先週の米国相場は金利が横ばいの動きとなる中、すべての株価指数が上昇し、原油、金などのコモディティの価格も上昇しています。株価指数は2023年11月から5ヶ月連続の上昇となり、強い上昇相場が続いています。
先週の株価指数の上昇の牽引役は中小型株が中心となっており、上昇するセクターや銘柄がローテーションを繰り返しながら全体としては上昇を続けています。年初から力強い上昇を続けてきた大型株や半導体株がやや弱い動きとなる中で、これまで上昇できずにアンダーパフォームしていた公益事業、銀、ソーラーなどが買われています。
過去のチャートを振り返ると6ヶ月以上連続で株価指数の上昇が続くことは稀です。4月に調整下落があることも想定して、丁寧にトレードをしていきたいと思います。
今週は4/5の雇用統計の発表後の相場の反応にも注目です。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+0.10%と横ばいでした。緩やかな上昇トレンドは維持しています。
VIXは-0.38%と小さく下落しています。12から14の低いレンジで推移しています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。3月は+1.20%と小幅な上昇でした。2023年11月から5ヶ月連続の上昇となりました。やや上昇の勢いが衰えてきています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-0.44%と小幅な下落でした。3月は上昇と下落を繰り返しており、横ばいの動きとなっています。買い手と売り手が交錯しているように見えます。
ナスダックの高値–安値銘柄数は大きく上昇し、移動平均線を超えて上昇トレンドに戻っています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。3月は+2.05%の上昇でした。ナスダックと同様に5ヶ月連続の上昇でした。ナスダックと比較すると上昇の勢いがあります。
ダウの週足チャートです。先週は+0.87%の上昇でした。前週の高値は更新していませんが、終値ベースでは最高値を更新しています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。3月は+3.06%の上昇でした。ナスダック、ダウと比較すると最も良いパフォーマンスとなっています。ナスダックがやや弱い動きとなっている中でS&P500が想定的に強く上昇していることから、大型ハイテク株以外の銘柄に買いが広がっていることが分かります。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.33%と小幅な上昇でした。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。3月は+2.99%の上昇でした。株式指数の中ではS&P500に次ぐパフォーマンスでした。株価指数の中で唯一最高値を更新できておらず、引き続き相対的に割安に見える状況です。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+2.40%の上昇でした。週間のパフォーマンとしては株価指数の中で最も強い動きです。
コモディティ先物の分析
原油は+2.87%の上昇でした。前週の上ヒゲのローソク足でやや弱気なチャートにも関わらず、力強く上昇して終えています。
天然ガスは+6.27%のやや強い上昇でした。小さなダブルボトムのような形になりつつあります。
金は+3.63%の上昇でした。前週の上ヒゲのローソク足にも関わらず力強く上昇しました。ブレイクアウトした2144付近をサポートに反発して上昇トレンドを継続しています。
銅は-0.01%の横ばいでした。今週、3.96の水準を下回らずに上昇していけるかを観察していきたいと思います。
セクター分析
セクター毎のパフォーマンスを確認すると、公益事業が最も良いパフォーマンスとなっています。今年に入ってから公益事業がアウトパフォームするのは3/4週に続き2回目です。その他はエネルギー、素材が良いパフォーマンスでした。情報技術のみが大きく下落しています。
業種別のパフォーマンスでは銀、アルミが最も強く、ソーラー、空港、金が続いています。公益事業と同じタイミングで銀がアウトパフォームしており、3/4週と同様の傾向が見られます。
時価総額別のパフォーマンスを確認すると、先週は中型株、小型株に強い上昇が見られ、大型株はやや下落しています。
個別銘柄の動向
先週はMSFT、META、NVDAなどの大型ハイテク株が下落し、ソーラー(ENPH、FSLR)、製薬(MRK、BMT)、物流(FDX)、再生エネルギー(CEG)、金(NEM、GOLD)が上昇しました。
今週の戦略
2023年11月から始まった上昇は5ヶ月連続となっています。過去のチャートを振り返ると、6ヶ月以上連続で上昇が続くことは非常に稀です。4月もしくは5月あたりに調整下落があることは頭の片隅においた上でトレードしていきたいと思います。
3月の最終週は上昇を牽引する銘柄がハイテク銘柄から比較的割安な銘柄や小型株に入れ替わっています。上昇するセクター、業種が週替わりで入れ替わるような動きとなっており、次にどのセクターや業種が上昇するかを読むのは難しい状況ですが、ある程度下落して割安となったと見て買い手が現れるような動きを繰り返しているように見えます。
中規模のハイテク銘柄は1ヶ月程度横ばいが続いて、値動き、出来高共に小さくなってきている銘柄が増えてきましたので、何かのきっかけで上昇する可能性が高くなりつつあると思います。
4月に入って新しい四半期が始まることで、少し相場の流れが変わるかもしれません。今週は相場の動きを観察して買い手がどこに向かうのかを見定めていきたいと思います。
スイングトレード監視銘柄
先週に決算発表後に上昇したNCNO、REX、RHを追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
監視銘柄の中で特に注目している銘柄は、AXON、FROG、HUBS、NET、OKTA、PEGAです。力強い上昇の後、数週間の横ばいが続いている銘柄です。数週間のレンジを上に抜けてきたらエントリーしていく予定です。
今週の決算予定
今週はPLAY、AYI、LEVI、KRUSの決算に注目です。
4/1
- PVH
4/2
- PLAY
- CALM
4/3
- AYI
- LEVI
4/4
- LW
- RPM
- KRUS
4/5
- GBX
今週の決算銘柄のチャートはこちら。