【米国株】2025-04-01週の振り返りと今週の戦略(監視銘柄)

週間振り返り

先週の米国相場は歴史的な下落を記録した一週間となりましたね。

ナスダックが一週間で9%を超える下落を記録し、他の指数も軒並み下落しました。週間の下落幅で見ると2020年のコロナショック時以来の大きさです。

原油、銅は景気懸念などから大きく下落しています。原油は過去4年のサポートを割り込んで下落し、銅は14%超の下落はコロナショック時を超えており、2011年9月以来の下落幅です。

相場全体が極端に売られ過ぎている状態になっていますので、短期的な反発が起きる可能性は高くなっています。

一方で、マーケットブレス指標を見ると、弱気相場が始まった段階のように見えるため、短期的な反発を狙いつつも、中期的には下落が続くシナリオも想定しておく必要がありそうです。

それではチャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。

要点だけをさっと確認したい方はこの記事の図解まとめをこちらからご覧ください。

先週の振り返り

相場環境の分析

米国債10年利回りは-5.90%の下落で一時は4.0%を下回る水準まで下がりました。2025年初から始まった下落トレンドを継続しています。

VIXは109%の上昇で45を超えてきました。現時点のチャートからは上昇の勢いが止まる様子はなく、まだここから上昇が続くことも想定する必要がありそうです。

上昇トレンド銘柄の割合は、下落トレンドから上昇トレンドを開始しようとしていましたが、再度10%を割り込んで大きく下落し、過去数年の中で最低の数値まで下落しています。ほぼ上昇トレンドを維持している銘柄がなくなっている状況です。

マーケットブレス指標を確認すると、200移動平均線が下向きとなり、20移動平均線もまだ下げ止まる兆候は見られません。この先のシナリオとしては、以下の2つが考えられます。

  1. 20MAが0.4付近で下げ止まりリバウンド(2023年11月、2018年12月のパターン)
  2. 20MAが0.4を割り込んで弱気相場が進行(2022年、2008年のパターン)

ナスダックの分析

ナスダックの月足チャートを確認すると、4月の現時点の下落は早くも3月の1ヶ月の下落を超えて-9.79%に達しています。稀に見る下落のスピードです。9%を超える下落は2022年4月以来です。

ナスダックの週足チャートです。先週は-9.52%の下落でした。16950もしくは15995の水準でサポートされるかどうか。1週間で9%を超える下落は2020年のコロナショック以来です。コロナショックの時には2月と3月に1回ずつ9%超の下落がありました。

ナスダックの高値-安値銘柄数は2022年の弱気相場の底、2018年末の急落時の底と同じ水準の-600を超えて下落しており、短期的には一時的に反発する可能性が非常に高くなっていると思います。ただ、中期的に見て下落がここで止まるかどうかは不透明です。コロナショックの時にはこの水準からもう一段の下落があり、-1000まで到達しています。

ダウの分析

ダウの月足チャートです。4月の騰落率はナスダックよりは下げが弱く-8.86%です。8%を超える下落は2022年9月の弱気相場の底、2020年3月のコロナショックの底に匹敵します。2021年末の天井付近の37109がサポートとなるかどうかに注目です。

ダウの週足チャートです。先週は-7.72%の下落でした。1週間で7%を超えるは2020年のコロナショック以来です。当時のダウは2020年2月に1回、3月に2回、7%を超える下落が発生しています。

S&P 500の分析

S&P 500の月足チャートです。4月の現時点の騰落率は-9.59%となっており、ナスダックと同等の下落となっています。これと同等の下落はダウと同じく2022年9月と2020年3月の下落に相当します。

S&P500の週足チャートを確認すると、先週は-8.88%の下落でした。週間の下落幅の大きさではコロナショック以来です。コロナショックの時にはナスダックと同様に2020年2月から3月にかけて合計3回の8%超の下落がありました。

ラッセル2000

ラッセル2000の月足チャートを確認すると、4月の現時点の騰落率はは-9.61%の下落です。2022年の弱気相場の底に近づいてきました。2022年の弱気相場の時と比較すると反発らしい反発もなく一方的に下落しており、下落のスピードが早いです。

ラッセル2000の週足チャートです。1週間で-9.76%の下落でした。2020年のコロナショック以来の下げ幅です。もう一段階の下落が発生した時に1663がサポートラインとなるかどうかに注目です。

コモディティの分析

原油は4年ほどサポートラインとして機能してきた65を割り込んだことで、ここからさらに下落が進む可能性が出てきました。9%を超える下落は2023年3月のシリコンバレーバンク銀行の破綻騒動があった時以来です。

天然ガスは先週は-5.61%の下落でした。原油と比較すると落ち着いた動きです。まだ20MAを上回っており、上昇トレンドを維持していますが、弱気に傾きつつあるように見えます。

金は-2.53%の下落でした。年初から強い上昇トレンドを続けてきた金にも売りが波及しています。大きな上ヒゲをつけており、天井付近で発生する値動きに似たパターンを示しています。

銅は先週は-14.19%の下落でした。近年例を見ない下落幅です。コロナショックの時でえ11%の下落でしたので、それを超える大きな下落です。

過去の大きな下落をさかのぼって調べてみると、2011年9月に16%を超える下落を記録しています。この時は米国信用格付けの引き下げとギリシャ危機などによる世界経済の成長鈍化懸念が原因でした。その前はリーマンショックがあった2008年8月、9月に11%を超える下落がありました。

セクター分析

先週はすべてのセクターが下落しました。エネルギーが最大の下落となっています。下落耐性の高いディフェンシブ、公益事業も売り込まれています。

先週の業種別パフォーマンスです。住宅ローン、健康保険、食料品店、医薬品流通がかろうじてプラスですが、それ以外の業種はすべて下落しました。特に下落が大きいのは石油関連、銅、アルミ、コンピューターハードウェア、化学、半導体、航空、海運など、景気動向の影響が大きな業種が大きく売られています。

個別銘柄の動向

先週はほぼ全面安の展開でしたが、その中でも特に下落が目立つのは、NVDA、AAPL、META、AMZN、JPM、GE、XOM、CVXです。大型ハイテク株の中ではGOOG、MSFTは比較的下落が小さいです。プラスで終えている銘柄は限られていますが、MSTR、UNH、MCK、TJX、DG、RKT、COOPが上昇しています。

今週の戦略

先週の歴史的な下落で相場全体が売られ過ぎの水準に到達しており、短期的な反発が発生する可能性が高くなってきています。ただし、反発した後に弱気相場入りして下落が進むシナリオ、もしくは下落した状態での中期のレンジ相場も想定しておく必要があります。

もちろん、ここから一気に反発て上昇トレンドに戻る楽観的なシナリオもないとは言えませんが、マーケットブレス指標を見る限り、今は弱気相場が始まったところで下落が進行する確率の方が高そうですので、守りに徹して生き残ることを優先した方が良い相場環境のように見えます。

今週は相場全体の反発を狙った短期のスイングトレードのチャンスがあれば仕掛けていきたいと思います。上昇トレンド銘柄数の割合のチャートでトレンド転換のシグナルが出るまで待ちです。

長期保有のポジションについては、マーケットブレス指標で反転のシグナルが出るまで待ち、シグナルが出たら3回程度に分割して段階的に買い増しを進めます。こちらはすぐにシグナルが出る可能性は低そうですので、数週間から数ヶ月後を想定しています。

スイングトレード監視銘柄

監視銘柄に入れていた多くの銘柄のチャートが崩れてしまい上昇トレンドを維持している銘柄が非常に限られています。先週、強い値動きが見られたDG、EZPW、RKT、TJXを監視銘柄に加えています。

監視銘柄のチャートはこちら。

https://elite.finviz.com/screener.ashx?v=211&p=w&o=ticker&t=AGX,ALHC,DG,DRI,EZPW,OLLI,PEN,RKT,SRAD,STNE,TJX,ULTA,WOR

今週の決算予定

今週はDAL、JPM、BLK、MSの決算に注目です。特に、各社のガイダンスと発表後の相場の反応に注目したいと思います。

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