【米国株銘柄】アスペンテック AspenTech (AZPN) は良い投資先か?

企業研究

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この記事では、産業向けのソフトウェアアプリケーションを提供しているアスペンテック(AZPN)をご紹介します。

アスペンテックが提供するソフトウェアは、Exxon Mobil (XOM) Valero (VLO)などの石油エネルギー企業、Dow (DOW)LG Chemicalなどの化学企業、Abbvie (ABBV)Merck (MRK) Pfizer (PFE)などの製薬会社で導入され、生産や製造環境における資産及び運用をAIや機械学習を利用して最適化するために利用されています。

ソフトウェアの提供だけでなく、アスペンテックの各産業分野の専門知識を有するチームが、データ分析やAIのソフトウェアを利用して生産効率や資産効率を高めるためのサービスを合わせて提供できるユニークな立ち位置にいる企業です。

2022年5月16日にエマーソンとの戦略的な提携を完了したことで株価が大きく上昇している点も注目の企業です。

結論としては、2022年現在の石油・ガス等のエネルギー価格の高騰が続いている昨今において、比較的デジタル化が遅れているエネルギー、化学、製薬の製造現場のデジタル化の推進と資産・コストの最適化を実現できるソフトウェアとサービスを提供できる企業として、今後数年で大きく成長していくことが期待される非常に興味深い銘柄と考えます。

それでは、最初にアスペンテックの概要から見ていきましょう。

アスペンテック AspenTech 概要

  • アスペンテックは、資産最適化のための統合ソフトウェアソリューションを提供する企業です。
  • 複雑な産業環境における資産の設計、運用、保守を最適化する資産最適化ソフトウェアを提供しています。
  • サブスクリプション・ソフトウェア部門とサービス部門から構成されています。
  • サブスクリプション・ソフトウェア事業では、プロセス最適化および資産パフォーマンス管理のソフトウェア・ソリュ ーションとサポート・サービスのライセンス提供を行っています。
  • サービス部門には、プロフェッショナルサービスおよびトレーニングが含まれます。
  • aspenONEソリューションは、エンジニアリング、製造・サプライチェーン、アセット・パフォーマンス・マネジメント(APM)の3つのスイートで構成されています。
  • 各製品スイートは、産業データの基盤として、モノの人工知能(AIoT)の実現を支えています。

エマーソンとの業務提携

アスペンテックは202110月にパートナー関係にあるエマーソン(EMR)との戦略的な提携を発表しました。

エマーソンがアスペンテック55%の株式を$6Bにて取得すると共に、2つのソフトウェア製品をアスペンテックに移管します。この提携によりアスペンテックは$6Bのキャッシュを手に入れます。

提携の手続きは2022年5月16日に完了しました。以下、アスペンテックのプレスリリース(英語)のリンクです。

http://ir.aspentech.com/news-releases/news-release-details/aspentech-completes-emerson-transaction-expanding-high

エマーソンが保有する送電のリアルタイム分析と最適化を行うOSI Inc.(売上$220M)と、地質分析シミュレーションソフトウェアParadigmRoxarのソフトウェアソリューション(売上$130Mをアスペンテックに移管します。

地質分析シミュレーションを利用することで、石油ガスの採掘から化学工場での石油加工品の生産までのエンドツーエンドのサービスを提供できます。また、電気自動車のバッテリーなどの用途向けの希土類金属の採掘のためにも利用されており、長期的な成長が期待できます。

提携により売上規模は$720Mから$1,070Mに増加フリーキャッシュフローは$280Mから$360Mに増加します。今後5年の成長率は15%前後を見込んでいます。

 

アスペンテック企業詳細

ここからは、アスペンテックの企業詳細を深掘りしていきたいと思います。

アスペンテックは産業向けの資産最適化のソリューションを提供しています。DOWPetroChinaFLUORExon MobilShellなど世界中に2400の顧客を持っています。従業員は1710名(エマーソンとの提携前)で40年の歴史があります。アクセンチュア、エマーソン、マッキンゼーなどとパートナーシップを結んで販売とサービスを提供しています。

ターゲット分野と顧客

ターゲットしている産業はエネルギー、金属採掘、電力、エンジニアリング建築、化学、紙・パルプ、製薬などです。

アスペンテックの顧客比率を確認すると、エネルギー産業が41%と最も多く、次いで化学の28%となっています。

アスペンテックの製品はabbvieMerckPfizerなど製薬業界の企業においても幅広く利用されています。

アスペンテックの産業向けAI

アスペンテックは産業データをAIと機械学習による分析から得られる洞察と、各産業の専門性を持ち合わせた人材により、独自の産業向けAIを提供しています。

アスペンテックの産業向けAIは、数式シミュレーションに基づく分析と、AI・機械学習による分析を組み合わせて実現することで、双方の利点を取り込んでいることが特徴です。これにより、トータルコストの削減と効果が得られるまでの時間の短縮を実現しています。

アスペンテックはデータ処理からAI分析の実行、AIから得られる洞察までの一連の流れを実現するために必要なソフトウェア群を提供しています。

アスペンテックの強みは、AIやデータ分析のプラットフォーム、クラウド環境で動作するソフトウェア、各産業分野の専門性の3つを組み合わせて価値を提供できる点です。

エネルギー産業での活用例

以下は石油、バイオ燃料、再生電力、天然ガスの生産から最終的な顧客へ届けるまでの流れを示しています。顧客はアスペンテックのソフトウェアを利用することで一連の運用のエネルギー効率を評価して最適化を行うことができ、環境に対するインパクトを抑えた事業を展開することができるようになります。

最近のチャート

週足のチャートです。5/16のエマーソンとの提携手続き完了の報道発表の翌日に大きく株価が上昇しており、1週間で+17.05%と大きく株価が上昇しています。

結論

2022年5月時点で、エネルギー価格が高騰し、世界中の企業がエネルギー効率を高めて、コストの削減と環境に配慮した事業を展開していく必要がある状況において、アスペンテックが提供する産業向けのAIソフトウェアと専門的な業界知識に基づくサービスは、今後、益々需要が高まっていくでしょう。

また、エマーソンとの戦略的な提携により、石油ガスの採掘現場からエンドユーザーまでの一連の流れを最適化していくことが可能となり、ソフトウェアとサービスと顧客の幅も拡大していくことが期待されます。

有力な投資先としてアスペンテックの今後の動向を注視していきたいと考えます。

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