先週の米国相場は、長期金利の上昇が続き、株価指数は下落していきましたが、金曜日の雇用統計の強い結果を受けて強く反発しました。投資家心理は弱気な状態が続いている一方で、株価指数は売られ過ぎの水準から上昇に転じようとしているように見えます。
週末に発生したイスラエルの戦争の影響で今週の相場はボラティリティの高い動きとなる可能性があります。特に、原油、金の値動き、イスラエル関連の銘柄の反応を注意して監視していきたいと思います。
今週はPPI、CPIが発表されます。インフレに関する経済指標の発表後の相場の反応もしっかり確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理の動きを確認すると、弱気派が優勢な状態が続いていますが、強気派が27.8%から30.1%に増加すると共に、弱気派も40.9%から41.8%に増加しています。
米国債10年物の金利は+5.03%と大きく上昇しました。引き続き上昇トレンドを続けています。
VIXは一旦20以上まで上昇した後に下落し、最終的に-0.40%の下落でした。大きな上ヒゲを付けています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。10月は+1.77%の上昇でスタートしています。
ナスダックの週足チャートです。前週の安値まで下落した後に上昇し、+1.77%の上昇で終えています。大きな下ヒゲをつけています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、下落から上昇に転じています。
ナスダックの高値–安値銘柄数は週中に一時的に-200を下回りましたが、-115まで戻して終えています。まだ下落トレンドから抜けられていません。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。10月が始まり、-0.32%の下落でスタートしています。
ダウの週足チャートです。先週は-0.32%の下落でした。一旦、6月の安値を試すような動きの後に上昇し、大きな下ヒゲをつけています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落が止まり横ばいとなっています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。10月は+0.45%の上昇でスタートしています。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.45%の上昇でした。2022年10月から始まった上昇トレンドのラインを割り込み、4200に到達したところで反発し、大きな下ヒゲをつけています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、下落から上昇に転じています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。10月は-2.07%の下落でスタートしています。2022年5月から始まったレンジの下限に近づいています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-2.07%の下げで短期的な下落トレンドを継続しています。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落が止まりました。MACDにトレンド転換の初期の兆候が見られます。
コモディティ先物の分析
原油は-8.79%と大きな下落でした。2023年6月から始まった上昇トレンドラインを割り込んでいます。
天然ガスは+13.96%と非常に強い上昇でした。上昇トレンドを継続しています。
金は-1.12%の下落でした。週後半にやや上昇して下ヒゲをつけて終えています。
銅は-2.94%の下落でした。2023年5月の安値に到達したところで反発し、下ヒゲをつけて終えています。
小麦は+4.94%の上昇でした。下落トレンドからは抜けられていません。
セクター分析
先週は通信サービス、情報技術が上昇し、エネルギー、ディフェンシブ、公益事業が下落しました。特にエネルギーの下落が大きいです。
業種別に見てみると、インターネットコンテンツ、再保険、家電、ソフトウェア、健康保険、半導体が上昇しています。一方、下落が大きいのは、空港サービス、石油ガス、デパート、ソーラー、アルミでした。
個別銘柄の動向
大型ハイテク銘柄(MSFT、AAPL、NVDA、GOOGL、META、TSLA)、製薬(LLY)、健康保険(UNH)が強く、電話通信(VZ、T)、石油ガス(XOM、EOG、MPC)、飲料(KO、PEP)が弱い動きとなっています。
今週の戦略
先週の株価指数を見ると、ダウ、ラッセルはまだ弱い動きとなっていますが、ハイテク銘柄の上昇により短期的な下落トレンドが底打ちしつつあるように見えます。先週の金曜日にスイングトレードのポジションを追加しています。
週末に発生したイスラエルの紛争に反応して、上昇を始めようとしていた株式相場にも影響があると思われます。中東全体を巻き込んだ紛争に拡大していくようであれば、先週の流れを打ち消すような動きとなり、原油、金が上昇し、ハイテク銘柄を中心に株安となる可能性があると思います。先週に大きく下落した石油銘柄やディフェンシブ銘柄に資金が戻る動きも出るかもしれません。
週明けの月曜日の相場の反応を見て、スイングトレードのポジションを追加していくか、一旦手仕舞うかを決めたいと思います。
今週の後半から2023年Q3の決算発表が始まります。引き続き、決算発表でポジティブなサプライズのある銘柄を追いかけていきたいと思います。
監視銘柄
先週に強い動きをしていた銘柄を加えて監視対象を入れ替えています。先週、特に強い動きをしていた ANET、CRWD、PANW、VRT、NVDA、TSLAに注目しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はDAL、BLK、JPM、UNHの決算に注目したいと思います。
10/10
- NEOG
- PEP
- AZZ
10/12
- CMC
- DAL
- DPZ
- FAST
- WBA
- SGH
10/13
- BLK
- C
- JPM
- PGR
- UNH
- WFC