【米国株】決算ギャップアップ銘柄のトレード戦略(過去検証2023年版)

トレード

この記事では決算発表でサプライズがあり寄り付き前に上昇している銘柄を対象にデイトレードとスイングトレードを行ったらどんな結果になるのかを2023年のデータを元に検証した結果をご紹介します。皆さんのトレード戦略を考える上で参考になれば幸いです。

この記事の概要は以下の通りです。

  1. 決算のポジティブサプライズをきっかけにしたトレード戦略
  2. デイトレードとスイングトレードのどちらが良い結果になるのか?

それでは、早速見ていきましょう。

決算銘柄のトレード検証

はじめに

これまで米国株のさまざまな銘柄の決算発表後を確認してきて、決算発表でコンセンサス予想を大きく上回るサプライズがありギャップアップした銘柄が発表当日もしくは翌日にさらに急騰し、その後も上昇を継続する銘柄が多数ありました。

2023年はこういった銘柄を対象にオープニング・レンジ・ブレイクアウト戦略を利用してデイトレードをしていましたが、Qullamaggie氏のトレード戦略に関する記事を読んで、エントリーのタイミングはそのままにスイングトレードに切り替えることでより良い結果が得られるのではないかと考えて検証してみることにしました。

参考にしたQullamaggie氏の戦略

今回の検証ではスウェーデン出身のトレーダーであるQullamaggie氏の戦略を参考にしています。

Qullamaggie氏の戦略では対象銘柄を選定するときに10%以上のギャップアップがあることを条件にしていますが、この記事では小さなギャップアップの銘柄も加えて検証しています。

また、エントリーの条件についてはQullamaggie氏は寄り付き1分間のレンジブレイクで最初のエントリーを行い、さらに5分間のレンジをブレイクした時に買い増していますが、今回の検証では単純にするために寄り付き直後にエントリーしています。

Qullamaggie氏のトレード戦略に興味のある方は以下のリンクを参考にしてください。

日本語訳

https://qullamaggie-com.translate.goog/how-to-master-a-setup-episodic-pivots/?_x_tr_sl=auto&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=en&_x_tr_pto=wapp

原文

https://qullamaggie.com/how-to-master-a-setup-episodic-pivots/

今回検証したトレード戦略

トレード戦略の概要は以下の通りです。銘柄選定とエントリーの条件についてはデイトレードとスイングトレードで同じ条件を使用し、売却の条件だけを変えています。

エントリー銘柄の選定

  1. 決算発表の結果でEPSにポジティブなサプライズがあること
  2. 決算発表後の寄り付き前に2%以上のギャップアップがあること

2023年に実際に内容を確認した560件の決算銘柄を対象にしています

エントリー条件

  1. 寄り付き時点で5分足チャートで短期の上昇トレンドを確認できたら成り行きで購入

※短期の上昇トレンドかどうかは、現在価格 > 5分足10EMA > 5分足20EMA で判断しています。

売却条件

売却条件はデイトレードとスイングトレードで以下のように設定しています。

デイトレード
  1. エントリー価格から2%下落したらすべてのポジションを売却
  2. 含み益が10%に達したらポジションの1/3を売却
  3. 含み益が20%に達したらポジションの1/3を売却
  4. 引けのタイミングですべてのポジションを売却
スイングトレード
  1. エントリー価格から2%下落したらすべてのポジションを売却
  2. 日足チャートの5EMAを下回ったらポジションの1/3を売却
  3. 日足チャートの10EMAを下回ったらポジションの1/3を売却
  4. 日足チャートで20EMAを下回ったら残りのポジションを売却
  5. 20231229日時点ですべてのポジションを売却

ポジションサイズ

1回のエントリーのポジションサイズは$3,000

初期資産価格

$30,000

検証環境

Alpacahttps://alpaca.markets)のペーパートレード環境のAPIを利用して検証を行いました。

検証結果

それでは、最初にデイトレードの結果を見ていきましょう。

デイトレードの結果

勝率は53%で最終的な損益は+$19,201になりました。リワード・リスク・レシオは2.43でした

月単位で見ると損益がマイナスになった月はなく、安定して$1,000から$2,000の利益を確保できる結果になりました。9月はトレード数が少ない上に勝率も低いため利益額が小さくなっています。

資産額の推移を確認すると、とてもスムーズな右肩上がりになっています。

スイングトレードの結果

続いてスイングトレードの結果です。

スイングトレードの勝率は34%でデイトレードの53%に比べると悪い結果ですが、最終的な損益は+$27,760になり、1.5倍弱の利益を得られています。リワード・リスク・レシオは5.51で、デイトレードの2.43と比較すると大きな数値になっています。

月単位で集計すると1月、11月の2ヶ月は確定ベースの損益はマイナスになりました。12月の最終日まで保有していた銘柄が多くあった影響で12月が最も大きな利益を計上しています。 

1月、2月にマイナスの状態が続いた後、3月以降は右肩上がりに上昇し、12月末にまとめて確定した利益がドカンと増えています。

検証の都合上2023年末に強制的にすべてのポジションを手仕舞いしていますが、保有を継続した場合はさらに利益を伸ばしていける可能性が残っています。

デイトレード利益額上位5件

デイトレードでは最も大きな利益が出たトレードで+16%でした。

NRDS
  • Profit $483 (+16%)
  • Trade date 2023-02-15

TWST
  • Profit $395 (+13%)
  • Trade date 2023-11-17

MAXN
  • Profit $387 (+13%)
  • Trade date 2023-03-08

AFRM
  • Profit $373 (+12%)
  • Trade date 2023-08-25

VERX
  • Profit $354 (+12%)
  • Trade date 2023-03-08

スイングトレード利益額上位5件

スイングトレードでは上昇率が+50%を超えるトレードが3件ありました。

NSSC
  • Profit $1,702 (+57%)
  • Entry 2023-11-06
  • Exit 2023-12-29

SMCI
  • Profit $1,697 (+56%)
  • Entry 2023-05-03
  • Exit 2023-06-21

TWST
  • Profit $1,504 (+50%)
  • Entry 2023-11-17
  • Exit 2023-12-29

AEHR
  • Profit $1,125 (+38%)
  • Entry 2023-01-06
  • Exit 2023-02-10

ZS
  • Profit $1,113 (+37%)
  • Entry 2023-05-08
  • Exit 2023-06-23

結論

まとめです。今回、同じ銘柄を対象にデイトレードとスイングトレードで検証してみた結果、以下のことが分かりました。

  1. 最終的な利益はスイングトレードの方がデイトレードに比べて1.5倍弱大きい。
  2. スイングトレードは損益マイナスになる月があった一方でデイトレードは全ての月がプラスになり安定した利益を確保できる。

スイングトレードの方がハイリスク・ハイリターンである一方で、デイトレードは安定して利益を確保するのに適していることが分かります。

個人的には、資産額が小さいうちはデイトレードでコツコツ利益を積み上げていって、ある程度資産が大きくなってきたところでリスクを取れる資産を使ってスイングトレードも取り入れていけると良いのかなと思いました。

2024年は決算銘柄を対象にスイングトレードを実行できるよう自動売買プログラムを仕上げて実際のトレードで結果が出るのかを試していきたいと思います。

皆さんのトレード戦略を作成していく際に少しでも参考になれば幸いです。

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