先週の米国相場は、金利が上昇、VIXが下落する中で、株価指数は横ばいを続けています。
セクターの動向を確認すると、住宅建築、リゾート・カジノ、医療機器、バイオテクノロジー、生活必需品の銘柄が上昇する中で、自動車、石油ガス、金属素材等の景気敏感株は下落しており、景気の減速を折り込んだ銘柄の選定が進んでいるように見えます。
今週は多数の銘柄の決算が発表されます。4/25〜4/27にかけてGOOGL、MSFT、AMZN、METAの決算発表が予定されており、発表後の相場の反応をしっかり確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
S&P500の銘柄の中で200日移動平均線を超えている銘柄の割合の推移を確認すると、10日移動平均線を割り込んでおり、上昇トレンドの勢いが弱まってきています。今週、MACDがクロスして下落トレンドの転換が確定するかどうかを監視していきたいと思います。
S&P500の銘柄の中で50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、上昇トレンドを維持しています。
ナスダックの高値–安値銘柄数は-60でマイナス圏を推移しています。先週は横ばいを続けており、方向性はまだ定まっていないように見えます。
VIXは-2.33%下落して安値を更新しています。今のところ、まだ上昇に転じる兆候は見られません。
米国債10年物の金利は+1.68%の上昇でした。2週連続で上昇しており、短期的な上昇トレンドに入っています。
ナスダックは-0.85%と小幅な値動きとなっています。3週連続で横ばいを続けています。
ダウは-0.43%で小幅な下落です。3月後半から始まった短期の上昇トレンドのチャネルの範囲で推移しています。
S&P500は-0.36%と小幅な値動きです。ナスダックと同様に3週連続で横ばいを続けています。
ラッセル2000は+0.28%と小幅な上昇です。他の指数と同様に横ばいの動きとなっています。
原油価格は-5.72%と大きく下落しました。金曜の引けにかけてトレンドラインで反発する動きが見られました。週明けに上昇を継続できるかを確認していきたいと思います。
天然ガスは+5.63%の上昇です。ダブルボトムらしきパターンを形成しつつあり、底打ちを探る動きが見られます。
銅価格は-3.08%の下落でした。日足チャートで確認すると、ウェッジパターンを下抜けており、3.97の水準を維持できない場合は下落していく可能性が高まりそうです。
鉄鋼価格は-2.24%の下落です。2021年の後半に高値をつけてから高値の切り下げが続いており、中長期では下落していく可能性が高そうです。
小麦価格は-1.39%の下落です。7週連続で655-715のレンジで推移しています。
砂糖価格は+3.03%の上昇でした。2週連続で大きな上ヒゲをつけており、上昇の勢いは衰えてきているように見えます。
ジャガイモの価格は+6.67%の上昇で高値を更新しています。引き続きジャガイモ関連銘柄のLWに注目したいと思います。
バルチック海運指数は+4.81%の上昇です。3月中旬から横ばいを続けています。
セクター分析
セクター毎のパフォーマンスを確認すると、ディフェンシブ、不動産が強く、通信サービス、エネルギー、素材、情報技術が弱い結果となっています。特に通信サービス、エネルギー、素材の下げ幅が大きくなっています。
業種別では、住宅建築、リゾート、ソーラー、医療機器、ギャンブルが強い動きとなっています。REITも全体的に上昇しています。特に住宅建築が強い動きとなっています。
空港サービス、自動車、電子機器流通、金属素材全般、石油ガス関連が下落しています。
個別銘柄の動向
時価総額の大きな銘柄では、インターネット小売(AMZN)、ディフェンシブ(WMT、PG、COST)、医療機器(ABT、MDT、ISRG)、リゾート(LVS)、住宅建築(LEN、DHI)が上昇しています。
下落しているのは、通信機器(CSCO、HPE)、通信サービス(GOOGL、META、T、VZ)、自動車(TSLA、F)、健康保険(UNH、ELV)、金属素材(BHP、RIO、VALE、FCX、ALB)、石油ガス精製(MPC、PSX、VLO)です。
先週の個別銘柄で気になる動きは以下の2点です。
- 金属素材の中でチリ政府によるリチウム生産の国有化の報道を受けて、SQM、ALB、LTHMが大幅に下落しています。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21E5C0R20C23A4000000/
- バイオテクノロジーの小型株(BLU、RXDX、LEGN、MORF、PTGX、ACLX、MDGL、PCVX、NUVL、AKRO)が非常に強い動きを見せており、多くの銘柄が10%以上の幅で上昇しています。
相場全体としては、自動車などの耐久消費財の売上の見通しが悪くなり、経済の減速が懸念され始めていることから、景気敏感株が売られ、全体としてはバイオテクノロジー、医療機器、生活必需品などのディフェンシブ銘柄に資金が移動しています。また、好決算を発表したSAP、ABT、ISRG、LVS、DHI等の銘柄はしっかりと買われており、景気が悪くなっても業績を維持していける銘柄の選別が進んでいるよう見えます。
今週の戦略
株価指数の動きを確認すると相場全体としては横ばいが続いていますが、200日移動平均線を超えている銘柄の割合の推移に弱い動きが見え始めている状況です。一方で、個別銘柄を見るとONON、IOT、DKNG、TMDX、IRDMなど出来高の増加を伴って力強く上昇している銘柄が見られます。
景気の先行きに不透明感が出てきている中で、株価が上昇トレンドを維持しており、直近の決算とガイダンスが市場予想を上回る銘柄を慎重に選定していくことが重要な局面になってきているように思います。
今週は、4/25〜4/27にかけてGOOGL、MSFT、AMZN、METAの決算発表が予定されており、各社の決算の結果によって相場全体の方向性が定まる週となりそうです。
週明けに一旦ポジションの一部を縮小して、決算発表後の相場の反応を確認してからポジションを再構築していきたいと思います。
監視銘柄
今週の監視銘柄は以下の通りです。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週は多くの銘柄の決算発表が予定されています。特にGOOGL、MSFT、ENPH、META、AMZNの決算に注目したいと思います。
4/24
- CDNS
- HXL
- TENB
4/25
- GOOGL
- MSFT
- ENPH
- CMG
- LTH
- ABG
- GEHC
- GE
- SPOT
4/26
- META
- NOW
- ALGN
- WFRD
- HLT
- ODFL
- HES
- BMRN
- FTAI
- PI
- PEGA
4/27
- AMZN
- ABBV
- MBLY
- CROX
- FSLR
- DXCM
- CRS
- AIT
- TPH
- NET
- UVE
- APPF
- KNSL
4/28
- XOM
- NVT