2021年のUnited States Investing Championship (USIC)において、年間で338.42%という驚異的な利益を生み出したマーク・ミネルヴィニ氏のエントリーポイントの一部が公開されていました。どこでロングをしかけていたのかチャートを確認してみました。
- 年間パフォーマンス
- ロングエントリー時の条件
- 各銘柄のエントリーポイント
- ANF – JAN 4, 2021
- GM – JAN 11, 2021
- STAA – JAN 12, 2021
- NNOX – JAN 20, 2021
- UAVS – FEB 9, 2021
- MP – FEB 9, 2021
- GBOX – APR 5, 2021
- YETI – APR 6, 2021
- ZIM – APR 8, 2021
- BNTX – JUN 2, 2021
- HSKA – JUN 4, 2021
- TSP – JUN 8, 2021
- AAPL – JUN 17, 2021
- MRNA – JUN 25, 2021
- SKY – JUL 30, 2021
- NUE – AUG 9, 2021
- PAG – SEP 1, 2021
- TSLA – SEP 24, 2021
- OLN – OCT 11, 2021
- ASYS – OCT 26, 2021
- UPST – OCT 12, 2021
- 出典元
- 最後に
年間パフォーマンス
まず、2021年の月次のリターンはこちらです。市場全体が調整気味だった3月、5月、9月、11月にも着実に利益を確保し、月次では常にプラスという結果でした。特に2月から4月にかけての上昇が凄まじいです。
ロングエントリー時の条件
公開されていた資料には全部で21銘柄のエントリータイミングが掲載されており、全体として、マーク・ミネルヴィニ氏の以下の書籍に記載されている条件に当てはまる条件とタイミングでエントリーしていました。
マーク・ミネルヴィニ − 株式トレード 基本と原則
エントリーの条件を大雑把にまとめると以下となります。かなり省略していますので、詳しくは書籍をご参照ください。
- 上昇トレンドのトレンドテンプレートの条件にあっていること。(200日、150日、50日の移動平均線が右肩上がりで、株価が50日移動平均線を上回っている。)
- ベースを形成する前に力強く上昇していること。
- ボラティリティの収縮パターン(値幅が段階的に縮小する動き)が形成されていること。
- ピボットポイントの手前で株価が横ばいの動きをして、その際に出来高が減少すること。
- その後、出来高の増加を伴ってピボットポイントをブレイクして上昇する際にエントリーする。
上昇トレンドのテンプレートについては下記の記事を参照してください。
文章だけでは分かりにくいと思いますので、実際のチャートを見てみましょう。以下、各銘柄のチャートです。黄色の矢印を付けてある日にロングのエントリーを行っています。
各銘柄のエントリーポイント
ANF – JAN 4, 2021
急上昇後の調整でベースを形成した後、出来高が低下した状態が数日続いた後、出来高の増加を伴って上昇したところでエントリー。
GM – JAN 11, 2021
上昇後の調整でベースを形成した後、下落中に出来高が減少していき、10、20日移動平均線を上抜けた後に一旦下落し、20日移動平均線で反発して出来高が大きく増加しながら上昇したところでエントリー。
STAA – JAN 12, 2021
大きな値幅で力強く上昇した後の調整からボラティリティ収縮パターン(VCP:値幅が段階的に縮小するパターン)を形成後、出来高の増加を伴って上昇したところでエントリー。
NNOX – JAN 20, 2021
急上昇後に大きく下落した後、ボラティリティが段階的に低下し、出来高が大きく低下した状態が継続したところでエントリー。
UAVS – FEB 9, 2021
急上昇後の大きな下落の後、小さな取手付きカップを形成し、出来高を伴ってブレイクアウトしたところでエントリー。
MP – FEB 9, 2021
$16から$40まで急上昇した後、Wボトムを形成しながら出来高が減少した後、出来高を伴ってブレイクしたところでエントリー。
GBOX – APR 5, 2021
急上昇後の調整で4段階のボラティリティ収縮パターンを形成し、出来高が著しく低下した後に上にブレイクしたところでエントリー。
YETI – APR 6, 2021
好決算で力強く上昇した後、ベースを形成した最後のところで出来高が急激に減少し、その後出来高の増加を伴ってブレイクしたところでエントリー。
ZIM – APR 8, 2021
IPO後の最初のベースから上昇した後、小さなWボトムのベースを形成し、数日の横ばい時に出来高が減少した後にブレイクアウトしたところでエントリー。
BNTX – JUN 2, 2021
好決算後の力強い上昇の後、ボラティリティ収縮パターンを形成した後の横ばいで出来高が減少し、出来高の若干の増加と共にブレイクしたところでエントリー。
HSKA – JUN 4, 2021
長い上昇トレンドからの調整でベースが形成され、取手付きカップのパターンを形成後の横ばいから出来高が増加したタイミングでエントリー。
TSP – JUN 8, 2021
IPO後の最初のベースでW型+取手のようなパターンを形成し、出来高が大きく減少した後に上昇したタイミングでエントリー。
AAPL – JUN 17, 2021
上昇と調整を2回繰り返した後、Wボトムのパターンを形成した後の横ばい中に出来高が減少したところでエントリー。
MRNA – JUN 25, 2021
力強く上昇した後の調整で小さな取手付きカップを形成し、取手部分で出来高が減少している最中にエントリー。
SKY – JUL 30, 2021
決算発表後の急上昇から調整で下落した後、小さなカップ形成後の取手の部分で出来高が減少し、ブレイクアウトしたところでエントリー。
NUE – AUG 9, 2021
決算発表後の急上昇後の調整でカップを形成し、取手部分で出来高が減少した後、出来高の増加を伴ってブレイクアウトしたところでエントリー。
PAG – SEP 1, 2021
急上昇後の調整から大きな取手付きカップを形成し、取手の横ばい部分で出来高が減少した後、出来高の増加したタイミングでエントリー。その後一旦下げているが、VCPを形成した後にブレイクして上昇している。
TSLA – SEP 24, 2021
上昇からの調整で長いベースを形成し、階段状に上昇しながらボラティリティ収縮パターンを形成後、数日の横ばいから20日移動平均線で反発して10日移動平均線を上抜けたところでエントリー。
OLN – OCT 11, 2021
上昇からの調整で長いベースを形成し、2回の調整を経て、横ばい期間に出来高が低下したところでエントリー。明確なシグナルは見当たらない。
ASYS – OCT 26, 2021
急上昇後の調整でカップを形成し、取手部分で出来高が減少し、横ばいを上抜けたところでエントリー。
UPST – OCT 12, 2021
2ヶ月に渡る急上昇から一旦調整し、小さなカップを形成し、3日間の横ばいの期間で出来高が低下した後、出来高を伴って上抜けたところでエントリー。
出典元
最後に
2021年の相場で世界最高のパフォーマンスを出した個人トレーダーがどのようなタイミングで仕掛けていたのか、一つ一つのチャートをじっくり確認する良い機会となりました。個人的には最初に大きく上昇しているところは見送って、しっかりベースが形成されて横ばいの動きをしながら出来高が減少するのを待ってからエントリーしている点が目から鱗でした。私は最初の上昇時に慌てて飛び乗ってしまいその後の調整で損切りというパターンが多かったので、自分のトレードにも取り入れていきたいと思います。
エントリーポイントだけがすべてではありませんが、一流トレーダーのエッセンスを真似してスイングトレードで安定的に稼いでいけるようになりたいものですね。皆さんのトレードの参考になれば幸いです。