【米国株】2023-05-15週の振り返りと今週の戦略（監視銘柄）

先週の米国相場では4月の小売売上高が発表され、先月比で予想0.8%に対して0.4%と消費が弱くなってきている様子が明らかとなってきました。

先週はHome Depot (HD)やFoot Locker (FL) の決算が発表されましたが、予想を下回り、ガイダンスも下方修正されています。これらの結果を受けて、アパレル、靴関連の銘柄が下落しています。

一方で、AIに関連する半導体、ソフトウェア、コンピュータハードウェアについては力強く上昇しており、ナスダックの上昇を牽引しています。

それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返ってきましょう。

先週の振り返り
今週の戦略

先週の振り返り

相場環境

S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を上回っている銘柄の割合は50%を若干下回る水準で推移しています。

S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を上回っている銘柄の割合も50%近辺で推移しています。200日移動平均線、50日移動平均線共に短期的な下落の勢いは弱くなってきているように見えます。

ナスダックの高値–安値銘柄数は34まで上昇しプラス圏に復帰しています。GAFAM、NVDAなどの大型株以外にも買いが広がって上昇するハイテク成長株が増えてきています。

VIXは16.82まで低下し、緩やかな下落を続けています。現時点ではまだ大きく上昇する兆候は見られません。

米国債10年物の利回りは+5.99%と大きく上昇しました。4月中旬の直近の高値を超えて上昇トレンドを開始しています。

ナスダックは+3.55%と力強く上昇し、当面の上値目処の2022年8月の高値に到達しています。 1月から始まった上昇トレンドのチャネルの範囲内で推移しています。

ダウは+0.40%と小幅な値動きとなっています。32900あたりで反発する動きが2回続いており、この水準が抵抗線となってサポートされています。

S&P500は+1.62%と2月の高値を上抜いてきました。この水準からさらに上昇していけるかはナスダック次第になりそうです。

ラッセル2000は+1.81%の上昇でした。明確なトレンドは現れていませんが、やや下目線で推移しています。

原油価格は+2.58%上昇し、連続の下落は4週間で止まりました。今週はここから反発してくる動きとなるかを確認していきたいと思います。

天然ガスは+14.08%と大きく上昇しました。トリプルボトムのような形となり、4月中旬の直近の高値を超えてきており、底打ちは完了したように見えます。

銅価格は+0.09%と横ばいの動きです。2023年1月から始まった下落トレンドのチャネルの範囲内で推移しています。

金価格は-1.89%の下落となり、2週連続で下がっています。週後半にやや持ち直して下ヒゲをつけて終えています。1950付近に抵抗線があるように見えますので、もう一度この水準まで下がった際に反発していけるかを確認したいと思います。

小麦価格は-4.72%で2021年4月の水準まで下落しています。2022年10月から始まった下落トレンドを継続しています。まだ下落トレンドが終了する様子は見られません。

ドル指数は+0.47%の上昇で2週連続で上昇し、短期の上昇トレンドに入っています。

セクター分析

セクター別のパフォーマンスを確認すると、情報技術、通信サービス、金融が力強く上昇している一方で公益事業が大きく下落しています。不動産、ディフェンシブも弱い動きです。

業種別に見ると、半導体、半導体装置、コンピューターハードが力強く上昇しています。旅行サービス、航空、ソフトウェア、インターネットコンテンツも上昇傾向となっています。

下落が大きい業種は、靴、ソーラー、石炭、金、公共電力、アパレル製造です。

個別銘柄の動向

半導体（NVDA、AMD、MU、TSM、AVGO）、半導体装置（ASML、LRCX、KLAC）、ソフトウェア（ADBE、NOW）、通信サービス（GOOGL、META）、エンターテイメント（NFLX）、インターネット小売（AMZN）、自動車（TSLA）、銀行（WFC、NU、TFC、PNC）、クレジットサービス（COF）、産業機械（GE）などが上昇しています。