先週の米国相場はナスダック、ダウ、S&P500の指数が横ばいする中でラッセル2000が上昇し、大型株から中小型にローテーションする動きが見られました。
ナスダックとS&P500は2週連続で上ヒゲをつけており、短期的にはやや弱気な値動きとなっています。
長期金利は大きく上昇する一方でVIXは下落し、金利の上昇に対して株式市場は比較的静かな動きです。
6月を振り返ると大型ハイテク株を中心にナスダックとS&P500が上昇し、5月から2ヶ月連続で大きく上昇しました。小型株のラッセル2000だけが上昇の波に乗れていない状況が続いています。
6月の後半に見られた大型株から中小型株への資金の移行が、期末のリバランスによるものなのか、7月にも継続するのかを確認していきたいと思います。
多くの監視銘柄が先週から上昇を始めており、今週はスイングトレードのエントリーのタイミングを探っていきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+3.36%の上昇でした。まだ、4月末から始まった下落トレンドを維持しています。
VIXは-5.61%の下落でした。12から14の低水準のレンジで推移しています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。6月は+6.49%の上昇で終えています。2ヶ月連続して5%を超える上昇でした。少し上昇のスピードが加速し過ぎてきているように見えます。
ナスダックの週足チャートです。先週は-0.08%で2週連続で横ばいを続けています。2週連続で最高値の水準から下落して上ヒゲをつけています。短期的には買い手の勢いが衰えて、売り手が優勢になりかけているように見えます。移動平均線から大きく上方に離れているので、安定した上昇トレンドを継続するためには一旦調整するような動きが入るのが望ましいです。
ナスダックの高値–安値銘柄数は下落トレンドをブレイクして上昇を開始しようとしています。MACDもトレンドが転換する兆しを示しています。大型株以外にも買い手が広がってきているようです。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。6月は+1.17%の上昇で終えています。ナスダックと比較すると上昇の勢いはありませんが、着実な上昇トレンドを継続していて割高感は見られません。
ダウの週足チャートです。先週は-0.00%で横ばいでした。まだ5月につけた高値までは回復していません。40076を上に抜ければさらに上昇していく可能性が高まります。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。6月は+3.54%の上昇でした。ナスダックと同様に2ヶ月連続で強い上昇となりました。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.06%で横ばいの動きとなっています。ナスダックと同様に2週連続で上ヒゲをつけていますので、やや買い手の勢いがなくなり、売り手が優勢になりかけているように見えます。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。6月は-1.21%の下落で終えています。株価指数の中では唯一の月間マイナスです。6月は後半に盛り返して比較的大きな下ヒゲをつけていますので、買い手が優勢になりつつあり、7月に上昇が期待できるかもしれません。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+1.40%の上昇でした。やや出来高も多くなっています。他の株価指数と見比べると明らかに割安な状態に見えるため、2024年の後半戦を見据えて買い手が優勢になってきているように見えます。2095の抵抗線を力強く上抜けられればさらに上昇していく可能性が高まります。
コモディティ先物の分析
原油価格は+1.14%のプラスで3週連続で上昇しています。短期の上昇トレンドを継続しています。一旦、84.16まで上昇していく可能性がありそうです。
天然ガスは-3.84%の下落でした。5月以降は上昇しても上ヒゲをつけて反落することが多く、やや弱気なチャートです。
金は+0.36%の小幅な上昇でした。2300に近づいたところで反発して下ヒゲをつけています。ある程度安くなると買い集めている勢力がいるように見えます。。2.282のサポートラインを割り込まず 、2400付近の水準を明確に上抜ければ上昇していく確率が高まります。
銅は-1.14%の下落でした。4.318付近の抵抗ラインで反発しています。ようやく下落が止まりそうな動きが出てきました。4.59まで戻して上抜けられれば上目線、4.3185を下に抜けた場合は調整が長引くものと思われます。
セクター分析
週間のパフォーマンスではエネルギー、通信サービスが強く、公益事業、ディフェンシブが弱かったです。
6月の1ヶ月間で見ると、情報技術が圧倒的に強く、素材、公益事業が弱い結果となっています。
時価総額別のパフォーマンスで見ると、先週は小型株が買われて上昇しました。6月の月間パフォーマンスでは、超大型株が強く、小型株が弱い結果となっていました。7月は割安となった小型株が継続して買われる動きが見られるかに注目したいと思います。
業種別のパフォーマンスを見ると、先週は紙製品、放送、自動車、教育、統合物流が強く、医薬品小売、靴、ソーラーが大幅下落となっています。
業種別のチャートで中期もしくは短期の下落から上昇に転換しようとしているのは、自動車、銀行、地方銀行、ホテル、ソフトウェア、トラックです。この中では特にソフトウェア(UBER、MNDY、DDOG、NOW、INTU)と地方銀行(FITB、RF、FBP、CFG)が強い値動きで高値を更新していきそうな銘柄が多いです。
個別銘柄の動向
先週は上昇した銘柄と下落した銘柄が入り乱れていますが、中規模のソフトウェア、銀行、自動車、石油ガスに上昇している銘柄が多く見られます。特に強い動きが見られたのは、ソフトウェア(PANW、PLTR)、自動車(TSLA、TM)、銀行(MUFG、C、MFG、NU)、石油ガス(BKR、CVE、LNG)、統合物流(FDX)でした。MUFG、MFGなどの日本の銀行株に強く上昇している銘柄が見られます。
今週の戦略
ナスダック、S&P500の株価指数が横ばいを続ける中、水面下で中小型のソフトウェア銘柄、石油ガス、銀行株、自動車が上昇してきています。5月から6月にかけて短期的に調整していた銘柄が買われ始めている動きが見られます。時価総額の大きい株価指数への寄与率が高いハイテク銘柄からそれ以外の中小型のハイテク銘柄や銀行、石油ガスあたりが物色されているようです。
私の監視対象の銘柄にも短期的な調整が上昇を始めているものがあります。今週は直近の決算でポジティブなサプライズがあった銘柄を中心にエントリーするチャンスを探していきたいと思います。
監視銘柄
先週から強い動きが見られる中規模のソフトウェア銘柄(CYBR、DDOG、MNDY)、トラック(TFII)、石油ガス装置(WFRD)を追加しています。
監視銘柄のチャートはこちらです。
今週の決算予定
今週は決算発表の予定が少なく、注目の銘柄はありません。
7/2
- MSM
7/3
- STZ