先週の米国相場はナスダックが6月の安値を切り下げて下落し、9月の1ヶ月で10.57%下落しました。金利は若干上昇の勢いは衰えつつも短期・長期共に上昇を継続しています。
このような厳しい相場環境において、ナイキ、カーニバルクルーズなどの銘柄は決算発表後に大きく下落している一方で、バイオテクノロジー、ソフトウェア、金などの一部のセクターで力強く上昇を始めている銘柄も出てきています。
株式相場全体としては当面は下落トレンドが続く可能性が高いですが、弱気相場も後半戦に入っており、次の上昇相場を牽引する先導株が出現し始める重要な局面に差し掛かっていると思います。
今週から10月の相場が始まります。9月の大幅な下落から一旦の反発が見られるか、このまま下落の速度をさらに早めていくのか、監視銘柄の動向を注意深く観察しながら、今後の数年で大きく上昇するであろう銘柄を選定していきたいと思います。
それでは、チャートを見ながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
ナスダックの高値–安値銘柄数は一時-500近くまで下落した後に-200まで戻してきており、前週と比較すると改善が見られます。
VIXは+5.68%上昇して30以上に留まっています。まだ相場の底打ちを示すような40を超える急上昇は見られません。先週、上下に大きなヒゲをつけて終了しており、方向が転換する可能性も出てきました。
米国債10年物の利回りは+3.85%となり、上昇が続いています。2週続けて上ヒゲをつけて終えていますので、上昇の勢いはやや弱まってきているように見えます。
ナスダックは-2.87%下落して6月の安値を割り込みました。これでナスダック、ダウ、S&Pの3指数共に6月の安値を割り込みました。
今後、インフレの数字が急速に改善するなどの新たな好材料が出てこなければ、10月以降の決算発表でネガティブな結果が発表されるのに合わせて、ナスダックは9600〜10000を目指してさらに下落していく可能性が高くなってきました。
原油価格は大きな変動はなく横ばいとなっています。一旦、下落の勢いが衰えてきており、今週以降は横ばい、または上昇に転じる可能性がありそうです。
天然ガスは-0.91%と小幅な下落ではありますが、5週連続の下げとなりました。先週の下落幅は小さくチャートは上下にヒゲをつける形で終えており、下落の勢いは弱まりつつあります。
銅価格は反発して+2.08%と小幅に上昇しました。下落トレンドのチャネルの範囲内の推移となっています。ダブルボトムが形成されようとしているので、ここから上昇していくか今週の動きに注目したいと思います。
金価格は+0.99%上昇しました。6週間に渡る下落トレンドのチャネルの範囲内で推移していますが、今週以降の動き方次第で上昇に転じるきっかけとなる可能性がありそうです。
小麦価格は+4.66%となり、安定した上昇トレンドを継続しています。
セクター分析
セクター別のパフォーマンスでは、エネルギーと素材が良い結果となっています。突出して下落が大きいのは公共事業です。公共事業は、6月に急落した時と同じ動きとなっています。
業種別に見ると、石炭、銀、貴金属、金などの素材系の銘柄が強いです。先週はマカオの団体客受け入れ再開のニュースを受けてリゾート・カジノ銘柄が全体的に上昇しました。石油ガス関連も底堅く推移しています。
住宅ローン、靴が非常に大きな下げ幅となっています。公共事業は電力、ガス、水道共に下落しています。
個別銘柄の動向
上昇している銘柄は、バイオ(APLS、DNLI)、ソフトウェア(HCP、PLTR、CFLT、AZPN、WK、POSH)、医療機器(SWAV、CTKB、SILK)の小型株、石油ガス(DINO、MPC、PBF、DEN)、金(HMY、KGC、AU、GFI、SBSW)、その他金属(SILV、EMX、SGML)、石炭(BTU、CEIX、AMR)に集中しています。
公共事業の銘柄はほぼすべての銘柄が大きく下落しています。iPhoneの生産拡大を見送ることが報道されたAAPL、半導体関連(TSM、AMD、QCOM)は特に弱いです。
週間で10%以上の上昇が見られた銘柄は77件と先週の7件に比べて増加しています。
先週の動きで目立ったのは、FDA承認などの報道を受けてバイオ、製薬銘柄が大きく上昇していたことです。ソフトウェア銘柄にも力強く上昇する銘柄が出てきています。上昇している銘柄は中小型株が中心です。
今週の戦略
先週は力強く上昇を始めたいくつかの銘柄にエントリーしてポジションを構築し、現金比率を60%まで下げています。
上昇を継続する銘柄についてはこのままポジションを維持、もしくは新規にエントリーし、相場全体の動向を確認しながらタイミングを見て買い増しを進めていきます。
相場全体の下落と共に反落してしまう場合に備えて、早めに撤退できるよう損切りラインは日々見直していく予定です。
保有銘柄
- AZPN
- HLIT
- RVNC
- MAXN
- MODN
- XMTR
監視銘柄
今週は、バイオ、ソフトウェア、通信機器、製薬を中心に監視していく予定です。
保有・監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週も先週に引き続き決算発表は少ないです。上昇トレンドを維持しているRELL、LWの決算に注目したいと思います。
10/5
- RPM
- RELL
- RGP
10/6
- LW
- AEHR
- LEVI
- STZ