先週の米国相場は注目のNVDAの決算が完了し、決算発表後には株式相場全体としては買い手が優勢となり、週の後半には株価が全体的に上昇して一週間を終えています。8月を振り返ってみると、株価指数はラッセル2000を除いて月初の大きな下落分を取り戻して、ダウとS&P500については4ヶ月連続の上昇で8月を終えています。
先週は金融セクターに強い上昇が見られ、特に保険、クレジットサービスに上昇する銘柄が多く見られました。
相場全体の上昇トレンドの銘柄数を確認すると買われ過ぎの水準に到達しているものの、今のところは下落に転じる兆候は見られません。引き続き、トレンドが変わるまではスイングトレードのポジションを維持しつつ、新しいポジションを追加するチャンスを探していきたいと思います。
今週は8月の雇用統計の発表が予定されています。雇用統計の発表を受けて相場がどのように反応するのかを観察していきたいと思います。
それではチャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+2.79%上昇しました。直近の4週間は3.7から4.0%の範囲で推移しています。
VIXは-5.30%下落しました。週の前半は上昇しましたが、週の後半にかけて下落し、最終的に15.01で終えています。
上昇トレンドの銘柄数の割合は上昇トレンドを継続しており、買われ過ぎの水準に到達しています。
セクター別に上昇トレンドの銘柄の割合を確認すると、約半数が買われ過ぎの状態となっています。公益事業だけが下落トレンドとなっています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。8月は月初に大きく下落した後に急速に回復し、最終的に+0.53%で7月末の水準まで戻しています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-0.79%の下落でした。週の後半に持ち直して下ヒゲをつけています。
ナスダックの高値–安値銘柄数は下落した後に上昇してプラス圏内にとどまっています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。8月は最終的に+1.65%で終えています。ナスダックと同様に大きな下ヒゲをつけて終えています。4ヶ月連続の上昇となっています。
ダウの週足チャートです。先週は+0.90%の上昇で終えています。8月月初の下落の後、3週連続で出来高が増加した状態を維持しながら力強く上昇しています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。8月は+1.97%の上昇で終えており、株価指数の中では最も良いパフォーマンスでした。ダウと同様に4ヶ月連続で上昇しています。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.20%の小幅な上昇でした。最高値付近で推移しています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。8月は最終的に-1.83%の下落で終えています。非常に大きな下ヒゲをつけています。株価指数の中では唯一2022年の高値を更新できていません。その分、上昇の余地が多く残されているとも言えるかもしれません。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-0.23%の小幅な下落でした。
コモディティ先物の分析
原油は-1.76%の下落でした。週の前半に大きく上昇しましたが、週の後半に下落しています。7月から始まった下落トレンドを継続しています。
天然ガスは+5.19%の上昇でした。7月以降は1.85から2.32のレンジで推移しており、明確なトレンドが現れていない状態が続いています。
金は-0.73%の下落でした。2週連続で横ばいの動きとなっており、上昇トレンド中の調整期間に入っています。
銅は+0.25%と横ばいでした。5月から始まった強い下落トレンドのトレンドラインに触れる水準まで戻しています。
セクター分析
先週は金融、工業、公益事業、ヘルスケアが上昇しました。特に金融が強いパフォーマンスとなっています。一般消費財、情報技術、通信サービスが下落しています。
月間のパフォーマンスでは、金融、情報技術、ディフェンシブ、ヘルスケア、不動産が良いパフォーマンスとなっています。
業種別のパフォーマンスでは、石炭、保険、クレジットサービス、公益再生エネルギー、情報サービスが上昇しています。その一方で、医薬品小売、住宅ローン、貴金属、トラック、半導体が下落しています。
個別銘柄の動向
先週は注目されていたNVDAの決算発表が終わり、NVDA、MU、AMD、AVGOなどの半導体銘柄が下落しています。半導体の中でINTC、MRVLは大きく上昇しています。
上昇している銘柄が多く見られるのは、銀行(JPM、WFC、RY、CM)、クレジットサービス(V、MA、AXP)、保険(BRK-A、PGR、ALL、MET)、鉄道(UNP、NSC)、医療機器(RMD、COO)、防衛(RTX、TDG、HEI)、化学(LIN、DD)です。
今週の戦略
上昇トレンドの銘柄数の推移を見ていると買われ過ぎの水準に到達していますが、今のところ上昇トレンドが終わる兆候は見られず、買い手が優勢な相場が続いています。
現在のスイングトレードのポジションはトレンドが変わるまでストップ注文を引き上げながら保有を続けたいと思います。
新しいポジションについては、決算発表でポジティブなサプライズがあり、かつ発表後に上昇している銘柄を中心にエントリーの機会を探していきたいと思います。
相場全体としては買われ過ぎの水準に達していますので、トレンド転換の動きが出てこないかを日々確認していきたいと思います。
監視銘柄
先週の決算発表で力強く上昇していたAFRM、BBY、NTNXを監視対象に加えています。
監視銘柄の中ではGWRE、CRDOが今週に決算発表を予定しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はZS、AVGO、IOTの決算に注目です。
9/3
- ASAN
- GTLB
- HQY
- OS
- PD
- ZS
9/4
- CIEN
- CNM
- BASE
- CASY
- CRDO
- HPE
- PHR
- VRNT
9/5
- GII
- KFY
- SAIC
- TTC
- WLY
- AVGO
- BRZE
- DOCU
- GWRE
- IOT
- PATH
- SMAR
9/6
- ABM
- BRC