先週に発表されたCPI、PPIはいずれも予想を上回る数値となり、インフレが再度上昇する懸念が出てきたことから金利が上昇しました。その結果、株価指数はCPI発表後には一時上昇したもののPPIの発表を受けて下落しています。特にPPIの発表後には年初から上昇を続けてきたハイテク成長株が大きく下がっています。
また、原油、天然ガスの価格が大きく下落したことで、エネルギーセクター全体が下落基調となっています。
ただ、金利が大きく上昇している割には、今のところ株式相場は全体としては大きく崩れることなく踏みとどまっており、好決算の銘柄や割安となった銘柄には買い手が現れている状況です。今後、さらに金利が上昇していく場合には株式相場にとっては向かい風となりますので、引き続き金利の動向を監視していきたいと思います。
今週は2/20の米国相場はお休みです。2/24に個人消費支出PCEの発表があります。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
ナスダックの高値–安値銘柄数はプラス圏に復帰しています。予想より高いCPIとPPIの発表を受けても大きく下落しないのは、この状況でも一定の買い手がいることを示していると言えそうです。
VIXは-2.58%下落しました。週明けに上昇したものの一旦週中に下落した後、最終的には上昇して下ヒゲをつけて終えています。
金利は+2.14%上昇しました。3.9%に到達したところで若干下落して終えています。前週から始まった短期の上昇トレンドを継続しています。今週はこのまま上昇トレンドを維持して上がっていくか、一旦調整に入って横ばいとなるのかをしっかり確認していきたいと思います。
ナスダックは+0.42%と小幅ではありますが、上昇して終えています。3週連続で上ヒゲをつけて終えており、毎回12700付近で強く売られる動きが続いています。少しずつ買い手が減り、売り手が優勢になりつつあるように見えます。
S&P500は-0.28%の下落で小幅な値動きとなっています。ナスダックと同様に3週連続で上ヒゲをつけて終えており、毎回4170付近で強い売りが発生して押し戻されています。
ダウは-0.14%と小幅な値動きで横ばいを続けています。3週連続で十字線となっており、売り手と買い手が拮抗している状態が続いています。
ラッセル2000は+1.27%上昇しました。売りと買いが交錯しているものの小型株は買い手の方が強い状況のようです。
原油価格は-4.0%下落しました。年初から上昇と下落が交互に発生しており、73〜83の範囲でレンジ相場となっています。
天然ガスは-9.51%と大幅な下落となりました。底を打つのはまだ先のようです。過去に景気が後退した局面では1.4付近まで下落していましたので、ここからさらに30%下落する可能性も想定しておきたいと思います。
金価格は-1.30%と下落が続いています。週後半には下ヒゲをつけて若干買われて終了していますが、金利の上昇が停止するまでの間は下目線で推移する可能性が高そうです。
銅価格は+2.29%と反発しました。上昇トレンドのチャネルの下限で反転し、上昇トレンドを維持しています。
小麦価格は-1.24%の下落となりました。直近の高値の800付近で売られており、720〜800の範囲のレンジ相場の動きとなっています。
セクター分析
先週のセクターのパフォーマンスを確認すると、エネルギーセクターの下落が著しいです。原油価格、天然ガスの下落を受けて大きく売り込まれています。一般消費財、ディフェンシブが良いパフォーマンスとなっています。
先週のセクターの動きをチャートで時系列で見てみると、PPIの発表後にディフェンシブ、公益事業、ヘルスケアのセクターが上昇し始めています。インフレが想定よりも長引く懸念から利上げの継続に伴う可能性が高くなっていることを受けて、早期の利上げ停止への期待から上昇していたハイテクからディフェンシブなセクターに資金が戻っているように見えます。
産業セクターは経済指標の発表に大きく反応することなく年初から安定した上昇を続けています。
業種別のパフォーマンスを見てみると、旅行サービス、石炭、ギャンブルが強い動きとなっています。自動車ディーラー、自動車パーツ、自動車メーカーなども上昇しています。大きく下落しているのは石油ガス全般、木材、金属素材(鉄鋼を除く)、農業素材です。
個別銘柄の動向
時価総額が大きな銘柄では、自動車メーカー(TSLA、GM)、旅行サービス(ABNB、BKNG)、自動車パーツ(APTV、MBLY)、通信機器(CSCO)が上昇しています。一方、下落が目立つのは石油ガス(XOM、CVX、EOG、COP)、半導体(TSM)、製薬(LLY)、クレジットサービス(PYPL)です。
先週は週間で10%以上の上昇が見られた銘柄は、106件と前の週の38件から増加しました。中小型のソフトウェア(FSLY、DOCN、PEGA、TTD、HUBS、MNDY、TWLO)、バイオテクノロジー(SGEN、MORF、MDGL)、半導体(SKYT、INDI、IPGP)に強い動きが見られます。その他の急騰している銘柄は、決算のポジティブサプライズが大きかったDKNG、ABNB、RBLXなどです。
今週の戦略
CPI、PPIの発表を受けて金利が上昇していく流れが強まっており、株式相場には向かい風が吹いている状況です。今週はポジションは小さく抑えたまま様子を見つつ、好決算を発表した銘柄を対象に短期のトレードをしていきたいと思います。
保有・監視銘柄
現在の保有銘柄はTITN、ELF、PCAR、JXN、WFRDです。
監視銘柄の中で今週注目しているのは、ABG、AIT、ATI、AX、GWWです。
保有・監視銘柄のチャートはこちら。
決算予定
今週はWMT、HD、NVDA、MELI、HEES、TMDX、FTAI、OII、LNTHの決算に注目したいと思います。
2/21
- WMT
- HD
- VAL
- UNVR
- DDS
- HRMY
- HALO
- FLR
- LECO
- TECK
- OLK
- CSGP
- CW
- KEYS
- WSC
- PANW
- CWAN
2/22
- NVDA
- ETSY
- HEES
- TMDX
- OSW
- UTHR
- TJX
- VRT
- MGNI
- PARR
- PWSC
2/23
- MELI
- INTU
- FTAI
- OII
- FTI
- LNTH
- CCOI
- BAND
- GPC
- MTZ
- PODD
- SPXC
- COLL