先週の米国相場は9月初めの下落から力強く反発し、株価指数が軒並み上昇しました。金利が低下し、原油、金、銅などのコモディティも上昇しています。先週は特に半導体と貴金属の銘柄に強い上昇が見られました。
先週は日中の動きを観察していると下落する度に買い手が現れる展開が続いており、割安になったら買いたいと考えている勢力が多くいることがうかがえます。一方で、相場全体としては再度買われ過ぎの水準に近づいていますので、短期的には利確売りによる一時的な下落にも注意が必要な状況です。
今週は9/18にFOMCが開催され利下げの発表がある見込みです。発表後に金利と株価指数がどのように反応するのかを確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは-1.54%の下落でした。4月から始まった下落トレンドを継続しています。8月に付けた直近の安値を下抜けています。
VIXは-25.93%と大きく下落し、16.57まで下落しています。前週の上昇を打ち消す強い下落です。今週、ここからさらに下落していくのか、反発して上昇に転換するのかで今後の方向性が見えてきそうです。
上昇トレンドの銘柄数の推移は、下落トレンドから急反発して上昇トレンドに戻っています。買われ過ぎの水準まであと少しのところまで上昇しています。下落と上昇を繰り返す落ち着かない相場ですね。今年は買われ過ぎの水準まで上がると揉み合いになり、売り手が優勢になって一旦下落していく展開が多いので、この水準から買いにいく場合は短期で撤退することも想定しながらになりそうです。
ナスダックの分析
月足チャートです。9月の騰落率はプラスマイナスゼロのところまで戻っています。8月と同様に下がれば買い手が現れる展開が続いています。まだ上昇を続けたいようです。
週足チャートです。先週は+6.21%の上昇で前の週の大きな下落をほぼ取り戻しています。出来高も直近の5週間を上回って増加しています。
ナスダックの高値–安値銘柄数はプラス圏内に戻り、再度上昇トレンドになっています。
ダウの分析
月足チャートです。9月の騰落率は-0.40%まで戻しており、最高値付近で推移しています。
週足チャートです。先週は+2.78%の上昇でナスダックと同様に前の週の下落を取り戻しています。
S&P500の分析
月足チャートです。他の指数と同様に最高値付近まで戻ってきています。
週足チャートです。先週は+4.21%の強い上昇でした。20週移動平均線で力強く反発して上昇ています。先週は日中も寄り付きで少し下落するとすぐに買い手が現れて買いが優勢となる展開が続いており、下がったら買いたいと考えている勢力が多いようです。ただし、7月につけた高値に近づいたら売りたいと考えている勢力もいると思われるので、今週以降に5662を超えて上昇できるかどうかがポイントになりそうです。
ラッセル2000の分析
月足チャートです。9月の騰落率は-1.46%となっています。まだ、9月初めの下落を取り戻すところまでは戻っていませんが、下落すると買い手が現れる展開は他の指数と同様のようです。
週足チャートです。先週は+4.97%の上昇でした。前の週の大きな下落の80%程度は取り戻しています。今年の値動きを振り返ると、20週もしくは50週の移動平均線を割り込むと買い手が優勢となって反発していく傾向が多く見られます。
コモディティ先物の分析
原油は+1.65%の上昇でした。週の前半に65付近まで大きく下落した後に反発して下ひげをつけて終えています。7月から始まった下落トレンドがようやく終わりそうな雰囲気になってきました。昨年の12月頃のチャートと類似したパターンになっています。
天然ガスは+1.32%の上昇でした。3週間連続して上昇しています。逆ヘッド・アンド・ショルダーが少し崩れたようなパターンが完成しつつあります。
金は+3.41%の強い上昇でした。最高値を更新しています。美しい上昇トレンドのチャートです。
銅は+3.99%の上昇でした。5月から始まった下落トレンドラインを上抜けています。ようやく下落トレンドが終わりそうなチャートになってきました。
セクター分析
先週はエネルギーを除くすべてのセクターが上昇し、特に情報技術と一般消費財、素材が強く上昇しました。月間で見るとエネルギーだけが下落しています。原油価格に下げ止まりの傾向が見られますので、割安となったエネルギーセクターにも買い手が出てくるかもしれません。
業種別のパフォーマンスを確認すると、先週は銀、貴金属、半導体が強く上昇を牽引しました。下落していたのは保険、農産物などの少数でした。
個別銘柄の動向
先週は大型のハイテク銘柄が強く、特にNVDA、TSM、AVGOなどの半導体が強く上昇しました。一方でXOM、COPなどの石油株、PG、CLなどの家庭用品、JPM、WFC、Cなどの銀行株が下落しています。
今週の戦略
先週は9月の最初の週の下落を取り戻す展開となり、少しでも下落して割安になると強い買い手が現れる相場が続いています。先週の強い上昇で相場全体としては買われ過ぎの水準に近づいており、今週は株価指数が最高値を更新する付近で利確に伴う売りも出てくる可能性があります。
このまま上昇の勢いが続いて最高値を更新して上昇していくのか、最高値付近で揉み合いとなるのか、はたまた売りが優勢となって反落していくのか、監視銘柄の値動きを観察しながらトレードのチャンスを探していきたいと思います。
今週は9/18のFOMCの議長会見後の相場の反応にも要注目です。
監視銘柄
先週の決算後に強い上昇が見られたKR、ORCL、RHを監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はDRI、FDXの決算発表に注目です。
9/17
- FERG
9/18
- GIS
- SCS
9/19
- CBRL
- DAVA
- DRI
- FDS
- FDX
- LEN
- MLKN