今週の結論
- 姿勢は「守り7:攻め3」→やや保守寄りに強化。10年債は4.06%と低下も、VIX21台・市場の広がり(ブレッドス)低下で地合いは不安定。
- S&P500の下値目安は6,400→6,321、ナスダック100は24,150→23,747。ここを終値で割ると二段安リスク。
- 原油は58ドルへ下放れ/金は4,000台。エネルギーをさらに軽量化、金をヘッジ枠で厚め。ハイテク株は押し目限定で短期回転。
先週の戦略の振り返り(結果と見直し)
- 先週は「押し目のみ攻める+常設ヘッジ」「VIX23/26・10年債4.11/4.60%・ブレッドス0.40をスイッチ」と設定。実際はVIX21台、主要指数は週足で下落。“追わない・待ち伏せ”が奏功。
- 良かった点:原油の下放れを先取りしエネルギー比率を軽量、金の比率増も機能。
- 反省点:VIX20台では短期反発(ショートカバー)が出やすい。出来高を伴う戻りのみ短期で拾うと明文化。
チャート環境
- 金利(米10年):4.06%。名目上はハイテク株に追い風だが、景気減速を織り込む“悪い低下”の可能性も。

- VIX:21.7。20超=注意、23超=積極買いを停止。

- ブレッドス(上昇銘柄比率):10〜15%台まで急低下。指数より内部が弱い。

- 指数の関門:S&P500 6,400/6,321、NASDAQ100 24,150/23,747、Dow 45,723/44,830、Russell2000 2,322/2,133。
- コモディティ:WTI 58(弱気継続)、金 4,000台(ヘッジ買い継続)。
環境スイッチ(毎週共通):10年債 4.11% / 4.60%、VIX 23 / 26、ブレッドス 0.40
過去のトレンド転換と“いま”の比較(ブレッドス200日線の傾き検証)

結論:2025年5月以降の反転は“勢いが弱い”。
過去の強い反転
- 2020年3月(コロナ直後):ブレッドスの200日移動平均(200MA)が急角度で上昇(約3〜6ヶ月で40%→80%・角度≈45°)。→ V字回復。
- 2022年10月(インフレピーク後):200MAが明確な上向き(約6〜9ヶ月で40%→60%・角度≈30〜40°)。→ 継続回復トレンド。
現在(2025年5月〜)
- 青▲後の200MAはほぼ横ばい〜わずかに上向き(約5ヶ月で50%→≈58%・角度<10°)。→ 反転の“勢い”が明らかに不足。
何を示唆?
- 内部エネルギー不足:200MA上抜け銘柄の増勢が遅く、セクター間のばらつきが大。
- 投資家心理は慎重:FOMOが弱く、押し目でも資金が広がりにくい。
- 資金流入の幅が狭い:大型の限られた銘柄に滞留しやすい。
想定シナリオ
- S1 だましの反転(確率↑):上昇が失速→再下落→真の底はブレッドス30〜40%帯で形成。
- S2 時間をかけた反転(確率→):6〜12ヶ月かけて60%→70%へ緩やか上昇。爆発力は弱い。
- S3 大型株の調整→総洗い後の本格反転(確率→):一旦急落後、出遅れセクターに資金が波及。
警戒&確認シグナル
- 警戒:
- ブレッドス200MAの傾きがさらに寝る/8日線が55%割れ。
- 弱気シグナル(下落日カウント)が2週間以上連続。
- 強気確認:
- 200MAの傾きが月間+3〜5%ペースに加速。
- 65〜70%超を3週間以上維持。
- 金融・資本財・素材など幅広い上昇が出現。
今週のシナリオ別アクション
| シナリオ | 条件 | 行動 |
|---|---|---|
| A 基本(レンジ下向き) | 10年債4.0–4.2%、VIX18–23、SPX 6,400〜6,548 | ロット上限65%。ハイテク株は押し目限定。VIX<20ならQQQを小口追加。 |
| B 反発(ショートカバー) | VIX<20かつSPX 6,548/NDX 24,150回復 | +10%だけ攻め(XLK/QQQ)。戻り2〜3%で半益。 |
| C 続落(守り最優先) | VIX>23 or SPX<6,321/NDX<23,747 | 総ロット≤50%。SH/SDS 1〜2%導入、公益・金を厚め。 |
具体的な売買計画(価格と撤退ライン)
- SPY/VOO:SPX 6,400で分割打診、6,321終値割れで縮小。

- QQQ:NDX 24,150の出来高伴う回復で小口。23,747割れは撤退。

- IWM:2,322の反発確認まで新規見送り。2,388回復で軽く。

- ヘッジ(SH/SDS):VIX≥23 or SPX<6,321で1–2%導入、指数が-2%戻りで外す。
- ウラン(URA/CCJ):51.6上の初押し(49–50)を分割、46.3割れ撤退/55.7手前で利確。

配分モデル(“弱い反転”を織り込んだ保守寄り)
- 株式合計:50〜60%(前回60〜70%から引き下げ)
- 現金・超短期債:25〜30%(引き上げ)
| ブロック | 目安比率 | 例 | ルール |
|---|---|---|---|
| コア指数 | 25–30% | VOO/QQQ | SPX 6,321割れで縮小 |
| ハイテク押し目 | 8–12% | XLK/SMH | NDX 24,150回復で追加、戻りは半益 |
| ディフェンシブ | 20–25% | XLU/XLP + ヘルスケア(XLV) | VIX<18で一部利確 |
| 金(ヘッジ) | 8–10% | GLD/GDX | 3,748–3,915は押し目、週終値EMA21割れ縮小 |
| ウラン | 5–7% | URA/CCJ | 51.6上の押し目限定/46.3割れ撤退 |
| 現金・短期債 | 25–30% | BIL/SHY | 次の好機に備える余力 |
| ヘッジ | 0–5% | SH/SDS | VIX≥23 or SPX<6,321で起動 |
兼業投資家の“2回チェック”
- 寄り前(PDT 06:30|JST 22:30):10年債・VIX・ブレッドス→A/B/C判定→ロット/ヘッジ調整。
- 引け前(PDT 12:45|JST 04:45):SPX 6,400/6,321、NDX 24,150/23,747の位置を確認→半益&逆指値更新。
決算イベントの扱い
- 銀行:JPM/GS/C/WFC/BLK、半導体:ASML・TSMCなど主力が続く週。
- 原則:大型決算は寄り後5分のレンジ(ORB)のみ。VWAP割れ撤退/+3〜5%で半益。持ち越しは最小限。

最後のメッセージ
今回の青▲(2025年5月の下落トレンドからの反発)は、過去の青▲と性質が違う。
- 200MAの“傾き”が立っていない=勢い不足。
- したがって、全力・集中投資・レバレッジは厳禁。守りを固め、広がりの改善(ブレッドス65〜70%)を待つ。
- それまでは押し目限定・短期回転・常設ヘッジでドローダウンを小さく運用する。


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