4月以降の米国相場はセクターの入れ替わりが激しく、日々の値幅も大きくスイングトレードには難しい相場が続いていますね。
- 先週はNASDAQ、SP500の指数は6週間連続で下落しました。
- セクターでは厳しい弱気相場の中でディフェンシブだけがかろうじて持ち堪えて週間プラスでした。
- 個別銘柄については好決算を発表した銘柄に買いが集中して大きく上昇する傾向が見られます。
- 金曜日にはこれまで下落が続いてきたハイテク成長株を中心に力強く反発しており、相場全体としても一旦は下落が止まる兆候を見せ始めています。
私が日々探しているチャートパターンとエントリーのポイントはこちらの記事をご参考に。
USIC 2021年優勝者マーク・ミネルヴィニ氏のエントリーポイント
それでは、先週の米国株式相場の動向を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
NASDAQは6週間連続で下落が続いています。先週後半に12000を割り込んだところで反転し、金曜日に力強く反発しました。今後、一旦13500〜14000あたりまで上昇した後に、11000を目指す動きとなる確率が高いと思います。
VIXは上昇トレンドの勢いがなくなり、下落を開始しました。上昇トレンドのサポートラインを割り込む場合には、一旦は下落方向で推移する可能性が高いと思います。
原油価格は先週前半に$100を割り込みましたが、その後急反発して$110まで戻しています。ウクライナとロシアの戦争に新しい動きがなければ、当面はこのまま上昇を続けそうです。
天然ガスも原油と同様に一旦の下落から急速に戻しています。チャートを見る限り、短期的には横ばいか下目線に見えます。
小麦が先週の木曜日にレンジの動きをブレイクして上昇しました。短期的には上昇に向かう動きになっています。小麦の上昇でトレードする場合は WEAT が良いと思います。
3月あたまにピークをつけて1ヶ月半の下落が続いていたアルミニウムの先物は、ようやく下げ止まる兆候を見せています。銅の先物も同様の動きになっています。このあたりの素材の価格は中国のロックダウンが解除され、経済活動が回復する兆しが現れるまでの間は大きな上昇は難しいと思われますが、来週以降に上昇トレンドに転じていけるか注目したいと思います。
セクター分析
先週は弱気相場の典型的な動きとなりました。ディフェンシブだけがプラスで、通信、公共、ヘルスケアが持ち堪えています。一般消費財と素材のセクターが厳しい下落となっています。
業種別のパフォーマンスを見ると、ディフェンシブ関連の業種が上位を占めています。各業種の中でチャートが良い形で上昇している銘柄は以下の通りです。次に相場全体が下落する局面ではこのあたりの銘柄に退避するのが良いと思います。
- ビール TAP
- パッケージ食品 MGPI CPB KHC
- 飲料 KO PEP MNST
- 食料品店 GO CASY WMK
- タバコ UVV PM
下落した業種を見ると、金属素材関連の銘柄が厳しい下落となっています。その他、自動車、ソーラー、旅行、家電製品も大きく下げています。当面、インフレが高止まりして消費活動が落ち込むことを折り込んでいる動きです。2022年Q2の決算発表の際には、特に一般消費者向けの製品を提供している銘柄の中に決算結果がコンセンサス予想を下回り、ガイダンスを引き下げてくる銘柄が多くなる可能性が高いと見ています。
ETF分析
ETFは全体としては指数のインバースと米国債関連だけがプラスとなる厳しい相場となりました。国別ではブラジル、欧州、中国が上昇しています。
個別銘柄動向
個別銘柄は業種別の動きとほぼ一致しておりPM TAP UL KO PEP等のディフェンシブ関連を中心に上昇していますが、ソフトウェアやバイオ技術の小型株の中に大きく上昇している銘柄が見られる点は注目です。通常、下落相場が上昇に転換するときは、小型株から先に反転し始めることが多いためです。また、住宅建築関連の製品やサービスを提供している銘柄(CARR TREX MAS)が下落から反転して上昇います。
個別銘柄の週間パフォーマンス上位の銘柄です。上昇トレンドの銘柄のみに絞り込んでいます。HRB、VTNR、GO、SLVM、DINOなど好決算の発表後に大きく上昇する銘柄が見られました。ただ、少し値動きが極端な印象です。数少ない上昇銘柄に市場参加者が殺到しているように見えるため、来週以降もしばらくボラティリティが大きい状況が続くと思われます。
今週の戦略
6週間連続で下落が続いてきた米国株式相場は、金曜に下げ止まり反転を開始しました。次週以降は短期間は上昇した後に、中期的には下落トレンドに戻っていく動きになることが予想されます。短期の上昇トレンドが発生する場合は、こまめに利確しながら短期のトレードを行なっていく予定です。
現在の保有銘柄と監視銘柄は以下の通りです。分析を行っている銘柄についてはリンク先の記事を参考にしてください。
保有銘柄
監視銘柄