【米国株】2025年12月8日週 トレード戦略

投資戦略

3行まとめ

  1. 市場環境: Base継続。VIX 15.40（楽観）、Breadth 約60%（健全ライン）、Uptrend Ratio 約35% GREEN（回復傾向）。史上最高値、内部改善。

    • Uptrend Ratio = 20日上昇トレンドにある銘柄の割合。GREEN=上昇、RED=下降

  2. 今週の焦点: 12/10 FOMC（約80%利下げ織込、CME FedWatch）+ 企業決算（Oracle/Adobe/Broadcom）+ 12/18 CPI。

  3. 推奨戦略: 現状維持。コア45%（-2%）、防御20%（±0%）、現金18%（+3%）。内部健全だがFOMC/CPI待ち。

今週のアクション

ロット管理

現在フェーズ: Base継続
推奨リスク配分: 株式・コモディティ合計 82%、現金・短期債 18%

カテゴリ 前週(12/1) 今週(12/8) 変化 根拠
コア指数 47% 45% -2% 内部健全だがFOMC/CPI待ちで若干慎重
防御セクター 20% 20% ±0% 現状維持（内部健全のため増加不要）
テーマ/ヘッジ 18% 17% -1% 金先物$4,243維持、Energy微減
現金・短期債 15% 18% +3% FOMC・12/18 CPI待ち（控えめな増加）

合計: 100%（リスク資産82%、現金18%）

配分変更の理由:

  • 内部構造改善: Breadth 約60%（健全ライン到達）、Uptrend Ratio 約35% GREEN（回復傾向）
  • 大幅削減不要: 内部良好のため、前週から-2%の小幅調整のみ
  • FOMC/CPIリスク: 11月CPI遅延（12/18発表）で若干の現金確保

マーケットブレス (200日移動平均超え銘柄比率)

上昇トレンド銘柄比率

$100Kポートフォリオ例（中央値）:

  • コア指数: $45K
  • 防御(Healthcare $12K + Staples $8K): $20K
  • テーマ(金 $10K + Energy $7K): $17K
  • 現金: $18K
  • 合計: $100K（Caution時は現金を最大$25Kまで増加可）

今週の売買レベル

指数 買いレベル 売りレベル ストップロス
S&P 500 6,750(サポート) 6,930(レジスタンス) 6,650
Nasdaq 100 25,200(サポート) 26,500(レジスタンス) 24,700
Russell 2000 2,450(20週MA) 2,600(レジスタンス) 2,350

データ時点: 2025/12/6 16:00 ET 終値基準。出典: TradingView/Bloomberg

S&P 500

Nasdaq 100

Russell 2000

戦術: 現水準（6,869.5）での買い増しは避け、FOMC後の押し目を待つ。12/10 FOMC（2:00 PM ET）前は静観、決算発表も重なるため慎重。

セクター配分(4本柱)

カテゴリ 配分 具体的ETF/銘柄
コア指数 45% SPY 32%、QQQ 9%、DIA 4%
防御セクター 20% XLV 12%、XLP 8%
テーマ/ヘッジ 17% GLD 10%、XLE 7%
現金・短期債 18% BIL、MMF

合計: 100%

変更理由:

  • コア小幅減（-2%）: 内部改善中（Breadth 60%）だがFOMC/CPI待ちで若干慎重
  • 防御維持（±0%）: 内部健全のため増加不要、Healthcare月間+5.46%堅調
  • 現金微増（+3%）: FOMC（12/10）・CPI（12/18）待ち、控えめな慎重対応

重要イベント（12月）

日付 イベント Impact 監視ポイント
12/5(金) 11月雇用統計（発表済） Very High +227K・失業率4.2%、予想上回る堅調
12/9(火) JOLTS雇用動態（10月分） Medium 7.8M未満=労働市場軟化
12/10(水) FOMC会合 2:00 PM ET Extreme 約80%利下げ織込（CME FedWatch）。ガイダンス次第
12/11(水)AMC Oracle決算 High クラウド成長・AI需要確認。-8%超=セクター警戒
12/11(水)AMC Adobe決算 High AI統合(Firefly)・サブスク成長
12/12(木)AMC Broadcom決算 Very High AI半導体需要、NVDA先行指標
12/12(木)AMC Costco決算 Medium 消費者支出・リテール動向
12/18(木) 11月CPI Extreme 2.7% YoY超=FRB判断見直し懸念

注: 12/10はFOMC + 決算が重なる。AMC（引け後発表）なので、翌朝の寄付き前にギャップ確認。

シナリオ別プラン

シナリオA) Base Case: 慎重な横ばい (55%)

トリガー: FOMC利下げ25bp + タカ派ガイダンス（2026年0-1回）、決算mixed、JOLTS軟化

アクション:

  • 現状配分維持（コア40-45%、防御20-25%、現金25-30%）
  • FOMC後の6,750押し目で打診買い検討
  • 12/18 CPI待ち、焦らず

シナリオB) Bull Case: リスクオン加速 (25%)

トリガー: FOMC利下げ25bp + ハト派ガイダンス（2026年3-4回） & 決算全beat & Uptrend Ratio 40%+突破

アクション（4本柱すべて明示、合計100%厳守）:

  • コア: 40-45% → 50%(+8%)
  • 防御: 20-25% → 18%(-4%)
  • テーマ: 15-20% → 17%(+0%) ※金維持
  • 現金: 25-30% → 15%(-12%)
  • 合計: 100%（リスク資産85%、現金15%）
  • QQQ比率回復（8-10% → 15%）、Nasdaq 26,500ターゲット

シナリオC) Bear Case: 金利急騰・調整 (20%)

トリガー: FOMC据え置き or 利下げ + 超タカ派 or 10Y利回り4.40%突破 or S&P 6,750割れ

アクション（4本柱すべて明示、合計100%厳守）:

  • コア: 40-45% → 32%(-10%)
  • 防御: 20-25% → 26%(+4%)
  • テーマ: 15-20% → 12%(-5%) ※金維持、Energy減
  • 現金: 25-30% → 30%(+3%)
  • 合計: 100%（リスク資産70%、現金30%）
  • TLT 5%追加（テーマ枠内）、SH 3%検討（コア枠から振替）

マーケット状況

指標 現在値 トリガー 評価
VIX 15.40 17(Base) / 20(Caution) / 23(Stress) 楽観過剰（complacency）
10Y利回り 4.139% 4.17%(20週MA) / 4.36%(警戒) / 4.50%(赤) 上昇圧力、レジスタンス接近
Breadth(200日MA上) 約60% 60%+(健全) / 50(ボーダー) / 40%-(脆弱) 健全ライン到達
Uptrend Ratio 約35% GREEN 40%+(強気) / 25%(中立) / 15%-(危機) 回復傾向、底打ち反転
S&P 500 6,869.5 6,930(レジスタンス) / 6,750(サポート) ATH近辺、内部健全
Nasdaq 100 25,691.7 26,233(レジスタンス) / 25,200(サポート) ハイテク主導、金利敏感
金(先物) $4,243/oz $4,300(レジスタンス) / $4,140(サポート) 地政学ヘッジ、ATH近辺
原油 $60.13 $65(20週MA) / $57.50(サポート) OPEC+凍結支援、弱含み

VIX

10年国債利回り

原油

金

データ時点: 2025/12/6 16:00 ET。出典: VIX/指数=CBOE/CME、金利=FRED、Breadth/Uptrend=TradingView

総合判定: 表面は強い（VIX 15.40、S&P ATH）、内部は改善中（Breadth 56%やや脆弱だが、Uptrend Ratio 約35% GREENで底打ち反転）。金利上昇（10Y 4.139%）が金利敏感セクター（Utilities -3.96%、Healthcare -2.21%、REITs -1.56%）を直撃するも、全体としてはBase継続。

コモディティ・セクター戦術

資産 現在値 アクション 理由
金(GLD) 先物$4,243/oz 買い維持(10-12%) 地政学ヘッジ。※GLD ETFは先物÷10≒$424目安
Healthcare(XLV) – 買い増し(13-16%) 月間+5.46%、金利環境下でも防御力あり
Financials(XLF) – 維持(8-10%) 金利上昇でNIM（純金利マージン）改善、カーブスティープ化
Energy(XLE) – 維持(5-8%) OPEC+凍結支援、原油$60.13（底打ち兆し）
Utilities(XLU) – 回避(2-3%以下) 週間-3.96%、金利上昇直撃

兼業運用ガイド

朝チェック(日本時間23:30 = 米国寄付き、冬時間)

  • VIX確認: 15-17=Base維持、20超=Caution即座対応
  • 10Y利回り: 4.17%突破=金利敏感株警戒、4.00%割れ=リスクオン再燃
  • FOMC翌朝（12/11木）: Oracle/Adobe決算ギャップ確認（AMCは前夜発表、翌朝ギャップ確認）
    • +8%超ギャップアップ & 高値更新 = クラウド・AI需要堅調、セクター強気
    • -8%超ギャップダウン & 50日MA割れ = 需要減速懸念、セクター弱気

夜チェック(日本時間翌朝 = 米国引け後)

  • FOMC声明（12/11木 4:00 AM JST = 12/10水 2:00 PM ET）:
    • ハト派ワード: “labor market softening”, “balanced risks”, “gradual adjustments”
    • タカ派ワード: “inflation risks”, “resilient economy”, “patient approach”
  • ドットプロット: 2026年予想（0-1回=タカ派、3-4回=ハト派）
  • パウエル会見（2:30 PM ET）: トーン確認、”11月CPI未確認”リスク言及あるか
  • 決算後の株価（AMC発表翌朝確認）: Oracle/Adobe（12/11）、Broadcom/Costco（12/12）

今週の注意点

  • データ真空リスク: 11月CPI遅延（12/18）でFRBは盲目状態、誤判断リスク
  • FOMC + 決算同日: 12/10水曜はFOMC（2:00 PM ET）+ 決算AMC（引け後）で高ボラティリティ
  • 内部構造改善: Breadth 約60%（健全ライン）、Uptrend Ratio 約35% GREEN（底打ち反転）。内部改善だが、FOMC・CPI待ちで慎重維持
  • 現金18%を基準とし、Cautionシナリオでは25-30%まで増加。12/18 CPI次第で調整

リスク管理

ポジションサイズ: リスク資産82%、現金18%（Base Case基準）
個別銘柄: 1.6倍ATRで損切り（詳細はこのセクション後半）
一銘柄リスク: 0.4%上限（Caution移行、先週0.5%から引き締め）
レバレッジ: 1.0倍厳守（FOMC前はレバレッジ禁止）

ヘッジ推奨(ETFベース)

ETF Base配分 Caution時 削減元
GLD 10% 10% –
TLT 0% 5% コア-3%、XLE-2%
BIL 現金18% 現金25-30% コア-7-12%
SH 0% 3% コア-3%

注: BIL行は現金枠をBILで保持する意味。Caution時は現金枠を25-30%に拡大し、コアから振替

発動条件: VIX 20超 or S&P 6,750割れ → Caution配分へ移行（合計100%維持）

今週の具体的リスク

  • FOMC判断ミス（25%）: 11月CPI未確認で利下げ → 12/18に高CPI判明 → 「FRBミス」で10Y 4.40%+、株-5-7%
  • 企業決算失望（15%）: Oracle/Adobe/Broadcom等がmiss → 企業IT支出・AI需要減速懸念 → Tech -3-5%
  • 金利急騰（20%）: 10Y 4.40%突破 → バリュエーション圧縮 → Nasdaq -3-5%、REITs -5-7%
  • Breadth崩壊（15%）: Uptrend Ratio 35% → 20%以下へ急落 → 全面安、VIX 23-30

ストップロス（厳守）

個別銘柄はATRベースで管理:

ATR計算方法:

  • 期間: 14日ATR（日足）を使用
  • データソース: TradingView等で「ATR(14)」を確認
  • 発注ロジック: 終値基準で翌日寄付き前に判断

通常時（Base）: ATR 1.6倍（-6-8%）で即座損切り
FOMC週（今週）: ATR 1.2倍（-5-6%）に縮小（ボラティリティ拡大想定）

計算例（NVDA）:

  • 現在株価: $140、ATR(14): $7.00
  • 通常時ストップ: $140 – ($7.00 × 1.6) = $128.80（-8%）
  • FOMC週ストップ: $140 – ($7.00 × 1.2) = $131.60（-6%）

指数レベルトリガー:

  • S&P 500: 6,750割れでコア30-35%へ
  • Nasdaq 100: 25,200割れでQQQ削減、コア35%へ
  • VIX: 20超持続でCautionモード、現金30-35%へ

優先順位ルール: 価格トリガー（上記指数レベル・ATRストップ）が最優先。トリガー発動で即座にポジション縮小し、その後シナリオ別配分（A/B/C）に再調整する。

まとめ

今週はBase継続。表面は史上最高値（S&P 6,869.5）・低VIX（15.40）と強く、内部も改善中（Breadth 約60%健全ライン、Uptrend Ratio 約35% GREENで底打ち反転）。FOMC・CPI待ちで若干慎重維持。

キーアクション:

  1. 12/10 FOMC待ち: 約80%利下げ織込（CME FedWatch）、ガイダンス次第
  2. 企業決算（Oracle/Adobe/Broadcom）: AI需要継続か、クラウド・半導体セクターの方向性確認
  3. 12/18 CPI最重要: 遅延発表。2.7% YoY超なら「FRBミス」で調整深化

注意: 金利上昇（10Y 4.139%）は金利敏感セクターに圧迫。ただしBreadth 約60%健全ライン・Uptrend Ratio底打ち反転で内部改善中。現金18%維持（Cautionなら25-30%へ）、FOMC・CPI後の展開見極めてから動く。

注: 本記事は情報提供のみを目的としています。投資の最終判断はご自身でお願いします。

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