先週の米国相場は、大型ハイテク株、半導体装置銘柄が売られ、小型株、地方銀行、住宅建築、REITなどに資金が移動する流れが継続しています。また、ビットコイン関連の銘柄にも買い手が集まっています。
VIXが3ヶ月ぶりに16を超えて株式相場のボラティリティが高まっています。今後、数週間から数ヶ月は調整下落が続く可能性がありますが、下落からいち早く反発する銘柄や、大きく下落することなく持ち堪える銘柄を探す良いチャンスです。
資産を守りながら次の上昇の波で強い動きを見せる銘柄を探していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+1.29%の上昇でした。下ヒゲを付けて上昇しており、短期的な下落トレンドから上昇に転換しようとしているように見えます。
VIXは+32.61%と大きく上昇し、12から14のレンジを力強く上抜けました。今週も16を超えた水準で推移する場合、今後の数週間は調整が続く可能性が高くなります。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。現時点の7月の騰落率は-1.00%です。大きな上ヒゲを付けており、調整に入る可能性が出てきました。
ナスダックの週足チャートです。先週は-3.98%の下落でした。3%を超える下落は4月以来です。出来高の増加を伴って下落しており注意が必要な状況です。まだ移動平均線は割り込んでいませんが、弱気な値動きとなっています。
ナスダックの高値–安値銘柄数は一旦200を超えるところまで上昇した後に急落し、かろうじてプラス圏内で終えていますが、下落する銘柄が増加傾向であることを示しています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。7月の騰落率は+2.84%です。最高値を更新した後、上ヒゲをつけて戻ってきています。ナスダックと比べると安定した上昇トレンドを維持しています。
ダウの週足チャートです。先週は+0.68%の上昇でした。大きな上ヒゲをつけており、短期的には下目線で推移する可能性の高いチャートです。中期的には安定した上昇トレンドを維持しており、調整後に再度上昇する可能性があります。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。7月の騰落率は+0.64%でかろうじてプラスを維持しています。
S&P500の週足チャートです。先週は-1.93%の下落でした。前の週の安値を割り込んでおり、調整に入る可能性が高くなっているように見えます。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。7月の騰落率は+6.67%となっています。2324付近のレジスタンスラインを目指す展開となっています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+1.85%の上昇でした。非常に大きな上ヒゲを付けています。他の指数と同様に短期的には下目線で推移する可能性が高そうです。
コモディティ先物の分析
原油は-4.33%の下落でした。84.4付近のレジスタンスラインから2週間をかけて反落して短期の上昇トレンドを終了しています。一旦、75を目指して下目線で推移しそうなチャートです。
天然ガスは-8.63%の下落でした。短期の下落トレンドを継続しています。まだ売り圧力が強い状態が続いています。
金は-0.89%の下落でした。2452を超えて最高値を更新した後に反落し、上ヒゲをつけて終えています。短期的には売り手が優勢な状態に見えます。
銅は-7.76%の大きな下落でした。4.3185のサポートラインを明確に下抜けしています。5月に高値を付けた後から始まった下落トレンドを継続しています。
セクター分析
先週は情報技術が-5.28%と大きく下落しました。通信サービス、一般消費財も3%近い下落でした。上昇したのは不動産、金融、エネルギーです。過去1ヶ月で見ても、不動産、金融、エネルギーが上昇し、情報技術が下落する流れとなっており、セクターローテーションが進んでいます。
業種別のパフォーマンスを見ると、住宅建築が大きく上昇した他、健康保険、放送、石油ガス装置などが上昇しています。一方、半導体関連、再生エネルギー、デパートが大きく下落しており、年初来から強い上昇を続けてきた業種から資金が抜けて直近の数ヶ月でアンダーパフォームしていた業種に資金が移動しているようです。
業種別の価格推移を確認すると、先週に下落トレンドから上昇に転換したのは、重機(CAT DE PCAR REVG)、食料品店(KR SFM)、医療機器・用品(ISRG ALC)、石油ガス装置、鉄道(CP CSX UNP)です。
個別銘柄の動向
先週は引き続き大型ハイテク株が売られ、それ以外のセクターに買いが広がる動きとなっています。特に強かったのは、住宅建築、地方銀行、ビットコイン関連です。先週は銅、産業向け金属、公共電力(再生エネルギー)が大きく下落しています。
今週の戦略
VIXが大きく上昇し、株価指数のチャートが上ヒゲをつけて短期的に調整に入る可能性が高くなっています。今週はGOOG、TSLA、V、TXN、NOWなどの多数の決算発表が予定されています。決算発表後に大型ハイテク株に買い手が戻る動きが見られるのか、それとも先週の流れを継続して調整に入っていくのか、各銘柄の決算とガイダンスの内容を追いかけていきたいと思います。
今週は決算発表でポジティブなサプライズがあり、上昇する銘柄のみを対象にした短期のスイングトレードに徹したいと思います。
監視銘柄
今週はセクターローテーションと共に買われる銘柄に変化が見られましたので、監視銘柄の入れ替えを大きめに行っています。先週の相場で値動きが良かったCOIN、ERJ、GWRE、TOST、WIX、WM、決算発表後に力強い上昇が見られたISRGを追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はGOOG、TSLA、LMT、V、TXN、KLAC、NOW、SPOTの決算に注目です。
7/22
- VZ
- KSPI
- IQV
- AGYS
- LOGI
- MEDP
- BRO
7/23
- LMT
- MCO
- MSCI
- KMB
- UPS
- KO
- DHR
- GE
- SHW
- MMYT
- AOS
- GM
- PCAR
- SPOT
- GOOG
- TSLA
- V
- TXN
- ENPH
- COF
- PFSI
- WFRD
- PKG
- FTAI
7/24
- APH
- VRT
- NEE
- TMO
- TECK
- KBR
- FI
- CHKP
- TMHC
- LII
- EVR
- BSX
- T
- CLS
- KLAC
- NOW
- AMP
- CMG
- F
- NEM
- IBM
- LVS
- PEGA
- PI
- RJF
- URI
- WM
7/25
- ABBV
- LAZ
- XPRO
- MAS
- TW
- RPM
- RPH
- CRS
- FSS
- FIX
- DECK
- FTI
- CARR
- TFII
- APPF
- TXRH
- ALSN
7/26
- TROW
- SAIA
- BEN
- BMY
- WT
- BAH
- MMM
- CL