2024年の米国相場は長期金利の上昇と共にハイテク銘柄を中心に下落して始まりました。ハイテク銘柄が下落する一方で、ヘルスケア、通信、エネルギー、海運が上昇しています。
昨年12月の買われ過ぎの状態から調整に入っており、長期金利が再度下落に転じるまでは株式相場全体としては下目線から横ばいで推移する可能性が高いように見えます。
今週後半から大手銀行株の決算を皮切りに決算シーズンが始まります。決算発表をきっかけに力強く上昇する銘柄を見つけてトレードしていきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+4.76%の上昇で10月後半から続いた下落トレンドをブレイクしています。
VIXは+7.23%の上昇でした。週の前半に上昇した後に下落して大きな上ヒゲをつけています。チャートだけ見ると今週は下落する確率が高そうに見えます。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。2024年1月は-3.02%の下落で始まっています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-3.02%と比較的大きい下落でした。12月の後半の上昇を打ち消す動きです。金曜日に10EMA付近まで下落したところで反発して小さな下ヒゲをつけています。
ナスダックの高値銘柄数–安値銘柄数は大きく下落して17まで下がり、短期的には下目線で推移しているように見えます。
ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落トレンドに転換しています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄についても同様に下落トレンドに転換しています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。2024年1月は-0.53%と小幅な下落で始まっています。
ダウの週足チャートです。先週は-0.53%の下落でした。ナスダックと比較すると小さな下落にとどまっています。
ダウの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は年初も上昇を継続しています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、上昇が止まって横ばいを続けています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。2024年1月は-1.45%の下落で始まっています。
S&P500の週足チャートです。先週は-1.45%の下落でした。12月の2週分の上昇を取り消す動きとなっています。ナスダックと同様に小さな下ヒゲをつけて終えています。
S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は横ばいとなっています。MACDに上昇が止まるサインが出ています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇から下落に転じていますが、まだ買われ過ぎの水準にあります。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。2024年1月は-3.77%の下落でスタートしています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-3.77%と比較的大きな下落でした。10EMA付近まで下落したところで反発してしたヒゲをつけて終えています。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落トレンドに転換しています。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく下落して買われ過ぎの水準を下回りました。
コモディティ先物の分析
原油は+3.65%の上昇でした。12月以降、70〜74のレンジで推移しています。このレンジを上抜けていけば上昇する可能性が高くなりそうです。
天然ガスは+15.08%の大きな上昇でした。11月から始まった短期の下落トレンドをブレイクしています。
金は-1.06%の下落でした。上下にヒゲをつけており、方向性が定まっていないように見えます。
銅は-2.17%と比較的大きな下落で短期的なトレンドは下目線になっています。
セクター分析
先週はヘルスケア、公益事業、エネルギーが上昇し、情報技術、一般消費財が大きく下落しています。
業種別に見ると、海運、石炭、製薬が良いパフォーマンスとなっています。一方で大きく下落したのは、ソーラー、自動車パーツ、アルミ、住宅ローン、自動車ディーラーです。
個別銘柄の動向
ハイテク銘柄(AAPL、AMZN、TSLA、AVGO、AMAT)を中心に大きく下落する動きが見られました。一方で、通信(VZ)、製薬(LLY、MRK、NVS)、銀行(C)、保険(ALL)、エネルギー(SU)が上昇しています。
今週の戦略
2024年の年初は長期金利の上昇によりハイテク成長株を中心に大きめな調整から始まっています。代わりに通信、ヘルスケア、エネルギーなどのセクターに投資資金が移動しています。
ごく短期で見るとハイテク成長株は売られ過ぎの状態になっており、先週の金曜日に反発する動きを始めた銘柄が出てきています。今週は先週に大きく売られた銘柄を中心に短期的に反発してくる可能性がありそうです。ただ、今はまだ12月に上昇し過ぎた分が巻き戻った状態で、相場全体としてはもうしばらく調整か横ばいを続ける可能性が高そうに見えます。
スイングトレードについては業種全体が上昇している海運、石油タンカー、製薬、バイオを中心に監視していきたいと思います。
今週から銀行銘柄を中心に決算発表が本格的に始まりますので、決算発表をきっかけに上昇する銘柄を対象にしたデイトレードも実施していきたいと思います。
スイングトレード監視銘柄
先週の相場で大きく下落してチャートが崩れた銘柄を除外し、上昇トレンドのセクターの石油タンカー、海運、製薬、バイオの銘柄を追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はPEP、AEHR、DAL、JPM、UNHの決算発表に注目したいと思います。
1/8
- CMC
- HELE
- ACCD
- JEF
1/9
- ACI
- AYI
- NEOG
- PEP
- SNX
- AEHR
- AZZ
- SGH
- WDFC
1/10
- KBH
1/11
- INFY
1/12
- BAC
- BK
- BLK
- C
- DAL
- JPM
- UNH
- WFC
- WIT