先週の米国相場は、週の前半は長期金利が上昇し、株価指数は下落して始まりましたが、PCEが発表された金曜の後半に持ち直して一週間を終えています。
セクター別に見ると、ソフトウェア銘柄が全体的に下落した一方で、エネルギー、公益事業、金融が上昇しており、セクターローテーションが進行しています。また、大型株が下落する一方で小型株が持ち直す動きが見られます。
今週はISM製造業指数、ISMサービス業指数、雇用統計の発表が予定されています。特に雇用統計の発表後の長期金利の動きに注目したいと思います。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+0.78%で小幅な上昇でした。週の後半に下落して上ヒゲをつけていますが、週足の上昇トレンドは維持しています。
VIXは+8.31%の上昇でした。週の前半に大きく上昇した後に下落し、比較的大きな上ヒゲをつけています。一時は14を超えて上昇し、その後12.91まで下落して終えています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。5月は最終的に最高値を更新して+6.51%の上昇で終えています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-1.51%の下落で、最高値を更新した後に短期的な調整が入っている状態です。10EMA付近で反発する動きが見られます。この水準を割り込む場合は下落が進む可能性がありそうです。
ナスダックの高値–安値銘柄数はプラス圏内にとどまっているものの短期的には下落トレンドとなっています。下のチャートがマイナス圏に入ってさらに下落が続く場合は、ナスダックの調整下落が進む可能性が高くなります。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。5月は月の前半に上昇しましたが、後半に失速して+2.44%の上昇で終えています。
ダウの週足チャートです。先週は-0.88%の下落でした。一度大きく下落した後、週の後半に37900付近で反発して持ち直して下ヒゲをつけて終えています。先週の高値(始値)の39000を越えられれば短期的な調整を終えて上昇に転換していく可能性があります。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。5月は最高値を更新して+5.17%の上昇で終えています。
S&P500の週足チャートです。先週は-0.37%の小幅な下落でした。5190付近で強く反発して下ヒゲをつけて終えています。5190の水準を割り込んだ場合は短期的な調整が続く可能性があります。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。5月は+5.25%の上昇でした。4月の調整下落からは反発して戻ってきていますが、まだ4月の高値の2142の水準は越えられていません。この水準を越えられれば上昇する可能性が高くなりそうです。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+0.25%の上昇でした。先週は下落で始まった後に2025付近で反発して大きな下ヒゲをつけています。先週の高値の2090付近を越えていければ短期的な上昇していく可能性が高そうです。
コモディティ先物の分析
原油は-0.82%の下落でした。76から80のレンジ内で推移しています。比較的大きな上ヒゲをつけており、弱気なチャートとなっています。76の水準を割り込む場合は下落が進む可能性があります。
天然ガスは+2.66%の上昇でした。週の前半に上昇したものの2960付近の抵抗ラインを越えられずに下落して終えています。2960の水準を越えられれば上昇する可能性が高くなりそうです。
金は+0.48%の小幅な上昇でした。10週移動平均の上で推移しており、上昇トレンドを維持しています。
銅は-3.19%のやや大きめな下落でした。4月から5月にかけての急上昇の後、2週連続で下落しています。4.56のサポートライン、もしくは10週移動平均線を割り込んで下落する場合は短期的な調整が続く可能性が高そうです。
セクター分析
先週はエネルギー、公益事業、不動産が強く上昇しました。弱い動きだったのは、情報技術とヘルスケアです。特にエネルギーは原油価格の下落に反して上昇しており、買い手が戻ってきている様子が伺えます。
業種別に見るとペーパーカンパニーが非常に強く上昇しました。その他には、ソーラー、靴、石炭、アパレル、海運、ウランなどが上昇しました。ソフトウェア、ギャンブル、医療情報、ITサービスなどソフトウェア関連の業種に弱い動きが見られました。
個別銘柄の動向
先週はソフトウェア(MSFT、ORCL、CRM、SAP)に下落している銘柄が集中しています。上昇したのは電話通信(TMUS、VZ)、ディスカウントストア(TGT)、医療施設(HCA)、ソーラー(ENPH、FSLR、NXT)、石油ガス(XOM、CVX)、銀行(MUFG、SMFG、UBS)、靴(NKE、DECK、ONON、BIRK)、アパレル(GPS、ANF、BURL)、公共電力(NEE、GEV)でした。
今週の戦略
先週はソフトウェア関連の銘柄全般が下落した一方で、エネルギー、消費関連、金融などの多くのセクターが上昇して相場全体としては横ばいの一週間でした。5月の1ヶ月間で見ると株価指数はすべて上昇して終えています。
ナスダックの高値-安値銘柄数が下落トレンドとなっており、ハイテク関連の銘柄にはやや弱気な傾向が見られるものの、金曜日に株式相場全体に強い買いが入り力強く反発する動きが見られましたので、その流れを維持して上昇が続く場合は、今週は相場全体としては上昇していく可能性がありそうです。好決算の発表後に強く上昇し、先週に調整した銘柄を中心にスイングトレードのエントリーのチャンスを探していきたいと思います。
今週は決算発表を予定している銘柄はやや少なくなってきました。今週はCRWD、IOTの決算発表に注目です。
監視銘柄
先週の決算発表後に強い動きが見られたCAVA、DKS、GPSを監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週、監視銘柄の中で特に注目している銘柄はAPP、ASPN、ITRI、WIXです。
今週の決算予定
今週はCRWD、REVG、IOTの決算に注目です。
6/3
- SAIC
- HQY
6/4
- FERG
- BBWI
- CNM
- CRWD
- PVH
- VRNT
- GWRE
6/5
- LE
- HIBB
- REVG
- OLLI
- BASE
- VSCO
- SMTC
6/6
- NX
- AVO
- DOCU
- IOT