先週の米国相場は、休暇シーズンで出来高も小さく大きな動きはありませんでしたが、さまざまな業種の銘柄が買われ、相場全体として上昇した一週間となりました。
注目されていたNVDAの決算はコンセンサス予想を大きく上回る結果となりましたが、株価については大きく上昇することはなく下落で終えています。
11月に入ってから主要な株価指数は4週連続で上昇しており、大きく上昇した銘柄も増えてきていることから、買われ過ぎの状態に近づいているように見えます。
短期的な売りに備えてスイングポジションの一部を利確し、次の買い場に備えたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきしまょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+0.74%と小幅な上昇でした。短期的な下落トレンドを継続していますが、過去に何度か上昇が止まっていた4.3%付近で下落が止まっており、ここから反発する可能性も出てきているように見えます。
VIXは-9.85%と大きく下落しました。今年、数回に渡って下落から反転していた12.5の水準を下回って12.45まで下がっています。まだ反転の兆候は見られませんが、注意深く動向を観察していきたいと思います。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。11月の上げ幅は+11.03%となっており、7月の高値を超えてきました。
ナスダックの週足チャートです。今週は+0.88%とやや小幅な上昇でした。小さい上ヒゲをつけて終えています。少し上昇の勢いが弱まりつつあるように見えます。
ナスダックの高値銘柄数–安値銘柄数は前週から増加し、上昇トレンドを継続しています。
ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は小幅に上昇しました。MACDがクロスしており、中期的には上昇していく可能性が高そうです。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく上昇し、やや買われ過ぎの水準に近づいています。2022年から2023年にかけては20から30の水準で上昇から下落に転換する動きが多く発生していましたので、注意して推移を見ていきたいと思います。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。11月の上げ幅は+7.21%となり、9月と10月ローソク足を超えて上昇を続けています。
ダウの週足チャートです。先週は+1.33%の上昇でした。4集連続で上昇しています。直近の2年間では4週以上に上昇が続くことはありませんでしたので、短期的には一旦上昇が止まる可能性が高そうです。
ダウの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は2023年の高値の20の水準に到達しています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は前の週から変化はなく、20を超えたところで停滞しています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。11月の上げ幅は+8.88%となっています。ダウと同様に9月と10月の高値を超えています。
S&P500の週足チャートです。先週は+1.02%の上昇でした。4週間連続の上昇で7月の高値の4600の水準に迫っています。
S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は26となり、やや買われ過ぎの水準に近づいています。直近の2年間では30を超えたところで反落することが多かったので、注意して推移を見ていきたいと思います。
S&P500のハイテク銘柄に注目すると、すでに買われ過ぎの水準に到達しており、上昇の勢いが止まる可能性が高くなってきています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。11月の上げ幅は+8.95%となりました。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+0.46%の小幅な上昇でした。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は継続して上昇しています。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合についても上昇を続けています。2022から2023年にかけて上昇から下落に転じていた20の水準に近づいてきています。
コモディティ先物の分析
原油は-1.21%の下落でした。5週間連続で下落していますが、下げ幅がやや小さくなってきており、売り手の勢いは弱まってきているように見えます。
天然ガスは-3.55%の下落でした。4月に始まった緩やかな上昇トレンドのラインまで戻ってきています。
金は+0.92%の上昇でした。2週間前の大きな下落前の水準に戻ってきています。
銅は+1.35%の上昇でした。2023年1月から始まった下落トレンドラインをブレイクした後に上昇を継続しています。
小麦は+0.26%と小幅な値動きが3週続いています。まだ、この後の方向性は定まっていないようです。
セクター分析
先週はすべてのセクターが上昇しました。その中でもエネルギーとヘルスケアが強い動きとなっています。
業種別に見ると、銀、教育サービス、空港サービス、再保険が強く、ソーラー、インターネットコンテンツ、銅が弱い動きとなっています。
個別銘柄の動向
先週の相場で強い動きとなっていたのは、ソフトウェア(PANW、SQ、SNOW)、半導体(ARM)、バイオテクノロジー(NVO)、医療機器(MDT)、検査機器(DHR、A)、アパレル小売(GPS、BURL、ROST)、航空(BA)でした。幅広いセクターの銘柄に買いが広がっています。
先週に決算発表があったNVDAは下落して一週間を終えています。
今週の戦略
11月に入ってから株式相場全体に広く買いが広がり、株価指数は軒並み上昇しています。大きく上昇している銘柄が増えてきており、50日移動平均線を超えている銘柄の割合も買われ過ぎの水準に近づいていますので、短期的には利確に伴う売りが出始める可能性が高くなってきているように見えます。ただし、相場全体のさまざまな銘柄に買いが広がっていることを考えると、少し長い時間軸ではまだ2024年に向けて上昇していく可能性も残っています。
今週はCRM、SNPS、CRWD、ZS等のソフトウェアの成長銘柄の決算発表が予定されています。決算発表および利確売りに備えてスイングトレードのポジションをやや縮小し、次の買い場に備えてキャッシュを手元に残しておきたいと思います。
デイトレードについては、引き続き好決算でギャップアップした銘柄があればトレードしていきます。
監視銘柄
先週の決算発表後に強い動きをしていたSYMを監視対象に加えています。また、中小型株の中にも上昇する銘柄が出てきている相場の動きに合わせて、ALKT、ARM、DAKT、KTOSなどを追加しています。
今週は監視銘柄の中ではCRWD、ZS、PDD、NTNXの決算発表が予定されています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はZS、PDD、CRWD、SNPS、CRMの決算に注目したいと思います。
11/27
- SDRL
- ZS
11/28
- PDD
- NTAP
- WDAY
- CRWD
- INTU
- AZEK
11/29
- CRDO
- SNPS
- LZB
- YY
- NCNO
- SNOW
- CRM
- NTNX
- PSTG
11/30
- BBW
- FRO
- IOT
- MRVL
- ESTC
- DELL
- PATH