【株式トレード】ためらいなく損切りができるようになるためのステップ

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株式投資やトレードで損切りをするのはとても難しいですよね。

特に銘柄のファンダメンタルとチャートをしっかり分析して自分がこれは上がりそうだと確信してエントリーした銘柄であればあるほど自分の間違いを認めなければいけなくて抵抗があるものです。

思い返すと、私も株式のトレードを始めた頃は、自分で時間をかけて分析して上がると確信して買った銘柄なんだから、損切りなんていらないでしょ、ぐらいに考えていて、かなり思い上がっていたような気がします。

その結果、損失が小さいうちに損切りするのが嫌で保有し続けた結果、損失が膨らんで自分を精神的に追い詰めてしまったり、含み損を抱えた銘柄を下がる度にナンピン買いしてどうしようも無くなってしまったり、まったく上手く損切りをすることができずに苦しみました。

私は株式トレードを通じて安定して着実に収益を上げられるようになって、最終的に経済的に自立することを目指しています。相場が想定と異なる方向に動き始めた時に、心理的な抵抗なく損切りができることは、これを実現するために重要なスキルと考えています。

この記事では、どうしても損切りがうまくできない方に向けて、損切りができるようになるためのコツを自分の失敗談も交えながらお伝えできればと思います。

なぜ損切りは大切なのか

最初に、損切りの大切さについて、実績をあげている投資家、トレーダーの言葉を見ていきましょう。以下では私が愛読しているオニールとミネルヴィニの書籍から損切りに関する言葉を引用しています。いずれも、間違えた時に損失を小さくすることがいかに大切かを伝えてくれています。

オニールの成長株発掘法より

株式市場で大きく勝つための一番の秘訣は、毎回正しい判断を下すことではない。間違った判断を下したときにできるだけ損失を抑えることなのだ。

大きな損失から身を守る確かな防衛策を持っていないと、投資という勝負の世界で大きく勝つことなど絶対にできない。

損切りが遅れて株価が50%下落してしまったら、損益ゼロに戻すためには100%上昇しなければならないということを忘れないでほしい。

最後に、大きな損失を出して打撃を受ける前にするべき重要な理由がもう一つある。それは今後の決断力と勇気を失わないためである。保有株を取り巻く状況が悪化し始めた時に素早く損切りしないでいると、その後の売買判断をするときに必要となる自信がいとも簡単に失われてしまう。

ミネルヴィニの成長株投資法

大きな損失を避けることが、大勝するための唯一最も重要な要素なのだ。株価がどこまで上昇するかをコントロールすることはできない。しかし、損失を小さく抑えるか大きく膨らませてしまうかは、ほとんどの場合は、自分の選択次第だ。

いかにして損失を可能なかぎり最小にするかを学ぶことに、多くの時間と労力を費やすべきだ。大きな間違いを避ける方法を学ばなければならない。

損切りのストップ水準を決めずに株取引をするのは、ブレーキがない車を運転するようなもので、事故を起こすのは時間の問題だ。

私の経験から

私個人の経験から、小さな含み損のときに損切りができるようになると、4つのメリットがあると実感しています。

  1. 大きな損失が発生するリスクが減り、継続的に利益を上げられるようになる
  2. 含み損の銘柄を抱えることがなくなり、資金を効率的に次のトレードに回せるようになる
  3. 自分のポートフォリオに含み損の銘柄が少なくなり心が軽やかになる
  4. エントリーの際に恐怖心を感じることがなくなり、機会を逃さずトレードできる

安定して利益を得られるようになることはもちろん大きなメリットですが、個人的には3精神的な負担がなくなることは、投資やトレードを継続していく上でとても大きな意味があると思います。

せっかく用意した資金で始めた株式投資やトレードですから、投資やトレードを長く楽しみながら続けていけたら良いですよね。

損切りができない時に起こってしまうデメリットについては、以下の記事を参考にしてください。損切りができずにナンピンを続けてたっぷり含み損を抱えて精神的にもダメージを被った事例です。

【米国株】妻がNetflix(NFLX)をレバレッジ付きで無限ナンピンした末路
今回の記事では、私の家内の米国株式の投資口座の推移を共有します。 株式投資はやり方を間違えると悲惨な結果になることがある、という悪いお手本です。このような結果にならないよう皆さんお気をつけください。 大きな資産の減少を避けて、投資やトレード...

損切りができない理由

ここまで読んでいただいて損切りの大切さを理解していただけたとしても、なかなか簡単には実行できないものです。

なぜ、損切りができないのか?理由は人によって色々あると思いますが、私の場合は以下の3つでした。

  1. 相場や銘柄の分析を十分に行えば、株式相場や特定の銘柄の値動きは比較的高い精度で予測できるものと思っていたため、株価が自分の想定と違う方向に動いたときに自分の分析結果を否定されたような気分になり、嫌な気持ちになってしまい損切りができない。
  2. フォローしているインフルエンサーや株式投資の専門家がしっかり分析した上で推奨している銘柄で、かつ自分でも決算の内容を確認して同意できるものだった場合、下落が始まっても一時的な下落で長期的に見れば確実に株価が上がるはずなので損切りせずに持ち続ければ良いはず、と考えてしまう。
  3. 株式トレードは損失よりも多い利益を積み上げていき、確率的にトータルで勝つビジネスであり、損失が小さいうちに早めに損切りして、次の機会を探して別のトレードで利益を得てトータルで勝っていけば十分な収益を上げることができるということを理解できていなかった。

一言でまとめてしまうと、私の場合は、お恥ずかしい話ですが、自信過剰で株式トレードの本質がまったく見えていなかった、ということが原因でした。

上記の2の失敗談はこちらの記事をご参考に。

【米国株】ロイヤルティ・ファーマ(RPRX)をひたすらナンピン買いした結果
ロイヤルティ・ファーマ(RPRX)をひたすらナンピン買いしてみた結果と、ナンピンについての考察。

損切りができるようになるまでのステップ

そんな私が損切りできるようになるまでに辿った道のりをお伝えします。

  1. 相場では何でも起こり得ると理解する
  2. 損切りを取り入れたトレードの収益をシミュレーションしてみる
  3. 日々のトレードで損切りを練習する
  4. トレードの記録をつけて損失を減らすための試行錯誤を繰り返す

相場では何でも起こり得ることを理解する

まず、前提として、株式相場では、いつでもどんなことでも起こりうる、ということを心の底から理解することが最初の一歩です。

株式相場は、自分の取引の向こう側にさまざまな思惑を抱いた機関投資家、個人投資家、トレーダーなどが無数にいて、どこかの誰かが自分が考えているのとは違う方向に大きな取引を始めたら株価は逆に動き始めるかもしれないのです。

自分は上がると思って買い始めたとしても、そこが天井だと思っている参加者が多ければ売りが優勢となって株価は下げてしまいます。

私がこれを実感できるようになったのは、毎日相場が終わった後に、スクリーニングした200400件のチャートを眺めて、翌日に上がりそうな銘柄を洗い出して翌日に検証する、ということを6カ月ほど繰り返した結果、良い時でも4割、悪い時には3割ぐらいしか予想通りには動かない、ということが分かったときでした。

他にも、監視銘柄の決算発表を追いかけながら株価を予想する、ということもしていましたが、決算の結果が良かったのに下がったり、逆に決算の結果が悪いのに上昇したり、と自分の予想と異なる結果となり、決算結果を分析しても株価の予想は確実にはできない、ということを理解するようになりました。

言葉の上では理解するのは難しい話ではないのですが、パソコンやスマホからボタンを押すだけで株を買えてしまうので相場の先に多くの人々がいて予想外の動きをしてくる、ということを実感して腹落ちするまでには、少し時間がかかるかもしれません。

いずれにしても、何らかの形で自分で予想してその検証を繰り返していくと、自分の予想の的中率が見えてくるので、いかに自分の予想が当てにならないことが体感できると思います。

損切りを取り入れたトレードをシミュレーションしてみる

自分が予想した株価や相場の動きは3割程度しか当たらないということは、7割は自分の予想とは異なる動きをしてくるということになります。

予想通りには動かない相場や株価を対象にどうやったらトレードで稼いでいけるのか、損切りを取り入れてトレードをしていった場合の結果をシミュレーションしてみて、最終的にどの程度の収益を上げられるのかどうかを確認してみました。

シミュレーションの条件

シミュレーションは以下のように強気相場、弱気相場、最悪ケースに分けて利益率、損失率、勝率を調整して実施してみました。

基本条件

  • 投資資金を4銘柄に分散する
  • 1つの銘柄の購入は4回に分けて段階的に行う
  • 月間のトレード数は30を想定

強気相場の場合

  • 損切りは損失が5%以内で行う
  • 利益目標は20%以上とする
  • 勝率は30%

弱気相場の場合

  • 損切りは損失が2%以内で行う
  • 利益目標は10%以上とする
  • 勝率は30%

最悪ケース

  • 損切りは損失が2%以内で行う
  • 利益目標は10%以上とする
  • 勝率は20%

シミュレーション結果

シミュレーションの結果は以下の通りです。

上の結果を見ていただくと、10回のトレードのうち3回だけしか勝てなかったとしても、損切りを小さくして利益を損失の45倍程度に大きくできれば、トータルでは年間で3656%の利益を上げていくことができる計算になります。また、最悪ケースの勝率2割でも年間では9%の利益を確保できます。

100%上昇する銘柄を見つけて頻繁に行うのは難しいですが、1020%の利益が得られるトレードを月間で3銘柄程度であれば比較的容易に見つけられるのではないでしょうか。

この利益率をコンスタントに積み上げていけば、投資資金を$50,000と仮定すると、5年間の複利で以下の数字まで資金を拡大することができる計算になります。

強気相場の場合

弱気相場の場合

最悪ケース

税金を考慮に入れていないので実際にはこれより少なくなりますが、夢のある数字ですね。

実際のトレードで損切りを練習する

次のステップでは、実際のトレードで小さく損切りをする練習をしていきます。

実際のトレードで、小さな損失の段階で早く損切りができた時に、「良くできました」と自分で自分を褒めてあげる、ということを繰り返していくと良いです。

思った通りに損切りができた時に自分の好きな食べ物をご褒美にするとか、美味しいビールを飲んで乾杯する、とかでも良いと思います。

自分の脳に対して、損切り=楽しいこと、と勘違いさせることがポイントです。これを続けていくと、そのうち損切りすることが快感になって損切りすることが苦痛では無くなっていきます。

最初のうちは、エントリーの直後に機械的にエントリー価格の5%下等に逆指値の注文を入れて損切りされるよう注文を入れていくのが一番簡単です。慣れてきたらトレードや銘柄毎に自分のターゲット価格に対して損切りのラインを都度考えて、逆指値の価格を調整していけば良いと思います。

私の場合は、このステップに非常に時間がかかりました。特定の銘柄が自分の予想と違う動きをしたら怒りを覚えてしまったり、逆指値で強制的に損切りされた結果を見て絶望的な気持ちになったり、ひどい時には逆指値注文を到達直前でキャンセルしてナンピンしてしまったり、と散々なものでした。

損切りの練習を続けた結果、3ヶ月ぐらいで損切りすることに特にネガティブな感情はなくなり、半年後には淡々と損切りをしていけるようになりました。

自分に自信があってプライドが高かったことが時間のかかる原因だったのかな、と思っています。

トレードの記録をつけて試行錯誤を繰り返す

上記までのステップが完了して、損切りが何の精神的な抵抗もなくできるようになると、基本的に大きく負けることはほぼなくなり、一連のトレードを総合して損をしない基盤が出来上がります。

この後は、自分の日々のトレードの記録をつけて、損切りされるトレードの回数を如何に減らすか、どうしたら損切りのトレード数を減らせるか、利益を最大化するにはどうしたら良いか、を試行錯誤しながら繰り返していくことで安定した収益を得られるようになっていきます。

トレードの記録の付け方については、後日、別の記事を書いていきたいと思いますが、ここでは、マークミネルヴィニ氏のトレード日誌の付け方を参考までに記載しておきます。

ミネルヴィニの成長株投資法より

最後に

この記事では損切りの大切さをお伝えすると共に、淡々と損切りを実行していけるようになるまでのステップをご紹介しました。

株式投資やトレードを始めて最初の頃にぶつかる最初の関門である損切りのスキルを身につける際にに少しでもお役に立てば幸いです。

相場が逆行したときに冷静に損切りをして、トータルで勝ち続けられる投資家もしくはトレーダーになって経済的な自立を実現していきましょう。

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