先週の米国相場は、強い動きを続けてきたハイテク銘柄の上昇が小休止となる一方で、年初からアンダーパフォームしてきた小型株やエネルギー、ヘルスケア、公益事業などのセクターに資金が移動する動きが見られました。セクターローテーションを繰り返しながらも相場全体としては上昇を維持している状況です。
今週はFOMCの金融政策の発表、MSFT、GOOGL、METAなどの多くの企業の決算が続きます。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
投資家センチメント
先週、強気な投資家の割合が大きく上昇し、ここ一年で最も高い51.4%となりました。それに対して、弱気な投資家の割合は21.5%まで下がっています。
相場環境
米国債10年物利回りは、下落後に戻り+0.18%で下ヒゲをつけています。下落トレンドのラインをブレイクして下落した後に同じラインで反発しており、目先は上昇する可能性が出てきているように見えます。今週のFOMCの発表後の反応をしっかり確認したいと思います。
VIXは+1.95%とやや上昇して終えています。3月以降の下落トレンドは維持していますが、12.7付近まで下がる度に跳ね返される動きとなっており、これ以上の下落を食い止めようとする動きがあるように見えます。
ナスダックの分析
ナスダック先物の月足チャートです。15280を超えた後に上ヒゲをつけている状態でやや上昇の勢いがなくなってきているように見えます。
ナスダックの週足チャートです。先週は-0.76%の下落です。16000近くまで上昇したところで反落し、やや大きめな上ヒゲをつけて終えています。今週以降、15280の水準で反発するか、割り込んで下落を開始するかを注視したいと思います。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇トレンドを維持しています。
ナスダックの高値 – 安値銘柄数はプラス圏を維持しています。上昇の勢いはやや弱まっているように見えます。
ダウの分析
ダウの月足のチャートです。2022年11月から開始したレンジの上限となっていた34749の水準をブレイクしています。
ダウの週足のチャートです。先週は+2.14%と強い上昇でした。次のターゲットは36000です。
ダウ銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇トレンドを維持しています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。抵抗線のある4580の付近に到達したところで売られて小幅に下落しています。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.72%上昇しました。4585付近で反落して上ヒゲをつけて終えています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇トレンドを維持しています。買われ過ぎの水準に到達しています。今の弱気相場であれば、ここから下落していく可能性が高いです。強気相場であれば、この水準を維持しつつ株価は上昇していく可能性があります。
セクター毎の動きを確認すると、6月から7月にかけてアンダーパフォームしていたセクターに買いが入っており、先週から生活必需品、ヘルスケア、公益事業のセクターの50日移動平均線を超えている銘柄の割合が力強く上昇しています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。2022年3月から始まった下落トレンドのラインをブレイクアウトしています。過去に2回の反落があった2010の水準を超えていけるが、今後の動きのポイントになりそうです。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+1.39%の上昇です。下落トレンドのラインをブレイクアウトした後にやや下落して上ヒゲをつけて終えています。1929の水準で反発して上昇を続けられるかを確認したいと思います。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合の推移を確認すると、上昇トレンドを維持しています。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合についても上昇トレンドは崩れていないものの、やや上昇の勢いがなくなってきています。
コモディティ先物の分析
原油価格は+2.05%の上昇です。3週連続で上昇しており短期の上昇トレンドに入っています。
天然ガスは+6.85%の強い上昇です。5月から始まった緩やかな上昇トレンドを維持しています。
銅は-2.92%の下落です。上昇と下落のどちらの方向に進むのか決めかねているようなチャートの動きです。ここからどちらの方向にブレイクするかで今後の方向性が定まってきそうです。
金は+0.11%の小幅な上昇です。3週連続で上昇しているものの比較的に大きな上ヒゲをつけて終えています。直近の数週間は金利と完全に逆の動きとなっていますので、今週のFOMC後に金利がどちらに振れるかで方向性が定まりそうです。
小麦は+5.44%の上昇です。ダブルボトムのようなパターンを形成して大きな出来高を伴って上昇しており、ここから上昇トレンドに転換していく可能性がありそうです。
セクター分析
年初からアンダーパフォームしてきたエネルギー、ヘルスケア、金融、公益事業が良いパフォーマンスとなっています。通信サービス、一般消費財が弱い動きとなっています。
業種別のパフォーマンスを見ると、金融市場、石炭、トラック、健康保険、公益事業、石油ガス、肥料、地方銀行が上位を占めています。一方で、広告代理店、半導体装置が決算発表の結果を受けて弱い動きとなっています。
個別銘柄の動向
先週に良い決算を発表したJNJ、BAC、MS、UNH、ELVが上昇しています。その他には、ヘルスケアセクター(TMO、DHR、ABT)、石油ガス(EQNR、COP、MPC、VLO、PSX)、肥料(NTR)に強い動きが見られます。TSLA、TSM、ASMLは決算発表後に下落しています。
今週の戦略
今週はFOMC会見、MSFT、GOOGL、METAなどの大手ハイテク銘柄をはじめ大きくの銘柄の決算発表が予定されています。
今週は、エネルギー、ヘルスケアのセクターの銘柄の動向に注目しつつ、FOMC会見と監視銘柄の決算発表後の反応を確認しながらトレードをしていきたいと思います。
監視銘柄
先週に決算発表後に上昇したALV、BMI、FOR、先週の相場で力強い動きをしていたAMPH、IASを加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
決算予定
今週はMSFT、GOOG、METAの決算に注目したいと思います。
7/24
- DPZ
- CLF
- AGYS
- HXL
7/25
- MSFT
- GOOG
- V
- GE
- VZ
- SPOT
- LTH
- IRDM
- ARCC
- ADM
- LW
- HUBB
- PHM
- CSGP
- WFRD
- TXN
- NUE
- PCAR
7/26
- META
- KO
- ODFL
- HLT
- TDY
- TMO
- NOW
- ALGN
- EBAY
- CMG
- ADP
- CLS
- FLEX
7/27
- ENPH
- MA
- INTC
- ABBV
- INMD
- MBLY
- FSLR
- CRS
- HEES
- KEX
- EXP
- CROX
- TW
- RS
- AGCO
- RCL
- DXCM
- SKX
- SG
- SCCO
7/28
- XOM
- CVX
- PG
- TROW
- CHD
- SAIA
- ARCB