【米国株】2023-05-22週の振り返りと今週の戦略(監視銘柄)

週間振り返り

先週の米国相場は、NVDA、MRVL、AVGO等の半導体銘柄、SMCI、IONQなどのコンピューターハード銘柄、PLTR、AIなどのAIソフトウェア銘柄がナスダックの力強い上昇を牽引しました。その一方で、素材関連、ディフェンシブ、ヘルスケアの銘柄は下落が続いており、明暗がくっきり分かれています。

金利の継続的な上昇に伴ってドル指数が上昇し、金属素材の価格は下落が続いてきましたが、週末に米国の債務上限の問題に解決の道筋が見えてきたことから、週明けは金利の動きにも変化が見られる可能性があります。

今週は6/1にISM製造業指数、6/2に雇用統計が発表されます。今後の景気の動向を探る上で重要な指数となりますので、発表後の相場の反応をしっかり確認していきたいと思います。

それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。

先週の振り返り

相場環境

米国債10年物利回りは+3.59%と大きく上昇しました。2022年10月のピークから始まった中期の下落トレンドラインに近づいています。今週以降に3.9%の水準を超えて更に上昇していくのか、債務上限問題の解決と共に下落に転じていくのかを確認していきたいと思います。

VIXは一旦20近くまで上昇した後に下落し、17.94まで下げています。MACDは緩やかな上昇トレンドが続いています。4月以降上がりそうで上がらず、20付近に達すると下落する動きが続いており、VIXが上昇して株価指数が下落したタイミングで買いに入っている勢力がいるように見えます。

ナスダック指数の分析

ナスダックは+3.92%と力強く上昇しました。2023年初から始まった上昇トレンドのチャネルの上限に達していますので、短期的には一旦調整に入る可能性が高くなりつつあります。現在のナスダックの上昇は、一部の銘柄が牽引していますが、今後も上昇を継続できるかどうかはその他の銘柄にも幅広く買いが広がっていくかどうかがポイントになりそうです。

ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合を確認すると、4月以降一貫して上昇を続けています。ナスダックに関しては一部の銘柄だけでなく、全体的に買いが優勢になってきています。まだ、買われ過ぎの水準(下のチャートで30付近)には達しておらず、トレンドが転換する動きも見られませんので、まだ上昇の余地が残っているように思います。

ナスダックの高値-安値銘柄数は13とプラス圏で終えています。今週、このままプラス圏を維持する動きとなれば、ナスダックの上昇は継続する可能性がさらに高まると思います。

S&P500指数の分析

S&P500は+0.61%の上昇です。上昇トレンドを維持しており、2023年2月の高値を超えた状態で1週間を終えています。当面は4300の水準をターゲットに上昇していく可能性が高まってきているように見えます。

S&P500の指数が上昇してる一方で、S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の推移は、下落トレンドが続いています。まだ下落トレンドが止まる兆候はありません。一部の上昇している銘柄が株価指数を押し上げている一方で、その他の銘柄は下がり続けている状況を示しています。

S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の推移についても下落トレンドが続いています。まだ、短期的に売られ過ぎの水準までは達しておらず、下落傾向の銘柄はさらに下落していく余地が残っている状況です。

ダウ指数の分析

ダウは-0.80%の下落です。週の前半に大きく下落した後、中期の上昇トレンドのサポートラインで反発して下ヒゲをつけて終えています。

ダウ銘柄のうち50日移動平均船を超えている銘柄の推移についても、強い下落トレンドが続いています。売られ過ぎの水準に近づいてきており、今後の数週間で反発してくる可能性が高くなりつつあります。

コモディティ価格の分析

原油価格は+1.39%の上昇です。2週間連続で上昇してきており、今週も上昇を継続できれば4月から始まった短期的な下落トレンドは終了となりそうです。

天然ガスは-6.50%下落しました。4月から始まった上昇トレンドらしき動きは続いており、先週の下落は前の週の大幅な上昇の反動のように見えます。

銅価格は大きく下落した後に若干持ち直して-1.34%の下落で終えています。2022年7月の底から始まった中期の上昇トレンドのトレンドラインにサポートされる形で大きな下ヒゲをつけています。今後、金利の下落によりドル指数が下落していけば、ここから上昇に転じていく可能性があると思います。

金価格は-1.88%の下落です。こちらも銅と同じく中期の上昇トレンドのチャネルの下限に達しています。今週以降にここから反発して2022年10月から始まった上昇トレンドを維持できるかを確認していきたいと思います。

小麦価格は+1.82%の上昇です。下落トレンドのチャネルの範囲で推移しています。まだ、下落トレンドが終了する兆候は見られません。

セクター分析

先週は情報技術のみが突出して上昇しています。その一方で、素材、ディフェンシブ、ヘルスケアのセクターが弱く、大きな下落となっています。

業種別のパフォーマンスを確認すると、半導体、半導体装置、コンピューターハードウェアが非常に強い動きです。肥料、金、銀、石炭など素材系の下落が目立ちます。

業種別のパフォーマンスのチャートを確認すると、半導体、半導体装置、コンピューターハード、インターネットコンテンツ、ソフトウェア(インフラ系)が非常に強い上昇トレンドとなっています。

個別銘柄の動向

ハイテク株、金融株の一部が上昇し、それ以外は下落する動きとなっており、パフォーマンスの良し悪しがセクター毎に明確に分かれています。

先週、特に強い動きを見せたのは、半導体(NVDA、AMD、AVGO、MRVL、RMBS)、半導体装置(ASML、KLAC、AMAT)、ソフトウェア(PANW、ADBE、NOW、PLTR)、インターネット(META)、自動車(TSLA)です。

今週の戦略

半導体、AI関連の銘柄がナスダックの上昇を牽引しており、その他のハイテク銘柄にも買いが広がりつつあります。一方で金属素材を中心とした景気敏感株、ヘルスケア、小売関連は強い下落が続いています。

今週は、CRWD、OKTA、IOT、MDB、ZSなどの中規模のソフトウェア関連の成長株の決算発表が予定されています。半導体、AI銘柄の上昇に続いて、ソフトウェア関連の銘柄にも資金の流入が続くかどうかを確認し、エントリーのタイミングを探っていきたいと思います。

石油、素材、小売等の景気敏感株については、週明けに金利がどちらの方向に進むのか、また6/1のISM製造業指数と6/2の雇用統計の発表後の相場の反応を観察してリバーサルトレードの可能性を見ていきたいと思います。

監視銘柄

先週に力強い動きが見られた半導体関連の銘柄(AVGO、MRVL、MPWR、ONTO、SNPS、CDNS)を加えています。

監視銘柄のチャートはこちら。

Stock Screener - Charts ACAD,ACLS,AEHR,ARRY,AVGO,CDNS,CELH,CMG,CRWD,DDOG,DKNG,DT,ELF,EXAS,FLEX,HUBS,INSP,IOT,ISRG,KBH,KRYS,LTH,MNDY,MOD,MPWR,MRVL,MU,NOW,NU,ON,ONTO,PANW,PGNY,SHAK,SHOP,SNPS,SPOT,STRL,SWAV,UBER ticker
Stock screener for investors and traders, financial visualizations.

今週の決算予定

今週はCRWD、OKTA、AI、AVGO、LULUの決算に注目したいと思います。

5/30
  • HPQ
  • SKY
5/31
  • CRWD
  • OKTA
  • CRM
  • PSTG
  • AI
  • PVH
6/1
  • AVGO
  • LULU
  • IOT
  • PD
  • MDB
  • ZS
  • DELL
  • S

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