先週の米国相場は、週の前半は年初から力強く上昇してきたハイテク銘柄を中心に下落する展開で始まり、NVDA決算が発表された後に買い戻しが入る展開となりました。週間で見ると、ホテル、食料品、ディスカウントストア、製薬などのディフェンシブ寄りのセクターが上昇し、ハイテク以外のセクターに資金が移動する動きが見られました。
コモディティ先物についてはエネルギー関連が下落し、金属素材が上昇しています。
2月も残り1週間となりました。昨年の11月から始まった上昇トレンドが続いており、ナスダック、ダウ、S&P500は4ヶ月連続の上昇が濃厚となってきました。主要な株価指数が上昇を続ける中、ラッセル2000だけが2年前の価格水準から抜け出せずにいます。ただ、ラッセル2000には下落する度に買い手が現れて値を戻す動きが見られますので、いずれ大型株に割高感が出てきたタイミングで買い手が戻り上昇を始めるものと思われます。
今週はソフトウェア関連の銘柄の決算発表が多く予定されています。決算発表をきっかけに直近の短期的な下落から反発してくる銘柄が出てくるか監視しながらエントリーのタイミングを探していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
米国債10年物の利回りは-0.72%の下落でした。年初からの緩やかな上昇トレンドは維持したままです。
VIXは-3.58%の下落でした。2024年に入ってから週の初めに上昇して週末に向けて下落していく動きが続いています。2024年に入ってから少しずつ安値を切り上げてきており、緩やかな上昇トレンドになっています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。2月の上げ幅は+4.36%となり、2023年11月から始まった上昇は4ヶ月連続となるのが濃厚となってきました。
ナスダックの週足チャートです。先週は+1.42%の上昇でした。直近の3週間は横ばいの動きとなっており、小休止しているように見えます。
ナスダックの高値–安値銘柄数は、先週に大きく下落したものの引き続きプラス圏にとどまっています。MACDを見ると下落を始める初期の兆候が見られるので注意して推移を観察したいと思います。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。2月の上げ幅は+2.43%でナスダックと同様に4ヶ月連続の上昇となる可能性が高くなってきました。
ダウの週足チャートです。先週は+1.34%の上昇で3週間の小さなレンジをブレイクして高音を更新してきました。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。2月の上げ幅は+4.86%となり、株価指数の中で最も良い月間パフォーマンスとなっています。
S&P500の週足チャートです。先週は+1.66%の上昇でした。昨年の10月から始まった上昇トレンドの17週間の中で下落した週は2回のみと非常に強い動きが続いています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。2月の上げ幅は+3.30%となっています。まだ2030付近の抵抗ラインを抜けられておらず、2年前の水準にとどまっています。コロナショック後の上昇相場の時にも他の株価指数が先行する中で冴えないパフォーマンスが続いた後に突然上昇を開始する動きとなっていました。今年の中盤以降にスロースタートの急上昇が見られるかもしれません。
コモディティ先物の分析
原油は-2.07%の下落で前週の上昇を打ち消すような動きとなっていますが、緩やかに上昇する動きは継続しています。
天然ガスは-0.37%の下落でした。週の前半に大きく上昇しましたが、週末にかけて下落し上ヒゲをつけて終えています。
金は+1.25%の上昇でした。今後の数週間に2065の水準を上抜けて上昇トレンドを開始する準備が整いつつあるように見えます。
銅は+1.08%の上昇でした。引き続き3.65〜3.95のレンジにとどまっています。
セクター分析
先週はディフェンシブ、ヘルスケア、金融が強く、不動産、通信サービスが下落しました。
業種別に見ると、ホテル、紙製品、公共電力、半導体、建築材、保険、食料品店、ディスカウントストア、ホームセンター、廃棄物処理などの比較的地味な業種が上位に並んでいます。下落が大きかったのは、ソーラー、放送、ウランです。
個別銘柄の動向
先週は、ソフトウェア、エンターテインメント、ソーラー、地方銀行等の中小型の銘柄から資金が抜けて、それ以外のセクターに上昇が広がるような動きとなっています。昨年11月からの上昇が大きい銘柄に対して利益を確定して他の割高感が少ない銘柄に資金を移動する動きが進んだように見えます。
決算が予想を上回ったNVDAが大きく上昇し、MU、AMAT、DELLなどが連動して上昇しています。H、IHGなどホテル銘柄も決算発表後に力強く上昇しています。下落が大きかったのは、ADBE、PANW、SHOP、DIS、TSLA、BKNG、MELI、PDDです。
今週の戦略
先週はNVDAの決算発表の前に主にハイテク銘柄を中心に売りが先行する動きとなっていましたが、決算発表後は買い手が戻る動きも出てきています。
先週に上昇したディフェンシブ、ヘルスケア関連の銘柄から先週の下落で割高感が薄れたソフトウェア関連に買い手が戻ってくる動きが見られるかを監視しながらエントリーのタイミングを待ちたいと思います。
今週はCRM、SNOW、ESTC、WDAY、NTNXなどのソフトウェア銘柄の決算が予定されていますので、決算発表後のセクターの動きに注目したいと思います。
スイングトレード監視銘柄
先週の決算発表後の値動きが良かったCOLL、EVH、GRMN、PWR、TOLを監視対象に追加しています。監視銘柄の中で今週に決算発表を予定している銘柄はCELH、ESTC、NTNXです。
監視銘柄のチャートはこちら。
監視銘柄の中で短期的な下落からの反発を確認してエントリーしたい銘柄はCRWD DKNG FROG NET OSCR PLTR です。
今週の決算発表
今週はCAVA、AXON、SNOW、CRM、NTNX、CELH、ESTCの決算に注目です。
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