先週の米国相場は、長期金利が上昇トレンドを続け、相場全体は下落基調となっている中、半導体を中心とした大型ハイテク銘柄に小さく反発する動きが見られました。量子コンピュータ関連、航空宇宙、ソフトウェア関連、ソーラーの小型株の中にも強い動きの銘柄があります。
まだ相場全体としては売られ過ぎの状態が続いており、特に素材、不動産、エネルギー、工業などのバリュー銘柄の多くは月間で見ると大きく下落した状態が続いています。
スイングトレードは相場全体の強い反転待ち、高配当株については先週に続き買い増しのチャンスのように見えます。
2024年の米国相場も残り2日間となりました。今年も1年間ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。
それでは、先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+2.19%の上昇でした。上昇の勢いが弱まる素振りもなく、2024年4月の高値の4.7%に近づいています。強い上昇トレンドを継続中です。
VIXは-13.13%の下落で16を下回っています。前週の大幅な上昇の後に下落してきています。今週もここから下落が続くようであれば、VIXは落ち着いた状態に戻る可能性があります。
上昇トレンドの銘柄数の比率は売られ過ぎの水準を下回ったところで、反発する最初の動きが見られ、トレンド転換の兆候が出てきています。ただし、まだトレンドが転換するほどの大きな動きはありません。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。12月の現時点の騰落率は+2.80%で残り2日間となりましたので、月間プラスで終える可能性が高くなってきました。
ナスダックの週足チャートです。先週は+1.05%の上昇でした。高値を切り下げて上ヒゲをつけており、やや弱気なチャートです。
ナスダックの高値-安値銘柄数は先週に強く反発してプラス圏内に戻っています。MACDを見るとトレンドが転換する最初の兆候が見られますが、どちらに進むか明確になっていない状況です。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。12月の現時点の騰落率は-4.30%となっており、比較的大きな下落で12月を終えそうです。4%を超える下落は今年の4月以来です。
ダウの週足チャートです。先週は+0.36%の小幅な上昇でした。3週連続の下落から反発を試みている段階のように見えます。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。12月の騰落率は-0.95%で小幅な値動きで12月を締め括ろうとしています。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.73%の小幅な上昇でした。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。12月の現時点の騰落率は-8.24%となっています。月間の下落率で8%を超えるのは2022年の9月以来です。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+0.04%で横ばいでした。3週間続いた比較的大きな下落は一旦は止まりかけているようです。
コモディティ先物の分析
原油は+0.98%の上昇でした。下落の勢いは止まり上下を繰り返しながら底固めをしているような動きに見えます。68を下回ると強い買い手が現れています。
天然ガスは-9.74%の大きな下落でした。10月から始まった上昇トレンドラインはまだ守っており、かろうじて上昇トレンドを続けています。
金は-0.50%の小幅な下落でした。高値を切り下げながら短期的には緩やかな下落トレンドとなっています。一方で2600まで下げたところで買われる動きもあり、売りと買いが均衡している状況のようです。
銅は+0.52%の小さな上昇でした。9月末から始まった短期の下落トレンドラインはブレイクしておらず、明確なトレンドは出ていない状態です。
セクター分析
先週は多くのセクターが反発し、ディフェンシブ以外は大きく上昇しました。月間で見ると通信サービス、一般消費財、情報技術などの大型ハイテク株が所属するセクターが強いです。一方で、素材、不動産、エネルギーなどのバリュー株が属するセクターは大きく下落した状態が続いています。
週間の業種別パフォーマンスでは、ソーラー、半導体、デパート、高級品、コンピューターハードウェアが強く、石炭、トラックが弱いです。
先週は超小型株の中に急騰している銘柄が見られました。量子コンピュータ関連、航空宇宙、ソフトウェアの小型株に強い動きが見られます。
個別銘柄の動向
先週はNVDA、AVGO、AMD、INTCなどの半導体、TM、GM、HMCなどの自動車、PLTR、APPなどのソフトウェアに強い動きが見られました。12月の最初の3週間の下落から相場全体に反発する動きが見られました。
今週の戦略
相場全体としては売られ過ぎの状態が続いていますが、まだ出来高を伴った強い反転の動きは出ていません。
今週は年内はスイングトレードは特に新しいエントリーは行わず、年が明けてからの相場の動きを確認してから新しいスングトレードの機会を探していきたいと思います。
スイングトレード監視銘柄
今週は監視銘柄には変更はありません。
監視銘柄のチャートはこちら。
バリュー株が全体的に下落している中で割安になってきている高配当銘柄が増えてきていますので、こちらは先週に続いて買い増しを続けていきます。
買い増し候補はCVX、O、LMT、JNJ、PEP、TXN、UNHです。
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