【米国株銘柄】 CFインダストリーズ CF Industries Holdings(CF)は良い投資先か?

企業研究

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ウクライナとロシアの戦争の影響で穀物の生産や肥料の供給懸念から、肥料の価格が上昇し、肥料を製造する銘柄の注目が高くなり株価も上昇しており、2021年10月頃からセクターとしても上昇トレンドを継続しています。米国株で肥料に関連する銘柄には以下があります。

  • Mosaic Company (MOS)
  • Nutrien Ltd. (NTR)
  • Sociedad Quimica y Minera S.A. (SQM)
  • CF Industries Holdings, Inc. (CF)

この記事では、最近の弱気相場の中、最も良く持ち堪えているCFインダストリーズ(CF) をご紹介します。皆さんの銘柄選定の参考になれば幸いです。

最初に、結論としてはCFインダストリーズは買いだと思います。肥料製造メーカーの中でも最も成長が加速しており、今後も米国および海外での肥料の需要の高まり、主力製品であるアンモニアの燃料としての需要も高まることが想定されるため、2022年以降も引き続き成長が期待されますので、有力な投資先の候補です。

それでは、早速、CFインダストリーズの企業情報の詳細を確認していきましょう。

CFインダストリーズ  CF Industries Holdings Inc.

CF Industries Holdings, Inc.は、クリーンエネルギー、肥料、排出削減、その他の産業用途向けの水素および窒素製品の製造会社です。米国、カナダ、英国で窒素製造施設を運営しています。

主要な窒素製品は、アンモニア、粒状尿素、尿素硝酸アンモニウム溶液(UAN)、硝酸アンモニウム(ANです。主力製品は無水アンモニア(アンモニア)で、窒素82%、水素18%を含んでいます。

アンモニアを原料とする窒素製品としては、粒状尿素、UANANがあります。その他の窒素製品としては、主に工業顧客向けに販売するディーゼル排ガス液(DEF)、尿素液、硝酸、アクアアンモニアや、窒素・リン・カリウムを栄養成分とする固形の粒状肥料である複合肥料(NPK)などがあります。

アンモニアについて

CFインダストリーズの主力製品はアンモニアです。まず最初にアンモニアの用途、製造方法について見ていきましょう。

アンモニアは主に肥料として利用されていますが、それ以外にも最近はアンモニアを直接燃料として利用するクリーンなエネルギー源としても注目されています。また、燃料電池としての利用が期待されている水素を安全に運ぶ際にアンモニアを利用するエネルギー・キャリアとしての利用も検討されています。

アンモニアは8割は肥料として利用されています。その他工業用に樹脂やナイロンなどの原料としても利用されています。

 

アンモニアは、天然ガスを基に生成する方法、太陽光などの再生エネルギーを利用して生成する方法があります。どちらの方法でもまずは水素を作り、空気中の窒素と反応させることでアンモニアを生成します。

アンモニアについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がとても参考になります。というか、上の内容はほとんどこちらの記事からの引用です。

参照記事

アンモニアが燃料になる?!(前編)~身近だけど実は知らないアンモニアの利用先

CFインダストリーズの製造拠点

米国、カナダ、英国にある9つの製造施設、北米の広範な貯蔵・輸送・流通ネットワーク、グローバルな展開を可能にするロジスティクス能力を有しています。

20211231日現在の主要資産は以下のとおりです。

  • ルイジアナ州ドナルドンビル(世界最大の窒素製造施設)、アイオワ州ポートニール、ミシシッピ州ヤ ズーシティ、オクラホマ州バーディグリス、オクラホマ州ウッドワードにある米国の窒素製造施設5ヵ所です。これらの施設は、CF Industries Nitrogen, LLCCFN)が直接または間接的に100%所有しており、CFインダストリーズが約89%、CHS Inc.が残りを所有しています。
  • カナダの窒素製造施設2棟:アルバータ州メディスンハット(カナダ最大の窒素製造施設)とオンタリオ州コートライト。
  • 英国の窒素製造施設2カ所(ビリンガムとインス
  • 主に米国中西部に所在する大規模なターミナルおよび関連輸送設備。
  • トリニダード・トバゴ共和国にあるアンモニア製造合弁会社ポイントリサス窒素社(PLNL)の持分50%(持分法適用会社)。

 

CFインダストリーズの顧客

窒素製品の主な顧客は、協同組合、独立系肥料販売業者、商社、卸売業者および工業用ユーザーです。売上は、社内マーケティングおよび販売力によって生み出されています。2021年における最大の顧客はCHS Inc.であり、連結売上高の約14を占めています。CHS Inc.とは戦略的ベンチャー契約を締結しています。

CHS社はグローバルな農業ビジネスの協同組合です。

CFインダストリーズの製品別売上

2021年末時点の年間の売上比は、アンモニア27%Granular urea 29%UAN 27%AN 8%、その他9%となっています。アンモニアとUANは昨年比で70%前後の売上成長となっています。全ての製品が2020年と比較して生産量は減少していることから、販売価格の上昇の恩恵を受けて売上が増加していることが分かります。

競合他社

北米を拠点とする主な競合他社には、Nutrien Ltd. (NTR)Koch Fertilizer LLCおよびIowa Fertilizer Companyがあります。また、世界の他の地域から供給される製品との競争も激しく、天然ガスやその他の原料コストの低い地域もあり、政府による補助金の恩恵を受けている場合もあります。アンモニア、尿素及びUANは広く取引されている肥料製品で参入障壁が低いため、外国産製品との競争を継続的に発生しています。

近年は、中東、トリニダード・トバゴ共和国、北アフリカおよびロシアに所在する窒素系肥料の生産者が、北米への主要な輸出国となっています。

2022年Q1の決算発表資料より

20224月に三井物産と共同で輸出向けのブルーアンモニアの製造拠点を建設することを発表しました。役割分担としては、CFインダストリーズがアンモニアの製造、三井物産がアジア地域向けのマーケティングと流通を担当します。

参考記事:三井物産と米CFインダストリーズ、ブルーアンモニア開発で提携

ロシアはアンモニア、UreaANUANの主要な輸出元となっており、ロシア産の輸出入が制限されると世界的にアンモニアの供給が不足する懸念があります。

アンモニアは欧州やアジアでも生産されていますが、製造時の原料となる天然ガスの価格が欧州およびアジアで高騰しているため、アンモニアの製造コストにも影響が出ます。一方、CFインダストリーズはアメリカで欧州に比べると圧倒的に安価に天然ガスを調達できるため、コストを抑えてアンモニアを製造することが可能です。

近年、インドとブラジルは長期的に農業生産物の生産が拡大しており、2022年は過去最高を更新する見込みであり、それに伴ってアンモニア関連製品の輸入の需要も高まっています

2022年Q1決算結果

  • EPS $4.21 vs 予想 $4.35
  • 売上⭕️ $2.868B vs 予想 $2.59B(前年比173%増)

5/13時点の週足と日足チャート

CFインダストリーズの株価は、ウクライナとロシアの戦争をきっかけに20222月末から急激に上昇しており、4月に調整で下落したところから再度上昇を始めています。

過去の決算の推移を確認すると、売上の成長率は2021年Q3から60.8%→130.49%→173.66%と拡大しておりEPSの成長率は2021年Q4から708%→501.75%と高い成長率を維持しています。

結論

競合他社との差別化が難しいアンモニア製品の製造メーカーではありますが、地政学的な要因による世界的な肥料の需要増加、原料となる世界的な天然ガス価格の高騰による追い風、アンモニアのクリーンエネルギーとしての利用に伴う需要の拡大が見込まれることから、2022年から2023年にかけて業績が拡大していくことが見込まれまれることから、有力な投資先の候補と考えます。Nutrien等の競合他社の動向も確認しながら購入を検討していきたいと思います。

(おまけ)アンモニアに関連する日本企業の動向

各社アンモニアの将来性を見越して2021年から日本企業によるアンモニア製造を行う米国企業への出資や提携の動きが加速しているようです。こんな動きはまったく知りませんでした。株式の銘柄を調べていると色々勉強になりますね。

 

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