています。
先週の業種別のパフォーマンスでは、放送、ウラン、公共電力(電力、再生電力)が強く、石炭、ビジネス機器、繊維製造などが下落しています。
個別銘柄の動向
先週は全体としては上昇している銘柄が多いです。PLTR、UBER、SHOP、APPなどのソフトウェア、JPM、C、MUFG、SMFGなどの銀行、BX、APO、BNなどの資産運用、UNHなどの健康保険、GEV、CEGなどの電力、SCCO、FCXの銅、CVX、XOM、HESなどの石油株が上昇しています。一方で、NVDA、MU、ACN、NKE、LMTなど決算発表などの後に大きく下落している銘柄がいくつか見られます。
今週の戦略
先週は上昇トレンド銘柄数の割合のチャートで相場のトレンド転換の最初のシグナルが出たので、決算後に強い値動きがあった銘柄で大きく下落せずに踏みとどまっている銘柄の一部にエントリーしました。しかし、本格的にポジションを大きくしていくほどの強い相場の動きは見られませんので、まだポジションは非常に小さい状況です。
短期的な下落トレンドが終わり、相場全体の上昇トレンドが始まり、決算発表後に上昇を継続する銘柄が増えてくるまでじっくり待ちたいと思います。
スイングトレード監視銘柄
先週の決算発表後に強い上昇が見られたDRI、OLLI 、PDD 、SRAD 、STNEを監視銘柄に追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
CHWY、PAYX、CTAS、LULUの決算に注目です。
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