【米国株】2023-03-13週の振り返りと今週の戦略(保有・監視銘柄)

週間振り返り

先週はシリコンバレーバンク、シグネチャーバンクの銀行破綻の余波が収まらず、地方銀行だけでなく、大手銀行や保険などの金融銘柄にも下落が波及しています。また金融市場に対する信用不安をきっかけに景気悪化が早まる可能性を折り込んで、石油ガス、石炭、鉄鋼、アルミ、産業関連の景気敏感株も大きく下落しています。

そのような中、長短金利の急速な下落を受けて、GAFAMを中心としたソフトウェア銘柄、半導体銘柄は力強い動きを見せています。また、銀行の信用不安の高まりから、金、銀の銘柄、ビットコインの銘柄も大きく株価を伸ばしています。

3月に入ってから、経済指標やニュースをきっかけに上昇、下落するセクターが目まぐるしく入れ替わる相場が続いています。

今週は、金融業界の信用不安に関連した各国の対応、また3/22のパウエル議長の記者会見に注目しながらトレードのチャンスを伺っていきたいと思います。

それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。

先週の振り返り

相場環境

ナスダック銘柄の高値安値銘柄数は-132と売り手が優勢な状況が続いていますが、前週の-284からは大きく改善しています。

S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は、50%を下回った後に下落傾向が続いています。まだ上昇に転換する明確な動きは見られません。

S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下げ止まる動きを見せ始めています。今後の数週間で下落から上昇に転じる可能性が高くなってきました。このチャートがダブルボトムのパターンを形成して上昇を開始するのを確認したいと思います。

ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は、ダブルボトムを形成して上昇を試みる動きを見せています。今週、MACDがクロスして上昇していくか、下落トレンドを継続するかを監視していきたいと思います。

VIXは週の前半に大きく上昇した後、上ヒゲをつけて最終的に+2.88%で終了しています。前週から上昇が続いており、まだ下落に転じる明確な兆候は見られません。

米国債の10年物利回りは-7.21%と非常に大きな下落となりました。7%を超える下落は1月の初旬以来です。

ナスダックは+5.37%と力強く上昇しました。他の指数が弱い動きを見せている中、ナスダックだけが強い動きを見せています。FOMC後に1月の高値の12860を超えて上昇していくか、もしくは他の指数と同様に下落に転じるかを確認していきたいと思います。

ダウは-0.54%の小幅な下落です。2022年から始まった下落トレンドのラインまで戻ってきており、このラインを下にブレイクして下落を継続するのか、このラインで反発していくのか、今週以降の数週間の動向を注意して見ていきたいと思います。

S&P500+0.97%と小幅な上昇で終えています。2022年から始まった下落トレンドのラインを割り込んだ後に反発してきています。ダウと同様に上下のどちらの方向に進んでいくのか今後の数週間の動きを注視したいと思います。

ラッセルは-2.94%の強い下落で202111月から始まった下落トレンドのラインを下にブレイクしています。まだ下落が止まる兆候は見られません。

原油価格は-13.55%の非常に大きな下落で、2023年初から続いていたレンジ相場を下にブレイクし、20226月から始まった下落トレンドを継続しています。若干、過剰に反応して下落しているようにも見えますので、今週に反転する動きがあるか確認していきたいと思います。

天然ガスは-3.97%と比較的小さな下落となっています。2月末に割り込んだ2.000の安値を試す動きを継続しています。

金価格は+5.69%と出来高の増加を伴って力強く上昇しました。1週間の上げ幅としては2022年のコロナショック後に次ぐ大きさです。今回の銀行の破綻をきっかけとした信用不安のインパクトの大きさを物語っています。銀行の信用不安が解消するまで、安全資産として金や銀が買われる動きが続く可能性が高いです。

銅価格は-3.42%の下落。202210月から始まった上昇トレンドのサポートラインを割り込んでいます。銅価格が近い将来の景気悪化を折り込み始めているものと思います。

小麦価格は+4.60%の比較的大きな幅の上昇で前週の下落から反発してきました。まだ週足の下落トレンドを継続している状況ですが、先週の動きが上昇に転じるきっかけになるかもしれません。

鉄鋼価格は上昇の勢いが止まり-2.60%の下落となりました。他の先物価格が景気の悪化を折り込み始めていますので、鉄鋼価格についても今週から下落に転じる可能性が高くなってきています。

バルチック海運指数は+7.79%の上昇となり、4週間連続で上昇しています。202212月につけた直近の高値を超えていけるか注目したいと思います。

セクター分析

セクター別の動向を確認すると、通信サービス、情報技術、公益事業が強く、エネルギー、金融が下がっています。特にエネルギーセクターの下落が厳しいものとなっています。

業種別に見ると、銀、金が非常に強く、インターネットコンテンツ、ソフトウェア、半導体のハイテク銘柄も力強く上昇しています。

パフォーマンスが悪かったのは、石油ガス、石炭、アルミ、鉄鋼、ソーラー、地銀、生命保険、レンタル・リース、航空です。

銀行破綻から始まった信用不安が、生命保険やリースなどの他の業界に波及することを想定したリスク回避の動きと、景気悪化が早まることを想定した動きが同時に進んでいるように見えます。

個別銘柄

大型ハイテク銘柄(MSFTAAPLNVDAGOOGMETAAMZN)、金(GFI、NEM、OR)、公益事業(SO、ED、PNW)の強さが目立つ一週間でした。それ以外にはヘルスケア(LLY、MRNA)、ディフェンシブ(PG、LANC、SOVO)も底堅い動きを見せています。

一方、銀行、石油ガス、金・銀を除く素材全般、産業の銘柄が非常に弱い動きとなりました。

先週は週間で10%以上の上昇があった銘柄は、82件と前の週の18件から増加しました。バイオテクノロジー(PRVBCDMOZNTLSGENNUVL)、ソフトウェア(PATHEVCMPDDOCUSMARASANMDBGOOG)、金・銀銘柄(GFIAUNEMORGOLDPAAS)、ビットコイン関連(COINMSTRに力強く上昇する銘柄が見られます。

2023年のこれまでの動きと異なり、大型、中型の銘柄が強い動きとなっています。

今週の戦略

今週は、米国および欧州の銀行の信用不安に対する対策の動き、そして3/22のパウエル議長の記者会見と、今後の株式相場の動向を左右する重要なイベントが控えています。特に3/22のパウエル議長の記者会見後に債券と株式相場がどのように反応するのかを注意深く観察したいと思います。

相場のボラティリティが低下して方向性が定まるまでポジションは持たず、短期トレードに徹していく予定です。

監視銘柄

監視銘柄の中で今週注目しているのは、AXONMBLYPANWPERISPOTSQSPです。

監視銘柄のチャートはこちら。

Stock Screener - Charts AAON,ACLS,ALGM,AXON,BLBD,DKS,ELF,FOUR,FSLR,HUBS,IOT,LNTH,LNCC,MBLY,MELI,NRDS,OEC,OKTA,PANW,PDFS,PERI,SE,SMCI,SQSP,VERX,TMDX,WYNN,AGL,AMD,ANET,CERT,COIN,OR,PD,RVNC,SMAR,TW,RBLX,OR,FDX,SPOT,GFS ticker
Stock screener for investors and traders, financial visualizations.

決算予定

今週はPDDNKEARRYCHWYGISの決算に注目したいと思います。

3/20
  • PDD
  • LAC
  • FL
3/21
  • NKE
  • ARRY
  • ONON
  • CSIQ
3/22
  • CHWY
  • KBH
3/23
  • GIS
  • DRI

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