【米国株】2025-03-03週の振り返りと今週の戦略(監視銘柄)

週間振り返り

先週の米国相場は、株価指数の下落が進み、VIXが大きく上昇しました。長期金利は年初から続いていた下落が止まり小さく反発してきています。

特に大きく下落したのはハイテク大型株、金融機関、小売などのセクターでした。一方で、食品、飲料、金属素材、ヘルスケアなどの銘柄や中国株が買われており、関税の影響回避や米国の景気悪化への備えたセクター間の資金移動が発生しているようです。

先週の金曜日には大きく下落したところから力強い反発が見られ、短期的にはセリングクライマックス的な動きになっているように見えます。今後の数週間で相場全体が反発してくる可能性が高くなっています。

ただし、中期的に見るとナスダックの月足チャートは上昇相場の天井付近で現れるパターンも垣間見えるため、短期的に反発したとしても引き続き警戒が必要な相場環境と言えそうです。

今週はCPI、PPI、消費者信頼感指数の発表、ORCL、ADBEの決算発表が予定されています。

それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。

先週の振り返り

相場環境

米国債の10年、利回りは4.1%まで下落したところで反発してきています。先週は+2.43%の上昇でした。まだ下落トレンドは続いていますが、この反発をきっかけにトレンドが転換する可能性があるかもしれません。

VIXは先週は+19.16%の上昇でした。3週間連続で上昇しています。まだ上昇トレンドを続けています。先週の後半に比較的大きな上昇の後に下落しており、上ヒゲをつけて終えています。今週もこの流れを継続して下落が続くようであれば、トレンドが転換する可能性が高くなります。

上昇トレンド数の割合は、売られ過ぎの水準となる10%を大きく下回り、小さく反発する動きが見られます。今後1週間から2週間の間に強い反発が見られるかもしれません。ダブルボトム、もしくはトリプルボトムのような上下道繰り返した後に上昇トレンドに転換していくことが多いので、反発後の押し目を狙っていくのが良い戦略です。

ナスダックの分析

ナスダックの月足チャートを確認すると、3月は早くも− 3.33%の下落になっています。12月から2月までの3ヶ月間に3回の上ひげをつけてその後下落を始めており、2021年末の天井で形成されるパターンに非常によく似ており、今回の下落から反発が見られたとしても、最高値に近づいたところで売りが強くなる可能性が高いと考えられます。高値を更新してその水準を維持できることを確認できるまでは、慎重に相場の動向観察する必要がありそうです。

ナスダックの週足チャートです。3週間連続して出来高の増加を伴いながら下落を続けています。過去2年間のチャートを見ると大きめな下落が3週間続いた後反発するケースが何回か発生しています。50移動平均線まで下落したところで反発するパターンも2回ほど発生しています。これらを総合すると、今週短期的な下落から反発する可能性は比較的高いかもしれません。

ナスダックの高値安値銘柄数は反発がよく発生する− 200を割り込んだ後に強く反発し-56まで戻っています。MACDを見てもトレンドが転換する最初の兆候が見られます。もう一度−200付近まで下落した後に、トレンドが転換していくパターンになる可能性もあります。今週にプラス圏内まで復帰できるかどうかを観察していきたいと思います。

ダウの分析

ダウの月足チャートを確認すると、3月の最初の1週間を終えて−2.33%の下落となっています。10移動平均線を割り込まずにかろうじて下落トレンド入りせずに踏みとどまってるような状況です。

ダウの収支チャートです。先週はマイナス2.33%の下落でした。42,100付近にあるサポートラインで反発しています。先週は非常に大きな出来高を伴って下落した後金曜日に反発する動きが見られました。セリングクライマックスのような動きになっています。今週もまだ不安定な値動きが続くかもしれませんが、反発する可能性も高まっているのではないかと思います。

S&P 500の分析

S&P 500の月チャートです。3月の現時点の騰落率は-3.09%です。昨年の10月の最終まで戻しています。10移動平均線を割り込まずにかろうじて踏みとどまっている状況です。上昇トレンドを終えて下落を始めようとしている前段階にも見えますし、上昇トレンドの途中の調整期間にも見えます。過去4ヶ月、明確なトレンドが出ておらず、横ばいを続けています。

S&P 500の週足チャートです。3週間連続で予約をしており、先週は出来高が急増してセリングクライマックスのようなパターンになっています。5650付近にあるサポートラインで反発をしており、この流れが今週も続くかどうかを確認していきたいと思います。

ラッセル2000円の分析

ラッセル2000の月足チャートを確認すると3月の現時点の下落率は−3.94%に出しています。11月の高値からは15%を超える下落となっています。20移動平均線を割り込み明確に下落トレンドを開始しています。2030付近にあるサポートを割り込んで下落を続ける場合、中期的に低迷する状態が続く可能性が高くなります。

ラッセル2000の手話チャートを確認すると、先週は− 3.94%の下落でした。3週連続で出来高の増加を伴いながら下落をしています。先週は大きく出来高が増加しており、他の株価指数と同様に短期的なセリングクライマックスになっている可能性がありそうです。今週この水準から反発していくかどうかを確認していきたいと思います。

コモディティーの分析

原油は−4.17%の大きな下落でした。65まで下落したところで明確に買い手が優勢になるが動きが見られ下ヒゲをつけて終えています。過去2年間を振り返ると、65の水準でサポートされて、相場が転換することが多かったです。ただし、原油はこの水準でしばらく低迷して、何度も底値を試した後に上昇に転換していくパターンになることが多いです。

天然ガスは先週は+14.4%の上昇でした。直近の高値を更新して終えています。1月に大きく下落しましたが、上昇トレンドに戻っていく可能性が高くなっています。

金は先週は+2.30%の上昇でした。前週の大きな下落から反発してきている状況です。

銅は先週は+3.56%の上昇でした。33週間前の高値を超えたところで売られて上ヒゲをつけて終了しています。4.85付近に強い売り手がいるようです。この水準を明確に超えられるまでは、上値が重い状態が続きそうです。

セクター分析

先週は素材とヘルスケアを除くセクターが大きく下落しました。特に下落が大きかったのは金融と消費財です。景気悪化の可能性が高まっていることを受けて、リスクの高いセクターから金属素材、ヘルスケア、ディフェンシブなどの下落耐性の強いセクターへ資金が移動しているように見えます。この動きは過去1ヵ月間で見てもの傾向が見られます。

業種別のパフォーマンスで見ると、先週は貴金属、銀、菓子、アルコール飲料、金などが強い傾向が見られました。先週上昇していた業種の中で注目したいのは住宅建築です。長期金利の低下が進んだことで、住宅の購入意欲が戻ってきたことを反映しているのかもしれません。その他には、各国との関税の影響を受けにくい建設重機、パッケージ食品、電話、通信、家庭用品などに資金が移動する動きが続きました。

個別銘柄の動向

先週は、NVDAMETAAMZNTSLANFLXなどの大型ハイテク株、JPMBACK MSGSなどの金融機関、WMTCOSTなどのディスカウントストアが非常に大きく下落しました。その一方で、VZCMCSAなどの電話通信、BABAPDDJDなどの中国株、ABBVMRKNVSAMGNなどの製薬、MOSTZHSYなどのディフェンシブ銘柄が上昇しました。

今週の戦略

2月後半から始まった下落も3週間が経過し、先週末にセリングクライマックス的な出来高の増加が見られたこと、相場全体が売られ過ぎの水準を下回って推移していること、ナスダックの高値安値銘柄数が反発のサインとなる-200を明確に割り込んだ後に判定していることなどから、今後の数週間の間で反発する可能性が高まってきていると思われます。

今週は、相場全体のトレンドが下落から上昇に転換するのを確認できたら、今回の下落の中で大きく売られずに踏みとどまっている監視銘柄を対象にポジションを作っていく予定です。

短期的には反発の可能性が高くなっている一方で、ナスダックの月足チャートを確認すると、中期のトレンドが横ばいから上昇トレンドに戻れるかどうかはまだ明確になっていませんので、アグレッシブになりすぎないように注意して様子を見ながらトレードしていきたいと思います。

スイングトレード監視銘柄

先週の決算発表の後に力強く上昇していたOKTAZSVEEVを監視対象に追加しています。

監視銘柄のチャートはこちら。

Stock Screener - Charts ADEA,ALHC,ARIS,AVGO,BF-B,BK,CHEF,CRSR,CWAN,DOCS,EFC,EXEL,EVER,EXPE,GRMN,HEI,IBM,MELI,NTNX,OKTA,PEN,PLD,RBA,SPOT,SSRM,TTWO,URBN,VEEV,VICR,ZS ticker
Stock screener for investors and traders, financial visualizations.

今週の決算発表の予定

今週はORCLASANDKSADBEの決算に注目です。

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