はじめに
先週は”細いラリー”の継続を受けて守備を厚くしました。現在、VIXは15台まで低下し、金利は4.1〜4.4%のレンジで小康状態です。過剰な防御はやや緩めつつ、明確な数値基準でカチッと切り替える「待ち伏せ型」で今週は臨みます。
判断基準を明確化:
- 10年債利回り 4.50〜4.60% または VIX>23 → 迷わず守りへ
- 10年債利回り <4.12% かつ VIX<17 かつ Breadth >30% → 攻めにシフト
- その間は 押し目買い&銘柄選別(テック株は”追わず、拾う”)
Market Breadthとは?
Market Breadth(マーケット・ブレス)は「市場全体でどれだけの銘柄が上向きか」を0〜1の範囲で示す市場の体温計です。
- 200日MAベース(B200):中長期の上昇トレンドの継続性を判断
- 短期(上昇トレンド銘柄比率)が10%割れ:売られ過ぎ→短期リバウンド狙いの起点
- 30〜40%台:ラリーが「広がる」ゾーン。小型株・循環株の出番
市場環境のスナップショット(8月10日時点)
金利・ボラティリティ・広がりの三点で判断を固定化します。
- 米10年債利回り:4.12/4.36/4.50〜4.60%が分岐点。4.36%超でテック株の上値は重く、4.50〜4.60%超は守備モード

- VIX指数:17.5=安心境界、20=警戒、23=防御全開

- Breadth:B200は上向き維持。短期は鈍い=指数は強くても”細いラリー”


- 指数の要所:S&P500は6,129サポート/NASDAQ-100押し目は22,100〜22,300/Russell2000は2,320超で循環本格化
S&P500
- テーマ別動向:金は3,400台を維持、ウランは押し目有効。銅は4.46維持確認後の”戻り待ち”。原油は戻り売りベース
金
ウラン
今週の戦略(8月11日週)
1)マクロ・トリガー
- VIX ≥20:ヘッジを増やす(SH等のインバースETF)
- 10年債利回り ≥4.50%:高ベータ銘柄を縮小、ディフェンシブと金へシフト
- Breadth <10%:逆張りの準備(大型テック・ディフェンシブを小ロット)
- 10年債 <4.12% & VIX<17 & Breadth>30%:IWM/素材/XLIを段階的に追加
2)セクター・テーマ配分の考え方
- 主役:金(GLD/GDX/GDXJ)、選別テック(AAPL/NVDA/AVGO)、ウラン(URA/CCJ)
- 控え:銅(FCX/COPX)は4.46維持確認まで段階追加。原油高ベータ個別は”短期回転のみ”
3)個別戦術(短時間で実行できるもの)
- 決算トレード:5分ORB(寄り5分高値ブレイク)戦術。+4〜6%で半益→残りはVWAP割れ/EMA8割れで終了
- 今週の注目:CSCO(水)/AMAT(木)/JD・DE(木)

- テック押し目:終値ベースのトレーリングで順張り、出来高細い新高値の”追い”は回避
- 金・ウラン:金3,400台キープ中は継続/ウランは36.8押し目→42.3突破で増し
ポートフォリオ構成(推奨)
“守備を効かせた攻め”。先週の超防御から平常寄りへ、ただしフルリスクは避ける。
- コアETF(VOO/QQQ):40%(21週EMA割れで縮小)
- テック(AI・半導体):12%
- 金(GLD):10%
- 素材(銅など):10%(銅は段階追加)
- ウラン(URA/CCJ):8%
- 公益・ディフェンシブ:10%
- キャッシュ&ヘッジ(SH/短期米債):10%(VIX20↑で15%へ)
口座の最大エクスポージャー=70〜80%を上限に。
兼業投資家の時間割(米国西海岸時間/日本時間)
- 06:30/22:30:10年債・VIX・Breadth・先物を確認→シナリオ判定&ロット調整
- 12:00/04:00:保有銘柄の強弱を10分点検、逆指値更新
- 12:45/04:45:引け15分前、利確/損切り/トレーリングを確定
- 週末:勝率・損益・RR(リスクリワード)を戦略別に記録し翌週へ反映
中長期ビューの作り方(簡易版)
- B200 ≥0.60を維持:長期コア(VOO/QQQ)20〜25%は崩さない
- 短期上昇比率 <10%:逆張りを通常の30〜40%ロットで。VIX>23では見送る
- 広がるラリー(>30%):小型・資本財・素材を1/4ずつ足す
まとめ:今週のポイント
ルールはシンプルに、10年債利回り/VIX/Breadthの”数字”に従います。感情を排し、明確な基準で機械的に判断することが成功への鍵です。
- 攻め=選別テック+金・ウラン
- 守り=ヘッジと逆指値の徹底
- 朝と引け前の2回集中で十分
数字で切り替える待ち伏せ型戦略で、今週も冷静に利益を積み上げていきましょう。本業を第一に、効率的なトレードを心がけてください。

