金利は小反発でもボラティリティは低く、指数は高値を更新。ゴールドは青天井、ウラン急騰——“選別的リスクオン”継続で押し目中心に。
今週のポイント(3行まとめ)
- 主要指数は週足で続伸:S&P500 ≈ 6,659、NASDAQ100 ≈ 24,600、ダウも高値圏。RUTは2,480の壁を前に足踏み。
- 金利4.13%・VIX15台:低ボラのリスクオン環境は維持。ただし10年債は4.12%サポート上で反発気味——“追い”は浅く。
- コモディティはコントラスト鮮明:金は3,706ドルで高値更新、ウランETF(URA)は週+17%のブレイク。原油は62ドル台で弱含み。
市況サマリー(提示チャートの要点)
- 米10年債利回り:週足4.13%(4.12%が重要サポ、上は4.36%/4.50%が天井帯)。

- VIX:15.46(低位安定)。“17・20・23”をシナリオ切替スイッチとして継続。

- Breadth(上昇トレンド比率):30%台半ばに回復も40%未満。=“広がるラリー未満”で押し目中心が基本。

- 指数(週足):
- NDX:24.6k台で高値追い。
- SPX:6,659で続伸、6,540が浅い押し目線。
- RUT:2,453、2,480の週実体抜けが循環拡大の確定シグナル。
- コモディティ:
- Gold(GC):終値3,706、3,538ブレイクで青天井。
- Copper(HG):4.63、4.708→4.854が戻りの壁。
- Uranium(URA):終値49.43、出来高伴う大陽線で高値更新。

-
- WTI:62ドル台で弱含み、65回復までは中立。
セクター/業種の資金フロー(1週間)
- トップ:通信+3.26%、テクノロジー+2.51%、一般消費+1.63%、金融+1.02%、資本財+1.00%。
- ワースト:不動産 −1.50%、生活必需 −1.41%、ヘルスケア −0.20%、エネルギー −0.06%。

- 業種上位:原料炭+13.6%、ウラン+12.8%、半導体装置+11.6%、コンピュータ・ハード+9.3%、広告+8.1%、ソーラー+5.8% など。
- 業種下位:食品小売 −5.2、住宅建設 −4.4、化学 −4.4、ヘルスケア・プラン −3.3、金融データ&取引所 −3.5 など。
- ヒートマップの主役:AAPL +4.9%、GOOG +5.7%、TSLA +7.6% が牽引。一方 NVDA −0.7%、AVGO −4.1% は一服。

結論:“メガテック+コミュニケーション”が再び主導。景気敏感ではウラン・設備・一部資本財へ循環。ディフェンシブと不動産は逆風。
全体戦略:やや強気(攻め6:守り4)据え置き
先週の「やや強気(6:4)」を維持。スイッチは不変:
- 金利 4.12 / 4.36 / 4.50–4.60%、VIX 17 / 20 / 23–26、Breadth 0.40。到達でロットとヘッジを機械的に切替。
ロット上限:80%まで。
シナリオ別アクション(兼業向けに“数字で”)
| シナリオ | トリガー | すること |
|---|---|---|
| ベース(選別リスクオン) | 10Y=4.12–4.36、VIX=14–18、Breadth=0.30–0.40 | 指数コア70%まで(VOO/QQQ)。ブレイク追いは小ロット、押し目=8EMA / 20EMA。RUT2,480実体抜けでIWMを段階追加。 |
| 拡大リスクオン | 10Y<4.12 かつ VIX<17 かつ Breadth>0.40 | QQQ/IWMを増し、素材(COPX/FCX)・ウラン(URA/CCJ)を順張り。レバETFは資金の30%以内でトレーリング。 |
| リスクオフ | 10Y>4.50(→4.60)または VIX>23 | ロット半減・新規買い停止、SH/SDSで指数ヘッジ、GLD/GDXを厚め。トータル口座リスク1%以下。 |
アセット別・具体策(週足ベース)
指数
- S&P500(SPX):6,540±40の押し目を待って拾う。6,500割れ撤退、6,700台で段階利確。
- NASDAQ100(QQQ):24.1k付近の戻り待ちで分割エントリー、直近安値−1.5%にストップ、+2%で半分利益確定→8EMAをトレーリングストップに設定。
- Russell2000(IWM):2,480の週足のブレイクアウトが条件。抜けて引けも上なら1/3→翌週続伸で1/3追加。
コモディティ/素材
- ゴールド(GC/GLD・GDX):3,538上のエリアで強気継続。3,640–3,660押しは拾い、3,700超は薄く追随。ヘッジ兼用でポートフォリオの5%維持。
- 銅(HG/FCX/TECK):4.708→4.854の上抜けで追加、4.50割れ撤退。循環加速までは小玉。
- ウラン(URA/CCJ):出来高伴う上放れ。新規は45±1の押し目のみ、5週線トレーリングで利を伸ばす。既存は週足がマイナスに転じたら1/2利確。
- 原油(XLE/XOP):WTI<65は中立〜弱気。65~70へ戻れば短期スイング、72超で強気段階へ。
セクター配分(今週のポート例・上限=口座の80%)
- コア指数 45%:VOO 25%、QQQ 20%(8EMA割れで縮小)。
- ハイテク/AI 12%:MSFT/NVDA/XLK(押し目限定)。
- 素材 10%:FCX(銅4.708上で増やす)。
- ウラン 8%:URA/CCJ(押し目限定、週足がマイナスに転じたら半分利益確定)。
- 金 5%:GLD/GDX(VIX>20で買い増し)。
- キャッシュ&ヘッジ 20%:BIL/SH(VIX>23 or 10Y>4.50でSH 5–10%導入)。
今週の注目決算(Earnings Whispers より)
MU、COST、AZO、CTAS、KBH、KMX、ACN、JBL、SNX など。
- シグナルの読み方:
- MU:半導体サプライ・AIメモリの需給→SOX/設備に波及。
- COST:消費の粘りと値上げ許容度→ディフェンシブの相対評価。
- 住宅(KBH)/中古車(KMX):金利低下メリットの実需確認。
- 戦術:決算当日の5分オープニングレンジブレイク+3%SL+同日半分利確→残りスイングの基本戦略を厳守。

忙しい兼業向け・“1日2回ルーチン”
- 寄り前06:30(PDT):10年債利回り / VIX / Breadth を一括チェック→シナリオ判定してロットとヘッジを自動で作り替え(OCO/逆指値更新)。
- 引け後13:00(PDT):当日の決算・指標を3行メモ→翌日のトリガー銘柄をウォッチに追加、トレーリング更新。
先週の答え合わせと見直し
- 指数の押し目買い → 的中(SPX/NDXが高値更新)。
- IWMのブレイク待ち → 依然“待ち”。2,480の週足実体抜け待機は継続。
- ゴールド強気 → 大幅続伸で3,538レジ上に定着。
- エネルギー抑制 → 妥当(WTI 62ドル台)。
→ よってやや強気(6:4)は据え置き。ただしBreadth<0.40・10年債利回りが4.36%超へ戻る・VIX>20のいずれかで即ロット縮小に切替。7/28週の“広がるラリー”仮説は、8/5週に一度守備へ転じた経緯を踏まえ段階運用を徹底する。
リスク管理(必ず実装)
- 1銘柄リスク ≤ 0.5%、ポート全体(ロング+ショート)で1%以内。
- VIX>23 or 10年債利回り>4.50で新規建て停止+ヘッジ導入。
- Breadth>0.40でのみ循環株(IWM/資本財/素材)を増やす。
まとめ
- 低ボラ×高値更新の“選別的リスクオン”継続。押し目中心、追いは浅く。
- キーとなる水準は「10年債利回り 4.12 / 4.36 / 4.50、VIX 17 / 20 / 23、Breadth 0.40」の3点スイッチ。数値到達で機械的に配分を変更。
- テーマは “大型ハイテク株+金+ウラン+(銅の上抜け待ち)”。不動産・ディフェンシブは弱含み、エネルギーは65回復まで中立。
本稿は情報提供であり、投資助言ではありません。売買判断は自己責任で。

