テーマ:押し目中心の“選別リスクオン”+金・エネルギーを短期で添える
今週のポイント(3行まとめ)
- 米10年債利回りは4.1%台後半でレンジ内、VIXは15台。株式相場にとっては追い風だが、過度な楽観は禁物。
- 市場の“広がり”はやや弱い(上昇している銘柄の比率が低下気味)。一方で金が力強く上放れ、エネルギー・公益が相対的に強い。
- 戦略は 「押し目中心+ブレイクは薄く」。コア指数は維持しつつ、金・エネルギー・天然ガスを短期スイングで上乗せ。
先週の振り返り(要点と検証)
先週の記事の方針:
- 「押し目中心・ブレイクは薄く」。
- 小型株(Russell2000)は2,496の週終値ブレイク確認後に増やす。
- コモディティは原油65ドル維持なら短期ロング、天然ガスは3.20定着なら上値トライ。
実際の動き:
- S&P500・NASDAQ100は高値圏ながら伸び悩み。Russell2000はレジスタンス付近からやや反落=ブレイクを薄く追う方針が有効。
- 上昇銘柄の広がりは再び鈍化し、指数は強いが中身は選別的という構図を再確認。
- 原油は65ドル回復で上向き、天然ガスは急反発。短期スイングのシナリオは機能。
- 金(ゴールド) は週足で力強く上放れ。守りと攻めを兼ねる資産として再評価。
改善点:
- 小型株は 「週終値での明確ブレイク」まで我慢を継続。
- 金(GLD/GDX) はヘッジ目的から一歩進めて、短期の攻め枠も設定。
- コミュニケーション・サービスは選別的利確/縮小で回転を意識。
マーケット・ダッシュボード(現状認識)
- 米10年債利回り:4.17%前後。上は4.36%→4.50%、下は4.12% が目安。

- VIX:15台。上昇局面では17→20→23が節目。

- Breadth(市場の広がり):短期の上昇銘柄比率が再低下=“細いラリー” に回帰。
- コモディティ:
- 金(GC):3,538を上放れ、3,600〜3,800台で推移。押しは3,538/3,347。

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- 銅(HG):4.77。4.85超で上値トライが加速、4.60割れは様子見。
- 原油(WTI):65ドルを陽線で回復。上は70.7、下は61.3。

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- 天然ガス:3.20付近へ反発。3.65が上の目安、2.84は防衛ライン。

- セクター相場:
- 直近1週間はエネルギー・公益・素材が上位、コミュニケーション・サービスは弱め。

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- 1か月ではコミュニケーション・サービスとテクノロジーが依然強いが、短期は凹凸が大きい。
今週のトレード戦略(再現性重視/初心者〜中級者向け)
1) 指数ETF(週足ベースのスイング)
- S&P500(SPY):
- 押し目 6,548–6,600で分割エントリー。6,488割れ撤退。
- 6,713ブレイクは薄く追随(出来高が細い場合は見送り)。
- NASDAQ100(QQQ):
- 押し目 24,150–24,300、次は 23,747。各レベルで−1.5〜2%の逆指値。
- 24,846明確突破で半分だけ追加。
- Russell2000(IWM):
- 2,496を週終値で突破したら初動エントリー(5〜10%枠)。押しは2,388/2,322。
2) コモディティ連動・テーマ
- 金(GLD/GDX、必要に応じてSLV):
- GLD 5% をコア(守り)。
- 攻め枠:3,600近辺への押しで分割買い、3,347割れ撤退。シルバーはポジション半分(ボラティリティ高いため)。
- エネルギー(XLE/XOP, SLB等):
- WTIが65ドル維持の間のみ買い。70.7到達で半分利益確定、61.3割れで撤退。
- 天然ガス(UNG):
- 3.20定着でスイング、3.65で利確、2.84で損切り。
- 銅(FCX/TECK, COPX):
- 4.85ブレイクで順張り、4.60割れは見送り。
- ウラン(URA/CCJ):
- 46〜47の押し目のみ拾う。51接近は段階利確。
3) 決算トレード(短期・時間をかけない運用)
- 今週は PAYX(火・寄り前)/NKE(火・引け後)/CAG(水・寄り前)/RPM(水・引け後) など。
- ルール:寄り付き5分のレンジ上抜けで成行買い(5分オープニングレンジブレイク)。+3〜4%で半分利確、VWAP割れで撤退。逆方向の下抜けは同様に売りで対応。

今週のポートフォリオ配分(例)
| バケット | 目安比率 | 運用の考え方 |
|---|---|---|
| コア指数 | 40〜45% | VOO/QQQ。20週移動平均線を割れたら比率を落とす。 |
| テクノロジー(大型) | 10〜12% | 押し目限定(50日移動平均線基準)。 |
| エネルギー | 8〜10% | XLE/XOP、SLB。WTI 65ドル維持中のみ。 |
| 金・貴金属 | 6〜8% | GLDをコア、GDX/SLVは攻め枠。 |
| 素材・銅 | 8〜10% | SCCO/TECK/COPX。4.85ブレイク時に増量。 |
| ウラン | 4〜6% | URA/CCJ。押し目限定。 |
| キャッシュ&ヘッジ | 10% | SH or 短期債。VIXが23を超えたら増やす。 |
デイリー運用ルーティン(兼業でも回る仕組み)
- 寄り前の10分:米10年債利回り/VIX/Breadth/先物を確認→レジーム判定→ロット調整。
- 引け前の15分:翌日の指値・逆指値(OCO)とヘッジを更新。決算銘柄がある日は5分オープニングレンジブレイクの準備。
価格アラート(推奨)
10Y: 4.12 / 4.36 / 4.50 / 4.60|VIX: 17 / 20 / 23 / 26|SPX: 6,548 / 6,713|NDX: 24,150 / 24,846|RUT: 2,388 / 2,496|WTI: 65 / 70.7 / 61.3|GC: 3,538 / 3,347|HG: 4.85 / 4.60|URA: 46.3 / 42.8 / 51
リスク管理(シンプルに)
- 1銘柄あたりの口座リスク=0.5%(逆指値で固定)。
- VIXが23超でインバースETF(SH/SDS)0.5〜1.0倍の指数ヘッジ導入。23→20で段階的に外す。
- 決算当日の新規はロット半分、VWAP割れで撤退。
まとめ
- コアは維持、押し目中心、ブレイクは薄く。
- 金・エネルギー・天然ガスの強さを短期スイングで取りにいく。
- 判断は数字(米10年債利回り/VIX/Breadth) で機械化。時間の限られる兼業でもブレずに回せます。
免責:本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。売買の最終判断はご自身でお願いいたします。


