先週の米国相場は雇用統計の発表後に長期金利が上昇しました。株価指数は小幅な値動きとなっている中、中東情勢の影響を受けて原油が強く上昇し、石油ガス関連の銘柄が上昇しました。
今週は10/10にCPIの発表、10/11にはJPM、WFCなどの大手銀行の決算発表があります。
それではチャートを確認しながら先週の相場を振り返ってきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+5.73%の強い上昇でした。4月から始まった下落トレンドラインを上抜けています。一旦、下落トレンドが終了した可能性があります。
VIXは+13.27%の強い上昇でした。7月以降は安値を切り上げながら緩やかに上昇する動きが見られます。トレンドが下落に変わるまでは、やや不安定な相場が続く可能性があります。20を超えて上昇が続く場合には株価指数の下落につながる可能性があり、注意が必要です。
上昇トレンド銘柄数の推移を確認すると、現時点のトレンドは下目線で変わっていませんが、短期的な下落から反発する動きが見られます。
ナスダックの分析
月足チャートです。10月の第一週は-0.08%と大きな動きはなく横ばいです。10月は月初の下落はなさそうです。
週足チャートです。先週は+0.13%と大きな動きはありませんでした。20345の水準を明確に上抜けられれば、さらに上昇トレンドが続く確率が高まります。
ナスダックの高値-安値銘柄数はプラス圏内で推移しており、短期的な下落から反発する動きが見られます。少し相場が下がると買い手が現れて上昇する相場が続いています。
ダウの分析
月足チャートです。ナスダックと同様に+0.12%と大きな動きはなく横ばいです。
週足チャートです。先週は+0.14%と大きな動きはありません。値動きは小さいですが、出来高は増加傾向となっています。2023年11月以降、20EMA(水色)を週足の終値が明確に割り込むことはなく、強い上昇トレンドが続いています。
S&P500の分析
月足チャートです。他の株価指数と同様に-0.09%と横ばいです。
週足チャートです。先週は+0.29%と大きな動きはありません。ダウと同様に20EMAをサポートに強い上昇トレンドが続いています。5770を上抜けて高値を更新できれば、さらに上昇トレンドが続く確率が高まります。
ラッセル2000の分析
月足チャートです。10月の騰落率は今のところ-0.79%と大きな動きはありません。8月、9月、10月と値幅が小さくなってきており、売り手が少なくなってきているように見えます。
週足チャートです。先週は-0.56%の小幅な下落でした。週後半に戻して小さな下ヒゲをつけています。先週とその前の週の下落した週に出来高が小さくなってきており、2286の抵抗線を上抜けられれば、新しい上昇局面が始まる可能性が高まりそうです。
コモディティ先物の分析
原油価格は+8.49%の上昇でした。7月から始まった下落トレンドラインを上抜けてします。明確にトレンドが変わっており、ここから短期的な上昇トレンドを開始する可能性が高くなっています。
天然ガスは-1.65%の小幅な下落でした。逆ヘッド・アンド・ショルダーのようなパターンを形成しながら底打ちのプロセスが進行中のように見えます。3.18の水準を上抜けられれば新しい上昇トレンドを開始する確率が高まります。
金は-0.01%と小幅な値動きでした。引き続き強い上昇トレンドを継続しています。小さな上ヒゲをつけた後の陰線で50EMAからの乖離率もやや大きくなってきていますので、一旦、横ばいか調整局面に入る可能性も出てきていると思います。
銅は-0.55%の小さな下落でした。4.7の水準を上抜けた後に戻しています。この水準を明確に上抜けて維持できるかどうかが今後の方向性を見定める上でポイントになりそうです。
セクター分析
先週はエネルギーが非常に強い上昇でした。通信サービス、金融、公益事業も上昇しています。素材、不動産、ディフェンシブ、ヘルスケアが下落しています。過去一ヶ月で見ると、ヘルスケアとディフェンシブ以外は上昇しています。
業種別のパフォーマンスを確認すると、先週は公共電力、石油ガス関連、ウランなどエネルギー関連が強いです。繊維製造、ソーラーが強い下落となっています。
個別銘柄の動向
先週はソフトウェア(PLTR)、インターネットコンテンツ(META)、インターネット小売の中国銘柄(BABA、PDD、JD)、石油・ガス(XOM、COP、EOG、SLB)、公益電力(GEV、CEG、VST)が上昇し、PG、KO、ULなどのディフェンシブ銘柄が比較的弱いパフォーマンスとなっています。決算後にNKEが大きく下落しています。
今週の戦略
10月の最初の1週間は株価指数は横ばいで大きな動きはありませんでした。中東情勢の影響を受けて原油価格が上昇を始めて、年初からパフォーマンスが良くなかったエネルギーセクターが上昇を始めています。
上昇トレンドの銘柄数も短期的な下落から反発する動きが見られ、3ヶ月間の調整を続けていた半導体やコンピューターハードウェアの銘柄にも上昇する兆しが見られます。
VIXが上昇傾向にある点に注意して様子を見ながら、今週はチャンスがあれば積極的にエントリーしていきたいと思います。
監視銘柄
先週の決算発表後に強い値動きとなっているAYI、RPMを監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はPEP、DAL、BLK、JPMの決算に注目です。
10/7
- NAPA
10/8
- PEP ACCD
- IDT
10/9
- AZZ HELE BYRN
- APLD ETWO
10/10
- DAL DPZ NEOG TLRY
- AEHR ODC
10/11
- BK BLK FAST JPM WFC BSVN