先週の米国相場は金利が下落し、株価指数、金属素材が上昇し、原油、天然ガスなどのエネルギーが下落しました。主な株価指数は3週連続の上昇となっており、下落傾向だったセクターを含めて幅広い銘柄に買いが広がっています。
11月から始まった上昇を先導してきたハイテク銘柄はやや買われ過ぎの水準に近づいており、今後の数週間は注意して値動きを観察していきたいと思います。
それではチャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理は強気派が42.6%から43.8%に増加し、弱気派も27.2%から28.1%に増加しています。強気派が優勢な状態が2週間続いています。前回、強気派が50%を超えた後に下落したタイミングが2023年7月の高値となっていました。今後の数週間で強気派の上昇が反転するタイミングを注意して観察していきたいと思います。
米国債10年物の利回りは-4.58%下落しました。高値を切り下げており、週足で下落トレンドを開始しています。
VIXは-2.61%の下落でした。4週連続で下落しています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。11月の上げ幅は+10.05%となり、7月の高値まで戻っています。
ナスダックの週足チャートです。先週は+1.95%の上昇でした。7月の高値に到達した水準でやや売られて小さな上ヒゲをつけています。今週はこの水準で売りと買いが交錯する展開になるかもしれません。
ナスダックの高値–安値銘柄数は前週から上昇してプラス圏に戻っています。MACDがクロスして上昇トレンドを継続しています。
ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は前週から上昇し、上昇トレンドを開始しています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けています。過去1年間は以下のチャートで20または30を超えたところで上昇が止まる傾向がありました。今後の数週間から1ヶ月程度で上昇が止まる可能性も想定して準備しておきたいと思います。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。11月の上げ幅は+5.80%となりました。
ダウの週足チャートです。先週は+2.01%の上昇でした。
ダウの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく上昇し、上昇トレンドとなっています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は23まで上昇しています。過去1年間では30付近、2020以前は35付近に到達すると上昇が止まる傾向がありました。30もしくは35に到達した後の相場の動きを注意して観察していきたいと思います。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。11月の上げ幅は+7.77%となりました。7月の高値の4600まで残り100となっています。
S&P500の週足チャートです。先週は+2.29%の上昇でした。3週連続の上昇となっています。7月の高値に到達するあたりである程度の売りが出てくる可能性がありますので、4600付近の動きをしっかり観察していきたいと思います。
S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続け50%(下のチャートでは0)を超えてきました。相場全体が上昇トレンドの際には50%を超えて推移することが多いのでポジティブなサインです。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は前週から大きく上昇し、20.97となっています。過去1年間で見ると35に到達すると買い手の勢いがなくなる傾向がありましたので、35付近まで上がった時の相場の反応を注意して観察していきたいと思います。
S&P500の銘柄のハイテク銘柄に絞ってみると、50日移動平均線を超えている銘柄の割合は過去1年間で上昇が止まる傾向があった85の水準に近づいています。今回の短期の上昇はハイテク銘柄が先導してきましたので、上昇が停止するのもハイテク銘柄が先行する可能性が高いです。今後の数週間にハイテク銘柄に対して売り手が優勢になってくるシナリオを想定しておきたいと思います。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。11月の上げ幅は+8.28%となっています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+5.45%の上昇でした。4%を超える上下を繰り返しており、ボラティリティが高い動きが続いています。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は前週から上昇し、安値を切り上げて上昇トレンドに入っています。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は10.76まで上昇しました。過去1年間で見ると20もしくは30を超えたタイミングで売り手が優勢となる傾向がありました。
コモディティ先物の分析
原油は-1.63%の下落でした。72まで下落した後に比較的強い買いが入り下ヒゲをつけて終えています。2023年は74を下回ると買い手が現れて下ヒゲをつけて反発する傾向がありましたので、この水準から下落したら買いが入る可能性が高そうです。
天然ガスは-2.41%の下落でした。9月から始まった短期の上昇トレンドラインを割り込みました。4月から始まった緩やかな上昇トレンドは維持しています。
金は+2.43%の上昇でした。5月から始まった下落トレンドラインをブレイクした後に、一旦トレンドラインまで戻り、反発する動きとなっています。金利が下落傾向であることも追い風となり、ここから上昇していく可能性が高そうです。
銅は先週は+4.22%と強い上昇でした。2023年1月から始まった下落トレンドのラインをブレイクしています。10月後半から出来高も増加傾向となっています。
小麦は+0.09%と小幅な値動きでした。2週連続で小さな十字線となっており、方向性を模索中の状態です。
セクター分析
先週はすべてのセクターが上昇しました。特に上昇が大きかったのは不動産と素材です。
業種別のパフォーマンスを確認すると、力強い上昇が見られたのは2023年に下落傾向であったデパート、ソーラーでした。大きく下落して割安となった業種にも買いが入る動きが見られます。先週に下落が大きかった業種は通信機器、ディスカウントストアです。
個別銘柄の動向
先週は上昇した銘柄が多い中で決算発表でネガティブなサプライズがあったCSCO、WMT、BABA、NU等が下落しています。強い上昇が見られた銘柄は半導体(INTC)、ソフトウェア(SHOP)、自動車(TSLA、RACE)、ディスカウントストア(WMT)、銀行(BAC、C)、医療機器(ISRG)です。
今週の戦略
今週はスイングトレードについては、基本的には現状のポジションを維持しながら相場の動向を監視していきます。決算発表でポジティブなサプライズがあり、決算後に数日から数週間の上昇が期待できる銘柄があればポジションを追加していきます。
やや買われ過ぎの水準に近づいているハイテク銘柄に強い売りが出てくる場合には、短期の上昇トレンドから調整に入る動きに備えて、一旦ポジションを減らしたいと思います。
デイトレに関しては、引き続き好決算でブレイクアウトする銘柄を対象にトレードしていきたいと思います。
監視銘柄
先週の決算発表後に大きく上昇したACLX、ARCT、FOUR、TWSTを監視銘柄に加えています。今週は監視銘柄の中ではANF、DLO、NVDAの決算発表があります。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はNVDA、ANF、DLO、URBNの決算に注目したいと思います。
11/20
- LEGN
- A
- BRBR
- CENT
- GBDC
- SYM
- ZM
11/21
- ADI
- AEO
- ANF
- BBY
- DKS
- J
- LOW
- TNP
- ADSK
- DLO
- GES
- NVDA
- URBN
11/22
- DE
11/23
- FUTU