先週の米国相場は月曜日にVIXが60超まで急騰し、株価指数が大きく下落しました。その後、長期金利は前週の急落から反発し、週の後半には株価指数にも力強い反発が見られ週の始まりの価格まで戻して終えています。
コモディティの先物では、原油、天然ガスが下落トレンドから上昇トレンドに転換する兆候が見られます。
VIXは20まで下落しているもののやや高い数字で推移しており、今週もまだ不安定な相場が続く可能性があります。無理なトレードはせずに相場が落ち着きを取り戻すのを待ちたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+3.95%の上昇でした。前週の急激な下落から3.7%付近のサポートラインで反発してきています。
VIXは一旦60を超えるところまで上昇した後に下落し、最終的に-12.92%の下落で20台まで戻り、非常に大きな上ヒゲをつけて終えています。落ち着きを取り戻しつつありますが、極端に大きな動きをしていましたので、まだ不安定な動きが続く可能性も残っています。
米国相場の中で上昇トレンドとなっている銘柄の割合の推移を確認すると、売られ過ぎの水準に達して下落は止まっていますが、まだ上昇トレンドに転換はしていない状態です。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。8月の騰落率は-4.85%となっています。一旦大きく下落した後に戻して下ヒゲをつけています。
ナスダックの週足チャートです。先週は+0.59%の上昇で終えています。50EMAまで下落したところから力強く反発し、連続の下落は3週間で止まっています。
ナスダックの高値–安値銘柄数です。一度-200を割り込むところまで下落した後に急速に戻し、-34まで回復しています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。8月の騰落率は-3.39%となっています。38000付近のサポートラインまで下落したところで反発して下ヒゲをつけています。
ダウの週足チャートです。先週は-0.30%の小さな下落で終えています。週の前半に大きく下落した後に戻して大きな下ヒゲをつけています。出来高が大きく上昇しており、2023年3月以来の大きな出来高となっています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。8月の騰落率は-3.52%となっています。
S&P500の週足チャートです。先週は+0.25%の小幅な上昇で終えています。5090付近のサポートラインまで下落した後に急反発して大きな下ヒゲをつけています。出来高が急上昇しており、売りと買いが交錯している様子が伺えます。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。8月の騰落率は-7.93%となっています。7月の上昇分をすべて吐き出している状態です。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-1.12%と比較的小さな下落で終えています。他の指数と同様に一旦大きく下落した後に急反発して大きな下ヒゲをつけています。
コモディティ先物の分析
原油は+3.90%の上昇でした。75付近のサポートラインで反発する動きが見られます。7月から始まった短期の下落トレンドが止まる可能性が出てきました。
天然ガスは+8.95%の上昇でした。6月から始まった下落トレンドが止まる可能性が出てきました。逆ヘッド・アンド・ショルダーのパターンの最後の肩の部分を形成中のように見えます。
金は+0.15%の小さな上昇でした。上昇トレンドを維持しており、一週間の終値では最高値を更新しています。
銅は-2.68%の下落でした。5月から始まった下落トレンドを継続しています。3.96付近のサポートラインで反発するかどうかがポイントになりそうです。
セクター分析
先週はエネルギー、情報技術、金融が上昇し、素材、公益事業、ディフェンシブ、一般消費財が下落しました。月間で見ると、不動産、公益事業、ディフェンシブが強く、情報技術、一般消費財、通信サービスが下落しています。
業種別の週間パフォーマンスでは、公共電力、公共再生エネルギー、半導体装置に強い上昇が見られます。大きく下落しているのは放送、医薬品流通、医薬品小売です。
個別銘柄の動向
先週は上昇している銘柄と下落している銘柄が入り乱れており、まだら模様となっています。大きく上昇したのはMETA、TSM、ASML、PANW、LLY、NVO、CAT、CEGです。大きな下落が目立つのはINTC、PFE、VRTX、UNH、ABNBです。中規模のソフトウェア、半導体装置に強い動きが見られます。
今週の戦略
先週はVIXが急騰し、株価指数も軒並み下落して始まりましたが、大きく下落した後に強く反発し、一週間で見ると比較的小さな下落で終えています。ただし、VIXが非常に大きく上下しており、まだやや不安定な相場が続く可能性も残っています。
VIXが継続して下落し、相場全体が落ち着いて上昇トレンドを開始する銘柄が増加してくるまで無理なトレードは行わずに、相場の観察と決算発表のチェックを続けて、次の波で力強く上昇していく可能性のある銘柄を選別していきたいと思います。
監視銘柄
先週の決算発表後に強い動きが見られたFTNT、KVUE、NVMI、PH、TTD、WIXを監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はHD、NU、WMT、AMATの決算に注目です。
8/12
- GOLD
- MNDY
- PACS
8/13
- HD
- ONON
- SE
- SRAD
- INTA
- NU
8/14
- CAH
- FLNG
- GLBE
- CSCO
- STNE
- ASTS
8/15
- AIT
- BABA
- DE
- JD
- WMT
- AMAT
- AMCR
- COHR
- HRB
8/16
- FLO