先週の米国相場はハイテク株を中心に強い動きが見られました。
7月以降、ニュースではオラクル、ネットフリックス、ショッピファイ、コインベース等のハイテク企業の人員削減の報道を多く見かけるようになりましたが、先週発表された7月の非農業部門の雇用者数は予想の25万人に対して、53万人と大幅に予想を上回る数字が発表されました。
雇用統計の結果を受けて米国債の利回りが短期から長期まで急上昇しましたが、株の買いの勢いは収まらず、ナスダック100、S&P500は3週連続でプラスで終えています。
決算発表の結果を受けて上昇する銘柄、下落する銘柄共に20%超の大きな値幅で動く銘柄が多く見られ、特にソフトウェアとバイオテクノロジーのセクターに急上昇する銘柄が集中していました。
今週は、米国の8/10に7月のインフレ率が発表されます。先月の9.1%からガソリン価格等の下落と共に落ち着いてくるのか、はたまた強い雇用の影響を受けて高いインフレの状態を継続するのか要注目です。
それでは、チャートを見ながら先週の相場を振り返ってみましょう。
先週の振り返り
相場環境
VIXは週中には一時的に上昇したものの最終的に-0.84%の下落となりました。6月から7週連続で下落しています。中期のサポートラインに到達しており、反発してくる可能性が高くなってきている状況です。
米国債の10年物の利回りは6.71%と大きく上昇しました。6月から開始した下落トレンドのチャネルの範囲で推移しています。先週の雇用統計、今週のインフレ率の発表を受けて、どちらの方向に推移していくのか、注意深く動向を見ていきたいと思います。
ナスダックは1.84%上昇し、出来高も増加しており力強い動きとなっています。2022年1月から開始した下落トレンドのレジスタンスラインに到達していますので、一旦調整に入る可能性も想定して準備しておきたいと思います。
原油価格は-9.92%の下落となり3月末以来の大きな下げ幅となっています。6月から開始した下落トレンドのチャネルの範囲で推移しており、下落トレンドを継続しています。
天然ガスは-2.01%の下落となりました。高値と安値が共に切り下がっていますので、トレンドとしては下目線ですが、まだ明確には方向性が定まっていないように見えます。
金価格は7月中旬に上昇に転じてから3週連続の上昇となりました。ただし、先週の7月の雇用統計の発表後の金利の上昇に反応して金価格は下落しています。
銅価格は-0.60%とやや下落して終了しています。週の前半は下落傾向でしたが、7月の強い雇用統計の数字を受けて上昇しています。
小麦価格は-3.96%下がり、下落トレンドを継続しています。ウクライナ産の小麦の輸出が順調に推移していけば、下落トレンドを継続していくものと思われます。
セクター分析
セクターとしては、情報技術、通信サービス、一般消費財が強く、原油価格の低下を受けてエネルギーセクターは全体的に大きく下落しています。
業種別では、2022年前半に下落を続けてきたソフトウェア、ギャンブルが力強く反発してきました。バイオテクノロジー、空港サービス、インターネット小売も良いパフォーマンスとなっています。
パフォーマンスが特に悪かったのは、石油ガス、石炭です。銅やアルミなどのコモディティ、製薬も弱いです。
個別銘柄の動向
続いて個別銘柄の動向を確認してみましょう。力強く上昇したのは、ソフトウェア(NET 、MDB 、SQ、ZI、TEAM、U)、バイオテクノロジー(MRNA、ALNY、SRPT、BMRN、MRTX)、通信サービス(YELP、DASH、ROKU)、インターネット小売(MELI、GLBE、CHWY、CVNA)などの中小型の銘柄が中心となっています。
パフォーマンスが悪かったのは、セクター全体が下落した石油ガス(XOM、CVX、OXY)、製薬(LLY、NVO)、重機(CAT)です。
次に、週間上昇率の高い銘柄の傾向を確認してみましょう。週間で10%超上昇した銘柄は352件あり、バイオテクノロジー(CCXI、VRAX、GBT、RYTM)、ソフトウェア(HKD、PING、NET LYFT)のセクターに上昇率の高い銘柄が見られます。
小型、中型の銘柄が80%を占めています。急上昇している銘柄の多くは、今年前半に大幅に下落した銘柄(52週高値から50%前後下落している銘柄)が底を打って反発した結果によるものが多い傾向です。
今週の戦略
先週は含み益が大きくなったCELHを利確、LNTH、ECPGは決算前に小幅の利益で利確、HRB、PLABについても一部利確してポジションを縮小しています。新たに良いチャートパターンを形成して上昇を始めたMCK、NUE、GOにエントリーしました。
保有銘柄
- HRB 税務サービス
- PLAB 半導体素材
- MUSA ガソリンスタンド、コンビニ
- MCK 医薬品流通
- NUE 鉄鋼
- GO ディカウントストア
決算発表後の上下の振れ幅が大きい傾向が見られるため、基本的に決算前にはポジションを手仕舞い、好決算の発表によって急上昇した後の調整から反発するタイミング狙ってエントリーの機会を探っていきたいと思います。
監視銘柄
エントリー候補
- CSL
- VRTX
- VTNR
- NFE
- SWAV
- CF
- GWW
- LNTH
- STNG
- OTTR
- CDNS
- BJ
- CELH
上昇からの調整待ち
- CLFD
- ENPH
- ACLS
- WMS
- WSC
- MPWR
- ANET
- IMXI
- ELF
- IMCR
- PRVA
保有、監視銘柄のチャートはこちら
今週の決算予定
今週も多数の銘柄の決算発表が予定されています。
個人的に特に注目している銘柄は、AZPN、SWAV、AMPH、VTNR、CELH、GO、HRBです。
8/8
相場開始前
- AMR
- BNTX
- DINO
- TSN
相場終了後
- AZPN
- SWAV
- AMPH
- APPS
- HPK
- IIIV
- OKE
- PRDO
- UPST
- APLS
- DOCN
8/9
相場開始前
- ITCI
- XPEL
- AHCO
- GFS
- INSW
- IONS
- OLPX
- SYY
- TH
相場終了後
- CELH
- HRB
- GO
- VTNR
- AVD
- CPRX
- LRN
- PLUG
- SMCI
- U
- RBLX
8/10
相場開始前
- RCMT
相場終了後
- CRSP
- GOSS
- IMCR
- AVT
- BROS
- EE
8/11
相場開始前
- PRVA
- GLNG
- CAH
相場終了後
- MAXN
- ATGE
- EDR
- RYAN
8/12
- MRUS