テーマ:金利低下×ボラ20台—“押し目中心・ヘッジ併用で、ブレイクは薄く”
先週(10/13週)の結論「押し目中心/追いは控え、ヘッジ10–15%」は概ねフィット。米10年債は4.01%まで低下、VIXは20台、Breadthは痩せたまま。今週は**決算の山(NFLX・TSLA・TXN・LRCX・INTC・KO・PGほか)**を前に、 “守り6:攻め4”で臨む。
3行まとめ
- 環境判定:金利低下は追い風だが、VIX>20とBreadthの細さで脆さが残る。
- 戦術:押し目買い+10–15%ヘッジを基本。指数の高値ブレイクは薄く、個別は決算トリガー限定。
- 配分:コア指数45–50%、ハイテク株・クオリティ12–15%、素材(銅・金)8–12%、ユーティリティ/ディフェンシブ10%、ウラン5–7%(押し目限定)、ヘッジ10–15%。(過去記事のスイッチ群と配分ルールを踏襲・微修正。 )
先週の振り返り(検証 & 反省)
- 良かった点
- “追いは控え、押し目中心”:NASDAQ100・S&P500ともに上値(NDX 25,000/SPX 6,753) で鈍化。押し目帯(NDX 24,1xx/23,7xx、SPX 6,6xx→6,53x)での分割エントリーが機能。
- 防御の効き:VIXが20台へ跳ねる場面があり、ヘッジ10–15% はドローダウンの緩衝材に。
- コモディティの役割:金が急伸(週足で4,086→4,213ブレイク)。GLD/GDXの“クッション”効果を再確認。
- 反省点
- 半導体装置の強さを過小評価(業種1W +9%台)。今週はLRCX・INTC・TXNなど決算での5分ORBをルール化して素早く。
マーケット・ダッシュボード(10/18引けの週足スナップ)
金利/ボラティリティ/Breadth
- 米10年債:4.01%。4.17%の支持帯を割り込み、次サポートは3.88%。金利低下は株の追い風だが、“悪い低下”(景気減速) にも注意。分岐は4.12/4.36/4.50/4.60%。(スイッチは過去記事継続)

- VIX:20.8。20–23=警戒レンジ、26=レッドライン。今週は“跳ねやすい”イベント帯。

- Breadth: 上昇トレンド銘柄比率 ~20% と細い。0.30/0.40が改善シグナル。

指数(週足)
- NASDAQ100:25,000レジ。押し目は24,150→23,750。
- S&P500:6,753レジ、6,527–6,600が押し。
- Dow:47,094レジ、45,421/44,831押し。
- Russell2000:2,500レジ、2,408/2,322押し。
コモディティ/テーマ
- Gold(GC):4,086を上離れ→4,213。押し目=4,086/4,000/3,915。ヘッジ兼のスイング継続。
- Copper(HG):4.97。4.83回復→5.21レジ。>5.21で順張り/<4.71で注意。
- Uranium(URA):53。55–56で上ヒゲ→一服。51.5/46.3押し目限定。
- WTI:57台、55が次のサポート。エネルギーは 戻り売り優位。
セクター&業種(直近)
- 1W:コミュサービス/不動産/生活必需品/素材/ユーティリティが上位。
- 1M:ユーティリティ +9%超、ヘルスケア・素材・ハイテクが堅調、エネルギー/金融/消費循環は軟調。

- 業種:半導体装置・銀・工業REITが強く、保険ブローカー/ITサービス/コンサルが弱い。
(上の強弱は足元のローテーション発生を示唆。配分で反映)

今週(10/20週)のシナリオ別アクション
A) ベース(確率:中)
条件:10Y 3.88–4.17–4.36%/VIX 18–23/Breadth横ばい(~0.20)。
- ロット上限 65–70%。追いは最小。
- 押し目買い:NDX 24,150→23,750、SPX 6,600→6,530で分割。
- ヘッジ 10–15%(SH/SDS or GLD/GDX)。
- タクティカル:ユーティリティ(XLU)/不動産(XLRE)を“クッション”。半導体装置は決算トリガーのみ。
B) リスクオン拡大(確率:低~中)
条件:10Y<4.12% & VIX<20 & Breadth>0.30、かつSPX 6,753↑で週足確定。
- ロット 80%上限。QQQ/IWMを薄く上乗せ。
- 素材強気:COPX/FCX(ただしFCXは今週決算→イベント後に)。
- ウラン:URA 51–52押し目のみ追加。
C) リスクオフ(確率:低~中)
条件:VIX>23 or 10Y ≥4.36→4.50% 反騰 or SPX<6,526。
- ロット 40–50%へ即縮小、 SDS/DOG 1–2% 追加。
- エネルギー戻り売り継続(WTI 55$の止まり待ち)。
指数別トレード・プラン(週足/忙しい方向け)
- NASDAQ100:買 24,150→23,750/利確 25,000前後/23,740割れ撤退。

- S&P500:買 6,600→6,530/6,753ブレイクで+2%短期/6,526割れ縮小。

- Dow:買 45,421/44,831/利確 47,094。

- Russell2000:買 2,408/2,322/2,500ブレイクでIWM薄く。

コモディティ/素材テーマの戦術
- Gold:4,086–4,000押しで追加→4,213~4,405で利確分割。株式ヘッジとしてGLD/GDX 5–8%を維持。

- Copper:4.83維持なら買い直し、5.21突破は順張り。個別はFCXを決算後に。

- Uranium(URA/CCJ):51–52/46–47押し限定。上ヒゲ明け直後は追わない。

- Energy:新規ロングは見送り(WTI 下落トレンド)。戻り売り or 触らない。

セクター配分(10/20週)
| ブロック | 目安比率 | 中身/メモ |
|---|---|---|
| コア | 45–50% | VOO/QQQ(指数は20–21EMA上の間は維持)。 |
| ハイテク株・クオリティ | 12–15% | MSFT/GOOGL/NVDA等は押し目限定。 |
| 半導体装置(タクティカル) | 3–4% | LRCX/AMAT/ASML:決算日の5分ORBのみ。 |
| 素材(銅・銀) | 8–10% | FCX/COPX/SIL。Breadth改善で増やす。 |
| ウラン | 5–7% | URA/CCJは押し目限定。 |
| ユーティリティ/低ボラティリティ | 8–10% | XLU/SPLV。ボラティリティ高止まり局面の“クッション”。 |
| ディフェンシブ | 5–8% | KO/PG/XLPなど。今週は決算も絡む。 |
| ヘッジ | 10–15% | GLD/GDX + SH/SDS(VIX>23やSPX<6,526で増量)。 |
今週の主なイベント & 決算(抜粋と戦い方)
- Mon–Tue:KO(飲料)
- Tue After:NFLX/TXN/ISRG/MAT/EQT
- Wed Before/After:APH/TSLA/IBM/BSX/TMO/SAP/ALCOA/LRCX/T
- Thu:AAL/INTC/FCX/NEM/HON/DOW
- Fri:PG/GD/HCA

基本ルール:
- 決算当日の5分ORB(寄り後5分レンジ) で短期勝負→ +3~5%で半分利確、VWAP割れ撤退。
- ガイダンス強×需給良(半導体装置/インダス資本財) は スイングに格上げ 可、ただしポジションは小さく。
兼業トレーダーの“2回チェック”運用(固定ルーチン)
- 寄付き前(米PDT 06:30/日本22:30):10Y・VIX・Breadthでシナリオ判定→ロット&ヘッジを機械的に調整。
- 引け前(米PDT 12:45/日本04:45):逆指値/トレーリング更新、翌日の注文をセット。
リスク管理ルール(再掲・厳守)
- 1銘柄リスク=口座0.5%上限。
- VIX ≥ 23 or 10Y ≥ 4.36→4.50%でロット半減+ヘッジ導入。
- Breadth < 0.12は逆張りのみ(ロット30–40%)/>0.30で循環拡大へ。
- レバETFは資金の30%以内。ビッグイベント前はポジション縮小。
まとめ
- 金利は追い風、ただしVIX>20&Breadth細い= 「建設的だが脆い」相場。
- 押し目中心 × ヘッジ常備 × ブレイクは薄く。10Y(4.12/4.36/4.50/4.60)×VIX(20/23/26)×Breadth(0.30/0.40) の数字でシナリオ切替。
- コアは指数、守りはGLD/XLU、攻めは“決算トリガー+素材(銅)”、ウランは押し目限定。エネルギーはWTIの下げ止まり待ち。
※本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。リスクは必ずご自身で管理してください。


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