先週の米国相場は長期金利の下落が止まり、原油、金等のコモディティの先物価格は下落しています。株価指数は12月に入っても小幅ながら上昇を続けています。株式相場は、買われ過ぎの水準に到達しつつもセクターローテーションを繰り返しながら割安株や小型株を中心に上昇しています。
先週発表された雇用統計は予想よりも強い数字でそれに反応して金利が上昇しました。今週はCPI、PPIの発表、FOMCが予定されています。各指標の発表とFOMC議長会見に対して相場がどのように反応するかを確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理は引き続き強気派が優勢な状況が続いていますが、前週と比較すると弱気派が増加し、11月から連続して上昇を続けてきた強気派が小幅に減少に転じています。
米国債10年物の利回りは+0.76%の小幅な上昇でした。11月後半から始まった短期の下落トレンドを継続していますが、比較的大きな下ヒゲの十字線で終えていますので、トレンドが転換する、もしくは少なくとも下落が止まる可能性が出てきているように見えます。
VIXは-2.14%の下落でした。ここ2週間は週の前半に上昇して後半に下落する動きが続いており、上昇するきっかけを探っているように見えます。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。12月に入ってからの上げ幅は+0.97%と小幅ながら上昇を続けています。
ナスダックの週足チャートです。先週は+0.50%の小幅な上昇でした。上昇の勢いは衰えていますが、6週間連続の上昇です。先週は前週の安値を割り込むまで下落したところで強い買いが入り、下ヒゲをつけて終えています。売られても新しい買い手が現れる状況であることが分かります。
ナスダックの高値-安値銘柄数は68の水準を維持して下落せずにとどまっています。まだ下落を始める兆候は見られません。
ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は買われ過ぎの水準で高止まりしています。上昇の勢いはやや弱くなってきているように見えます。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。12月の上げ幅は+0.91%で11月に続いて上昇を維持しています。
ダウの週足チャートです。先週は-0.02%と大きな変動はなく横ばいです。
ダウの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は高い数字を維持しています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇から下落に転換する際の最初の動きが見られます。少しずつ売られ始める銘柄ができているようです。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。他の株価指数と同様に12月も上昇を続けています。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.17%と小幅な上昇で横ばいとなっています。
S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は前週からやや下落しています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は35に到達したところからやや下落しています。上昇の勢いが弱くなってきているように見えます。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。12月の上げ幅は+3.95%で他の株価指数と比較して最も強い動きとなっています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+0.78%の上昇でした。10月末から始まった上昇トレンドを維持しています。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は50%を超えてきました。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けており、買われ過ぎの水準に近づいています。
コモディティ先物の分析
原油は-4.23%の下落で7週連続の下落となっています。9月後半から始まった下落トレンドを継続しています。70付近まで下落すると強い買いが入る動きが見られます。
天然ガスは-8.28%の下落でした。10月末から始まった短期の下落トレンドを継続しています。
金は2150まで上昇した後に大きな上ヒゲをつけて下落し、-3.60%下げています。
銅は-2.57%の下落でした。週の後半に上昇し、少し大きめな下ヒゲをつけて終えています。今週は上昇する可能性が高そうです。
小麦は+4.81%の上昇でした。2週連続で強い上昇となっており、下落トレンドを終えて上昇に転換しようとしています。
セクター分析
先週は通信サービスのみが強く、エネルギー、素材、ディフェンシブが弱い動きとなっています。
業種別のパフォーマンスを確認すると、医薬品小売、住宅建築、旅行サービス、航空が強く、銀、石油ガス採掘、石炭、トラック、ソーラーが弱いです。
個別銘柄の動向
先週、力強く上昇したのは半導体(AMD、ARM)、ソフトウェア(SQ、UBER)、住宅建築(LEN、DHI)、旅行サービス(CCL、RCL)です。一方でパフォーマンスが悪かったのは、石油ガス(SLB、LBRT、CNQ)、金(FNV、NEM)、トラック(ODFL、XPO)です。
今週の戦略
下落を続けてきた金利が一旦止まり、エネルギー、金属等の素材銘柄が大きく下落しています。株価指数は大型株を中心に上昇の勢いが弱くなり、買い手は旅行銘柄、住宅建築、小型株にシフトしています。まだセクターローテーションをしながら相場全体としては上昇を続けています。
株価指数は当面は横ばいから下目線で推移する可能性が高くなってきていると思いますが、株価指数の上昇が弱まってきている中で新たに力強く上昇する銘柄も出てきていますので、スイングトレードではこれらの相対的に強い値動きの銘柄、好決算後に上昇を続けていく銘柄を対象に通常より小さめのポジションで様子を見ながらトレードをしていきたいと思います。デイトレードに関しては好決算を発表した銘柄の短期的な上昇を狙ったトレードを続けていきます。
また、今週はペーパーアカウントで開発と試験を続けてきた自動売買システムを利用したトレードも本番環境で少しずつ試していきたいと思います。
監視銘柄
先週の決算発表後に上昇したGTLB、LULU、Sを監視対象に追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はORCL、ADBE、COST、LENの決算に注目したいと思います。
12/11
- BLBD
- CASY
- ODC
- ORCL
12/12
- JCI
12/13
- ABM
- CGNT
- PLAB
- REVG
- ADBE
- NDSN
12/14
- JBL
- COST
- LEN
- NX
- SCHL
- DRI