先週の米国相場は、FOMC議長会見において9月の利上げはないことが発表されたものの年内の利上げの可能性を残し、高い金利を長期に渡って維持するタカ派な発言に反応して長期金利が上昇し、株式相場は大きく下落しました。コモディティ先物の中では銅が大きく下落しています。石油、天然ガスなどのエネルギーは横ばいで大きな動きはありません。
各株価指数の銘柄について50日移動平均線を超えている割合を確認すると、短期的には売られ過ぎの水準に近づいているように見えます。今週は、スイングトレードのポジションは最小限の状態で、次の上昇の波が来るのを待ちながら監視銘柄の更新を続けたいと思います。
それではチャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理は前週と比べて強気派が減少し、弱気派が大きく増加しています。過去平均と比較しても弱気派が優勢な状態となっています。中立な立場の投資家も多い状態となっています。
米国債10年物の利回りは+2.35%上昇し、2022年10月の高値を更新しています。週後半にやや下落して上ヒゲをつけていますが、まだ上昇トレンドが終了する兆候は見られません。
VIXは+24.57%と大きく上昇し、17.19に達しています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートを確認すると、9月の下落幅は-5.15%に達しており、8月の安値が目前に迫っています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-3.21%の下落で2023年初から始まった上昇トレンドラインを割り込んでいます。ダブルトップのパターンを形成しています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく下落し、売られ過ぎの水準に近づいています。過去数年で見ると2022年6月、2022年10月に-35を下回った後に反発する傾向がありました。
ナスダックの高値–安値銘柄数は先週に引き続き下落を続け、-135まで下落しています。過去1年の動きを見ると-200を超えて急落した後に2〜4週間後に上昇に転じる傾向がありました。もう一段の大きな下落が起きることも想定しておく必要がありそうです。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。9月の下落幅は-2.22%となり、8月の安値を割り込んでいます。
ダウの週足チャートです。先週は-1.86%の下落でナスダックと同様に上昇トレンドラインを割り込んでいます。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落を続けています。過去の傾向を確認すると、2022年6月、2022年9月、2023年3月のように-35を超えて下落した後に反発する傾向がありました。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。9月の下落幅は-4.19%に達し、8月の安値を割り込んでいます。
S&P500の週足チャートです。先週は-2.92%の下落で、他の株価指数と同様に2022年10月から始まった上昇トレンドラインを割り込んでいます。8月以降高値と安値を切り下げて下落を始めており、週足で下落トレンド入りしています。
S&P500の銘柄のうち50日平均線を超えている銘柄の割合は下落トレンドを続けており、売られ過ぎの水準に近づいています。過去の動きを振り返ると、2022年6月、2022年9月、2023年3月に-35の水準に達した後に反発する傾向がありました。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。9月の下落幅は-6.52%となり、7月と8月の安値を割り込んでいます。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-3.97%の下落で5月から始まっていた上昇トレンドラインを割り込んでいます。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく下落し、売られ過ぎの水準に達しています。
コモディティ先物の分析
原油は-0.97%と小幅な下落で横ばいの動きとなっています。6月から始まった上昇トレンドを維持しています。
天然ガスは-0.26%と横ばいの動きとなっています。過去3ヶ月に渡って変動幅が小さくなってきています。
金は-0.03%と横ばいでした。週の前半に上昇した後に下落してやや大きな上ヒゲを付けた十字線になっています。
銅は-2.76%の下落でした。週単位で上昇と下落を繰り返す動きを継続しています。
小麦は-4.10%の下落で再度5月の安値に近づいています。
セクター分析
先週はすべてのセクターが下落しました。特に一般消費財、不動産が大きく下落しています。
業種別のパフォーマンスを確認すると、ビジネス機器、紙製品、医薬品流通、健康保険等の一部は上昇しましたが、全体としては下落しており、特に銀、REITオフィス、住宅ローン、自動車、リゾート・カジノ、銅が大きく下落しました。
個別銘柄の分析
先週は相場全体は下落しており、大型株ではAMZN、TSLA、INTC、GOOGの下落が特に大きくなっています。上昇した銘柄は、製薬(AMGN)、銀行(MUFG、SMFG)、保険(PGR)、健康保険(UNH、HUM)、医薬品流通(MCK)、物流(FDX)、石油ガス(COP)等の一部の銘柄のみとなっています。
今週の戦略
先週のFOMC議長会見において、9月の利上げは行わないことが発表されたものの年内の利上げの可能性を残し、高い金利を長期に渡って維持するタカ派な発言に反応して長期金利が上昇し、株式相場は大きく下落しました。先週末の時点でスイングトレードのポジションはごく一部を残してクローズしています。
いずれの株価指数も短期的には売られ過ぎの水準に近づいており、今後の数週間から1ヶ月程度で反発してくる可能性が高くなってきていますが、反転の兆候が見られるまでじっくり待ちたいと思います。待っている間は、相場全体が下落している中で下落せずに踏みとどまっている銘柄、下落からいち早く反転してくる銘柄を中心に監視リストを日々見直していきます。
監視銘柄
先週の下落で上昇トレンドを終えた銘柄を取り除き、監視銘柄のリストを整理しています。新たにCAMT、CWAN、FRO、GSHD、DBI、REVG、SCSを追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はCTAS、COST、PAYX、MU、NKE、CCLの決算に注目したいと思います。
9/25
- THO
9/26
- CTAS
- FERG
- COST
- MLKN
- PRGS
9/27
- PAYX
- CNXC
- FUL
- JEF
- MU
- NAPA
- WOR
9/28
- ACN
- JBL
- KMX
- NKE
9/29
- CCL