先週の米国相場は大統領選挙がトランプ氏の勝利で終わり、株価指数は軒並み上昇し、VIXが大きく下落しました。金利は上昇トレンドは維持していますが、一旦上昇が止まっています。
株価指数の中では小型株のラッセル2000が週間で8%を超える上昇となっています。週間で8%を超える上昇は2020年のコロナショック直後の反発時以来です。
相場全体で見ると、上昇トレンドの銘柄の割合はトレンドが上昇から下落に転換する傾向のある40%を超えてきました。決算発表のポジティブなサプライズがあった銘柄で1日の騰落率が+50%を超えている銘柄も見られ、相場がかなり過熱している状態です。
まだ上昇が続く可能性もありますが、今週は、急な調整に備えてリスクを減らして、ディフェンシブな布陣にしていくのが良いと思います。
今週も決算発表を控えている銘柄が多数あります。今週はHD、SHOP 、SPOT、CSCO 、AMATの決算に注目です。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは-1.78%の下落でした。一旦、強い上昇は上ヒゲをつけて止まったものの、まだ上昇トレンドは崩れていないです。
VIXは-31.73%と大きく下落し、7月から始まっていた緩やかな上昇トレンドが完全に終了しました。
上昇トレンド銘柄数の割合は40%を超えてきました。過去1年間で見ると、40%を超えたところで上昇が止まって反落する傾向が見られます。少し気が早いかもしれませんが、急な調整のリスクに備えて、少しディフェンシブな布陣に変えていくと良いと思います。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。11/8時点で月間の騰落率は早くも+6.07%に達しており、新高値を更新しています。
ナスダックの週足チャートです。先週は+5.33%の上昇で7月の高値を超えてきました。先週は出来高の増加も伴った非常に強い上昇でした。
ナスダックの高値-安値銘柄数は一時400付近まで急上昇した後に下落し、プラス圏内で推移しています。この数字が300を超えたのは、2021年2月のGMEなどのミーム株で一時的にバブルのような動きをした時以来です。
以下は2021年2月に369でピークをつけた時のチャートです。ナスダックはこの高値をつけた後に15日間で11%の下落となり、大きめな調整する動きになりましたので注意が必要です。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。11/8時点の11月の騰落率は+5.33%と非常に強い上昇となっています。
ダウの週足チャートです。先週は+4.63%の上昇でした。週間で4%を超える上昇は2023年10月末以来です。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。現時点の月間の騰落率は+5.13%となっています。S&P500も新高値を更新しています。
S&P500の週足チャートです。先週は+4.67%の上昇でした。2週連続の下落から力強く反発してきました。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。現時点の11月の騰落率は+9.52%と株価指数の中で最も強い上昇です。2020年のコロナショック後の回復が他の指数から出遅れて始まった時と同じような動きになっています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+8.79%の上昇でした。一週間で8%を超える上昇は2020年4月のコロナショック直後の上昇以来です。
コモディティ先物の分析
原油は+1.57%の上昇でした。週の前半に上昇したものの後半に下落して大きな上ヒゲをつけたチャートとなっており、下目線で推移する可能性が高そうです。
天然ガスは+0.23%と横ばいです。2.848のレジスタンスラインを明確に上抜けられればトレンドが変わる可能性があります。
金は-1.98%の下落でした。10EMAまで下落したところで小さく反発する動きが見られます。
銅は-1.50%の下落でした。8月から始まった上昇トレンドのラインを下抜けています。上下にヒゲがついていて方向性が定まっていないように見えます。
セクター分析
先週は全てのセクターが上昇し、工業、一般消費財、情報技術が特に強く上昇しました。過去1ヶ月で見ると、ヘルスケア、エネルギー、素材が小さく下落している以外は強く上昇しています。月間では通信サービス、金融、一般消費財が強いです。
業種別の週間パフォーマンスでは、石炭、自動車メーカー、繊維製造、公益電力、トラック、電子機器、アルミが強いです。ソーラー、銀、化学が弱いです。
個別銘柄の動向
先週は全体的に上昇していますが、特に強い上昇が見られたのはTSLA、PLTR、INTC、COF、GSです。製薬、中国株がやや弱い動きとなっています。
今週の戦略
相場全体としては先週の急上昇で買われ過ぎの水準に到達しています。ナスダックの高値-安値銘柄数の推移を見ても相場が過熱している状態であることがわかります。
今週に今の水準から下落が始まるかは分かりませんが、少しずつ急騰した銘柄の利確を進めながら、次の調整後の上昇に備えて現金比率を高めていくのが良いと思います。
今週も引き続きHD、SHOP 、SPOT、CSCO 、AMATなどの銘柄の決算発表が予定されています。決算後にポジティブなサプライズがあり、上昇していく銘柄を絞り込んでいきたいと思います。
監視銘柄
先週の決算発表後に強い上昇が見られたARIS、DOCS、FRPTを監視銘柄に加えています。
今週の決算発表
今週はHD、SHOP、SPOT、CSCO、AMATの決算に注目です。
11/11
ARMK MNDY RDNT
GRAB IAC ZETA
11/12
AZN CAMT FOUR HD MOS ONON SATS SE SHOP TLN TME TSN
CART CAVA DOX EVCM IAS LNW LYV NTRA OXY PAY RKLB RKT SPOT STNE SU SWKS
11/13
CYBR GFF JHX
CSCO DLO TTEK
11/14
BILI BN DIS HP JD NICE NTES
AMAT ASTS GLOB OKLO POST SBS
11/15
BABA SPB
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