先週の米国相場は久しぶりにすべての指数が上昇しました。6/15の0.75%の利上げの発表から1週間が経過して、弱気相場の中の束の間の上昇となるかもしれませんが、相場が落ち着きを取り戻しつつあるようです。
年初から強かったエネルギー株が全体的に下落する一方で、バイオテクノロジーを中心にヘルスケア関連の上昇に始まり、ハイテク株も反発してセクターの循環が進んだ転換期となる一週間でした。
景気後退の懸念から、原油、天然ガス、金属等のコモディティの価格下落は止まらず、その影響を受けるセクターは軒並み下落する結果となりました。
今後の数週間は相場全体としては上昇が継続する可能性が高いと予想されます。VIXの動きを観察しながら慎重にポジションを増やして短期トレードに臨みたいと思います。
トレードの対象にするのは確実な上昇トレンドの状態で良いチャートパターンを形成した銘柄です。
それでは、先週の相場環境を詳しく見ながら今週の戦略を考えていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
VIXは12%下落して週足で下落トレンドに入りかけています。まだ反発してくる可能性のあるポイントとして、オレンジ色のサポートラインとぶつかる26付近は注意が必要です。この水準を下抜けていけるか監視していきたいと思います。
NASDAQ100は下側のトレンドラインで反発して上昇に転じました。5月末の反発と同様に短期の上昇で終わってしまうのか、13000付近まで上昇していけるかは、今週の動きがポイントになりそうです。
原油価格は$100付近まで下落したところから反発してきています。チャート的にはダブルトップの形になっていて、ちょうど先々週の小麦価格と同じ下落が始まる前の段階に見えます。
天然ガスは下げ幅は縮小してきたものの下落トレンドを継続しています。まだ上昇に転じる動きは見られません。
銅価格は3週間の続落となっています。下側のトレンドラインにぶつかっていますので若干の反発は見られるかもしれませんが、まだ下落が続きそうなチャートです。
小麦のチャートもダブルトップのチャートから始まった下落トレンドを継続しています。
金の先物はコモディティの中で大きな下落に巻き込まれていない数少ない銘柄です。方向性が定まらずに横ばいしている状態です。
バルチック指数は先々週の上昇を継続できずに反落しています。コモディティの価格と共に下目線で推移していく可能性が高いと思います。
セクター分析
エネルギーと素材を除いたセクターが大きく上昇しました。特に上昇が大きかったのは一般消費財、不動産、通信サービス、ヘルスケア、情報技術です。
業種別で見てみると、不動産サービス、医療情報、ソフトウェア、ギャンブル、バイオテクノロジーが良いパフォーマンスとなっています。石油ガス関連の業種は軒並み下落しています。その他は、銅、石炭、その他金属、海運の下落が目立ちます。
個別銘柄分析
1週間の個別銘柄のパフォーマンスもセクターと業種の分析の結果をそのまま反映した結果となっており、非常に明確に上昇と下落の銘柄が分かれています。
過去1ヶ月で見るとより鮮明にセクターの移り変わりを確認することができます。バイオテクノロジー、医療情報、ソフトウェアに加えて、 BABA 、JD 、LI 、XPEV 、NIO 、BIDU 、TME 、BEKE などの中国株が力強さを取り戻してきています。
先週の1週間で10%以上上昇した銘柄の上位20件を確認してみましょう。バイオテクノロジーと医療情報の銘柄が上位を占めている中でソフトウェア関連の銘柄として RBLX、SPT、Uが上位にランクインしてきています。
100%超上昇した銘柄のうち3件は買収の報道を受けて上がっているものです。株価が大きく下げてきて割安感が出てきている銘柄に対する企業間の買収も活発になってきているようです。
ヘルスケアと情報技術が50%を占めており、中型、大型の銘柄の比率が高くなったことも前週と比較して変化している点です。
今週の戦略
6/24の相場全体の上昇により短期的には上昇トレンド入りとなりました。新しい悪材料がなければ1週間から2週間は上昇する可能性が高いと考えています。
ただし、相場の大きな流れとしては弱気相場であることは変わっていません。また、下落トレンドから短期間で急上昇したソフトウェア銘柄には月末に向けて利益確定の動きがあることも想定されます。
今週は、相場の様子を見ながら慎重にポジションを増やし、怪しい動きがあれば早々に撤退する短期トレードで臨みたいと思います。
保有銘柄
- GO
- HRMY
- UTHR
- HALO
監視銘柄
- VRTX
- LLY
- CHEF
- FNKO
- OLLI
- KRO
- SWAV
- HRB
- EVH
- SWIR
- UFCS
保有・監視銘柄のチャートはこちら
今週の決算予定
今週も決算発表の件数は少ないですが、直近の消費動向と今後の見通しを見ていく上で、NKE の決算に特に注目です。また、SNX の決算を通じて企業のITシステムへの投資動向を確認していきたいと思います。
6/27
- NKE
6/28
- SNX
- PRGS
6/29
- PAYX
6/30
- MU
- SMPL
- TNP