先週の米国相場は8月前半の調整から力強く反発し、短期的に下落基調だった相場の雰囲気が変わりました。株式指数だけでなく商品先物についても力強く上昇しました。投資家心理も8月は弱気派が増加を続けていましたが、強気派が盛り返してきています。
先週は中規模のハイテク成長株の決算発表がありましたが、市場予想を上回る銘柄が多く見られ、出来高を伴って非常に強い買いが入っています。
今週は月曜日が祝日で株式相場はお休みで、経済指標も特に大きな発表はなく、決算発表を予定している銘柄の数も多くはありません。9/7から9/8にかけてFOMCのメンバーが会見する予定が入っていますので、それらに対する相場の反応を確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
前週と比較して強気な投資家が若干増え、弱気派がやや減少していますが、まだ弱気な投資家の方が多い状態です。先週は株式相場は上昇しましたが、投資家心理については過熱感はなく、トレードするには良い相場環境と言えそうです。
米国債10年物利回りは-1.37%下落しました。7月後半から始まった短期の上昇トレンドは下にブレイクして終了しています。ただし、週の前半に下落したのちに戻して大きめの下ヒゲをつけていますので、ここから再度上昇する可能性も残っています。
VIXは-16.53%と大幅に下落しました。13.08まで下がり、2020年前半の水準まで戻っています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。 8月は前半に大きく下落しましたが、最終週に持ち直して大きな下ヒゲをつけて終えています。8月の終値が7月の安値を下回らずに終了していますので、上昇が続く可能性が高くなっています。
ナスダックの週足チャートです。先週のナスダックは+3.71%と力強く反発してきました。2023年初から始まった上昇トレンドのラインでしっかり反発してきており、上昇トレンドを維持しています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落から上昇に転じています。短期的には買われ過ぎの水準(20から30以上)に達するまでは上下動作を繰り返しながらも上昇していく確率が高いと思います。
ナスダックの高値–安値銘柄数はプラス圏に復帰しています。MACDが上にクロスし上昇トレンドに入っています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。8月はナスダックと同様に前半は下落して最終週に持ち直す動きとなっています。
先週のダウは+1.41%の上昇でした。2022年10月から始まった上昇トレンドのラインで反発しています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は50%を超えて上昇に転換しています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートは、他の株式指数と同様に8月前半に下落して最後に持ち直し、下ヒゲをつけて終えています。
先週は+2.47%の上昇でした。安値を切り上げて2022年10月から始まった上昇トレンドを継続しています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、MACDが上にクロスして下落から上昇に転換しています。上目線で推移する可能性が高くなっています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。8月は他の株式指数と同様に最終週に持ち直しています。かろうじて7月の安値を上回って8月を終えています。
先週のラッセルは+3.64%の上昇とナスダックに次いで強い上昇となりました。今後、ラッセル2000が2022年後半から3度にわたって超えられていない2007の抵抗線を超えられるかどうかがポイントになりそうです。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、下落から上昇に転換しています。
コモディティ先物の分析
原油は先週は+7.52%と強い上昇で今年の高値を更新しています。安値を切り上げており上昇トレンドに入っています。
天然ガスは+8.86%上昇し、2023年4月から始まった緩やかな上昇トレンドを継続しています。
金は+1.40%の上昇でした。チャートだけ見ると、ダブルボトムのようなパターンを形成しており、ここから上昇していく確率が高そうに見えます。
銅は+2.39%の上昇でした。2023年初から始まった下落トレンドのラインに到達しています。今週以降、このラインをブレイクして上昇を続けられるかを確認していきたいと思います。
小麦は-4.22%の下落でした。短期的にも中期的にも下落トレンドになっています。5月の安値に到達したところでどのような反応をしてくるかを確認していきたいと思います。
セクター分析
先週のセクターパフォーマンスを確認すると、情報技術、通信サービス、素材、エネルギーが強く、公益事業、ディフェンシブ、ヘルスケアが弱い結果となっています。
業種別のパフォーマンスでは、コンピューターハード、アルミ、不動産、石炭、銅が強いです。医薬品小売、健康保険、公益事業が弱くなっています。
個別銘柄の動向
全体としては、ディフェンシブ(PEP、DG、MDLZ)、製薬(JNJ、PFE)、健康保険(UNH、CVS)、公益事業(DUK、SO)が弱く、その他が上昇しています。
強い上昇が見られたのは、家電(AAPL)、ソフトウェア(ADBE、SHOP、UBER)、半導体(INTC、AMD、MU)、インターネット小売(PDD)、重機(CAT、DE)、金属素材(VALE、FCX)です。
今週の戦略
先週からキャッシュ比率を減らし、スイングトレードのポジションを追加し始めました。今週も金利と株式相場の動きを見ながら直近の決算でポジティブなサプライズが大きかった銘柄にポジションを追加していきたいと思います。
今のところ、50日移動平均線を超えている銘柄の割合が買われ過ぎの水準に達するか、上昇から下落に転換し始めたらポジションを減らして様子見モードに戻るつもりです。
監視銘柄
先週の決算発表の内容を反映して監視銘柄を少し入れ替えています。先週の決算後の動きが良かったCRWD、DELLを追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はGTLB、ZS、AIの決算に注目したいと思います。
9/4
- TCOM
9/5
- ASAN
- GTLB
- HQY
- ZS
- CNM
9/6
- AEO
- AI
- CXM
- INTA
- PATH
- PLAY
9/7
- SAIC
- BRZE
- GWRE
- RH
- SMAR