先週は大手銀行の決算発表が行われ、2024年第三四半期の決算発表シーズンがスタートしました。JPM、WFC、BLKなどが市場予想を上回る決算を発表したことを受けて相場全体が上昇しています。
長期金利が上昇し、VIXが緩やかな上昇を続ける中で、上昇トレンドの銘柄数が短期的な下落から上昇に転換しようとしています。相場全体としては買われ過ぎの銘柄の割合が多い水準のため、上昇の波は短期間になる可能性もありますが、新しく上昇トレンドが始まることが確定したらこれに乗っていきたいと思います。
今週はBAC、GS、ASML、MS、TSMの決算に注目したいと思います。今週も相場全体が上昇するかどうかは、これらの銘柄にも好決算の発表が見られるかがポイントになりそうです。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+3.40%の上昇でした。先週にトレンドが下落から上昇に転換した後、上昇を継続しています。
VIXは+6.51%の上昇でした。まだ、緩やかな上昇トレンドを維持していますが、上ヒゲをつけて下落を始めようとしているようにも見えます。
上昇トレンド銘柄数の推移は9月の中頃から始まった短期的な下落トレンドから反転して上昇を始めようとしています。まだトレンドの転換は確定していません。
ナスダックの分析
月足チャートです。現時点の10月の騰落率は+1.08%となっています。
週足チャートです。先週は+1.16%の上昇でした。20345のレジスタンスライン付近で推移しています。これを明確に上抜けていければ、新しい上昇が続く可能性が高くなります。
ナスダックの高値-安値銘柄数は一時的にマイナス圏まで落ちていましたが、先週の後半に強く反発してプラス圏に復帰しています。今週、このままプラス圏にとどまることができるかがポイントです。
ダウの分析
月足チャートです。現時点の10月の騰落率は+1.34%となっています。今のところ6ヶ月連続で上昇するシナリオの可能性も出てきました。
週足チャートです。先週は+1.22%の上昇でした。42674のレジスタンスラインを超えて高値を更新しています。安定した上昇トレンドを続けています。
S&P500の分析
月足チャートです。現時点の10月の騰落率は+1.00%です。ダウと同様に6ヶ月連続で上昇するシナリオの可能性が出てきました。
週足チャートです。先週は+1.09%の上昇でした。5774のレジスタンスラインを超えて高値を更新しています。ダウと同様に安定した上昇トレンドを続けています。
ラッセル2000の分析
月足チャートです。現時点の10月の騰落率は+0.13%でプラスに復帰しています。
週足チャートです。先週は+0.93%の上昇でした。3週連続で下ヒゲをつけていて、売られて下落したら買いたいと考えている根強い勢力がいるようです。小型株には向かい風となっている長期金利の上昇が止まれば、小型株も上昇を始めるかもしれません。
コモディティ先物の分析
原油は+1.41%の上昇でした。上下に大きめなヒゲをつけており、方向に迷いが見られますが、今のところは上目線で推移しています。
天然ガスは-7.78%の下落でした。2023年以降高値を切り下げる動きと、2024年から底値を切り上げる動きが見られます。この後、安値を切り上げてから3180を上抜けられれば上昇を続けていく可能性が高まります。
金は+0.32%の小幅な上昇でした。やや大きめな下ヒゲをつけています。長期金利が上昇している中でも上昇トレンドを維持しています。長期金利の上昇が止まれば引き続き上昇していく可能性がありそうです。
銅は-1.76%の下落でした。4.37付近まで下落したところで反発して大きな下ヒゲをつけています。今週はもう一度4.37を試す動きがあるかもしれません。金利の上昇が止まればここから反発して上昇するシナリオもありそうです。
セクター分析
先週は情報技術、工業、ヘルスケア、金融が強く、公益事業、通信サービス、一般消費財が弱い結果となっています。過去1ヶ月のパフォーマンスでは不動産、ヘルスケア、ディフェンシブを除いたセクターが強く上昇しています。
業種別の週間パフォーマンスは、医薬品小売、半導体、コンピューターハードウェア、トラックが強く、公益電力、自動車、ソーラーが弱いです。
個別銘柄の動向
先週はNVDA、ARMなどの半導体、PANW、PLTR、SNPS、ZS、UBERなどの中規模のソフトウェア、ANET、DELLなどのコンピューター、JPM、WFCなどの銀行に強い動きが見られました。大きく下落しているのは自動車(TSLA)、中国銘柄(PDD、JD)、公益事業(VST、CEG)です。
今週の戦略
先週は大手銀行の決算発表を皮切りに決算シーズンが始まりました。JPM、WFC、BLKが上昇しており、決算内容は市場予想を上回ってきています。景気が減速し始めて企業業績にも影響が出始めると警戒されていた中での好決算で思わぬサプライズとなり、相場全体が上昇しているような印象です。
相場全体としては買われ過ぎの銘柄の割合が多い状態ため、短期の上昇の波になる可能性もありますが、新しい上昇トレンドが確定したらスイングトレードのチャンスを見つけて、新しいポジションを追加していきたいと思います。
今週から決算発表を予定している銘柄が大幅に増えてきます。引き続き、好決算でポジティブなサプライズがあった銘柄に注目してトレードしていきます。
監視銘柄
先週の決算発表後に強い動きが見られたAEHR、BLKを監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はBAC、GS、ASML、MS、TSM、BX、NFLXの決算に注目です。
10/15
BAC GS UNH JNJ PNC STT PGR ACI C SCHW
UAL FULT JBHT SGH IBKR OMC EPAC
10/16
ASML MS ABT USB OFG SYF PLD CFG
AA KMI REXR LBRT PPG DFS STLD CSX
10/17
TSM BX MMC TRV SNA IRDM ELV MTB WBS CMC KEY INFY HBAN
NFLX ISRG OZK FNB MRTN WAL CCK
10/18
PG AXP RF ALV CMA ALLY FITB SLB